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スポットワークとは?業務委託型の働き方との違いや導入する際の注意点を紹介

監修 大柴良史 社会保険労務士・CFP

スポットワークとは?業務委託型の働き方との違いや導入する際の注意点を紹介

スポットワークは「継続した雇用関係」のない働き方です。労働者は雇用契約を結ぶため、労働基準法で守られている点が業務委託と大きく異なります。

近年話題のスポットワークをこれから始めようと考えている方や、スポットワークの導入を検討している企業は、事前に特徴やほかの働き方との違いを理解しておくことが大切です。

本記事では、スポットワークの概要ほかの働き方との違い企業が導入するときの注意点などを解説します。

目次

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スポットワークは「継続した雇用関係」なしで稼げる働き方

スポットワークとは、英語のSpot(スポット)とWork(ワーク)をあわせた造語です。短時間で単発あるいは短期間のみなど「継続した雇用関係」のない働き方を指します。

スポットワークの分類は大きく2種類です。

スポットワークの分類

● 単発バイト(雇用型ギグワーク)
● ギグワーク
近年、空き時間を利用してさまざまな仕事を行うスポットワーカーが増えています。スポットワーク協会によると、スポットワーク仲介サービスの登録者数は、2023年5月時点で1,070万人(2020年末から約2倍)に達しました。

労働者不足が深刻な問題になっている飲食業などでは、スポットワークが問題解決の手段として、重要な役割を果たしつつあります。

なお、スポットワーク自体に法的な定義はありません。厚生労働省の「労働市場における雇用仲介の在り方に関する研究会」によれば、スポットマッチングに分類される働き方は単発バイトとされ、ギグワークと分けて考えられています。

大手スポットワーク募集情報提供事業者でも、単発バイトをスポットワークとしているため、本記事でも単発バイトのみをスポットワークとして扱います。

スポットワークの特徴

スポットワークは選考過程がほとんどなく、アプリなどのサービス内で求人企業と求職者のマッチングが成立して、手軽に働ける点が大きな特徴です。

求人企業は短時間や単発の求人情報を登録し、求職者は自らの情報をあらかじめサービスに登録します。

サービス内に蓄積された求人企業と求職者の評価などの情報は随時双方に提供されるため、企業にとっては希望の人材、求職者にとっては希望する職場が簡単に見つかる仕組みです。

また、サービスによっては給与の立替払い機能が付加されていることもあるため、求職者は企業ごとの給与支給日を待つことなく、すぐに報酬を受け取ることが可能です。

スポットワークとギグワーク・クラウドソーシングの違い

スポットワークと似た働き方には、ギグワークやクラウドソーシングもあります。スポットワークとギグワーク・クラウドソーシングの大きな違いは、雇用形態です。

雇用形態の違い

● スポットワーク:雇用契約
● ギグワーク・クラウドソーシング:業務委託
そのため、スポットワークとギグワーク・クラウドソーシングでは、「社会保険の有無」「業務に対する裁量制限」「報酬の内容」が異なります。

社会保険の有無

スポットワークは雇用契約を結ぶため、一定の条件で契約する場合は、雇用保険及び社会保険へ加入できます。

また、スポットワークによって働く人は労働基準法によって守られているため、労働時間に応じて休憩時間があったり、最低賃金があったりと一定水準の労働環境で働くことが可能です。

一方、ギグワーク・クラウドソーシングのような業務委託契約には、原則、労働基準法が適用されません。そのため、雇う側は雇用保険や社会保険の加入義務がなく、雇われる側は最低賃金などの最低保証がありません。

業務に対する裁量制限

雇用契約は、雇う側と雇われる側が労働契約を直接結ぶため、スポットワークでは働く場所や労働時間など業務に関する事柄を雇う側が指定します。

一方、業務委託契約の場合、雇う側と雇われる側は、あくまで対等な関係で契約を結びます。そのため、ギグワーク・クラウドソーシングでは、雇う側から直接業務の命令を受けるわけではありません。

働く場所や労働時間、業務の遂行方法などは雇われる側が業務委託契約書内で自由に決めることが可能です。

報酬の内容

雇用契約は労働基準法があるため、スポットワークの報酬は原則時給制となり、最低賃金が守られます。

また、スポットワークは給与所得になるため、所得税や住民税は原則、源泉徴収で給与から差し引かれ、要件に該当しない限り確定申告は必要ありません。

一方、業務委託契約は、成果報酬型で報酬が支払われるため、ギグワーク・クラウドソーシングでは個人のスキルや成果物による評価に応じて報酬が決定します。

さらに、個人事業主の扱いになるため、毎年1月1日〜12月31日までの1年間に得た所得が一定以上の場合は、翌年の2月16日〜3月15日までの間に確定申告をしなければいけません。

所得税と住民税は、確定申告後の納税となるため、納税額を考慮して生計を立てる必要があるでしょう。

スポットワークのやり方

スポットワークの始め方は、以下の流れです。

スポットワークのやり方

1. 登録
2. 仕事の予約
3. 働く
4. 報酬の受け取り
スポットワークは、求人企業・求職者ともに、仲介会社のサービスに登録することからスタートします。

求職者は、仲介会社のプラットフォームに掲載されている仕事から選んで所定の日時・場所で労働したあとに、報酬を受け取ります。

報酬の受取方法は仲介会社によって異なりますが、銀行振込やモバイル送金などの送金システムで支払われるケースが多いです。なお、仲介会社によっては一時立て替え払いをしてくれる場所もあります。

スポットワークで働ける主な仕事

スポットワークで働ける主な仕事には、以下のような職種があります。

スポットワークの主な職種

● イベントスタッフ
● 飲食店
● アミューズメント施設
● コンビニ
● フードデリバリー
● 倉庫などの軽作業
● コールセンターなどのオフィスワーク
● レンタル充電器
職種によって業務の内容や求められることが大きく異なるため、求職者は事前に内容を調べておくとよいでしょう。

たとえばイベントスタッフは、イベントの受付や搬入などの仕事になり、ほかのスタッフと協力して業務を行うため、チームワークが求められます。雇用期間は1日~2日程度になるケースが多く、交友関係を広げられる点が特徴です。

スポットワークの働き方が向いている人

スポットワークの働き方が向いている人の特徴は以下です。

向いている方の特徴

● スキマ時間を有効活用したい社会人
● 短期のアルバイトをしたい学生(高校生可もある)
スポットワークは2010年代以降、多くの国で普及しているギグワークが注目されたことで普及した働き方です。

近年は日本でも副業や兼業を推進する動きがありますが、スポットワークであればスキマ時間を有効活用して働けるため、休日などを利用して副業したい社会人に向いています。

事実、大手仲介業者によると、利用者の4割以上は社会人というデータもあります。

また、スポットワークは高校生以上から募集している企業もあるため、短期のアルバイトをしたい学生にもおすすめです。

企業がスポットワークを導入する際は説明会などの工夫が必要

労働者不足の問題を抱えている企業のなかには、スポットワークによる募集を検討している企業もあるでしょう。

企業がスポットワークを導入する際は、労働者の安全面・衛生面に注意が必要です。

スポットワークは雇用契約になるため、労働基準法を遵守することは必須ですが、求職者にとっては、安全衛生の徹底度合いも応募の重要な要素になります。

スポットワークは、企業にとって人材不足を補うことができる働き方ですが、応募がなければ意味がないため、求職者に選ばれるような労働環境を作り、アピールすることが大切です。

また、動画などで業務内容を事前に伝えられる工夫も必要です。求職者へ事前に業務内容を伝えることで、ある程度理解した状態で働き始めることができるため、仕事もスムーズに取り組めるでしょう。

フリーランス・業務委託先への発注を効率化する方法

フリーランスや業務委託先との取引が多い企業にとって、手間がかかるのが発注業務です。

一口に発注業務といっても、契約や発注、請求など対応すべき作業は多岐にわたり、管理が行き届かないケースがあります。たとえば、法令にもとづく適切な発注ができていなかったり、請求書の提出期日が守られなかったり、請求書の不備で差し戻しが発生したりなどの課題が挙げられるでしょう。

このような課題を抱えている発注担当者におすすめしたいのが、業務委託管理システム「freee業務委託管理」です。

freee業務委託管理を活用すると、フリーランスや業務委託先への発注に関する手続きや取引情報のすべてを一元管理できるようになります。契約締結から発注、業務期間のやり取り、納品、検収、請求、支払いまで、一連の対応をクラウド上で完結できるため、管理コスト削減や業務効率化、取引に関するトラブルのリスク低減などのメリットをもたらします。

また、フリーランスや業務委託先との過去の取引履歴や現在の取引状況の管理も可能です。発注実績や評価を社内共有しやすく、業務委託の活用による従業員のパフォーマンス向上が期待できます。

freee業務委託管理の主な活用メリットは以下のとおりです。

発注に関わる手続きや取引情報を一元管理

クラウド上で契約完了

初めて取引を行うフリーランスや業務委託先と契約を締結する際、freee業務委託管理を使えば、クラウド上でのスムーズなやり取りが可能です。

契約書はそのままクラウド上に保管されるため、契約情報をもとに発注内容を確認したり、契約更新時のアラート通知を受け取ったりすることもできます。

発注対応や業務進捗を可視化

発注書の作成・送付は、フォーマットに業務内容や報酬、納期などを入力するだけで完了します。

また、発注業務をメールや口頭でのやり取りで行っていると、管理上の手間がかかるのはもちろん、発注内容や業務進捗などを把握しづらいこともあるでしょう。freee業務委託管理は発注内容が可視化され、プロジェクトの業務進捗や残予算をリアルタイムに把握するうえでも役立ちます。

正確な請求管理を実現

発注業務でもっとも忘れてはならないのが、請求管理です。報酬の支払い漏れや遅延は企業の信用に関わるため、情報の一元管理によって正しく効率的に行う必要があります。freee業務委託管理ならフリーランスや業務委託先が請求書を発行する際も、ワンクリックで発注書に連動した請求書を作成可能。請求書の回収状況が一覧で確認できるほか、請求処理に関する上長や経理担当者の承認作業もクラウド上で行えます。

支払明細書の発行も可能

確定申告の際に必要な支払明細書(支払調書)も、フリーランスや業務委託先ごとに発行できます。発行した支払明細書(支払調書)はPDFでダウンロードしたり、メールで送付したりすることも可能です。

法令への対策が万全

近年、発注側の企業がフリーランスや業務委託先に対して優越的地位を濫用するリスクを防ぐため、下請法やフリーランス保護新法(2024年11月1日施行予定)にもとづく適切な発注対応が求められています。また、インボイス制度や電子帳簿保存法の要件を満たす書類の発行・保存も不可欠です。

こうした法令に反する対応を意図せず行ってしまった場合も、発注側の企業に罰則が科される可能性があるため、取引の安全性を確保する必要があります。freee業務委託管理なら既存の法令はもちろん、法改正や新たな法令の施行にも自動で対応しているため、安心して取引を行うことができます。

カスタマイズ開発やツール連携で運用しやすく

業務委託管理システムを導入する際は、発注業務の担当者が使いやすい環境を整えることも欠かせません。freee業務委託管理は、ご希望に応じて、オンプレミスとの連携や新たな機能の開発などのカスタマイズも可能です。また、LINE・Slack・Chatwork・freee・CloudSign・Salesforceなど、各種ツールとの連携もできます。

より詳しくサービスについて知りたい方は、無料ダウンロード資料「1分で分かるfreee業務委託管理」をぜひご覧ください。

まとめ

スポットワークは、継続した雇用関係のない短時間・短期間の働き方で、一般的には雇用型ギグワークを指して使われることが多いです。

業務委託となるギグワークやクラウドソーシングとは雇用形態が違い、スポットワークは雇用契約となるため、労働者は労働基準法で守られている点が大きく異なります。

企業が導入するときは、安全衛生に気をつけなければいけないほか、スポットワークでよりスムーズに働けるように動画などで業務内容を事前に説明しておくことも大切です。

スポットワークを導入して、人材不足の解消に繋げてみましょう。

よくある質問

スポットワークはどんな働き方?

スポットワークとは、単発・短時間・短期間の「継続した雇用関係」のない働き方のことです。

スポットワークを詳しく知りたい方は「スポットワークは「継続した雇用関係」なしで稼げる働き方」をご覧ください。

スポットワークとギグワークは何が違う?

スポットワークは「雇用契約」、ギグワークは「業務委託」のため、そもそも雇用形態に違いがあります。

スポットワークとギグワークの違いを詳しく知りたい方は「スポットワークとギグワーク・クラウドソーシングの違い」をご覧ください。

監修 大柴 良史(おおしば よしふみ) 社会保険労務士・CFP

1980年生まれ、東京都出身。IT大手・ベンチャー人事部での経験を活かし、2021年独立。年間1000件余りの労務コンサルティングを中心に、給与計算、就業規則作成、助成金申請等の通常業務からセミナー、記事監修まで幅広く対応。ITを活用した無駄がない先回りのコミュニケーションと、人事目線でのコーチングが得意。趣味はドライブと温泉。

監修者 大柴良史