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デジタルノマドとは? メリット・デメリットや主な職種を紹介

監修 大柴良史 社会保険労務士・CFP

デジタルノマドとは? メリット・デメリットや主な職種を紹介

デジタルノマドは、プログラミング・デザイン・ライティングなどパソコンを使った仕事をして、場所に縛られずノマド(遊牧民)のように旅をしながら働く人のことです。

世界中からリモートで働ける技術や環境が普及し、海外の都市や自然豊かな場所など、旅先で働く自由なライフスタイルを実践する人が増えています。

本記事では、デジタルノマドとは何か、メリット・デメリット、実際にデジタルノマドになるためのステップなどを紹介します。

目次

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デジタルノマドとは?

デジタルノマドとは、パソコン・スマホやインターネットを使ったIT系の仕事で、場所に縛られずノマド(遊牧民)のように旅をしながら働く人のことです。

アメリカの旅行情報サイト「A Brother Abroad」が公表した調査結果によると、2022年には世界中に3,500万人以上のデジタルノマドが存在し、市場規模にして約7,870億ドル(約117兆円)があると推計されています。

近年では、デジタルノマド市場の世界的な成長を受けて、各国でデジタルノマドの誘致のために専用ビザを発給する動きもあり、日本でもデジタルノマドが滞在するための在留資格が2024年4月に施行されました。

出典:A Brother Abroad「63 Surprising Digital Nomad Statistics」
出典:出入国在留管理庁「在留資格「特定活動」(デジタルノマド(国際的なリモートワーク等を目的として本邦に滞在する者)及びその配偶者・子)」
出典:観光庁「デジタルノマドの誘客に先駆的に取り組むモデル実証5事業を選定しました」

デジタルノマドの主な職種

デジタルノマドの職種としては、たとえば下記の通りです。


職種仕事の内容
プログラマープログラミング言語を使ってアプリやシステムの開発などを行う
ライター書籍・雑誌・ウェブサイト・広告などの文章執筆を行う
翻訳家ひとつの言語から別の言語に翻訳を行う
デザイナー広告・ポスター・書籍・ウェブサイトなどのデザインを行う
YouTuber動画配信サイトで動画を配信して広告収入を得る
動画編集者動画素材のカット・編集・エフェクト付けなどを行う
アフィリエイターブログやSNSを運用して商品などを紹介し、広告収入を得る

こうした職種は、業務によってはパソコン・スマホとインターネット環境があれば、オフィスなどに通う必要がなく、都市や国を移動しながら働ける特徴があります。

デジタルノマドのメリット

デジタルノマドのメリットとしては、具体的には以下のような点が挙げられます。

デジタルノマドのメリット

  • 旅をしながら自由な場所で働ける
  • 好きな時間に働ける
  • 人間関係のストレスが少ない
  • 服装や髪型に制限がない

場所や時間を選んで働けることなど、制約が少なく、ストレスフリーで働ける点がデジタルノマドの大きな魅力です。デジタルノマドのメリットを詳しく解説します。

旅をしながら自由な場所で働ける

旅行先のカフェやコワーキングスペースなどで仕事をすることや、働く環境に変化をつけながら、自由な場所で働けます。気分にあわせて仕事場所が選べる、新たな刺激を得ながら仕事ができるといった点は、デジタルノマドのメリットです。

また、YouTuberやライターなどの場合は、旅先の体験やできごとをコンテンツ化して収益を生み出すなど、旅行自体を仕事につなげる働き方もできます。

好きな時間に働ける

デジタルノマドの多くの仕事は、好きな時間に働くことができ、ライフスタイルや個々の集中しやすい時間帯にあわせて作業に取り組むことができます。

趣味の時間や家族・友人との交流の時間なども含めて1日の予定を柔軟にスケジューリングでき、仕事とプライベートの両立を図ることが可能です。

人間関係のストレスが少ない

デジタルノマドは、同僚や上司と毎日オフィスで顔を合わせる仕事と比較すると、人間関係に起因するストレスは少ないとされています。

仕事上のコミュニケーションは、チャットツールやビデオ通話を通じて、業務に必要なやり取りに限定して行われる特性上、人間関係の摩擦は避けやすいでしょう。

服装や髪型に制限がない

会社員や公務員の場合、職種によってはスーツや作業服など決まった服装で業務をする必要がありますが、デジタルノマドの場合、多くの場面で服装や髪型に制限はありません。

ウェブ会議などシーンによっては、身だしなみに気を使う必要はありますが、多くの時間は、好きなファッションで仕事に取り組むことができます。

デジタルノマドのデメリット

デジタルノマドは自由な働き方が実現できる魅力がある一方で、いくつかデメリットもあります。デジタルノマドのデメリットは、具体的には下記の通りです。

デジタルノマドのデメリット

  • 収入が不安定になることがある
  • 自己管理が必要
  • 社会的な信用が低い
  • 自分で確定申告をする必要がある

収入が不安定になることがある

デジタルノマドは、案件やプロジェクトごとに報酬を受け取る場合も多く、月々の収入が不安定になるケースもあります。基本的に毎月安定した収入が保証されている会社員と比較すると、人によってはデメリットを感じる点です。

クライアントの数や依頼件数が減ると、収入が減少して生活が成り立たなくなる可能性もあり、そのリスクは理解しておく必要があります。

自己管理が必要

デジタルノマドとは、定時に決まった場所に出社する必要がないため、自己管理ができないと生活リズムが崩れやすく、仕事のパフォーマンスの低下につながることがあります。

生活の乱れによって、納期への遅れや納品物のクオリティの低下があると、クライアントの信頼を損ない、収入減につながる可能性もあるでしょう。

社会的な信用が低い

デジタルノマドは、一般的には収入が不安定と見なされることも多くあります。

ローンやクレジットカードの審査では、安定した収入があり、返済能力が見込めることが重視されるため、ローンやクレジットカードの審査で不利になるケースがあるでしょう。

自分で確定申告をする必要がある

デジタルノマドも自営業であり、勤務先が年末調整を行う会社員とは異なり、自分で確定申告をして所得税の納税までを行う必要があります。

確定申告の基本的な知識を身に付けたうえで、毎年必要書類をそろえて申告を行う必要があり、手続きの手間を負担に感じる場合があるでしょう。

デジタルノマドになるには何から初めればいい?

デジタルノマドに興味がある場合の具体的なステップの一例を下記にて解説します。

スキルを習得する

デジタルノマドになるためには、プログラミング・デザイン・ライティング・動画編集など、リモートで仕事ができるスキルが必要となります。まずは自分が興味をもてる職種を選び、そこに必要なスキルを学ぶことが大切です。

スキルの習得は、オンライン教材や書籍などを使って自分で学習する方法のほか、スクールに通って直接指導を受ける方法もあります。実際の業務を意識した実践的な教材やスクールが選べると、仕事に活かせるスキルは身につきやすくなるでしょう。

仕事を初めて実績を作る

基本的なスキルを習得したあとは、学んだスキルを活かして、副業などで小さな仕事から始めてください。

たとえば、業務の一部を外注したい企業と個人をマッチングするクラウドソーシングのサービスを利用すると、専用のプラットフォームでタスクとして仕事の募集を見つけることができます。

募集に応募して採用されれば、クラウドソーシングを介して仕事を請け負うことが可能です。比較的取り組みやすいクラウドソーシングで実績が作ることで、SNSでの発信やクライアントへの営業による仕事の獲得もしやすくなります。

まとめ

デジタルノマドは、場所に縛られず遊牧民のように旅をしながら働く人のことです。プログラマー・ライター・デザイナー・YouTuberなど幅広い職種でデジタルノマドの働き方が実践されています。

デジタルノマドの働き方は、時間や場所、人間関係に縛られることなく自由に働ける魅力がある一方で、収入や社会的信用の面での不安や、自己管理が求められることは注意点です。

デジタルノマドの働き方に興味がある方は、たとえばクラウドソーシングなどで副業として仕事を初めて、実績を作ることが方法のひとつとなります。ぜひ、デジタルノマドの今後のトレンドにも注目してください。

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よくある質問

デジタルノマドとは何のこと?

デジタルノマドとは、パソコン・スマホやインターネットを使ったIT系の仕事で、場所に縛られずノマド(遊牧民)のように旅をしながら働く人のことを指します。

デジタルノマドとは何かについて詳しく知りたい方は、「デジタルノマドとは?」をご覧ください。

デジタルノマドのメリット・デメリットは?

デジタルノマドのメリットは、自由な場所・時間で働け、人間関係のストレスが少ないことや、服装や髪型に制限がないなどの点が挙げられます。

一方で、デジタルノマドのデメリットは、収入が不安定であり、自己管理が必要なことや、社会的な信用が低く、自分で確定申告が必要などの点です。

デジタルノマドのメリット・デメリットを詳しく知りたい方は、「デジタルノマドのメリット」「デジタルノマドのデメリット」をご覧ください。

監修 大柴 良史(おおしば よしふみ) 社会保険労務士・CFP

1980年生まれ、東京都出身。IT大手・ベンチャー人事部での経験を活かし、2021年独立。年間1000件余りの労務コンサルティングを中心に、給与計算、就業規則作成、助成金申請等の通常業務からセミナー、記事監修まで幅広く対応。ITを活用した無駄がない先回りのコミュニケーションと、人事目線でのコーチングが得意。趣味はドライブと温泉。

監修者 大柴良史