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サイバー自衛官とは?必要とされる背景や募集要項について、詳しく解説!

監修 大柴良史 社会保険労務士・CFP

サイバー自衛官とは?必要とされる背景や募集要項について詳しく解説!

防衛省は、サイバー分野専門の自衛官を民間から採用するための調整に入りました。本記事では、サイバー自衛官の概要必要とされる理由を解説します。

人々の生活で、パソコンやスマートフォンは欠かせないツールです。インターネットが普及した現在、個人でも企業でもサイバーセキュリティの必要性が高まっています。

「サイバー自衛官」の必要性や防衛省の取り組み内容を知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

目次

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サイバー自衛官とは

サイバー自衛官とは、防衛省・自衛隊に属する「サイバー分野」専門の自衛官をいいます。

主な仕事内容は、以下の通りです

サイバー自衛官の仕事内容

● サイバー攻撃などへの対処
● 防衛情報通信基盤(DII)の管理および運用
防衛情報通信基盤(DII)とは、防衛省・自衛隊が使用する共通の通信ネットワークです。この基盤によって、災害など気象条件に依存しない安定した衛星通信の環境を確保できます。

防衛省・自衛隊は、2024年にも民間からサイバー自衛官の初採用を目指しており、募集に向けた調整に入っています。

そもそも自衛官とは

自衛官は、防衛省・自衛隊に属し、国の平和と独立を守るために活動する国家公務員です。自衛隊員のうち、階級を有し自衛隊の制服を着用している人を「自衛官」といいます。

国や国民の生活を守るため、常に侵略行為などを警戒するほか、国際平和のための協力活動を行っています。また、大きな災害や事故が発生した際は、人命救助や生活支援に尽力しており、有事に備えて日頃から教育や訓練を欠かしません。

自衛隊は、大きく分けると以下の3部門です。

自衛隊の種類

● 陸上自衛隊
● 海上自衛隊
● 航空自衛隊
さらに、陸・海・空と共同の部隊として、「自衛隊サイバー防衛隊」があります。

サイバー自衛官の採用が進む背景

ネットワークの普及に伴い、サイバー攻撃も巧妙化してきており、早急な対策を講じるためにサイバー自衛官の採用が進んでいます。

サイバー攻撃の目的は「ハクティビズム(政治的・社会的主張)」・「金銭詐取(企業・個人がターゲット)」・「機密情報の窃取」などさまざまです。

ハクティビズムを目的としたサイバー攻撃では、2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻に関して、日本にも影響がありました。また、金銭目的のサイバー攻撃は、企業や個人が狙われるケースが多い傾向にあります。

サイバー人材を育てるために教育施設や機材などを充実させる一方、優秀なサイバー人材を育てるには時間がかかります。そのため、防衛省・自衛隊は、高度な知見や経験を有する人材を民間から積極的に採用する方針です。

政府は2022年3月、陸海空自衛隊と共同の部隊として「自衛隊サイバー防衛隊」を新編しました。隊本部の体制強化だけでなく、より効果的かつ効率的にサイバー防護を行うことを目指しています。

一般的な募集要項との違いや年収

防衛省は、2020・2021年に計4名の統幕サイバーセキュリティ要員(防衛技官)を採用しています。また、官民人事交流においても、原則3年以内の期間限定でサイバーセキュリティ研究室への採用実績があります。

しかし、政府だけでなく、民間企業もサイバー人材確保に注力しているため、即戦力の採用はなかなか進みません。そこで、政府は「特定任期付自衛官制度」の導入を検討しています。

特定任期付自衛官制度では、IT企業などに従事している人などを対象に、最大5年の任期で採用します。専門的知見や経験を有している人材を、統合幕僚長と同等までの給与水準で登用するため、最高年収は約2,300万円です。

また、一般的な自衛官の募集要項と比べると、体力面での要件などが緩和される見込みです。

2023年3月末時点で、サイバーセキュリティ技能を有する予備自衛官などの現員数は106名です。防衛省によると、約2,000人が所属するサイバー専門部隊の人員を、2027年までに4,000人まで増やす計画です。

防衛省によるサイバーコンテストが開催される

2021年より、防衛省が実施する「サイバーコンテスト」の開催が始まりました。サイバーコンテストの主な目的は、次の通りです。

サイバーコンテストの目的

● サイバー人材の求人について周知する
● 優秀なサイバー人材を発掘する
防衛省・自衛隊がサイバー人材を求めていることを周知するだけでなく、参加者のなかから専門的知見や経験を有する優秀なサイバー人材を発掘することが狙いです。コンテスト参加者のうち、希望者にはサイバー人材の採用説明会が実施されます。

防衛省・自衛隊の職員を除いて、日本国籍をもつ個人であれば参加できます。コンテストはオンラインで行われ、クイズ形式で出題された問題に対して、参加者が回答するスタイルです。

上位5名の成績優秀者は、防衛省のウェブサイトに氏名またはハンドルネームが掲示されます。2023年度は、応募者317名のうち267名がコンテストに参加しました。

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まとめ

ロシアのウクライナ侵攻など、近年、世界各地でサイバー攻撃が脅威となっています。インターネットによるネットワークが深く浸透するなか、防衛省にとって、サイバー分野のセキュリティ強化とサイバー人材の確保は喫緊の課題です。

防衛省は、優秀なサイバー人材を探すため、サイバーコンテストの開催・民間企業との連携強化・民間での採用など、さまざまな取り組みを行っています。

人材発掘だけでなく、防衛省・自衛隊がサイバー人材を求めていることを広く周知させることが重要です。

よくある質問

サイバー自衛官とは?

サイバー自衛官とは、防衛省・自衛隊に属する「サイバー分野」専門の自衛官をいいます。

サイバー自衛官の概要について知りたい方は、「サイバー自衛官とは」をご覧ください。

サイバー自衛官になるには?

政府は、サイバー自衛官を採用するため「特定任期付自衛官制度」の導入を検討中です。また、防衛省が開催する「サイバーコンテスト」は、優秀なサイバー人材の発掘を目的としています。

サイバー自衛官の募集内容などを知りたい方は、「一般的な募集要項との違いや年収」をご覧ください。

監修 大柴 良史(おおしば よしふみ) 社会保険労務士・CFP

1980年生まれ、東京都出身。IT大手・ベンチャー人事部での経験を活かし、2021年独立。年間1000件余りの労務コンサルティングを中心に、給与計算、就業規則作成、助成金申請等の通常業務からセミナー、記事監修まで幅広く対応。ITを活用した無駄がない先回りのコミュニケーションと、人事目線でのコーチングが得意。趣味はドライブと温泉。

監修者 大柴良史