Bundle導入で“攻め”のバックオフィスを実現 コスト削減だけでなく、新たなSaaSの導入が積極的に

エキサイト株式会社 テクノロジー戦略室・インフラストラクチャー部 丸田 大介 さん

課題
バックオフィスの体制構築・効率化

エキサイト株式会社は、1997年に創業し、日本のインターネット業界を黎明期から牽引してきた企業のひとつです。

インターネットに強みを持つ企業に限らず、近年課題となっているのが、社内で利用しているSaaSの管理です。SaaSの需要が高まる一方で、入社や異動の際のアカウント付与の負荷が増大したり、退職者のアカウントが長期間にわたって残ることで、使用していないのに月額コストがかかったりすることも。


エキサイトは、そうした課題を解消するため、Bundleを導入しました。当時抱えていた課題や選定の決め手、導入してからの効果について、テクノロジー戦略室・インフラストラクチャー部の丸田大介さんに話を伺いました。


事業部に近い情報システム部門ならではの、“攻め”のバックオフィス

――御社の事業概要について、あらためて教えてください。

丸田大介さん(以下、丸田): 当社は、日本のインターネット黎明期から活動している企業です。もともとはアメリカをルーツとしたインターネット企業の日本法人で、日本独自のサービスを作りながら現在まで続いてきました。


事業内容は、ポータルサイトや検索サイトからスタートし、ISP(インターネット接続サービス)やプロバイダサービスも提供してきました。


最近では新規事業として、BtoBマーケティングにおけるウェビナー施策支援サービスやバーチャル株主総会総合支援サービスなど、SaaSを複数立ち上げています。


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――続いて、丸田さまが所属する情報システム部門の業務について教えてください。

丸田: 当社の情報システム部門は、他社とは立ち位置が少し異なっていると思います。一般的には、コーポレート部門の中で人事や総務と並んでいることが多いのですが、当社では各事業部に近い組織として運用しています。


インターネット企業なので、そもそもDXには積極的で、むしろアナログな作業は、従来から避けています。だからこそ、情報システム部門をコストセンターと考えるより、デジタルで収益を生み出す発想に立っています。社内ITコンサルのような立場になることも多いです。もちろん、人事や総務、法務などのコーポレート部門からも相談が来ます。


チームは、5人体制です。そのうち、3人は事業部側の都合や要望を聞いて動いていて、共通の基盤など、分散するとコストパフォーマンスが悪くなってしまうところの調整役となっています。


私は、SaaSの導入検討、運用、セキュリティ設定・アカウント管理などを担当しており、もう1名が兼務で入っています。


社内で利用している20〜30個のSaaSを管理しきれなかった

――Bundle導入のきっかけとなった、社内の課題はどんなことでしたか?

丸田: これだけSaaSやクラウドサービスが増えているなかで、インターネット企業なのもあって、従業員のアンテナが高いんですよね。使いたいサービスがあれば、積極的に業務に活用しているんです。


現在、社内で利用しているSaaSは、20〜30個はありますね。ただし、SaaSの利用を各社員に任せっきりにしてしまうと、ガバナンスが効かなくなる問題がありました。


ほとんどは相談が来るので、どのサービスを使っているかを把握できるのですが、その使い方が正しいかどうかを目配せするのが難しくなってきました。利用するSaaSの修理が膨大になってきており、「このままでは、どこかで事故が起きるのではないか?」「人間の手を動かして解決する量ではないのではないか?」といった課題が共通認識されるようになりました。


また、セキュリティや情報統制の面でも課題がありました。例えば、3カ月前に退職した社員のチャットツールのアカウントが削除されておらず、社内の情報が見られる状態になっていたといったことです。


当初は、各事業部や各ツール担当の方から、定期的にレポートを上げてもらう方法を考えました。ただ、その方法では属人的ですし、長くは続けられない可能性が高い。そのため、「事業部に負担をかけない方法で検討してほしい」とストップが入ったんです。そこで、SaaSアカウントの管理ができるツールの導入を検討することになりました。


――そのなかで、Bundleを選んだ決め手は何でしたか?

丸田: 各SaaSのアカウントを把握することに特化し、機能がシンプルだったのが良いと感じました。私たちがやりたかったのはアカウントの自動付与などではなくて、まずは全体の把握だったのです。コストを抑えられて、スモールスタートできる点を重視してBundleを選びました。


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コスト削減だけでなく、事業部の自由度を高める効果も

――導入後の効果はいかがでしたか?

丸田: 最初はお試しのつもりで導入したのですが、効き目が出るのは早かったです。導入直後に、誰も使っていない宙に浮いているアカウントと、それに対してかかっている費用がわかったので、各事業部も「毎月こんな金額を無駄に支払っていたんだ」と気づきを得られました。


どのサービスも料金体系がサブスクモデルで月額で費用を支払っていたので、Bundleの導入が遅れて、その状況が続いていた場合を想像すると、ぞっとしますね……。


――コスト削減のほかにも効果があったそうですが、どのようなものでしょうか?

丸田: これまで事業部から新たなSaaSの導入を相談してもらう際、類似のサービスを増やしたくなかったので、「検討しているサービスは今まで使っていたものと似ているから、別のサービスにしようよ」と誘導することもありました。そのようなすり合わせをするため、導入まで時間がかかってしまうことも課題でした。
でも、何が最適かは事業部が一番わかっているので、似たサービスではなくて「このSaaSがいい」という意向が当然あるんです。SaaSの導入において、実際に利用する事業部のブレーキになってしまうのは良くないですよね。


現在は、Bundleに登録できるのであれば、問題ないという運用にしました。SaaSをどのように使い、どう設定するかは、事業部側の都合があるので、まずは試してもらい、情報システム部としてはBundleを活用して温かく見守れるようになりましたね。


もっと言うと、今まで使っていたSaaSの別用途での利用のニーズもあるんですよ。例えば、Zoomは会社全体のライセンスとして管理しているのですが、「5人だけの事業部で、全く別用途で使いたいから、新たにライセンス契約したい」といった相談を受けました。


今までの場合は、新たにアカウントを増やして管理の負荷を上げたくないので、会社のライセンスを使って、やりたいことが実現できないかを説得していると思うのですが、現在はBundleで複数のZoomアカウントを管理できるので、「どうぞどうぞ」と。あとは、事業部にとって投資対効果が合えばいいわけです。


情報システム部門は、事業部の近くで動いていくことを望んでいるので、組織の狙いに合った運用ができるようになったと感じています。


成長著しいSaaS管理の領域で、Bundleの今後に期待

――今後の展望について教えてください。

丸田: 各種SaaSの退職者のアカウント削除は、Bundleで状況を把握したあと、各SaaSの管理者が手動で行っています。ただ、なかなかテンポよく進んでいるわけではないのも実情です。削除できていない場合は、私から通知して消してもらっています。もっと自動化できる部分を増やしていきたいですね。


また、各SaaSの使用状況の棚卸しも必要です。実際には各アカウントをどのくらいの期間、どのように使っているかを把握することで、コスト削減につなげたいと考えています。


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――Bundleの導入を検討している企業の方に、メッセージをお願いします。

丸田: BundleなどのSaaS管理の領域は、成長が著しい分野です。開発スピードも速く、当社からの要望を聞いてもらって、実装してもらった機能はいくつもあります。


これからのさらなる成長にも期待していますし、ユーザーとしては早い段階で導入して、慣れておいたほうがいいとも思いますね。


(執筆:遠藤光太 撮影:小野奈那子 編集:ノオト)


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