カメラ+AIを活用したソリューションを提供する、株式会社AID(エーアイディー)。代表取締役社長 石川信能さんは、友人の誘いをきっかけにサラリーマンからスタートアップの代表に転身、さらに自身で会社を立ち上げられました。
会社設立からfreeeのサービスをご利用いただき、現在は、freee販売・会計・人事労務をご活用いただいています。特にfreee販売を中心的にご利用い ただき、各サービスの連携を活かすことで、業務をスムーズに回すことができているといいます。
石川さんとfreeeとの出会い、具体的にどのようにご活用いただき、どんな点を気に入ったのか、詳しく伺いました。
サラリーマンからスタートアップの代表に、各業界で注目されるカメラ+AIのソリューション
――株式会社AIDの事業についてお教えください。
石川さん(以下、石川): 大きく分けて2種類のソリューションを提供しています。
1つは、カメラとAI・画像分析を組み合わせたシステムです。たとえば、スーパーマーケットの出入口に設置したカメラの撮影データを基に、時間ごとの来店率を予測して、その予測からレジが混雑しはじめる前にレジのスタッフを増やすといったオペレーションの改善などが可能です。
このソリューションは、個別案件ごとに提供するだけでなく、お客様自身でキットのように組み立てられる、Do It Yourself型のパッケージソフトウェアを目指しています。
もう1つのソリューションは、LiDARセンサーという空間を立体的に撮影できるセンサーで取り込んだデータをAIで処理して、お客様ごとに高度なアプリケーションを提供するというものです。
いずれもBtoBのビジネスで、お客様は大手企業が中心です。 メーカーやリテール、物流、インフラ、書店、酪農など業界を問わずお声がけいただいています。それだけ多くの業界で、カメラ+AIを活用したいという考えがあることも日々実感しています。
――会社設立の経緯をお教えください。
石川: AIDの設立は2023年1月ですが、その前身として、AI Dynamics Japanというアメリカのスタートアップの日本支社がありました。
私は高校時代にカナダに住んでいたのですが、そのときの友人からの誘いで、AI Dynamics Japanの代表を務めることになったんです。当時の私はサラリーマンで、自分が起業するなんて考えてもいませんでしたが、一回きりの人生、スタートアップに飛び込んでみるのも良いかなと、代表を引き受けることを決意しました。
その後、AI Dynamics Japanは2年ほどで会社を閉じることになったのですが、そのときのビジネスを引き継いでAIDを立ち上げました。AI Dynamics Japan時代のお客様も応援してくださり、今もご利用いただいています。
――事業を引き継ぎ、展開するなかで、どのような点に苦労されましたか?
石川: カメラやAIに詳しいだけでは、ビジネスが進まないということです。
たとえば、カメラの設置では、どの場所に設置するのが一番良いか考え、高所作業車に乗って高さ5メートルの位置で作業をした こともありました。また、故障が起きて、週末の朝一に現場に駆けつけたこともあります。
ただ技術に詳しいだけでなく、泥臭いこともやっていくことが、お客様の評価につながっているのではないかと自負しています。
多岐に渡る業務のなか、freeeに助けられているところが大きい
――現在、どのような体制で事業を運営されていますか?
石川: 正社員は、代表である私とCTOの赤松の2名です。エンジニアは外部のSES企業から派遣してもらっています。
また、AI Dynamics Japanの時代から老舗のシステム開発会社と協力体制を築いており、社内インキュベーションプロジェクトの一環で、エンジニアを派遣してもらっています。このシステム開発会社からは、オフィスの設備やプロジェクト受託の面でもサポートを受けています。
プロジェクトを進めるにあたっては、CTOがプロジェクトマネージャーとなり、プログラムの構造やモジュールの指示なども行いながら、コーディングなどの手を動かす部分はエンジニアに任せるような形です。
――石川さんご自身は、どのような業務を担われていますか?
石川: プログラムを作る以外のすべてを担っています。マーケティングとセールスの領域では、リード管理から営業活 動、各種書類の作成と契約締結まで行いますし、財務的な状況把握や関連する書類の管理、給与の支払いなど、会計と労務管理も担っています。
エンジニアとして振る舞うのは、週末の趣味の時間だけですね。週末の時間を利用して、自分自身が現地に納品やセッティングに行くこともあります。もともとはエンジニアだったので現場が楽しいのですが、経営に集中してと言われています(笑)
会計や労務管理などのバックオフィス系の業務は、時間の制約もあるなかで、freeeのサービスに助けてもらっているところが大きいです。
「freee会社設立のサービスは本当に感動しました。」かゆいところに手が届くfreeeの虜に。Excelフリーで非属人化できる良さ
――freeeのサービスを使うようになったきっかけは何ですか?
石川: もともとfreeeの存在は知っていて、自分たちのソリューションにもインスパイアされたところがあります。freeeのサービスは、専門家ではない人でもツールを使うことで自分たちでできることは自分たちでやるということを実現しようとしていると感じます。
私たちが提供するソリューションについて考えると、カメラとAIを組み合わせるというサービスは他にもありますが、そのほとんどは、専門知識を持つプログラマーがお客様ごとに設計したものを納めると いう形です。
そうではなく、お客様自身に専門知識がなくても、カメラさえ用意すれば簡単に設定・運用できる仕組みを作っていきたい、技術の「民主化」を実現したいと考えているのが、私たちのソリューションです。
freeeのサービスを使うようになったのは、AID設立時に、会社設立の手続きを自分でできる方法を調べていたところ、freee会社設立のことを知ったのが始まりです。
freee会社設立を使ってみて、細かなところまで丁寧にプロセスを手伝ってくれるところに本当に感動しました。たとえば、法務局の住所が表示されたり、入力の裏でPDFが作成されたり、かゆいところに手が届く。自然に他のサービスも使いたくなりました。
その後、まずはfreee会計を使いはじめ、次に見積書の発行や発注手続きにfreee販売を使うようになり、従業員を雇うことでfreee人事労務も使うように。どのサービスも、この粒度まで準備してくれるんだという驚きがあり、どんどんfreeeの虜になっていきました。
実際に、弊社のサービスでも、freeeさんのような「こんなところまで準備してくれるんだ」というような微細な点まで作り込むという面で、すごく意識しているというか、参考にさせてもらっています(笑)
また、freeeのサービスは、スタートアップに優しい価格設定なのも使いやすい点です。
― ―freee会計・販売・人事労務をそれぞれどのように使い分けられていますか?
石川: 毎日使っているのはfreee販売です。見積書の提案から受注登録、売上認識、請求書発行、入金確認まですべてfreee販売で行なっています。
それらの上流にあたるお客様からのお問い合わせ対応もfreee販売で管理しており、案件に関することはすべて販売のメモに記載しています。リードはfreee販売の案件リストで管理しており、営業会議にも活用しています。
freee会計は、売上がたったとき、経費が発生したときなどに利用しています。freee人事労務は、月に5~6回、給与支払いのタイミングで利用しています。
――月にどのくらいの案件が稼働していますか?また、請求書はどのくらい発行されますか?
石川: 現在は8案件ほどが動いています。1~3ヶ月の短期のプロジェクトもあれば、もっと長期のプロジェクトもあります。
請求書発行は、平均して月に4~5件ほどです。短期案件は検収後にまとめて請求することも多いですが、長期の案件は月単位などのフェーズで区切って請求を行うこともあります。
――毎日使われているというfreee販売で、特に便利だと感じるところをお教えください。
石川: freee販売は、案件管理から見積書発行 、売上を認識して請求書発行するまでのプロセスがスムーズで、オンライン上で一括でできるところが良いと思います。
入金確認では銀行残高と自動連携でステータス管理を行えますし、入金を認識すると通知が来て自動的に消込がされる機能や、支払いに対するアラート機能などが特に便利だと感じます。freee会計で、振込の差額手数料などが自動で調整される機能も便利ですね。
また、freee会計・販売・人事労務というシステム間が連携しているのがもっとも好きな点です。Excel管理をする必要がなくなり、最近はExcelを使わなくなってきました。
いろいろなExcel表を管理することは業務の属人化につながります。それをなくし、業務を非属人化できるというのは、freeeのサービスのとても良いところだと思います。
胸を張って請求書を発行、ストレスフリーなのがfreeeの価値
――はじめて請求書を発行したときのことを覚えていますか?
石川: もちろん覚えています。請求書発行自体はプロセスとしてfreeeを使って粛々と行ったのですが、きちんと入金があり、自動消込が行われて通知が来たときに、「これでようやく第一歩だ」と、ビジネスがまわりはじめたことに感動しました。その後、銀行口座も確認して、改めて達成感がありました。
このときの思い、お 客様からの評価・お客様への感謝を忘れずに、これを何十回、何百回、何千回と繰り返していかないといけないなと思っています。
――freeeを使うことで、請求書発行に対するイメージはどのようなものになりましたか?
石川: 請求書を発行するタイミングは、お客様に対する検収を終えた直後、つまりお客様からの満足を頂いた直後です。なので、請求書発行に対しては「ほっ」とする気持ちがあり、同時に胸を張ってやることだと思っています。
しかも、freeeを使えばシステムのなかで完結して、30秒程度のプロセスで請求書を発行できます。請求書の発行は決まった手順に則って行う、どちらかというと形式的なものですが、お金が入ってくるというのはビジネスにとって一番のインパクトです。そこまでのプロセスをストレスフリーで回せるというのは、freeeの価値だと思います。