「freee会計を入れていてよかった」複数の拠点をfreee会計でつなぎ業務効率化を達成、インボイス制度・電子帳簿保存法への対応を無理なく実現

富士産業株式会社 経理課長 田中 邦明 さん
田中 祐基 さん
矢野 純子 さん

課題
バックオフィスの体制構築・効率化インボイス、電帳法対応

人の心と体の健康をテーマとした研究開発・製造・販売を行っている富士産業株式会社では、インボイス制度が始まる前から会計システムの変更を検討し、準備に取り組んできました。


経理課長を務める田中 邦明さんによれば、初期コストを気にせずに導入できるクラウドベースのfreee会計に大きな魅力を感じたそうです。ネットバンクとの連携や売掛金の消し込みを素早く行える点など、経理を担当する他のメンバーの反応も良かったといいます。また、複数の会社や拠点を展開していても、経理の状況を把握しやすい点などもメリットとして挙げられています。


freee会計導入の経緯と、会社運営のなかで具体的にどのように活用されているのかを伺いました。


通販事業をメインとして研究開発から製造・販売まで自社一貫体制、水産事業や食品加工の事業も営んでいる

富士産業


――御社の事業の概要を教えていただけますか?

田中 邦明さん(以下、田中邦): さまざまな事業を行っていますが、主要事業としては通信販売事業です。元々はニンニクの加工から始まって、その後通販事業を展開してきました。


その他に愛媛・鹿児島を拠点として、水産の卸売事業を行っています。売上規模でいえば、水産事業が一番大きくなっています。加えて、青森に工場がありまして、ニンニクの加工を行っており、食品メーカーに販売をしております。他には、育毛剤や入浴剤の製造・販売も手がけています。


同業他社と比較したときに、弊社の強みはやはり研究開発部門を持っているところだと思います。研究開発から製造・販売までを自社で一貫体制として営んでおります。お客様にとって、いかに魅力的な製品を開発できるかが重要ですね。


富士産業


――従業員数と経理担当者の人数、役割分担などを教えていただけますか?

田中邦: コールセンターがあるので、全体としては従業員数230名ほどです。そのうち、7割ほどの従業員が本社のある香川県で通販事業等に取り組んでいます。


経理は6名です。役割分担としては、私は経理課長ですが月次決算まで組んでもらったものをチェックしています。


田中 祐基さん(以下、田中祐): freee会計の仕訳帳の検索機能を使って、全体を見たり特定の仕訳を見たりして日々チェックを行っています。


矢野 純子さん(以下、矢野): 私は仕訳を入力したり、他のメンバーの方と一緒に毎月決まったタイミングで請求書を元に入力したリストを提出して確認してもらっています。


田中邦: 部門ごとに入力担当者が分かれており、間接部門も含めると10部門ほどあります。


部門別に損益計算書を作りますが、freee会計で出力したデータをエクセルに反映させてレポートとして作成しています。部門別に損益計算書を作成して、毎月決められた日までに部門長に提出するのを月次業務のゴールとして定めています。数字の変化などは経理担当者がコメントを付けていますが、各部門長にもfreeeのアカウントを割り振っているので、部門長がfreee会計のデータを見て経理の間違いに気づくこともあります。


経費精算については、県外拠点の営業担当者にはアカウントを発行して、freee会計の経費精算機能を使ってもらっています。県内拠点においては、まだ紙で提出された書類を管理するといった部分が少し残っている状況です。


メインバンクの後押しがfreee導入のきっかけ、経理業務の大改革がイメージできた

富士産業


――freeeを導入したきっかけ・経緯などを教えてください。


田中邦: 弊社のメインバンクである中国銀行の担当の方から、freee会計を紹介されました。担当の方が2名来られて、実際にfreee会計の画面を見ながらプレゼンをしてもらい、良い印象を抱きました。


その後、freeeの営業の方に来ていただいて、経理社員向けにプレゼンをしてもらいました。転記する回数を減らせる点やネットバンキングとつながっていて売掛金の消し込みが早いなど、メンバーの反応が良かったです。


――freeeを導入された決め手は、どのような点でしたか?

田中邦: freee会計を導入することで、経理業務の大改革ができるイメージが湧いたので、導入を検討しました。以前使っていた会計ソフトでは経理業務が属人化していたため、freee会計を導入して業務の効率化や標準化ができるイメージが湧いてきたことが導入の大きなきっかけとなりました。


あとは、BCP(事業継続計画)対策ですね。freee会計はクラウド上で業務が行えるので、何か問題がある時でも、業務を止めずにテレワークなどでへの対応もできるようになりました。


最終的な決め手は、中国銀行が全面的にバックアップしてくれたことでした。システムの入れ替えが大変になる点が不安でしたが、支援体制を整えてもらえたので、安心して導入することができました。


中国銀行と提携しているsmooth社がしっかりと動いてくれて、中国銀行の担当者の方も交えながら週1ペースでWebの打ち合わせを行っていました。伴走期間として半年くらいはしっかり見ていただいたと思います。2カ月ほどは従来のシステムとの並行期間がありました。


freeeの導入で残業時間を3割削減、複数の会社・会計事務所とのやりとりがスムーズになった

富士産業


――freee導入後の変化や効果などはありましたか?


田中邦: freee会計を導入した後の効果としては、やはり業務効率化です。


例えば、ネットバンキングを連携しているので売掛金の消込が早かったり、経費の入力をすると支払データまで一気に作成されたりすることで、転記回数が大幅に減り、ミスも削減できていると感じています。


また、県外の事業所に勤務する営業社員の経費精算について、以前は紙の申請書ベースで運用していたのですが、今はfreee会計の経費精算機能を使ってスマホで申請してもらうことで、経費精算のスピードアップと工数削減に繋がっています。


この3年でグループ会社が2つ増え、対応できるか不安もあったのですが、現在はグループ3社の経理を社員6名で対応できており、残業時間を3割ほど減らすことができました。


田中祐: また、freee会計を導入する前は、会計事務所に郵送やFAXすることが多く、紙のやりとりが常に生じていました。今は税理士の方をfreee会計のアカウントに招待して、自由に画面を見ていただいています。


freee会計を入れておいてよかった、事前準備にしっかり取り組んだ結果、インボイスや電子帳簿保存法にうまく対応できた

富士産業


――インボイスに対する課題、対応方法について教えてください。


田中邦: 消費税が10%に上がって、軽減税率が始まった2019年頃から、インボイスの到来は意識していました。ただ、本格的に準備を始めたのはインボイスが開始される1年ほど前の2022年からです。


田中祐: 2023年4月には、経理部門がWebセミナーや書籍などから情報収集を行い、社内でもインボイスに関する説明会を複数回開き、各拠点に出向いて説明するなど、組織としてインボイス制度を理解できるように対応してきました。freeeのセミナーにも何度か参加しております。


矢野: 実際にインボイスが始まってからは、freee会計を入れておいてよかったね、という話をしました。現在は、freee会計の取引先マスタ上で、取引先ごとにインボイス事業者かどうかや登録番号等の情報を管理して記帳に活用できていますが、従来のシステムでは、取引先ごとのインボイスの対応が管理できておらず、改修費もかさむ可能性がありました。


田中祐: 取引先様に関しては、インボイスの登録について基本的に確認のための通知文などは出していませんでした。


ただ、インボイスが実際に始まってからは、取引先様から受けとった書類に登録番号の記載や税率別の集計欄がないといった不備などがありました。不備の対応などを取引先様にどこまでお願いするかはすごく悩みましたが、税理士の方と相談して仕組みを整えました。


富士産業


――電帳法に対する課題、対応方法について教えてください。

田中邦: 電帳法に関しても、以前から対応方法を検討してきましたが、現時点では電子で受領したデータを電子のまま保存するという最低限の対応で、しばらく運用する予定です。


弊社の場合は電子取引の割合が1割未満ですが、義務としてしっかり取り組んでいきたいと思っています。理想としては電子データでもらったものを電子保存して、紙はOCRで読み込み、入力の手間を省くことですね。


外部にアウトソーシングするサービスなども検討しましたが、やはり証憑が外に出るというリスクに懸念がありました。freee会計のファイルボックスの機能が進化したところがあり、電帳法への最低限の対応としてfreee会計のなかで完結できるのが一番良いと思っています。


初期コストを気にせず導入できる手軽さ、意思決定の大きな後押しになった

富士産業


――freee導入前の御社と同じような課題を抱えて悩んでいる企業に対して、メッセージをお願いします。


田中邦: freee会計はオンプレミス型のような莫大な初期コストは全くかからないため、ダメだったとしても「すぐに引き返せる」というのは、意思決定のうえで大きな後押しになりました。


慣れ親しんだやり方を変えるのは抵抗感もあるかもしれませんが、興味があればチャレンジする価値はあると思います。


Company Profile

富士産業株式会社
設立:1968年8月
住所:香川県丸亀市田村町1301
URL:https://www.fuji-sangyo.co.jp/


事業概要

通販事業、製造業(医薬部外品の製造、食品の製造等)、水産業(魚、水産用飼料)

富士産業株式会社