監修 中村 桂太 税理士法人みらいサクセスパートナーズ
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イニシアチブとは、「主導権」「率先」「先導」を意味する意味する英単語のinitiativeをカタカナ語化した用語です。
本記事では、イニシアチブの意味からビジネスシーンにおける使い方、類語、対義語、イニシアチブを発揮することの重要性について解説します。
目次
イニシアチブの意味
イニシアチブとは、英単語のinitiativeをカタカナ語化した用語です。語源であるinitiativeは、日本語で「主導権」「率先」「先導」を意味します。
「イニシアティブ」と表記される・いわれる場合もありますが、語源のinitiativeの発音が異なるだけで、イニシアチブと意味や使い方に違いはありません。
主にビジネスシーンで使用されますが、スポーツシーンや政治で使用されるケースもあります。
ビジネスシーンにおけるイニシアチブの使い方
ビジネスシーンにおけるイニシアチブは、「イニシアチブを取る」「イニシアチブを発揮する」「戦略的イニシアチブ」といった使い方をされています。
表現 | 意味 | 使用例 |
---|---|---|
イニシアチブ | ・自ら率先して行動すること、または行動する能力を意味する | - |
イニシアチブを取る | ・「主導権を握る」「主導権を奪う」という意味で使われる ・企業や組織、個人が、目標・目的のため率先して行動した結果、主導権を獲得すること | ・業界シェアトップを維持するために、来週の商談は、我が社が必ずイニシアチブを取らなければならない ・この業界では、A社が販売網を独占しておりイニシアチブを取っている |
イニシアチブを発揮する | ・「率先して行動する」「先導して進める」という意味で使われる ・イニシアチブの結果、チームやプロジェクトに貢献し、チーム、組織、企業、業界などに対して影響力を発揮・行使すること | ・〇〇さんがイニシアチブを発揮したから、会議が充実した内容になった ・来月のプロジェクトでは〇〇さんにイニシアチブを発揮してもらいたい |
戦略的イニシアチブ | ・「計画」「構想」という意味で使われる ・企業や行政・国・一定のグループなどといった組織が、決定した戦略目標に対して主体的に行動する構想や計画 | ・健康的で持続可能な食環境戦略イニシアチブ |
不確定要素の多い現代社会のビジネスパーソンにとって、イニシアチブを取る・発揮することは、重要なスキルのひとつとして考えられています。
イニシアチブの類語
イニシアチブの類語は、「オーナーシップ」です。オーナーシップは、会社やチームに対して個人が当事者意識を持って行動することを意味します。
「リーダーシップ」も似た意味で使われる場合がありますが、イニシアチブとは意味合いが異なります。リーダーシップとは、自身が所属するチームを主導する指導力や統率力です。その行動力はチームの中で発揮されます。
一方、イニシアチブは、所属するチームだけでなく会社全体や業界などを含めて、個人・組織として発揮する行動力です。
発揮する対象が異なるという点が、リーダーシップとの違いだといえるでしょう。
カタカナ語のほかにも、熟語で考えると主導・率先・積極的・主体的・牽引・指揮といった類義語があります。
イニシアチブの対義語
イニシアチブの対義語は、「追従」「追随」です。
「追従」や「追随」は、行動に主体性がなく他者の意見や指示に従うだけの受動的な姿勢・取り組み方を意味するため、イニシアチブとは対極にあるといえるでしょう。
イニシアチブを発揮することの重要性
ビジネスシーンにおいて、イニシアチブは以下のようなメリットを得るために欠かせません。
- ・新たなビジネスアイデアの創出や技術革新
- ・意思決定スピードの向上
- ・事業の継続的な成長・発展
いずれもVUCA(ブーカ)といわれる不確実性の高い時代においては、ビジネスの競争力や優位性を高めるために重要なポイントといえます。それぞれのポイントについて説明します。
新たなビジネスアイデアの創出や技術革新
近年のビジネスシーンでは、市場の成熟や人材不足といった課題の解決策として、企業や組織の垣根を超えた「共創」の取り組みが注目を浴びています。共創とは、一企業や組織があらゆるステークホルダー(利害関係者)と連携し、それぞれが持つリソースや知見の掛け合わせによって新たなビジネスアイデアの創出や技術革新につなげることです。
共創の場面においては、さまざまな背景を持つ人全員が同じ目標に向けて取り組んでいく必要があります。そのためプロジェクトを牽引し、一定の成果につなげるには、利害関係の調整や信頼関係の構築、相乗効果の獲得などの過程においてイニシアチブが求められるといえるでしょう。
意思決定スピードの向上
意思決定の場において、誰も積極的に意見を述べず、議論が進まないまま時間だけを浪費してしまうことがあります。
入社したてで会社の風土を把握しきれていない新入社員や、自分の考えに自信がない社員は、「意見を述べることで自分が批判されるのではないか」と不安なため、黙っていたほうが得策だと考えるからです。また、「自分が発言しなくても誰かが発言してくれるだろう」と受け身・他人任せな姿勢を持つ人も少なくありません。
誰かが会議中にイニシアチブを発揮して積極的に発言すれば、ほかの社員も「自分も発言してみよう」と考え、議論が盛り上がるかもしれません。
多くの社員が会議へ積極的に参加することでさまざまな意見を集めることができれば、迅速な意思決定が可能になります。
事業の継続的な成長・発展
さまざまな外的要因が絡み合い、ビジネス環境が複雑化する現代では、前例のない課題に直面する場面が多くあります。また、新型コロナウイルスの流行のような世界的なパンデミックや気候変動による自然災害などの予測不能なリスクも存在します。
このような環境下で事業を継続し、成長・発展させていくには、試行錯誤を繰り返しながら常に変化する状況に事業のあり方を最適化しなければなりません。現状維持の姿勢ではなく、イニシアチブを発揮して挑戦を続けることが重要です。
まとめ
ビジネスシーンにおいてイニシアチブという用語が用いられる機会がありますが、意味は「主導権」「率先」「先導」「計画」「構想」です。主に、「イニシアチブを取る」「イニシアチブを発揮する」「戦略的イニシアチブ」といった使い方をされています。
イニシアチブを発揮することはビジネスパーソンにとって重要なスキルだと考えられており、以下のような効果が期待できます。
- 新たなビジネスアイデアの創出や技術革新
- 意思決定スピードの向上
- 事業の継続的な成長・発展
イニシアチブを発揮するためには、まずは個人が成長しなくてはなりません。主体性を発揮して信頼を獲得したり、意思決定スピードや生産性を高めたりするためにも、普段からさまざまな情報をインプットしてスキルの研鑽に励みましょう。
よくある質問
ビジネスにおけるイニシアチブの意味は?
ビジネスシーンにおけるイニシアチブの意味は、「主導権」「率先」「先導」「計画」「構想」です。主に「イニシアチブをとる」「イニシアチブを発揮する」「戦略的イニシアチブ」といった使い方がなされます。
詳しくは記事内「ビジネスシーンにおけるイニシアチブの使い方」をご覧ください。
監修 中村 桂太
建設会社に長期在籍し法務、人事、労務を総括。特定社会保険労務士の資格を所持し、労務関連のコンサルタントを得意分野とする。 ISO9001及び内部統制等の企業内体制の構築に携わり、 仲介、任意売却、大規模開発等の不動産関連業務にも従事。1級土木施工管理技士として、土木建築全般のコンサルタント業務も行う。