下水疫学調査や社会インフラへの実装推進、研究開発、データ提供を行う株式会社AdvanSentinelでは、インボイス制度・電子帳簿保存法が話題となっている時期に、freee会計やfreee人事労務を導入しました。
経理、総務などのバックオフィス全般を担当する不破 龍成さんによると、クラウドベースの会計ソフトであったことがfreee導入の決め手のひとつになったそうです。
freeeを活用することで日々の経理処理だけでなく、社員の勤怠管理や経費精算、取引先様から送られてくる請求書のインボイス番号のチェックなどがスムーズに行えているといいます。また、他のシステムとのAPI連携ができるため、データの共有が行いやすい点も挙げられています。
freee製品導入の経緯と、会社運営のなかで具体的にどのように活用されているのかを伺いました。
コロナ禍の中でジョイントベンチャー(JV)としてスタート、下水疫学調査を感染症対策のインフラとして普及させたい
――株式会社AdvanSentinelさんの事業について教えてください。
不破 龍成 さん(以下、不破): 弊社は事業として下水疫学調査(下水サーベイランス)を行っています。下水処理場や個別施設から採取した下水中に含まれるウイルスを検出することで、接続地域の感染状況の把握やその対策などに役立てようと考えており、それらに関連した社会インフラの実装推進、研究開発やデータ提供が主な事業です。
私は事業管理部という部署にいますが、実はそこには私一人しかいません。事業管理部長を社長が兼任しているというような状況で、基本的には幅広いバックオフィス業務全般を私が担当しているという感じです。
――事業についての思いをお聞かせください 。
不破: 弊社は塩野義製薬と島津製作所の共同出資で、コロナ禍の2022年1月に会社が設立されました。コロナが流行っていたときに、両社が培ってきた下水サーベイランスの技術やネットワークを持ち寄り、感染症対策をテーマとして、タッグを組んでやっていこうという事に両社で意気投合し、ジョイントベンチャー(JV)をつくりました。
下水疫学調査(下水サーベイランス)という事業はまだまだ世間に知られていない状況なので、次のパンデミックも見据えて社会実装に取り組んでいきます。
クラウド上の会計システムだったことがfreee導入の決め手のひとつ、他のシステムと一元管理できるのがいい
――freee製品を導入したきっかけ・経緯などを教えてください。
不破: 会社設立に伴い、会計システムの導入を検討しました。出資した両社は大企業だったためERPパッケージを使っていました。ただ、弊社はどちらの子会社でもないので、フラットによいものを導入しようと考えました。
導入にあたっては10人程度の小さな会社なので、そこまで大きいシステムは入れたくないという気持ちがありました。それで少人数の組織に合ったシステムで、料金も安価なものを探していました。
あとは、クラウド上のシステムということにはひとつこだ わっていまして、やはりシステム改修、メンテナンスなどが自社ではできませんので、クラウドというのは基本的な条件だと考えていました。
freeeがいいなと思ったのは、自動で消し込みができる機能があったことです。
また、クラウドERPの構想がよく、会計だけでなく人事労務、その他のシステムをクラウドで一元的に集約できる点に魅力を感じました。システムを統一することで、作業をスムーズに行えています。
会計帳簿全般や入出金管理、レポート機能を活用 受発注関係書類や請求書はAPI連携でスムーズに処理できる
――freee導入後はどのように経理業務に活用されていますか?また、導入後の効果や変化などについてお聞かせください。
不破: freee会計については2022年1月に導入しました。会計帳簿系全般と入金、支払レポート、自動で経理、コメント機能などをよく使っています。
取引一覧は一番使いますが、レポート系でいうとやはり支払管理と入金管理レポートが便利だと感じています。
普通のソフトだと、レポートは売掛金とか買掛金になると思いますが、freee会計の場合は自動で経理と紐付いていて、自動消し込みもかかるようにもなっているのがよい点ですね。
また一括で振り込みファイルとかも作れますので、そこが便利だなと思 っています。あと、経費精算でも使っています。
そのほか、他社のバックオフィス系のソフトも使っていて、主に受発注関係の書類や請求書の作成などを行っています。作成した書類はfreeeとAPI連携ができるので取引のデータなどを連携させて、作業を効率化しています。
freee会計は基本的に毎日チェックしており、同期ボタンをクリックして、入出金があれば確認しています。請求書などの処理は月次ベースで処理をしています。
OCR機能でインボイス番号を自動読み取り、インボイス制度・電子帳簿保存法への対応
――インボイス制度・電子帳簿保存法に関する課題や対応、懸念などを教えてください。
不破: ちょうど会社が設立されたタイミングで、インボイス制度や電子帳簿保存法といった話題が盛り上がってきていたので、主要な会計システムであれば、対応されているのだろうなという感覚で、あまり気にしてはいませんでした。
弊社の業務は基本的に電子で行うことにしていますので、どうしても紙の請求書しかもらえないような取引先様だけスキャンして対応するといった感じです。紙の請求書はスキャンして、freeeのファイルボックスに上げておけば、電子帳簿保存法の要件を満たせることは、導入時に確認していました。
インボイス制度に関しては、弊社の場合はBtoB取引がほとんどなので免税事業者との取引が多いわけではなく、何か混乱をするというようなことはありませんでした。ただ、制度開始前は受け手側として請求書を受け取るときなどに、きちんとインボイス番号があるか、税率や金額は正しいかといった点を確認しないといけないのが、やっぱりちょっと大変そうだなとは感じていました。
2023年10月にインボイス制度が始まったときに一旦全部確認して、間違えていたところは取引先様に伝えて直してもらうことで対応しました。また、freeeのファイルボックスにはOCR機能が付いていて、インボイス番号とかを自動で読み取ってくれるのでとても重宝しています。番号をデータベースと自動で照合してくれるので、ほぼ人の目で見ることがなくなっていると思います。そのおかげで制度開始前に感じていた課題は、徐々に感じなくなっていきました。
社員も不自由なく使えて、リモート勤務や出張にも対応しやすいのが一番大きなメリット
――freee会計の周辺プロダクトで使ってよかったなと思うものはありますか?
不破: もともとfreee会計と共に、人事労務が使える点が魅力でfreeeを導入した経緯があります。あとは、freee工数管理を使っています。インターフェースがfreee会計に似ており、会計や工数管理などのプロダクト間の切り替えがしやすい のもメリットに感じています。
勤怠管理や、経費精算などは、私以外の社員も使っており、それほど不自由なく使えていると思っています。
また、freeeからの紹介で顧問税理士と契約していて、記帳代行や決算作業の一部をやっていただいています。経理処理でわからないことがあったときに、メールベースで相談をしています。
――freee導入前の御社と同じような課題を抱えて悩んでいる企業に対して、メッセージをお願いします。
不破: freeeを導入するメリットとしては、やはりクラウドであることだと思いますね。結構わずらわしくなりがちな紙の書類をアップする作業や保管の手間も減りますし、あとは今だとリモート勤務とか、出張に行った際でも経理処理ができるのが一番大きいメリットかなと思っています。
インボイスなどの法令改正についても、freee側で改修をしてもらえるため、別途バージョンアップ費用もかからず、リーズナブルに利用できるシステムだと思います。
Company Profile
株式会社AdvanSentinel
設立:2022年1月
住所:〒541-0045 大阪市中央区道修町3丁目1番8号
URL:https://advansentinel.com/ja
事業概要
下水等における疫学的対象成分(ウイルス等)のモニタリングの受託・社会インフラへの実装推進・研究開発及び、データ・情報提供とその活用価値の確立に係る事業