2023年に創業し、「なんとかなる・気楽にいこうぜ・楽しくやろうぜ」をコンセプトに成長を続ける株式会社Fastsubstancelogistics。同社では、点呼や運転日報のIT化やSaaSによる業務管理などDX化を推し進め、B to Bと中距離輸送に特化したビジネスモデルの構築を目指しています。
「人の出入りが激しい運送業界だからこそ、ドライバーを大切にして定着率を向上させたい」と話すのは、人事労務担当の樋渡さん。
運送業という特性上、日中は社外で働く従業員が多く、コミュニケーションが不足しがちな職場だからこそメンタル面を含めた健康管理は大切だといえます。同社ではそのような考えのもと、2024年4月にfreee人事労務 健康管理を導入し、従業員のストレスチェックを開始しました。
freee人事労務 健康管理導入の経緯や、今後の健康管理の充実について、樋渡さんにお聞きしています。
従業員が働きやすい環境を目指してfreee人事労務 健康管理を導入
――freee人事労務 健康管理の導入を決めたきっかけを教えてください。
もともとは配車や業務内容、健康状態などを全体的に管理できるシステムを使っていたのですが、そのシステムでは人事労務に関係のないセクションのメンバーまで、従業員の個人情報を見ることができてしまうという問題がありました。
その点、freee人事労務 健康管理を利用すれば、「従業員の健康状態」というパーソナルな情報を安全に管理できるようになることが決め手になり、導入を決めました。
――御社の場合、ストレスチェックは努力義務ですが、それでも導入された背景をお伺いしたいです。
弊社の場合、基本的にドライバーは日中外に出ていて、毎日オフィスで顔を合わせて仕事をしているわけではないので、どうしても対面でコミュニケーションを取る機会は少なくなってしまいがちです。
チャットやメールなどでのやり取りはしていても、実際に会って話す機会が減ると、お互いの本音が見えにくくなってしまうんですよね。だからこそ、対面で会う機会は少なくても働きやすい環境を作りたいと考えました。
特に、従業員の人数が増えると、一人ひとりにまで配慮が行き届かなくなりがちです。そのため、弊社では従業員が40名くらいになり始めてから、導入をしました。
ストレスチェックを実施することは、この会社で働いている人たちが今どういう考えを持っているのか、何を負担に感じているのかを知るための良いきっかけになったと思います。
――従業員のみなさんは、すぐに回答してくれましたか?
そうですね。みなさん、迅速かつしっかりと回答していただきました。こうしたシステムを導入するにあたり、「回答をしてくれるかどうか」「パーソナルな内容を記載してもらえるかどうか」を心配していましたが、特に心配する必要はなかったようです。
――実際の結果を受け取ってみて気づいたことはありますか?
普段は明るい人でも、見えない部分で大きな負担がかかっているケースがあるということに気がつきました。
ストレスの理由は、仕事の内容や人間関係などさまざまです。そうした部分も含めて、ひ とりひとりが抱えている悩みを、きちんと受け止めていかなくてはと思いました。
また、ストレスを抱えている従業員に対して、問題を解決するためにどんな取り組みをしていくべきかという話し合いの場を設けるきっかけが生まれました。
――結果を受け、具体的に出てきた案などはありますか?
一番多かったのは、コミュニケーションを生むようにすべきという意見でした。たとえば、外から戻ってきた人に対して、今日の仕事はどうだったかを聞いてみるとか。ほんのちょっとしたことですが、何か変わる部分があるかもしれないと、声がけをするようになりましたね。
加えて、具体的な悩みを抱えている従業員に対しては、上司と話をする機会を作りました。ストレスを感じている方に十分なフォローをしていくには、やはり顔を合わせて話をする時間が大事だと感じました。
その他にも、人間関係に悩んでいるケースでは、相性を鑑みて配置を変えるなどの工夫もしています。
ストレスチェックを通じて、負担の重さや悩みの原因を知ることができれば、会社としても解決に向けて動きやすくなるのではないでしょうか。
従業員の満足度を上げることが定着率の向上につながる
――freee人事労務 健康管理を活用する上で、一番大切にしていることは何でしょうか?
会社や仕事に対する「満足度」です。特に、運送業界は人の入れ替わりが激しいと言われ ているので、満足度を上げる取り組みを行うことで仕事を辞めてしまう人を減らしたいという思いがあります。例えば弊社の場合、入社後の丁寧な研修なども魅力の1つだと思います。
――健康管理を行うことで離職者が減ったという体感はありましたか?
ストレスチェックを実施してから約半年が経ちますが、今のところ従業員の中で仕事を辞めてしまった人はいませんね。周囲のフォローや配置の変更などによって離職を防げていると思っています。
フォローアップ体制を充実させて大切な従業員を守っていく
――今後はどの程度の頻度で健康管理やストレスチェックを行っていくご予定ですか?
半年に一度くらいの頻度で実施していきたいと考えています。運送業はドライバーがいてこそ成立する業界なので、ドライバーの働きやすさには特に注力していきたいです。もちろん、ドライバー以外の職種も含め、それぞれの従業員が何を考え、何を感じているのかを小まめに把握するよう心がけていくつもりです。
――最後に、人事労務や健康管理に関して、御社の今後の展望について教えてください。
人事に関しては時間を費やして、しっかり対応していきたいです。
今いる従業員を守っていくのはもちろんのことですが、今後新しく入社される方に対しても、ストレスチェックを含む健康管理の周知や実施を徹底したいと考えています。
悩みを抱えてメンタル不調に陥ってしまった方もいたのですが、話をする機会を積極的に設けることで、状況を改善できたケースもあります。それを考えると、問題を放置するのではなく、定期的にストレスチェックを行い、状況に合わせたアプローチをしていくことは大切だと思います。