世界中の人びとを魅了し続ける日本のアニメーションにおいて、3DCGを中心としたデジタルアニメーションを手掛ける株式会社ダンデライオンアニメーションスタジオ。多くの職種の人が携わり、時間をかけてひとつの作品を作り上げていくアニメの制作は、全体の進行管理はもちろん、予算、工数、労働時間など、さまざまな部分での緻密な管理がとても重要。同社も現在、freee工数管理を導入し、それを一括管理されています。
今回は代表取締役である西川さんにお話を 伺い、実際の工数管理の運用方法と、freee工数管理の導入後の効果をお聞きしながら、そのメリットや優位性を教えてもらいます。
全社のシステムを見直す中で、「freee工数管理」の導入は必須だと感じました
――まずは、株式会社ダンデライオンアニメーションスタジオの業務について教えてください
弊社は3DCGのクリエイターが中心の会社ですが、デジタルで2次元的に作画をしたり、美術をデジタルで描いたりする「デジタルアニメーション」をトータルで制作しています。アニメといえば紙とえんぴつのイメージが強かったこの業界でも、ここ数年でデジタル化がかなり進んできていますが、我々のようにフルデジタルでアニメや映画を中心にやっている会社はまだ限られていると思います。また業務としては、アニメだけをとってみても、子どもだけのものではなく、親世代やその上の世代にも広がっていますし、スマートフォンのゲームや海外配信などでも受け入れられるようになってきているので、活動の幅はかなり広がってきていると感じています。
――そうしたなか、今回freee工数管理を導入するきっかけになったのできごととは?
freee工数管理を導入したのは、コロナ禍に入った直後のこと。全社テレワークに舵を切ったこともあって、工数管理ツールを含む会社全体のシステムの見直しを図っていたタイミングでした。いろんな会社のツールで管理していたバックヤードやマネジメントの業務体制を、なるべく一つの会社のサービスに統合・連携して管理していきたいと考えていたんです。
特にアニメ制作では工数管理は必要不可欠。シナリオや絵コンテという設計があっても、作りながら変化する部分もあるので、最初に見込んでいた予算やスケジュールを編成と共に調整していく必要があります。ですので、予算や人員を適正に確保していくためにも、常に状況を把握できる工数管理ツールの導入は必須でした。
また、それまで、他社のソフトと表計算ソフトを併用して工数を管理していたのですが、連動性や柔軟性が悪く、正直使いづらかった。
そんな折に検討し始めた、freee工数管理では、freee人事労務からメンバーの勤務時間の情報を取得できますし、Googleカレンダーとの連携もでき、クリエイターにとっても、管理者側にとっても使いやすいのが魅力でした。そんな背景から、freee会計やfreee人事労務の導入とあわせて、freee工数管理の導入を決めるに至りました。
――実際に導入するにあたり、社内でサービス説明や使い方の研修はあったのですか?
まず、社内でシステムや経理、総務などの関連しそうな各セクションとディスカッションをしたうえで導入を決め、それぞれのセクションでシステムを移し替える作業を行っていったのですが、そのあたりは時間をかけながら定期的に打ち合わせをしたり、導入支援をしていただいたので、スムーズに導入できたと 思います。実際に使ってみた感想としても、基本的にはシンプルな形で設計されていて、操作性も比較的にわかりやすくできているという印象です。
Googleカレンダーと連携しているから、スタッフたちが使いやすいと感じているようです
――freee工数管理を導入したことで、どのようなメリットを感じましたか?
使いやすさはかなり感じています。まずは、freee人事労務で入力された各スタッフの勤務時間が、freee工数管理と連携できること。またGoogleカレンダーと連携していて、いつどこで何の打ち合わせをしたか等といった情報の取得ができるため、その確認の手数が減ったという話をスタッフからはよく聞いています。
また工数管理が以前より定着したことで、管理者側がアナウンスする手間を減らせただけでなく、メンバーが何のタスク、プロジェクトで動いているかも明確になりました。
弊社の場合は大小含め常に5〜10本くらいのプロジェクトが平行して動いていて、それぞれが専属のチームを作って作業をしています。プロジェクトの完了時には、チームごとに、メンバーの稼働量やコストはどうだったかという、プロジェクトの振り返りを必ず行っているのですが、freee工数管理を導入したことによって、それぞれの作業の工数をしっかり把握することができ、次回以降のプロジェクトの進行管理にも活 かすことができていると思います。
――そのほか、スタッフの方からの反響や、使いやすさなどに関する意見はありましたか?
アニメ業界というのは、プロジェクトを遂行するチームもいれば、システムを開発するチームもいますし、さらには個人の作家さんもいらっしゃいます。そのように多くのスタッフ、人員が交錯する環境のなかで、きちんと自分の勤務時間を管理ができたり、予算や工数を確認できるというのは会社にもスタッフにもメリットがあるのかなと思います。
予算と工数をどれだけ適正化できるか。業界の抱える難しい問題を解決していきたい
――経営者として、freeeの工数管理を今後どのように活用していけたらいいと考えていますか?
アニメ業界全体でも働き方改革が進んだなかで、会社を経営していくためには、ただやみくもにお金や時間をかけて仕事をしていれば良いという訳ではなく、特定の個人やチームに過度な負担がかからないようにしなければいけません。そうした理想を実現化するためにも、やはり予算と工数をどれだけ適正化できるのかというのが重要になってきます。ですので、今回freee工数管理を導入し、工数や進行状況が明確になったことによって、これまで直面してきた個々の働きやすさに直結する問題も少しずつ解決していけたらいいと思っています。
――最後に、今後freeeにどのようなことを期待しますか?
プロジェクトや工数の管理というのは、直接的に効果を実感するのが難しいと思っています。大事なのは会社として、チームとして、適正な予算が管理されて次のプロジェクトに繋がること。自分たちの作品や仕事の進め方に、良い循環を生んでくれるというのがいちばんいいことだと思います。
例えば、ひとつのプロジェクトが終わったときに、それまでのデータやタスクを実績値として関わった人たちみんなに分かりやすく共有することができれば、それをまた違うプロジェクトに上手く活かすことができます。そういう機能がどんどん増えてくれるといいですね。そのためにも、もっといろいろなところでfreeeが導入されていくことに期待しています。