一般社団法人 日本ハンドボールリーグ(JHL)様は日本国内のトップリーグであり、オリンピックや世界選手権など国際レベルでの競技力向上をはじめ、スポーツ文化と地域社会との融合による社会貢献に取り組んでいます。
同社では資金繰り予測の見える化や従業員の立替金負担といった課題を解消するため、freee会計との連携性に優れた「freeeカード Unlimitedを 導入しました。導入に至った経緯や現在の利用状況、得られているメリットなどについて、事務局長の松井 隆様にお話を伺いました。
【導入企業様の紹介】
年間266試合の国内トップリーグを運営
――まずは貴社の事業内容とお仕事について教えてください。
日本ハンドボールリーグはハンドボールの国内トップリーグで、2023年度は男子チームが13、女子チーム11を合わせた全24チームでリーグ戦を行います。男子チーム・女子チームそれぞれに年間2回戦総当たりの試合を行っているので、年間266試合となります。
私たち事務局の仕事は、この国内トップリーグの運営です。2023年度は7月にシーズンが始まり、翌年5月まで日本全国の試合会場でホーム&アウェイ戦を展開します。
事務局のメンバーは各地の試合会場に足を運び、現地でチームとのコミュニケーションをとりながら、試合運営を円滑に進められるようサポートするだけでなく、トラブルが起きた際には解決にあたるというのがメインの仕事となっています。
【freeeカード Unlimited導入前の課題】
freee会計とのスムーズな連携によって管理会計を適切に行える仕組みを構築する
――freeeカード Unlimitedの導入によって解決したかった課題を教えていただけますか?
事務局のメンバー数は少ない人数で進めていましたが、事業拡大とともに人数が増え、現在は6名の主要メンバーで活動しています。そうした中で 、freeeカード Unlimitedの導入により解決したかった課題は大きく2つです。
1つ目は、従業員の旅費交通費などの立替による負担を減らしたかったということ。シーズン中は日本各地の試合会場に足を運ぶことになりますし、突発的に出張が発生することもあります。今までは新幹線や飛行機などの旅費交通費、宿泊費などは個人が一旦、立て替えて、後で精算する形にしていましたが、毎月の立替金がかなり大きい金額になってしまうこともありました。これらの出張にかかる費用を法人カードで決済できるようにして、個々の負担を軽減したかったのが一番の理由です。
2つ目は、資金繰りにおいて月々の支出を正確に把握・予測できるようにすることです。私たちのようなスポーツ団体はチームからの年会費とスポンサー様の協賛金が主な収入であり、一般的な事業会社のように毎月売上が発生するわけではなく、ある時期に集中的に売上が計上されるという特徴があります。そのため、年間で発生する様々な支払いは、これらの資金を取り崩しながら、事業運営していくことになります。
消費税や法人税などの納付時期が決まっているものを含め、年間の支出額や支出タイミングを正確に把握できるよう、ある意味システマチックに運営していかなくてはならないという課題感を持っていました。これまで従業員が個々で立て替えて精算していたものをfreeeカード Unlimitedに集約することで、経営の数字をきっちり把握できるようにしたいと考えたのがもう一つの理由です。
――数ある法人カードの中からfreeeカード Unlimitedを選んだ理由を教えてください。
法人カードの検討では年会費無料という条件で絞り込み、いくつかのカードを比較しました。freeeカード Unlimitedを選んだ理由は、freee会計とスムーズに連携できることです。各法人カードで様々なサービスや付加価値が提供されていますが、導入の目的に照らし合わせて選ばないと本末転倒になってしまいます。
私たちの場合、機能面においてはfreee会計と連動させて資金繰りに活かし、管理会計を適切に行える仕組みを構築することが狙いだったので、とくに難しい選択ではなかったですね。また、申込の簡易さも相まって、freeeカード Unlimitedの導入を決めたという経緯です。
【freeeカード Unlimitedの現在の利用状況】
自律的な組織を目指す上での社員教育の意味も含めて1人に1枚ずつカードを配布
――現在、freeeカード Unlimitedをどのように利用されているのかを教えてください。
親カード・子カードを含めて6枚発行し、事務局メンバーには1人に1枚ずつ配布しています。親カードは、たとえばWEB会議システムの利用料など、定常的に発生するサブスクリプションサービスへの支払いなどに活用しています。事務局メンバーの主な使途は、出張した際の旅費交通費、宿泊費、手土産代などです。
――カードの利用はどのように統制されているのでしょうか?
出張する場合は事前に出張申請が必要なワークフローにしているので、旅費交通費・宿泊費に関しては、それと突 合するため事前申請は不要としています。交際費・会議費に該当するものは事前の申請・承認が必要など、項目ごとにルールを整理してフローに組み込んでいます。
1人に1枚ずつカードを発行しているので、誰がいつ何に使ったのかという把握は容易になりました。freeeカード Unlimitedは、カード利用があった際に利用通知がリアルタイムで管理者に届くので、その点でも管理しやすくなっています。また、freee会計の中の支払依頼機能のフローを使って、どの取引先で何に使っているのか照合チェックする仕組みもあります。
freeeカード Unlimitedを選んだ狙いの一つが内部統制の仕組み化を図ることなので、freee会計と合わせてメリットを最大化できるよう活用しています。
――1人1枚追加カードを発行されていますが、統制上で工夫されていることはありますか?
カード枚数が増えるほど利用や盗難などのリスクも増えていくことになりますが、リスクが増えるからといってメリットがある選択肢を無視して、そのメリットを制限するのは本質的ではありません。本来、個人のリテラシーやインテグリティ、自律性が高まれば成熟した組織となり、リスクはトレードオフとなる関係にあると考えています。
自律性を高めるには、何にいくら使っているのか、日頃から数字に触れる機会を設けることも重要です。収入・支出をしっかり管理できる自律した組織、速やかな意思決定ができる組織になるための社員教育の意味合いも含めて、私は1人に1枚ずつカードを持たせています。
【freeeカード Unlimited導入後のメリット・改善できた点】
従業員の立替金の負担がゼロに。資金繰りの見通しについても見える化を実現
――実際にfreeeカードUnlimitedを利用してみて、メリットに感じていることや改善できたことを教えてください。
従業員が出張する際に立替金の負担がゼロになった点は大きなメリットです。立替金が大きくなると個人の生活に侵食してしまうので、会社として従業員の負担を軽減できるようになったことは組織運営における大きな改善点と捉えています。
まだfreeeカードUnlimitedの導入から1年が経過していませんが、とくに秋から冬にかけては台風や雪の影響などで様々な対応をしなければならないため、現地で待機することが増えます。freeeカードUnlimitedがあることで従業員は立替金の心配をせずに済むので、今後はより恩恵を感じる機会が増えると思います。
また、狙い通りではありますが、資金繰りの見通しについても見える化できるようになりました。freee会計の中でカードの利用状況を順次更新できるので、先々の資金繰りにおける残高へのインパクトをきっちり把握できるようになったことの利点は大きいですね。
【今後実現したいこと】
freeeカードUnlimitedは中小規模のスポーツ団体が抱えがちな課題を解決する糸口に
――今後、freeeカードUnlimitedを活用 して実現したいことはありますか?
今後は、振り込みからカード決済への移行を進めていくことも視野に入れています。カード決済によって支払いがルーチン化されたときに、私たちの経営にどういったインパクトがあるのかを検証するのが次のステップです。
ランニングコストの中には定常的なものと変動的なものがありますが、変動コストをいかにして定常化していくかという点が資金繰りの安定化を図る上での考え方のベースになります。freeeカードUnlimitedを活用しながら、次のステージに進んでいきたいと思っています。
――今後、日本ハンドボールリーグ様が目指していきたいことを教えてください。
日本ハンドボールリーグは現在国内トップリーグとして運営していますが、今後はより規模を拡大していきたいという思いがあります。そうした取り組みの中で、管理会計はますます重要になってきます。
スポーツは公共財であり、助成金などの公的な資金も入っています。団体として公正妥当な会計処理を確保するには、自分たちの従来のやり方に対して仕組みを当てはめるのではなく、ガバナンスや内部統制の観点から人事・会計に求められている水準のルールを私たちが理解して導入する、そして、そのルールに応じて仕組みを変えていくことが重要だと考えています。
今回のfreeeカード Unlimitedの導入を機に取り組んでいる一連の仕組み化が、他の団体にとっても参考になれば幸いです。
――最後に、「freeeカード Unlimitedはこんな企 業様におすすめ」というポイントをぜひ一言お願いします。
「私たちと同じ中小規模のスポーツ団体にぜひ利用してほしいと思います。運営の仕組みはどこもほぼ同じなので、抱えている課題も共通しているんじゃないかと思います。」
「私自身、freeeカード Unlimitedの導入によって、経理との連動や立替金の負担削減、現地で急な出費が発生した場合の対応など、スポーツ団体が抱えがちな課題に対してうまく解決できるという手応えを感じています。同様の課題を抱えているスポーツ団体や協会、連盟の方々は、ぜひ活用してみてほしいですね。」