群馬県でDX・ITの推進に関わる事業を行っている、株式会社MIALI。代表取締役の原澤侑希さんは群馬県の出身で、東京のソフトウェア会社でロボット開発等のエンジニアとして経験を積んだ後、地元で起業しました。そこには、DX・ITを通じて生まれ育った場所に恩返しをしたいという気持ちがあります。
起業してからまだ1年ほど、ほぼご自身お一人で事業を回すなか、帳票発行の時短に役立っているというのがfreee請求書です。原澤さんの事業に対する想いから、その事業のなかでfreee請求書がどのように役立ち、請求書発行についてどのように感じているのか伺いました。
起業するなら群馬で、DX・ITを通じて恩返しをしたい
――株式会社MIALIさんの事業について教えてください。
原澤さん(以下、原澤): 弊社は2022年8月に設立した会社で、DX・ITのコンサルティングと、ソフトウェア・アプリケーションの開発を事業の主軸としています。また、Webサイト制作やSNS販促などのマーケティングのコンサルティングも手がけています。
クライアントとしては、群馬県庁のデジタルトランスフォーメーション戦略課、農政課、商工会など公共系の案件が多くなっています。DXやITに関する研修会やセミナーの講師を務めたり、農家さんをDXやITの観点からサポートする事業に関わったりもしています。
――起業のきっかけは何だったのでしょうか?
原澤: 起業前は、都内のソフトウェア会社に勤務してロボットやソフトウェアの開発を行っていました。その会社に新卒で入社して6年ほど働き、それなりの年齢になり、仕事で結果も出してきたことで、自分で事業をやってみたいと起業に至りました。
もともと私は群馬生まれ群馬育ちで、生まれ育った場所に恩返ししたい という気持ちがあり、いつかは群馬で起業したいと思っていました。私の父がいくつかの事業を運営している人で、その背中を見て育ってきた、という影響もあったのかもしれません。
――現在、どのような体制で事業を運営されていますか?
原澤: 代表である私が基本的にすべてを担っています。経営全般はもちろん、営業や金融機関との折衝、人事や会計などのバックオフィス業務、そしてIT・DXの案件まわりの実働部隊としても動いています。
そのなかで、案件に応じて業務を外注することもあります。また、父には財務面などでの相談やアドバイスをもらっています。
会計業務では、普段の経費の入力などはfreee会計を使って自分で行い、償却資産の申告書作成、法定調書作成、確定申告などを、税理士に依頼しています。
起業するにあたって不安だったのが、営業先の開拓や金融機関との折衝、キャッシュフローなどですが、そういった点を父に相談できたのは良かったと思います。父とは毎朝、今日の業務予定などを報告する「朝礼」をやってたりもするんです 笑
freee請求書の導入で帳票発行の「めんどくさい」が軽減
――案件はどのように獲得されることが多いのでしょうか?
原澤: 公共系の案件は、起業当初、経営者が集まるようなコミュニティを探していて、まずは商工会に行ってみたところ、さまざまなつながりができたことが大きかったです。また、農家さんの支援などは、知人の中小企業診断士からの紹介がきっかけとなっています。これまで、商工会つながりのコミュニティや知人からの紹介、自分の営業などで案件を獲得しています。
時期にもよりますが、月平均で中~大規模の案件が1~2件、細かな案件が4~5件ほどといった感じです。設立して1年目ということもあり、新規の案件がほとんどですが、少しずつ継続の案件も増えています。
――freee請求書のことを知ったきっかけは何でしたか?
原澤: 最初はExcelで見積書や請求書を作成していたのですが、もっと管理を効率化したいと考えていました。
たとえば、項目が多い見積書は集計がズレてしまうことがあり、確認に時間がかかります。また、1つの案件のなかで請求書を分けるケースなどもあり、請求書の発行も多く、この1年ほどで請求書の発行は80件以上になっています。
そのため、見積書・請求書を簡単な入力で作成できて、それらをWeb上で一括管理できるシステムがあると良いなと考えていました。
freeeの名前自体はもともと知っていて、ネットで請求書ソフトを検索しているときに見つけたのがfreee請求書導入のきっかけだったと思います。そのときにちょうど発行しなければならない見積書があって、freee請求書のことを知ってからすぐに利用開始しました。
――freee請求書を使ってみていかがでしたか?
原澤: 期待した通り、使いやすかったです。主に見積書・請求書の作成で使っているのですが、Excelを使っていたときは1枚の作成に10分くらいかかっていたのが3~5分に短縮されています。
項目が多い見積書・請求書も、freee請求書のフォーマットを使えば明細を入力するだけで簡単に作成できます。
また、取引先マスタに取引先情報を登録しておけば、リストの中から簡単に選べる点が便利で気に入っています。freee請求書の導入以前は、取引先の会社名やご担当者のお名前などを毎回手入力していたため、記載間違いのないよう、確認の手間も神経も使っていましたからね。
もともと単純作業が苦手なほうなので、帳票発行に対してはめんどくさいという気持ちがあったのですが、freee請求書を使いはじめてからその気持ちが軽減されました。
社員の雇用など今後の事業展開を見据え、さらにfreeeを活用していきたい
――はじめて受注して売上があがったとき、 どんな気持ちでしたか?
原澤: 自分のノウハウや商品がお客様に受け入れられて、「自分の会社がお客様に認められたんだ。」という気持ちでした。これは、サラリーマンとして働いていたときとの大きな違いでした。サラリーマンのときは社内調整などに苦戦することも多かったのですが、起業してからは良くも悪くも自分の判断ひとつで会社が動く、自分に決定権があるということが、一番の楽しいポイントですね。
――そのなかで、freee請求書はどのようなところに価値があると思いますか?
原澤: 請求書発行でめんどくさいなと思うところが機能で網羅されているところが良いと思います。使う側に寄り添った設計をしているという印象で、かゆいところに手が届くといった感じです。
今後、さらに案件数を増やしたり社員を雇用したりすることも考えているので、freee請求書と合わせて、freeeのさまざまなプロダクトもより活用していきたいと考えています。
――今後、どのように事業を展開していきたいですか?
原澤: 今後もDX・ITを主軸としたビジネス展開をしていきます。東京などに比べると、群馬はまだまだそのあたりの技術が遅れているので、中小企業や個人事業主に向けて幅広くDX・ITを広めていきたいです。
また、農家さんの支援を行って いることもあり、新たなチャレンジとして自社でも農業に取り組もうとしています。現在、会社で畑を所有してサツマイモを2,500本ほど栽培しています。そこにドローンや無人トラクターを投入するなどの取り組みを考えています。まずは試験的に始めて、農業IoT、農業DXにも本格的に取り組んでいこうと考えています。
――前職でのロボット開発の技術を活かした、故郷での農業DXですね!
原澤: そうですね。何事も自分でもやってみないとわからない、というポリシーから自分でも畑をやりはじめたんですが、こういうふうに「自由な経営スタイルを送ることができる」というのは、自分にとってすごくやりがいがありますね。
この秋には、2,500本のサツマイモが収穫時期を迎えるので、また新しい取り組みができたら良いなと思っています。この畑の前で直売所を作ってもいいし……地域の小学校の先生に、生徒さんたちと収穫体験に来ないか、なんて相談しようかな、なんてこともも考えています(笑)