監修 内山 貴博 1級FP技能士・CFP
スケールアップ企業とは、立ち上げから数年で急激な規模拡大をしている会社です。本記事では、スケールアップ企業の概要などを解説します。
日本は、他国と比べるとスタートアップ企業およびスケールアップ企業の数が多くありません。そこで政府は企業の成長を支援するため、さまざまな施策を講じています。
スタートアップとの違い、スケールアップ企業が抱える課題に関しても解説します。ぜひ参考にしてください。
目次
freee開業で税務署に行かずに開業届をカンタン作成!
freee開業は開業に必要な書類を無料でかんたんに作れるサービスです。必要な項目を埋めるだけなので最短5分で正確な書類が完成します。マイナンバーカードがあればスマホからでも提出が可能!作成から提出までの工数を大幅に削減できます。
スケールアップ企業とは
革新的なビジネスを始めた会社や組織を「スタートアップ」と呼びますが、スケールアップ企業は、スタートアップの次の段階にいる状態を指します。
スタートアップ企業がスケールアップ企業に成長するメリットとして、次の2点が挙げられます。
スケールアップ企業に成長するメリット
- 将来の大企業の創出につながる
- 経済や社会の活性化につながる
2022年7月時点でユニコーン企業と認められているのは、米国で633社、中国で173社あります。しかし、日本企業でユニコーンまで成長した会社は、6社に留まっています。
ユニコーンへの成長がゴールではありませんが、世界的にみると日本のユニコーン企業の数が少ないことは明白です。
スタートアップ企業との違い
スタートアップ企業は、「ゼロから1を生み出す」ことを目指します。対して、スケールアップ企業が置かれているのは、「1から10、100、1000」など目指す数値を引き上げていく段階です。
スタートアップ企業の明確な定義はありませんが、もともとは「新しく設立されたばかりの企業」という意味をもちます。スタートアップに分類される企業には、以下の特徴があります。
スタートアップ企業の特徴
- 成長スピードがはやい
- ビジネスに斬新性がある
- 出口戦略を検討している
一方、スケールアップに成長した企業の特徴は次の通りです。
スケールアップ企業の特徴
- 売上が倍以上に増えている
- 雇用を増やさないと顧客対応に間に合わない
スタートアップ企業の現状とスケールアップにおける課題
スタートアップ企業の資金調達額に関して、2013年は877億円でしたが、2022年では9,459億円まで伸びています(※)。また大学発ベンチャー企業数や国内ユニコーン数も増加傾向にあります。
※出典:経済産業省 大臣官房スタートアップ創出推進室「スタートアップ政策について」
しかし世界と比べると、スタートアップ企業の数は依然として多いとはいえません。企業の成長スピードや規模なども他国との差は目立っています。
世界との差が開いている要因のひとつとして、日本のスタートアップ企業がスケールしないことが挙げられます。スタートアップの成長を支える人材や、資金が不足していることも重要課題です。
より多くのスタートアップ企業が課題を乗り越え大きく成長すれば、経済や社会の活性化につながり、他国と比べて遜色のないレベルになるでしょう。
スケールアップ企業に成長するための4つの要素
スケールアップ企業に成長するための4つの要素
- 海外へ事業展開する
- 海外から資金調達する
- 日本の特性を活用する
- グローバルな交流・連携を促進する
海外へ事業展開する
海外展開の要否を判断するポイント
- 国内に潜在的な市場規模があるかどうか
- 市場で高いシェアを握る可能性があるかどうか
海外から資金調達する
国内で十分な資金を調達するのが難しい場合、「海外から投資してもらう」のは有効な手段のひとつです。実際にユニコーンまで成長した日本企業の多くが、海外から資金を調達しています。
また海外から資金を集める場合、1社からまとまった資金を調達できるケースが多い点はメリットです。
日本の特性を活用する
日本の場合、研究開発力は世界でトップクラスを誇ります。さまざまな研究分野がありますが、とくに化学・物理科学・生命科学が有力なジャンルです。
国際競争力の高い分野でビジネスを展開すれば、大きく成長する可能性が高まるでしょう。
グローバルな交流・連携を促進する
ユニコーンまで成長した企業の特徴として、グローバル経験が豊富な人材を積極的に採用するなど、「異なる背景をもつ人との交流・連携を促進している」点が挙げられます。
採用する人材を日本人・日本国内に居住する人などに限定せず、外国人や海外に居住する人にも幅を広げることが大切です。
まとめ
日本のスタートアップ企業の事業環境は向上していますが、世界と比べると成長スピードなどは依然として遅れています。世界との差を縮めるには、スケールアップ企業に成長できるスタートアップ企業の創出が必要です。
スケールアップ企業へ成長するために有効な手段として、海外からの資金調達や自国の特性を活かす事業展開が挙げられます。
開業届はツールで簡単・正確に!
開業届の作成を検討している方にはfreee開業がおすすめです。項目を埋めていくだけで簡単に開業届を作成でき、難しい項目には、わかりやすい解説がついています。
freee開業には、以下のような機能があります。
- 開業届の作成
- 会計ソフトの準備
- 事業用カードの発行
- 事業用銀行口座の開設
作成した書類はe-Taxを通じてオンラインで提出可能です。また、青色申告承認申請書も同時に作成・提出できます。最短5分で作成できる手軽さも魅力です。
freee開業はメールアドレスなどの登録で、どなたでも無料で利用できます。開業を検討している方は、ぜひfreee開業をお試しください。
よくある質問
スケールアップ企業とは?
スケールアップ企業の概要やスタートアップ企業との違いを知りたい方は、「スケールアップ企業とは」をご覧ください。
スケールアップ企業に必要な要素とは?
4つの要素について詳しく知りたい方は、「スケールアップ企業に成長するための4つの要素」をご覧ください。
監修 内山貴博(うちやま たかひろ) 1級FP技能士・CFP
大学卒業後、証券会社の本社で社長室、証券業務部、企画グループで5年半勤務。その後FPとして独立。金融リテラシーが低く、資産運用に保守的と言われる日本人のお金に対する知識向上に寄与すべく、相談業務やセミナー、執筆等を行っている。
日本証券業協会主催「投資の日」イベントや金融庁主催シンポジウムで講師等を担当。
2018年に日本人の金融リテラシー向上のためのFPの役割について探求した論文を執筆。