ホーセック株式会社は建設業界の『下請工事業者』の立ち位置で、どこよりもDX化への時代の潮流を受け入れ、すべての建設業務のICT化を実現することで、企業理念である『豊和』の本当の意味での、時代に合った形での実現を目指しています。鉄の加工技術を活かした、鉄のオーダーメイド『てつまど』事業や、現場の持ち帰りを実現する3Dスキャナ事業を展開しています。
バックオフィスでは、すべての建設業務データが管理できる『建設タウン』を中心に、freee人事労務とfreee会計の双方と、APIでの完全連携をするなど、すでに業界最先端 のDX化が実現しています。
システム導入をきっかけに、業務改善に取り組みました
――freee人事労務の導入前、バックオフィスにはどんな課題があったのでしょうか。
毛利様(以下、毛利): 当初は、勤怠システムを利用しておらず、複写式の紙で出退勤や労働時間の報告を実施していました。出退勤を記録する紙とは別に、各従業員で日報一覧の作成をExcelで行っており、日報一覧では現場毎の工数を集計していました。最終的に、現場での労務費原価を算出することで現場別の利益管理を実施していました。
目的は異なるものの、一部内容が重複する情報を2回扱っていることから、勤怠情報を日報に転記する際に数字を間違えるなどのミスが生じていました。最終的に労務費原価を算出した際にその数値が転記ミスなのか、実際に採算があっていない案件なのかわからず、正確な労務費の予実管理ができていない現状に苦慮していました。
手書きで報告する情報が多いことも従業員の負担になっていたことが原因で、従業員が月1回まとめて勤怠報告や日報一覧を作成して提出することもあり、日報の内容が実態と異なる状況になっていました。日報を集計する仕組みと業務フローの両方に課題を有していたため、基幹システムを導入することをきっかけに、業務を抜本的に見直す必要があると考えました。
――freee人事労務導入のきっかけを教えてください。
毛利: 導入のきっかけは、前任の人事担当者が退職をして人事労務に関 する業務を私が引き継いだことです。人事労務関連の業務は入退社手続きから教育、給与計算などやることが多く、給与明細を印刷し忘れたことで、夜中に会社へ戻ることもありました。
人事労務関連は特にミスが許されない業務になりますのでシステムを導入してミスやトラブルを最小限に減らせるよう改善したいと考えました。既存の給与ソフトでは、弊社の給与規定に沿った給与計算が対応していなかったこともきっかけの1つです。
――freee人事労務を選定する際に大事にしたポイントはありますか?
毛利: 勤怠や給与計算などの一部の機能の切り出しではなく、幅広い人事労務関連の業務に対応できるシステムを検討していました。freee人事労務では、勤怠・給与計算・年末調整など人事労務関連の業務に一通り対応していましたので、これが主な導入理由です。
そして、freeeはシステム間の連携を容易にするAPIが公開されているため、弊社で利用している原価管理を行う基幹システムと連携できたのも判断基準の1つです。APIが公開されていない場合、システム間を連携する難易度が全く変わってきますからね。
システム同士の連携も実現し、効率化・ミスの防止を実現
――freee人事労務の導入によって得られた効果はありましたか?
毛利: freee人事労務導入は、給与明細をアプリで閲覧できることから、各従業員がスマートフォンを業務で利用するきっかけになったと感じています。パソコンで作業した方が効率の良いものは、当然パソコンで行うのですが、給与明細の確認や日報報告などスマートフォンで行った方が良い業務は全てスマートフォンでできるよう集約しました。
freeeと他システムのデータを繋げることで、従業員情報が全てのシステムで統一され、給与計算情報結果から、各現場ごとの労務費データへ予実管理の情報を流し込むなど転記ミスを防止し、出退勤管理や日報集計の作業工数を削減することができました。
基幹システムに情報が自動的に流れてくるので、計算された労務費原価の数値にも信頼が持てます。現場毎の採算が合っているかどうかをタイムリーに確認できるため、現場実績の確認や経営判断を行う材料をいつでも確認できる状態になりました。
――最後に、今後の御社の展望をお聞かせください。
毛利: 機能的な側面では、freeeは法律対応やマイナンバーなどの国の施策への対応が早いため、今後どのような進化を遂げていくか期待しています。例えば、2025年に予定されているマイナンバーカードの利用範囲拡大など、毎年法改正や新しい施策が登場するので、自社で都度対応するのは大変です。しかし、freeeに任せておけば確実に時代に合った対応をしてくれるので安心しています。