年200時間の残業時間削減を達成、50店舗以上の多店舗展開の仕事用品小売業がfreee人事労務を導入

ハミューレ株式会社 総務部 総務課 リーダー 矢部 正人 さん

課題
バックオフィスの体制構築・効率化

ハミューレ株式会社は、北海道、東北、北関東に仕事用品店「プロノ」などの小売業を展開しています。2022年現在で約50店舗を持ち、従業員数は600人以上。さらに拡大を続けています。


一方で、バックオフィスでは課題を抱えていました。給与計算や年末調整をアウトソーシングしていましたが、社内でもExcelを用いた集計作業があるなど非効率な業務が残り、突発的な残業が生じてしまっていたのです。課題の解決に向けて、freee人事労務を導入し、業務を内製化することで業務の効率化を図りました。


freee人事労務導入前の課題や導入のスケジュール、内製化による成果などについて、ハミューレ株式会社総務部総務課でリーダーを務める矢部正人さんに話を伺いました。


従業員増に伴い膨らんだ給与計算や年末調整の業務を効率化へ

――貴社の事業内容と、ご担当者様のプロフィールを教えてください。

ハミューレ株式会社

矢部正人さん(以下、矢部): 仕事用品店「プロノ」を中心に、作業服などの作業用品の小売業を営んでいます。北海道や東北、北関東地域で出店し、アパレルショップ「ハミューレ」も含めて約50店舗を展開しています。いまも年に2店舗ほどのペースで拡大しているところです。


当社は、採用や研修などの人事労務は人事課で、給与計算などの給与労務を総務課で行っています。私は総務部総務課でリーダーを務めており、給与計算や年末調整の業務を担当しています。


――freee人事労務導入前はどのように業務を行っていましたか?

矢部: 給与計算業務は、アウトソーシングしていました。集めてきた勤怠情報をアウトソーシング先に引き渡して処理してもらい、またアウトソーシング先からデータが戻ってきた際に結果を確認し、データを確定します。これらの作業を、社内では社員2名とパート1名の3名体制で行っていました。


また、社会保険業務についてはエクセルで計算したり、アウトソーシング先とのやりとりがあったりして、非常に手間が大きい作業でした。


――freee人事労務導入前にはどんな課題がありましたか?

矢部: 大きく4点ありました。


まず、アウトソーシング費用の高さです。内製化したほうがコストを下げられることがわかってきました。


次に、残業時間が多い点。アウトソーシングしている分、全体の業務量は多くはなかったのですが、アウトソーシング先のタイミングに合わせて、データを作り、確認してリターンしないといけませんでした。


期限がタイトで、届いたデータをその日のうちに修正して返送しなければならないことも多くて……。タイトなスケジュールで動くとなると、どうしてもそこで残業しなければならなくなってしまうので、業務量の平準化ができず、ピンポイントで残業が増えていました。


3点目としては、社員数や店舗が増えてきたなかで、申請に遅れる人や間違える人が増え、情報の伝達の精度にばらつきが出てきていたことも課題でした。


最後に、社会保険業務をアウトソーシングできていなかったのもネックでした。既存のアウトソーシング先ではできないので、提携している社労士法人を紹介されたのですが、コストが見合わず、社内で実施していました。具体的には、定時改定や随時改定などを、全て社内で手計算をする必要がありました。


誰でも使える操作性に魅力を感じ、freee人事労務を導入

――そうした課題の解決に取り組んだきっかけと、freee人事労務導入の決め手を教えてください。

矢部: アウトソーシングしていた2020年分の年末調整でいくつか問題が発生し、先方と連絡がほとんど取れない日々が数週間続き、「次の年末調整までには改善したい」と考えるようになりました。


悩んでいるときにちょうどタイミングよく、freeeさんから連絡をいただいて。「年末調整だったらアンケートに答えるように簡単にできますよ」と聞き、もともと費用や残業時間に課題を感じていたこともあり、検討に入りました。


クラウドとオンプレミスのシステムで合わせて10社以上を比較検討しましたが、freee人事労務が最も適していると思い、導入を決めました。


決め手のひとつが、スマホでの操作のしやすさです。まずオンプレミス系では、スマホで出社情報や年末調整を入力するシステムがほとんどありません。あったとしても、カスタマイズや追加開発となることがわかりました。


ハミューレ株式会社

当社では、ITツールに慣れていないパートタイマーの方も多く、操作のしやすさは必要不可欠です。freee人事労務のシステムを見せてもらったときに、「これならできそうだ」と思いました。


さらに、freeeさんのレスポンスの良さが決め手でした。もともとアウトソーシング先と連絡が取りづらかった点に改善の必要性を感じていたこともあり、スピーディーかつ的確に連絡を取ってもらえたのが好印象でしたね。システムを稼働させてからも的確なサポートが受けられそうだと感じました。



200時間の残業時間削減とペーパーレス化に成功

――実際に導入を進めたときのスケジュールを教えてください。

矢部: システムの導入は、検討期間を含めて6ヶ月で行いました。2020年の年末調整の業務に課題を感じ、2021年1月から検討を始めて同年3月に契約。4月〜6月の3ヶ月間で設定をしながら既存システムと平行稼働させ、7月からは単独稼働にしました。
freeeの丁寧な導入支援のおかげで、システムの導入はスムーズでした。当社では、勤怠入力などで他社のシステムも利用していますが、連携の部分で苦労はほぼありませんでした。


従業員への浸透も問題なく進められました。年末調整の作業を従業員各自のスマホから行ってもらう際、中には対応できない人がいることも考えましたが、結果的には95%以上が問題なく利用できました。


スマホで申請できない場合は紙で年末調整を行いますが、やり方や周知方法を工夫すれば、もっと減らせると思います。従業員のほうも、紙で申請するほうが大変ですからね。



――freee人事労務の導入によって、どんな効果が得られましたか?

矢部: まず大きな効果を感じたのは、年末調整に関する作業です。従来は繁忙期になるこの時期でも残業はほとんどありませんし、今回はメインの担当者がピーク時に3日間の有給休暇を取っていましたね。従業員のストレスや疲労感も大幅に減ったと思います。


実際の作業はアウトソーシング先で行っておりましたが、紙で行うことに比べると、半分程度の手間で済むようになった印象です。システムを使用する従業員からは「質問に回答する形でわかりやすく、2分で終わりました。革命ですね」と声をいただいています。


内製化によって社内の業務量はもちろん増えたのですが、以前あった突発的な対応をなくし業務量を平準化させることで、残業時間をトータル200時間ほど削減することができました。


また、別の業務の改善にも取り組めました。各システムをAPI連携させてfreee人事労務に集約できるようになり、自動化が進んでいます。


社会保険業務は手計算でやっていた作業をfreee人事労務上でできるようになった上、社内で完結できるので、大幅に楽になりました。算定基礎や定時改定、随時改定、労働保険年度更新など、主要な業務はfreee人事労務でできています。


行政へ提出する統計情報も報告しやすくなりました。当社は多くの地域に小売の店舗があるため、雇用者の数や賃金などの情報を各地域の自治体にそれぞれ作成して提出する必要があります。



ハミューレ株式会社

以前は、給与データベースをこちらで操作することができないため、有償の依頼が必要であったり、こちらの都合に合わせた内容にデータベースを変更したりすることができなかったため、合理的でない作業が発生していました。社内でデータを出せるようになったので、大きく手間が減りました。


結果的に、社内で紙の申請書をほとんど見なくなりましたね。月に約150枚あった申請書が10分の1程度になっています。今後も各システムの連携を高めて、自動化を進めていきたいです。


――freee人事労務の導入を検討されている小売業の企業に向けて、メッセージをお願いします。

矢部: 小売業ではデジタルツールに慣れていない方も多く、「従業員の電子化への対応が難しいのではないか」と懸念する担当者もおられると思います。しかし、当社では95%以上を電子化していて、デジタルに慣れていない方も対応できているので、導入してよかったと感じています。


バックオフィスのメンバーが複数のクラウドサービスを使いこなすことにハードルの高さを感じている方もいるかもしれません。ただ、運用を考えて、申請画面を作成して、データベースの出し入れや加工ができる方であれば問題ないと思います。当社はコスト削減や残業時間削減、業務改善を実現できたので、導入は大正解でした。


ハミューレ株式会社
ハミューレ株式会社の皆様と担当営業のfreee藤野


(取材・執筆:遠藤光太 撮影:小牧寿里 編集:ノオト)

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