freeeだからインボイス制度や電帳法への対応を実現できた

株式会社大阪府農協電算センター 推進部 次長(JA担当)柴田晃佑さん

課題
インボイス、電帳法対応請求・入金消込を自動化

株式会社大阪府農協電算センター(以下、JA大阪電算)は、大阪府内のJA(農業協同組合)へITソリューションを提供している会社です。JAの業務がスムーズに進められるように、システム開発や保守業務を行っています。


各JAにおいては、債権管理のフローが統一されておらず、紙の請求書を独自で発行しているなどアナログな業務も多かったため、電子帳簿保存法(以下、電帳法)の改正やインボイス制度に対応しきれないという悩みに直面していました。


これらの課題を解決するために債権管理のシステム化を決め、freee債権を導入。導入前のお悩みや運用状況、導入による効果などについて、推進部 次長(JA担当)の柴田晃佑さんに話を聞きました。


アナログが多く残る業務フローのままでは法令対応ができなかった

――JA大阪電算様の事業概要と、柴田さんの業務について教えてください。

柴田 晃佑 さん(以下、柴田): 当社は、大阪府内にある14のJAを、ITソリューションの面からサポートする会社です。システム開発や保守を行うと共に、外部のITサービスを選定して導入する役割も担っています。


私の業務は、JAにおける困りごとをヒアリングし、業務の効率化や省力化が実現できるようITソリューションを提供することです。現場の皆さんと密にコミュニケーションを取ることを大切にしており、JAを訪問する回数は年間170回にものぼっています。


――freee債権を導入したきっかけをお聞かせいただけますか。

大阪府農協電算センター

柴田: 2023年秋に開始されるインボイス制度と、2024年1月からの電帳法完全義務化に対し、今の業務フローでは対応は難しいと判断したことがきっかけでした。


大阪府内のJAでは、独自の請求書を紙で発行していることも聞き及んでいましたし、入金確認の消し込み作業も、表計算ソフトを使いながら1件ずつ手作業で行っていました。また、その方法も拠点によって異なるなど、債権業務のフローが統一化されていなかったのです。


各JAでは、インボイス制度や電帳法に対して「対応しなければならないが、どこから取り組めばよいかわからない」と、漠然とした危機感を抱いている状況でした。


この課題を解決するために、インボイス制度と電帳法の両方に対応できて、セキュリティ要件も満たし、かつ、予算内で導入できるシステムを探そうという話になったのです。



――導入を検討されるにあたって、最終的にfreee債権を導入した理由を教えてください。


柴田今回のシステム導入で実現したかったのは、府内の各JAが同じシステムを使い、足並みをそろえてインボイス制度や電帳法に対応できることです。


そのため、先ほど挙げたコスト面に加え、アナログでの業務に慣れ親しんできたユーザーにとって抵抗感がなく、使いやすいシステムであることが必須条件でした。freeeを含め、5〜6社のサービスを比較検討しました。この点で圧倒的に使いやすかったのが、freeeだったのです。


また、他システムとの連携のしやすさも決め手のひとつでした。本府では独自の会計システムを使っており、それをリプレイスすることができない事情がありました。また、JAの口座と連携ができれば、入金消し込みの業務がかなり省力化できるだろうとも考えました。


ユーザビリティやコスト感、将来性も見据え、総合的に比較検討した結果、freeeが最適という結論になりました。


freee債権によって法令対応と業務効率化の両方が実現

――freee債権を導入したのはいつ頃でしょうか? また、どのような業務から運用をスタートしましたか。


柴田: 2023年7月にfreee債権を導入しました。インボイス制度の開始となる10月までにシステムを使える状態にすることを考えると、ギリギリのタイミングでした。


最初に実施したのは、全JAの職員向け説明会です。インボイス制度や電帳法の概要と共に、freee債権を導入することを伝えました。


大阪府農協電算センター

その後、府内のJAの各拠点を回り、現在の業務フローからどのような変更が起こるのかについて、丁寧にコミュニケーションしていきました。必要に応じて個別研修を行ったり、説明会を何回も開いたりしながら、少しずつ理解を得ていきましたね。



――新たにシステムを導入することに対して、各JAの皆さまはどのような反応でしたか。


柴田: 紙ベースで仕事を進める商習慣が長年続くJAもありますので、当初は、慣れ親しんだ事務処理からの変更に対し抵抗感を抱いた方もいたことは事実です。


それでも、今回のシステム対応を前向きに捉え、励ましの言葉をかけてくれる方もいました。私たちが懸命にJAの各拠点で対話し続けたり、詳細なユーザーマニュアルを作成したりする様子を見て、応援してくれたのです。


こうしたポジティブな声や、ご理解いただいた関係者からの「ありがとう」「助かったよ」という言葉に励まされ、導入時の苦労を乗り越えられました。


現在では、freeeで作成した請求書の電子データを原本とする運用が回り始めています。


――freee債権によって、制度や法令対応の課題は解決されたでしょうか。また、業務は効率化されましたか。

柴田法令や制度対応の面では、freee上に用意されている請求書のテンプレートを使えば、インボイス対応ができているという安心感がありますね。


電帳法の観点でも、freeeへアップロードして内容を確認するだけで、対応可能になりました。これまでは、請求書や領収書の管理簿を表計算ソフトで作り、1件ずつ要件を入力して、ファイルサーバーに保管していたので、大きく改善できたと感じています。


そして、JAの口座とシステムを連携できたことで、入金消し込みの作業が効率化できたことも大きな変化です。


――freeeのカスタマーサポートへの感想もお聞かせください。

柴田: インボイス制度のスタートが迫る中、きめ細かいサポートをいただいたことに感謝しています。


導入当初、統合型クラウドシステムへの知見が豊富ではない私たちが、JAの職員へ説明会を開くにあたり、freeeの操作を理解しきらなければならないという焦りが募っていました。その不安を察知していただいたのか、問い合わせをした際にはスピーディーに返答いただき、本当に助けられました。私たちにとって、最も心の支えになったサポーターだったと思っています。


freeeで運用する業務範囲を広げていきたい

大阪府農協電算センター

――バックオフィス業務における、今後の展望をお聞かせください


柴田: freeeでカバーする業務範囲を広げて、いつかは、債権だけでなく債務管理も行い、現在使っている会計システムと連携させたいという展望を抱いています。


しかし、業務フローも統一しきれていない現状を踏まえると、この展望を実現させることは簡単ではありません。


ただ、操作性に優れ、オンプレミスとは異なり不具合の心配も少ないSaaSであるfreeeを導入できた意味は大きいです。


これからも、新たな取り組みに対してJAの皆さんから信頼いただけるよう、引き続きコミュニケーションを重ねていきたいです。


――freee導入前の御社と同じように、業務フローが統一されておらず、アナログな業務も多く残る課題を抱える企業へ、メッセージをお願いいたします。

柴田: 業務フローを統一できていないグループ会社などでfreeeを導入できると、業務が効率化できますし、法令対応の観点でも安心です。また、担当者の異動があっても、グループ会社内で同じシステムを使っていれば、引き継ぎもスムーズに進められるでしょう。


当初、ユーザーの理解を得ながら浸透させていくまでは大変なことが多いですが、ここを乗り越えられれば、大きなメリットが得られると思います。


(執筆:御代貴子 撮影:小野奈那子 編集:ノオト)

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