手入力だった月300件の請求書発行(インボイス発行)の電子化・自動化を実現 ミスの軽減にもつながり、作業の効率化や郵送費など月間約15万円分を削減

株式会社ジェイテクトフルードパワーシステム 経理グループ 粂 玉実 さん

課題
インボイス、電帳法対応エクセル・紙管理からの脱却

愛知県に本社を置く株式会社ジェイテクトフルードパワーシステムは、油圧・空気圧技術を活用したさまざまな機器を製造するメーカーです。


多くの製造業がそうであるように、同社でも経理業務でマニュアルによる煩雑な作業が発生していました。そうしたなか、2023年10月のインボイス制度の正式施行を前に、制度への準拠が求められたのです。


経理業務の課題を解決すべく、同社では全社で統一したフォーマットを導入し、効率的な業務フローへ移行することを決めました。そのシステムとして採用されたのがfreee経理です。


今回は導入前に抱えていた課題や、freee会計導入の決め手、その効果について、経理グループの粂玉実さんにお話を伺いました。


月300件の手入力作業をfreeeで自動化

――まずは、事業内容や企業規模など、貴社の概要を教えてください。

粂 玉実 さん(以下、粂): 当社は、1958年に創業した油圧・空気圧機器の総合メーカーです。主に工場の設備として利用されるような油空圧機器や検査試験機を製造しており、お客様の製品品質の確保に貢献しています。


また、自動車部品も手掛けており、ギヤセットでは特許も取得。多くの車で採用されています。従業員は410名で、本社と工場は愛知県に所在している他、全国に5箇所の営業所があります。


私は経理グループに所属しており、財務会計や原価計算、税務といった、経理の業務全般を担当しています。経理グループの所属は、私を合わせて5人です。


――請求書発行に関わる業務について、従来はどのようなフローだったのでしょうか?

: 請求書発行は、各部署が担当しています。それぞれ独自のフォーマットを使っており、その大半はExcelでの手入力でした。営業部を中心に、総務、人事、技術管理などが定期的に請求書を発行しており、その数は全社で月間300枚以上にのぼります。


業務見直しのきっかけは、インボイス制度への対応に迫られたことでした。インボイスに準拠した請求書を発行するのと合わせて、全社で統一されたフォーマットによる業務フローに移行しよう、という判断になりました。


そこで、2023年1月から具体的なサービスを検討し始めた、というのがfreee導入前の経緯です。


請求書を入力する各部署にfreee経理を導入し、統制が取れる組織へ

――そうした課題に解消するために、どのようなサービスを比較検討されましたか?


: freeeのほか、有名な経理システムをあわせた3社で比較検討しました。選定で重視したのは、統制が取れること、わかりやすいこと、柔軟であること、の3点です。


発行者が各部署に分かれていますので、経理グループできちんと統制が取れる仕組みが必要でした。また、さまざまな人が利用するため、誰にでも使いやすいことにも注目しました。


他のシステムでは、入力者が画面で打ち込んで発行する機能がなく、いずれもCSVデータを取り込む仕様になっていたので、必然的にfreeeを選ぶ結果となりました。


さらに、請求書とあわせて、支払明細も発行したかったので、フォーマットをアレンジできるような柔軟さも欠かせない要素でした。


――導入にあたって、どのような準備や作業が必要でしたか?

: 経理グループは、請求書発行に直接携わっていません。そのため、請求書を発行する各部署の要望をとりまとめて、freee側に申し入れるなど、初期の運用設定における取りまとめをしていました。メインとなる業務は、請求書の発行ですが、支払明細を発行する作業では、多少工夫も必要でした。


ですが、freeeの担当者には、チャット形式ですぐに問い合わせができ、迅速に対応してもらえました。


そうしたサポートに加えて、経理グループとしても社内での説明会の開催や、マニュアルの作成も行うといったフォローアップに取り組みました。


そうした甲斐もあってか、他部署からの問い合わせも次第に無くなり、今ではほとんどありません。比較的スムーズに導入できたのではないでしょうか。


月間約15万円のコスト削減に加え、手入力によるミスの軽減を実現

――freeeの導入により得られた効果や、メリットについて教えてください。


: 従来は手入力で請求書を作っていたので、導入後はデータを取り込んでメールでの送信までできるようになり、発行業務がかなり楽になった、と現場の従業員から聞いています。


作業の効率化や郵送費などの削減により、1カ月あたり15万円近くのコスト削減につながるなど、大きな効果がありました。


また、手入力の場合、どうしてもミスは避けられません。freeeを導入したことで、作業時間の短縮だけでなく、手作業によるミスの軽減にもつながりました。


――今後、バックオフィスの業務改善について、どのように考えていらっしゃいますか?

インボイス制度への対応が無事に実現できたのは、大きな成果です。freeeを導入してまだ半年余りなので、当面はfreeeの活用を継続していきながら、状況を見ていきたいです。そのうえで、必要に応じてより良い運用へのアップデートを検討したいと考えています。


――freeeの導入を検討している他の企業に向けてメッセージをお願いします。

freeeを導入したことで、実際にコスト削減ができました。それだけでなく、システム化によって、ミスの軽減にもつながり、目に見える効果があったと実感しています。


当社の場合、インボイスへの対応がきっかけではありましたが、経理業務の効率化につなげたい企業は、ぜひ検討されてみてはいかがでしょうか。


(執筆:水口幹之 編集:ノオト)


株式会社ジェイテクトフルードパワーシステム

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