煩雑な計算を自動化、請求忘れも防げる。専属の経理のようなfreee請求書 

penlight 代表 遠山 怜 さん

課題
バックオフィスの体制構築・効率化

私たちが書店で手に取るさまざまな本。それを生み出し、世に送り出す仕事をされている、penlight代表の遠山怜さん。出版エージェント、ノンフィクションライターとして、数々の興味深い本の企画や制作を手掛けています。


遠山さんは、独立時の開業届の提出をきっかけに、freee会計、freee請求書を活用するようになりました。個人事業主として一人で多くの業務を抱えるなかで、freeeのサービスを使うことで、煩雑になりがちな請求業務を効率化しています。遠山さんの手がける業務と、そのなかでfreeeのサービスを使うことによる変化を伺いました。


出版エージェントとして、さまざまな本の制作に携わる

penlight


――遠山さんの事業の内容をお教えください。

遠山さん(以下、遠山): 出版エージェント業とブックライティング、販売促進のサポートという、大きく分けて3つの仕事があります。


出版エージェントは、作家さんと出版社の間に入る仕事です。作家さんと一緒に企画を考えたり、出版社への営業を行ったりしています。また、本を出すことが決まったら出版社の編集者と一緒に編集サポートも行います。


ライティングは、主にノンフィクション・ビジネス書のブックライティングを行なっています。販売促進のサポートは、経営者の想いや理念を言語化して発信し、世の中に浸透させるお手伝いをしています。


長期の案件と短期の案件を合わせて、年平均で20~30件ほどの案件を手がけています。


――顧客としてはどのような方が多いのでしょうか?

遠山: 他に事業を持つ傍らで執筆業をされている方や、経営者の方などが多いです。新規のご依頼が6割、以前から継続したご依頼が4割といった感じでしょうか。作家さんやライターの方など都内近辺在住の方が中心ですが、なかには地方にいらっしゃる方もいます。


――事業をはじめたきっかけはどのようなものだったのでしょうか?

遠山: 昔から本が好きで、本に携わる仕事がしたいとは思っていました。しかし大学卒業後は、最初は世の中に情報を広げる表現手法を学びたいと考え、広告代理店の制作会社に勤めました。その後にやはり自分の一番関心の高いことに挑戦したいと決意し、別の会社に転職し出版エージェントとして働きはじめました。


その会社に4年ほど勤めたのですが、出版業界が年々厳しい状態に置かれていることはひしひしと感じました。


出版エージェントとして、作家や作家希望者、出版社にとってどのような役割でいる必要があるのか。これからの社会でどういった価値提供ができるかを考えるうちに、書く人、書きたい人、そして出版文化を支えるために、会社の既存のフレームの上ではなく、自分で何か新しいことをしなくてはならない。それが起業の重要なポイントとなりました。


現在は、個人事業主として独立して1年目で、業務はすべて一人で担当しています。


これまでの印象的な本、これからのより良い本のために

penlight


――これまでに手がけた本で特に印象に残っているものをお教えください。

遠山: 独立して最初にブックライティングを手掛けた、『レズ風俗で働くわたしが、他人の人生に本気でぶつかってきた話』という本は、とても心に残っています。


この本はレズ風俗の女性オーナー橘みつさんへの取材を基にしたノンフィクションで、私がそのオーナーの方にお声かけさせていただき、橘さんを著者としてプロデュースからブックライティングまでを行いました。


橘さんがお仕事の中で出会ってきた様々なお客さまやそのやり取りについて、書籍化するためにはプライバシーに配慮して、個人情報や具体的なエピソードは排除しなくてはなりません。そのうえで、個別のエピソードの中で見出された女性たちの苦しみ、悩み、置かれた状況から「女性たちが何に苦しみ」「何を求めてレズ風俗に来るのか」「そしてその先にあるもの」を橘さんと綿密に再構成し直し、それを架空の話として組み立て直しています。


橘さんの高い観察力と言語化力、お客様との関係性の深さ、心の機微を汲み取る繊細さがあったからこそできた作品です。また、単に一方的に取材するだけではなく対話しながら執筆を進めた珍しい取材スタイルを取った書籍です。現代の言い方ではフィクションとノンフィクションの間ということでセミフィクションとも称されますね。


また、『上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門』という本も印象に残っています。この本は、著者にお声かけして担当した本のなかで一番最初に書籍化されたもので、3万部以上売れたベストセラーの本でもあります。


penlight


――遠山さんがお仕事において大切にされていることを教えてください

遠山: 皆さんが聞き及んでいる通り、出版業界は厳しい業界です。本を定期的に読む人も年々減りつつありますし、本を買う読者層も新しい層に入れ替わらずに高齢化が進んでいます。また、情報化社会になったことで1日に流通する情報が爆発的に増え、動画配信サービスなどコンテンツ産業も分散化した現在、有益な本や名著が出てもほとんど知れ渡らず、すぐに書店から返本されてしまう現状があります。


それでも、書きたい人が作品を出せる、出し続けられる、そしてその活動を支える業界もビジネスとして成立する社会を作りたい。厳しい状況は今後も続きますが、その中で良い作品を作りたいという人の光でありたい。その気持ちでいつもいます。


そのために自分が持つ「企画力」「ヒアリング力」「執筆力」「営業力」、「多様なジャンルを横断して繋げられる力」を活かして、多方面からサポートし続けたいと思います。


声なき声を聞き、伝えることを続けていきたい

penlight


――今後、目指す業務の方向性や展望をお教えください。

遠山: 声なき声を最初に聞く、ということを大切にしていきたいです。


SNSの普及などで、社会的に問題について声をあげる動きは年々高まってはいますが、実際にそうして行動できる人は限られています。多くの場所で、多くの人が、誰にも言えない悩みや葛藤を抱えています。本来は社会みんなで問題を負うべきことを一人で抱えてしまっている。誰にも聞き届けてもらえないと嘆く人はとても多いのです。


そんななかで、何もないところでも、なんの一声もかからなくても、そんな声を聞き分けられるようになっていきたい。そしてそれをどう伝えれば人に届き、社会を少しでも変えていけるのか考えて行動していきたいです。ですので、色んな業界、それこそ街に佇んでまだ誰も発見していない、時代のうねりを肌で感じていたいなと思います。


出版エージェントとしての仕事以外では、クリエイター向けのプラットフォームで創作にまつわる漫画やイラストを自分で描いています。書きたい、表現したいという人を様々な方法で支えていきたいですね。どんな人でも光を当てられる権利があり、その人自身が光なんだと思います。


開業を入口に、freee会計・freee請求書の使いやすさを実感

penlight


――freeeのサービスを使うようになったのは、何がきっかけでしたか?

遠山: 独立してすぐ、開業届の提出にfreeeを使ったことがきっかけです。最初は税務署の窓口で手続きをしようかと考えていました。ただ、書類提出などが大変そうだと思っていたところ、freee開業のサービスを知り、スマホで簡単に提出が完了しました。その流れで、freee会計も利用するようになりました。


――他の会計ソフトも検討されましたか?

遠山: 会計ソフトは必須だと考えていたので、freee会計を含め、3つほど会計ソフトを比較検討しました。


そのなかでfreee会計は、複雑な手続きをビジュアル化して簡易化できたことが決め手となりました。また、このクオリティであれば請求書も管理しやすそうだと考えました。


前職では他社の会計ソフトを使っていたのですが、開業してからはfreeeに一本化しています。他社の会計ソフトのほうが、初心者にとっては分かりやすい点もありますが、使い慣れるとfreeeは多様な機能を兼ね備えているので、「あの機能がない」「これがこうだったらいいのに」がないと思います。


freee請求書の利用で、請求業務が楽しみに

penlight


――一番よく使う機能は何ですか?

遠山: 請求書の機能をよく使います。最近は、月6~7件ほどの請求書を発行しています。


請求書の作成では、源泉徴収税が自動で計算されるところに感動しました。また、案件ごとに期間や内容などさまざまな業務の請求が発生するため、請求書の出し忘れが不安なのですが、請求書の作成予約やリマインダー機能があるので助かっています。


請求書の他に、見積書、領収書の作成もよく利用しています。


penlight


――freeeを使うことで、請求業務に変化はありましたか?

遠山: 以前は、請求業務は重要な業務である一方、荷が重い業務だと感じていました。


前職でまだ会計ソフトが導入されていなかった初期のころは、エクセルで請求書を作成していたこともあり、住所が被って印刷されなかったり、計算式を使っているのに電卓で確認が必要だったりして、1枚の請求書作成に1時間かかったこともありました。


しかし、独立してからfreee請求書を使うなかで、請求業務への気持ちが変わりました。源泉徴収税などの複雑な計算も自動で行われ、まるで専属の経理担当者がついてくれているようで「なんて幸福なんだろう」という気持ちにさせてくれます。


おかげで、以前は苦行のようにすら思っていた気持ちがなくなりました。日常業務のなかで、経理業務にかける時間は5%もないのではいかと思います。請求業務を行うなかで、今月の成果や来月の目標を考えることもでき、今は楽しみにすら思えるようになりました。


freeeがなければ起業できていなかったかもしれません。