SaaSアカウントが日次チェックできるように コスト削減やセキュリティリスクの軽減も実現

フリー株式会社 情報システム部門 コーポレートITチーム 古舘 さん
小田川 さん

課題
バックオフィスの体制構築・効率化

Bundleは、SaaSアカウントの開設作業、棚卸し作業を自動化することのできるツールです。主に情報システム部門(情シス)向けのツールで、近年増えているSaaSアカウント管理の手間を大幅に削減し、業務効率化やセキュリティ強化などを実現します。

freee社内では、各種SaaSを積極的に活用していますが、管理には手間がかかるだけでなく、管理しきれていないものもあったといいます。そうした課題を、Bundle導入でどのように解決したのでしょうか。また、導入したことによって、どのようなメリットがあり、新しくどんな業務にリソースを割けるようになったのでしょうか。情報システム部門コーポレートITチームの古舘さんと小田川さんにお話を聞きました。


企業の成長に伴い、SaaSアカウントの管理が課題に

――コーポレートITチームとお二人の業務内容を教えてください。

古舘: 情報システム部門のコーポレートITチームは、社内におけるクラウドサービスのネットワークなどのインフラ設計や構築、保守、運用、管理に関する業務を行っています。


私はマネージャーとして、チームを統括しています。


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小田川: 私は、主に社内のインフラに携わっており、各SaaSのアカウントのライフサイクルの管理などを担当しています。また、別部隊のヘルプデスクチームが対応しきれなかった案件への、対応も行っています。


――Bundle導入前は、どのような課題がありましたか?

古舘: 会社の成長と共に、利用するSaaSの数が増え、煩雑化するアカウントの管理について課題を感じていました。


当社自体がSaaSを提供する企業ということもあり、自社の業務において、オンプレミス型ではなく、SaaSを利用することがスタンダードになっています。


各部署が独自に使っているSaaSは、セキュリティチームがチェックしています。でも、ヘルプデスクチームやコーポレートITチームがアカウントの状況をすべて把握できているかと言うと、必ずしもそうではありませんでした。


SaaSアカウントのチェックを年1回から日次レベルに

――Bundle導入の経緯を教えてください。

小田川: もともとは別のアカウント管理サービスを使っていましたが、アカウントの自動発行や棚卸しなどの面で、かゆいところに手が届かないと感じていたので、別のソリューションがないか考えていました。


そのタイミングで、Bundleがfreeeにジョインすることが決まったんです。やりたいことをBundleで実現できるとわかり、社内でも積極的に使い始めました。


SaaSのアカウント管理に関して、もともと行っていたのは、あくまでもコーポレートITチームの管轄範囲だけでした。具体的に言うと、入社情報や退職情報を見てアカウントの発行や削除は行っていたのですが、人事関連は機密情報なので、他の部署の方に直接見せるわけにはいきません。


Bundleを使うことで、人事情報を直接見なくても、現在どのような人材が所属していて、どんな組織になっているかが把握でき、それをフックに各チームが管理しているSaaSのアカウント発行を、誰もができるようにしたいと考えていました。


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――導入してみて良かったのはどんな点でしたか?

小田川: SaaSアカウントの棚卸しで、かなりの金額感のコストカットができました。また、使っていないアカウントを削除できたことで、セキュリティリスクも事前に芽を摘むことができているのは、大きなメリットだと感じています。


古舘: これまでのように手作業でチェックする運用だと手間がかかるため、年に1回しか棚卸しできませんでした。Bundleを使うようになってからは、日次でのチェックが実現できています。


――金額や作業の手間といったほかに、使っていて良いと感じた点はありますか?

古舘: freeeの他製品との連携による、統合体験が非常に良いと思います。freee製品を使っていれば、アカウントは共同なので、Bundle自体のアカウントを発行する必要がなく、スムーズに使えます。


また、Bundleとの連携に対応していないSaaSも登録ができるのが良いと思います。従業員マスターと連携できていなくても、ゲストアカウントの機能を使って、例外設定ができます。


小田川: それに加えて、API連携も便利です。当社では、例えばSlackと連携させて活用しています。
日次でそれぞれのSaaSと突合処理を行い、使われていないアカウントがあるかどうかをチェックします。
その後、シャドーアカウントを検知した際に、そのアカウントオーナーにSlack上でメンションを飛ばすような仕組みを取り入れています。


古舘: ほかには、セキュリティも良いですね。二要素認証など、管理者としてログインするときの選択肢もいくつか用意されていて、アカウントを管理するプロダクトとして、よく考えられたインターフェースだと感じます。


小田川: そうですね。シンプルですが、ちゃんと押さえるべきポイントで手を抜いていない。「なんかこういうの欲しいよね」と思っていたところに手が届く印象です。


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――情報システム部門以外の方も使っているとのことですが、感触はいかがでしょうか?

小田川: UIが非常にシンプルでわかりやすいので、スムーズに使ってもらえています。
この手のサービスは、情シスやエンジニアが使うことが前提になっていることも多く、管理画面がわかりづらい構造になっていることもあるんです。Bundleは、そういったことがありません。


当社のように、情シスが管理していないツールにおいても、Bundleで管理をしたいといったニーズがあるはずです。また、freeeを使ってくださるスモールビジネスのお客様の会社には、必ずしもエンジニアが所属しているわけではないと思います。なので、使う際のハードルの低さはとても重要ではないでしょうか。


――Bundleの導入によって、他にできるようになったことは何かありますか?

古舘: SaaSアカウントの正確な棚卸しができていなければ、予算を組むときの根拠がわからないわけです。また、セキュリティ面においても、上場している企業では内部監査があり、根拠を用意するのにも多大な手間と時間がかかってしまいます。


そうした点で「Bundleを見ればいい」と言える状態になっているのは、正確性や効率化の面で良いですね。


小田川: あとは、SaaSアカウントの棚卸しをしたことによって、社内全体で「より自動化するために、どの課題を優先的に潰さなければならないのか」といった点に議論が向かうようになりました。


結果として、当社の場合は、もっと入口のほうで職種や組織情報が整っていないと、Bundleでのアカウント発行や削除がスムーズに行えないという課題が浮かび上がったところです。


今までは、SaaSアカウントの棚卸しに対して、なんとなく課題感はあったものの、「実際にはどういったオペレーションが必要なのか」が見えていなかったのです。


Bundleを使い始めたおかげで、SaaSアカウントの管理が社内で市民権を得た感じがしますね。今まで情シスだけで抱え込んでモヤモヤしていたのが、他の部署も巻き込んで議論できるようになったところは前進かなと。


備品管理機能とも連携させ、シームレスな一元管理へ

――今後どのようなコーポレートITチームにしていきたいですか? 今後の展望を教えてください。

古舘: Bundleには、SaaSアカウント管理だけではなく、備品管理機能もあります。そこを紐づけて、一元的に管理できるようにしたいです。


例えば、「Aさんは、このSaaSのアカウントを持っていて、この備品を持っています」といった情報があり、コーポレートITチームから経理に異動するとなったら「このアカウントは不要ですね」「貸し出していた検証用のiPhoneを返却してください」と自動で通知される。新入社員が入る際には、あらかじめBundleのアカウントに登録されていて、人事所属だけどGitHubも使いたい場合に、Bundleで申請し、承認されたら実際に使える状態になっている、と。


全てを自動化できなくても、そのトリガーやフックが実装されていれば、間をつないで運用するのは、私たち情シスやエンジニアの協力によってできるようになるので、Bundleを軸にいろんなものを管理、コントロールできるような世界観が実現できるといいなと思います。そして、freee社内で実現できたソリューションは、他社様にもどんどん提供したいですね。


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――Bundleの導入を検討している企業の方に、メッセージをお願いします。

古舘: SaaSアカウントの管理は、とにかく面倒ですよね。例えば、従業員の95%のアカウントをがんばって管理しても、残りの5%の中から文句を言われる可能性だってあるわけです。そうしたら、もうテンションが下がってしまいます……。


Bundleを導入していただければ、ひと通りの機能がそろっていますし、シンプルでわかりやすく使えるUIなので、利便性を実感していただけると思います。


一度使っていただければ、「こんなに楽になるのであれば、もっと早く導入しておけばよかった」と思っていただけるのではないでしょうか。


小田川: freeeでは点よりは線で、統合体験をしていただけることを目指しています。Bundleだけではなく、freeeのいろいろな製品と連携させることで、楽しみながらソリューションを導入していただけると思います。ぜひ、一度体験してみてください。


(執筆:遠藤光太 撮影:小野奈那子 編集:ノオト)


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