スクリーンリーダーで、すべて読み上げてくれる。すべてのボタンが反応する。freee会計なら、問題なく使えます。

マッサージ店経営 I.Kさま

課題
ユニバーサルな働き方

「スクリーンリーダー」は、パソコンやスマートフォンの画面に表示されている内容を、音声で読み上げたり、点字ディスプレイという装置に表示したりするソフトウェアです。おもに視覚に障害のある方々が、視覚情報を音声や触覚で得るために利用しています。

パソコンでスクリーンリーダーを使う様子(動画)(新しいタブで開く)

『だれもが自由に経営できる統合型経営プラットフォーム』を掲げるfreeeでは、スクリーンリーダーの利用者のように、障害のある方にとっても使いやすいサービスを目指して開発に取り組んできました。

そんなスクリーンリーダーを用いてfreee会計を利用している、全盲(※視力がないこと)のI.Kさんにお話をうかがいました。

アクセシビリティとは

年齢、性別、利用環境、障害の有無、その他様々な社会的属性などの違いに関係なく、所要時間、身体的負荷、精神的ストレスなどが無い状態で利用できることを「アクセシビリティが高い状態」と表現します。 例えば、画面を見ることができない視覚障害者がWebサービスを利用する際に、音声読み上げのみで表示内容を理解しサービスを利用できるようにするといった操作性の充実などが挙げられます。

なぜfreeeはアクセシビリティに取り組むのか

freeeがアクセシビリティ向上に取り組む背景には、障害の「社会モデル」という考え方があります。

たとえば、生まれつき耳が聴こえない人について、「何がその人にとって障害となっているか」を考えてみましょう。

まず、“耳が聴こえないこと” “喋るコミュニケーションが難しいこと” など、心身機能の制約が「障害」であると捉えることができるでしょう。このように、医学的な事実に基づいて、その人が障害者であると判断する考え方が「医療モデル」です。
一方、“手話通訳や字幕付きのコンテンツが少ないこと” “会議や授業が口頭のコミュニケーションに依存していること” を「障害」と捉えることもできます。このように、社会環境の不備がその人の不便を生み、社会環境がその人を障害者にしているとする考え方を「社会モデル」と呼びます。
つまり、社会環境のアクセシビリティが高ければ、医療モデルで「障害者」となる人でも、社会モデルでは「障害がない人」として生きていくことができるのです。

freeeではこの考え方に基づき、“freeeの製品を使う”という文脈における「障害者」を0にすることを理想としています。

ボタンを押してちゃんと反応するだけで、ありがたい

――事業の概要と、ご自身の業務について教えてください

マッサージ店内の様子

自宅兼店舗として、マッサージ店を経営しています。個人事業主で、従業員はひとり。業務としては、マッサージのほかに事務関係など。どうしても必要な部分だけ、目が見える家族にサポートしてもらっていますが、マッサージはもちろん私しかやらないですし、99%は私がやってる感じですね。掲示物とかは、文章だけ私がつくって、レイアウトとかフォントサイズの調整とかは娘にやってもらったり。

――freee会計はふだんどのように使っていますか?

帳簿づけは、freee会計の取引登録のテンプレートの機能をよく使っています。うちの場合、現金でもらうほかに、高齢者には市が補助として1,000円分のマッサージ券を配っていて、それで払ってもらうこともあります。口座を分けたテンプレートを作っておいて、入力するときは、まずテンプレートから選んで、金額と日付を入力して… という感じです。

現金や日々の売り上げは、週に1回ぐらいエクセルに書き込んでいて、それを年末にまとめてfreeeに入力してますね。2日ぐらいかけて。本当は月に1度くらいでやりたいんですけど、後回しになっちゃって。

銀行とかクレジットカードとか、連携して自動で引っ張ってこれるものは簡単に記帳できますね。

――口座を連携できる機能を活用されているのですね

やっぱり全盲だと内容を読めないので、紙の領収書とか請求書は避けたいです。なるべく店のものはネットで買ったり払ったりしていて、だいたい9割くらいはネットです。たぶんマメな人だったら紙を受け取ったその日のうちに、記憶を頼りに入力できるのでしょうけど、それをやらない人間としては、紙っていう選択はかなり厳しい。

――確定申告も、ご自身で行っていますか

確定申告書の作成までは自分でやって、最後はfreee経由で、オンラインで会計事務所さんに仕訳など間違いがないか確認してもらってます。

税務署に行って作ることもできるんでしょうけど、点字ブロックもガードレールもないような田舎なもんで、一人で行こうとするとタクシーでも使わないと危なくて(笑)。気軽に足を運べないっていうのもありますね。

――freee会計を使いはじめた、きっかけはなんですか

店を始めた時に、「視覚障害者でも使える会計ソフトはあるのか?」っていう問題にやっぱり直面して、とりあえずいろんな体験版を片っ端からダウンロードして試しました。そのとき、freee会計ならブラウザで使えるから、「ブラウザであればスクリーンリーダーで読み上げてくれるかもしれない、使える可能性がありそうだな」と思って。当時の他のソフトって、画面を起動した瞬間に、まったく読み上げられなかったり、キーボードで操作できなかったり、みたいなのばっかりだったので。

やっぱり、スクリーンリーダーですべて読み上げてくれて、すべてのボタンを押せて、ちゃんと反応する。そういう当たり前のことができないソフトがほとんど。だから、それをやってくれるだけでありがたい。読み上げてくれない、ボタンが押せるかどうかわからない、ちゃんと反応しないといった箇所があると、片っ端から押してみて何が起きるのか確かめなければいけなくなるので。

視力が弱くなってもfreeeなら問題なく使えるんじゃないか

――どのような環境でfreee会計を利用していますか

スマートフォンとイヤホンと、パソコン��のキーボード

おもにiPhoneですね。基本的にスマホでできることはスマホでやって、できない時だけパソコンを使ってます。最近だと、コロナの持続化給付金とか、物価高騰対策支援金とか、そういう申請のために過去の金額を確認しないといけなかったんですけど、iPhoneのfreeeアプリのレポートでも過去の金額が見えたので、パソコンを取り出す必要はなかったです。

freee会計を使い始めたのは、もう10年ぐらい前なんです。最初の頃はパソコン版でしかできないことも結構あったので、昔はパソコンで使っていました。そのあとでスマホのアプリを使ってみたら、「入力はこっちの方が楽じゃん」と思って。おかげさまで、今はだいたいの操作はスマホで済ませてますね。

もともと10年前までは弱視で、それから視力を失いました。パソコンのスクリーンリーダーはキーボードだけで操作するのですが、パソコンをキーボードのみで操作するっていうことにまだ慣れていなかったし、事務処理の頻度も少ないから、ショートカットキーも覚えられなかった。でも、やるしかないよなあと思ってiPhoneでfreeeのアプリをいじってみたら、「あれ、これだったら使いやすいな」と。パソコン版だと画面の情報量が多すぎて、目的の画面のレイアウトが把握しにくく、どこに何を入力していいのかわからなかったのですが、スマホ版だと画面がシンプルなので、使いやすいと感じたんです。

――スマホでfreee会計を利用するうえで、工夫していることはありますか

メールなど、スマホで長文を入力するのは大変なので、Bluetooth接続の外付けキーボードを使っています。とくに会計は数字の入力が多いので、もうひとつ会計の処理のためにテンキーだけのキーボードを買って、それをiPhoneにつなげて数字を入力しています。探してみたらコンパクトなやつがあって、便利なんです。

――ほかの視覚障害者に、freee会計を薦められそうですか?

他の会計ソフトを使っていないので、現状では視覚障害者が使える会計ソフトって私はfreee会計しか知らないという前提で……。もともと目が見えて、パソコン使えて、会計や申告をしていたような人だったら、その後に視力が弱くなったとしても、freee会計ならたぶん問題なく使えるんじゃないかな。ただ、正直にいえば、アプリの使いやすさうんぬんよりも、会計の知識がある程度要るのが大前提なので、帳簿のつけ方とかを習得するほうが大変ですね(笑)。

――最後に、freee会計に期待することがあれば教えてください

このインタビューを受けるにあたって、そういえば視覚障害者向けのマニュアルってないよなと思って。「視覚障害者も確実に使えるよ」っていう情報があれば、使えるのか使えないのか把握するために利用事例を探したり、自分で買って試してみたりっていう、いちばんめんどくさい最初のハードルを突破できると思うんです。マニュアルがあると、初めてやる人はそれに沿ってできるし。ぜひ検討してもらえたら、ありがたいです。

おわりに

本記事では、freeeがアクセシビリティに取り組む理由と、ビジネスで多様な人材が活躍できているお客様事例をご紹介しました。

『だれもが自由に経営できる統合型経営プラットフォーム』というビジョンを実現するため、freeeはアクセシビリティ向上を目的とした様々な取り組みを行っています。

  • 製品のアクセシビリティ改善
  • 社員研修の実施
  • ガイドラインおよびチェックリストの運用
  • デザインシステムの策定と活用
  • アクセシビリティ関連リソースの公開
  • 情報アクセシビリティ自己評価様式の開示
  • 合理的配慮への対応方針の策定

より詳しい内容は、下記のページをご覧ください。

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