医療の効率や質を向上させるため、医療業界でもDXは必要不可欠。インボイス制度への対応をきっかけにfreee会計を導入したことで、今まで以上の業務効率化とコスト削減を実現

医療法人社団 仁和会 神野病院・事務長 富永 氏、経理課 主任 大西氏、経理課 中西氏

課題
バックオフィスの体制構築・効率化インボイス、電帳法対応

姫路初の整形外科専門病院として昭和39年に開院し、今年で創立60周年。「飾磨の神野さん」と親しまれ続ける医療法人社団 仁和会 神野病院では、以前より積極的にDXを進めてきました。 会計業務においてもさまざまなシステムを使ってきた中で、今回インボイス制度への対応を機にfreee会計の導入を決定。百十四銀行の導入支援サービスを利用することで、スムーズに移行作業を完了し、業務効率化とコスト削減を叶えました。

整形外科専門病院として始まり、創立60周年。
今、医療業界でもDXの必要性は高まっている。

仁和会


――まずは医療法人社団 仁和会 神野病院さまについて教えてください。


医療法人社団 仁和会 神野病院・事務長 富永氏(以下、富永): 当院は昭和39年に名誉理事長の神野泰が、姫路で初めて整形外科を専門とする病院として「神野整形外科病院」を開設したのが始まりです。それ以来、整形外科医が24時間365日常駐している病院として現在に至るまで、地域医療に貢献してきました。おかげさまで、地元では「飾磨の神野さん」と親しまれ、親子三世代にわたって長く関わらせていただいている患者様も多くいらっしゃいます。平成9年には整形外科に加えて内科も開設され、今年で創立60周年を迎えることになりました。


コロナで一時手術件数が減りましたが、一昨年の手術件数は1200件あまり、そして昨年は1400棟は103床からなり、3階60床が急性期病棟、4階43床が回復期リハビリテーション病棟となっています。


――freee導入前から、DXには積極的に取り組んでいらっしゃるそうですね。

富永: 医療の世界でもDX、DXというのは盛んに言われておりまして、それに対する評価もおこなわれるようになりました。マイナ保険証の利用や電子カルテの情報共有サービスも政府が推し進めています。理由としては人材不足というのは世の中皆同じかと思いますが、あとは医療の効率化というところですね。時代に乗り遅れないようにという思いもあり、さまざまな取組みをおこなっています。なかでも百十四銀行さんには日頃から色々とご提案をいただいており、複数のプロジェクトを一緒に進めている最中です。


freee導入のきっかけは、インボイス制度に対応するため。
百十四銀行の導入支援サービスを受けて使い方を学んだ。

仁和会

――freeeを知ったきっかけや、導入を決定された理由をお教えください。


医療法人社団 仁和会 神野病院・経理課 主任 大西氏(以下、大西): インボイス制度が始まるということで、その対応が必要だったのですが、どうしていいか本当に分からなかったんです。それに加えて、これまでは会計ソフト、仕入れや償却、自社ソフトなど、色々なソフトを使っていたため業務が煩雑になっていたので、それらもなんとかできないかなというときに、百十四銀行さんからfreeeを紹介してもらい、インボイス制度のセミナーに参加したのがきっかけです。


医療法人社団 仁和会 神野病院・経理課 中西氏(以下、中西): その頃は「インボイスの対応はお済みですか?」と営業の電話もよくかかってきておりましたが、百十四銀行さんとはこれまでのお付き合いで信頼関係が築けていたので、迷わずお願いすることに決めましたね。


大西: あと、これまではバラバラだったそれぞれのソフトに対しての保守料が発生していたんです。それが年間のコストとしてはかなり大きな金額になっていましたので、少しでも減らせたらという期待もありました。


――導入までの作業はいかがでしたか? 印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

中西: 導入支援はとてもていねいにしていただきました。ご担当者さんとは主にZoomを通してやりとりしていたのですが、私たちはZoom会議自体が初めてだったので、百十四銀行姫路支店の大林さんが同席して手伝ってくださいました。初めは会議が終わっても終了ボタンさえ押せない状態でしたから。


大西: 初めは自分たちのパソコンでうまくできなくて、大林さんのタブレットで繋いでいただきました。


仁和会


中西: そうでしたね。回を重ねるごとに、だんだん慣れていきましたね。
わからないことはその都度ご担当者さんにお伝えして、解決するようにしていました。Zoom会議では画面共有をして実際に操作しながら教えていただけたのが、すごく分かりやすかったです。Zoom以外にメールでもやりとりして、大変ていねいにご対応くださいました。


――大変だったことや苦労された点はありますか?

大西: 今まで使っていた会計ソフトとfreeeとでは勘定科目などが違っていたこともあり、それを今の病院のやり方に合わせて登録したり、取引先の登録をしたりっていうのが初めはちょっと大変でした。


中西: 業務としては、病院の売上となる患者さん一人一人のお会計は受付の医事課でやっておりまして、私たちはそれが1日分まとまったデータを受け取って処理しています。ですので、こちらでの処理は売上よりも経費の仕訳の方が多いんです。色々なところから色々なものを仕入れるので、請求が来たものを登録する作業がメインです。だからfreeeの導入においても、経費の仕訳をできるようにすることが主で、売上の方の準備はあまり必要ではありませんでした。その分、作業は楽だったのかもしれません。
ただfreeeに完全移行する前に、以前のソフトと同時進行していた時期は苦労しましたね。


大西: はい。ちょうど決算の時期と重なっていたのですが、前期と新しい期のつながりのところがすぐに確認できなかったんです。それでご担当者さんに二期分のデータを入れてもらうなどのご対応をしていただきました。


freeeにしたことで、会計事務所との連携もスムーズに。
作業時間は短縮され、単純ミスがなくなり、コスト削減も叶った。

仁和会


――業務での使い勝手はいかがでしょうか?


大西: とても使いやすいです。今までの会計ソフトだと、振替伝票を書いて、それをもとに打ち込んでいくっていう作業をしていたのですが、freeeは銀行口座と同期しているので、数字はもうはっきりしているじゃないですか。その内容を登録していくのですが、決まった仕訳は先に登録をしておけば、ピッて押すだけで、自動で帳簿付けしてくれるんです。


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中西: 「自動で経理」の機能ですよね。すごく便利です。手作業の最後に、ずらっと並んでいる中からひとつハンコを選んで押していたことを思い返すと、随分進化しましたね。


大西: 作業時間もかなり短縮されました。煩雑になっていた業務の流れが、freeeを使うことで、今見事に改善されています。


中西: あとはミスがないというのが一番良いかもしれません。
今までは請求などが上がってきたら、紙に起こして手で書いて、それをまたパソコンに入力していくっていう手作業をしていたので、その途中でミスが発生することもあったんです。
それでちょっとでも数字が合わないと、どこが違うのか時間をかけて探し出していました。結局「8」が「6」になっていたなんてことが多かったんですけど、その時間と手間とストレスが無くなったことがいいですね。そこにもう半日かかってしまうこともあったので。 今はfreeeだけで流れが完結するようになったので、心配がなくなりました。


――ほかにも「freeeを導入して良かった」と思う点はありますか?

大西: はい。今までは旧の会計ソフトで病院会計を作って、まとまったら会計事務所の方に持って行って、という流れだったんですね。ですので、とにかく時間がかかっていました。会計事務所に持っていくまでに時間がかかり、そこからまた会計事務所で最後まで作業されていたので、結果が届くのが遅くなっていました。それが今は会計事務所でもfreeeを見られるようになっているので、タイムリーに仕事内容を確認できるんです。だからその都度「ここはちょっとおかしいですよ」って言われたらすぐ直せますし、何よりも常に情報共有できるっていうのがとても良いと思っています。会計事務所の先生も「便利になりましたね」とおっしゃっています。会計事務所では、他の顧問先でもfreeeを導入されているところがあるそうで、先生はもともとご存知だったようです。


今回はIT導入補助金も活用できたことが助かった。
これからもDXを進めて、病院をもっと良くしていきたい

仁和会


――ありがとうございます。最後に、今後の計画や展望についてお聞かせください。


富永: 今回は百十四銀行さんのご紹介でfreeeを導入することになり、アドバイスをいただいたおかげでIT導入補助金を使うこともできて助かりました。ありがとうございました。
freee会計を導入できたので、次は勤怠、というところですが、病院にはありとあらゆる職種があり、それによって勤務体系が違うこともあって、なかなか難しいと感じています。ですが今、働き方改革が謳われており、時間管理をちゃんとしようということで進めておりますので、ここはうまくできればいいなと願っております。できれば給与計算まで一緒に連動させたいですが、病院独自のルールがあるので、どうしても手作業が残ってしまうのが課題ですね。
それとコスト削減や業務効率化を目指して、ルーティーン作業にはいずれRPAもいれていきたいなと思っています。


百十四銀行 姫路支店・大林: 仁和会さまとは日頃からお付き合いがあり、週に2回、多いときは毎日訪問させていただいております。ですので、freeeの導入にあたりましては、オンラインでは足りない部分を現地でフォローしたり、導入の過程で皆さまの思いを汲みとったりできることが私たちの強みであると思っています。また導入が終わればそれで終わりということではなく、今後も継続的にフォローができますし、ほかにも色々なご提案をさせていただきながら長期的に伴走してご支援できればと考えています。これからも、神野病院さまがより良くなるようにという思いで、伴走型のコンサルティングを継続させていただきます。


(取材日:2024年9月12日)


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