2021年に設立60周年を迎えたダイヤ株式会社。創業以来、一貫して「健康でゆとりのある暮らしの創造」を理念として、アイデアやデザイン性に富んだ商品の企画開発に取り組んでいる。近年では、ユニバーサルデ ザインを重視した商品を多く企画、洗濯ネットとゴルフティーはグッドデザイン賞を受賞している。
課題
・業務を根本から見直して、バックオフィス全体の業務改善に取り組む必要があった。
導入の決め手
・業務を根本から見直すにあたって、既存の会計システムとは異なる考え方を持つfreeeに魅力を感じたこと。
導入後の効果
・当初、5名体制で行っていたバックオフィス業務は現状1名に。自動化した業務をアウトソースすることにも成功。
業務負荷が大きく、現状の業務を見直すことが急務に
――freee導入前の貴社のバックオフィスはどのような状況でしたか?
宿谷様(以下、宿谷): 従来はオフコンと呼ばれるシステムを中心に、バックオフィスの業務を構築し専属3名、それ以外の兼任二名の合計5名で経理・労務・給与計算業務を行っていました。
経理業務では、仕訳伝票は紙に手書きで記載、会計システムへ入力した上で預金残高など各種残高が一致しているかを確認する業務フローでした。月次決算に必要な仕訳も紙で記載していたので、かなり業務に時間を要している状況でした。
経理業務は、常時3名で業務を行っておりましたが、月の経理処理にかかる時間は200時間ほどにもなり月末は残業なしでは業務が完結しない状況でした。
勤怠集計業務も同様に、紙で集計を行っておりタイムカードの情報を電卓で集計、給与計算システムに手入力を行うなど業務時間を要していました。
――そのような状況の中で、freeeを検討されたきっかけは何かありますか?
宿谷: 1番は抜本的な業務の見直しを行い、悪循環を断ち切りたいと考えたからです。当時、業務改善を行おうと思っても「少し良くなる」レベルでは現状の業務量に太刀打ちすることができない状態でした。また、業務に追われていたため従業員の退職リスクも高く、悪循環が続いて いました。
ある日、給与計算担当者が退職し私一人では業務が回らなくなりました。派遣の方を依頼する方法もあったのですが根本的な解決先には至らず、「業務そのものを変える必要がある」と考えたのがきっかけです。
コンサル会社出身の従業員が、最新の会計ソフトとしてfreeeを調べてくれて私自身が興味を持ったこともありfreeeを含め数社の話を聞く形で検討がスタートしました。
――システムを検討する中で、freeeに決定された理由は何でしょうか?
宿谷: 「自動で経理」の存在が大きいです。銀行の入出金明細と連動して、自動的に仕訳処理を行うという発想は画期的で、説明を受けた瞬間に衝撃を覚えたのを記憶しています。当初は、「経理未経験者でも月次決算を完了できる」という触れ込みに少し懐疑的な部分もあったのですが、自動で経理を見た際に疑念は無くなりました。
当社の場合、月末に約250件もの入金処理があるため業務が集中しがちになります。そして、月次処理の7-8割程度は定型的な仕訳になっていましたのでfreeeを活用することで大幅に業務を削減することができると期待できました。
他にも様々な会計ソフトを比較検討したのですが、「業務を根本的に見直す」レベルになるとfreeeのような新しい発想・概念を持つソフトが必要不可欠であると感じたのでなんとしても導入したいと考え、freeeに決定いたしました。
――freee導入時の苦労はどのようなものがありますか?
宿谷: 既存の業務からの変化が大きく、頭で概念を理解・納得していながらも実際の業務に当てはめる難しさを感じていました。人間は、変化を嫌う生き物でもありますのでなかなか新しいやり方に慣れるまでに時間を要すると感じていました。
そのため、導入スケジュールは約1年ほどかけて導入を行う計画を立てました。その上で、分からない部分がある場合は私自身で調べて他の担当や従業員へ説明を行っていました。
freeeに慣れてくると、担当自身が自分で調べて業務を行うようになったため、説明の手間はすぐに無くなりました。詳しくは、後ほどお話ししますが導入スケジュールも結果的に前倒しになりました。
月次の締め作業が7営業日から1営業日まで短縮!
――freee導入の効果はどのようなものがありますか?
宿谷: 経理処理では、月次処理が大幅に短縮されました。従来では、7営業日ほどかけて月次締めを行っていましたが、なんと今では1営業日で完了できるようになりました。あまりの効果に、経理に携わっているメンバー自身も気がついていないくらいです。月次が早まったことで、会社の意思決定のスピード自体も早まったと感じています。
freeeを導入する際に、当初は1年ほどのスパンでの導入を考えていました。しかし、気がついた時にはfreeeで圧倒的に早く月次を締めることができていましたので、スケジュールを早め「今月からfreeeで月次締めを行おう」と思いfreeeに移行いた しました。
また、自動化された業務については現在ではアウトソースしています。従来の業務では、コミュニケーションコストなどの観点からアウトソースは難しく、freeeを導入して自動化が進んだからこそ実現できたことだと感じています。
勤怠管理・給与計算では、従来紙で配布していた給与明細が全て電子に切り替わりました。紙で印刷、封入する業務が無くなったことは日常業務の中でも大きな変化です。また、人件費の分析を行う際に、紙から集計するのではなくデータ出力した上で分析を行えるようになりました。
有休申請が、紙からシステムに切り替わったことも好評です。従来の紙申請では、意図はしなくても対面での申請しづらさもあったかとは思います。システムに切り替えたことで、有休が取得しやすくなったと感じています。
また、業務レベルの変化だけではなく人員配置にも大きな変化が現れました。当時、5人所属していたメンバーは今では1人で業務を回せるようになっています。4名のメンバーは、経理・労務業務の経験を活かして数値的な観点から事業に取り組めるように別の部署に異動となりました。
中には、販売企画の部署で活躍しているメンバーもいます。業務時間が削減されただけではなく、従来では考えることすらできなかった配置で事業に取り組むことができるようになっています。
現在受け取っている請求書。まだ紙での請求書もあるが、スキャンするとfreee会計の「自動で経理」で自動的に仕訳される
――これから、freeeを検討される企業様に何かアドバイスはありますか?
宿谷: 正直、「入れたほうが良い」と思います。今は、freee以外にも様々な会計ソフトがあるので比較検討はしっかりと行う必要があると思いますが、もし一昔前の会計ソフトを使っているのなら変えたほうが良いと思います。
当社では、経理業務の時間を80%ほど削減できましたが結果が出るまでにはやはり時間がかかります。時間をかけて導入した結果、今の業務効率化の実現があるので他の企業様の参考になれば幸いです。
freeeを導入した現在の業務に慣れてしまうと、7年前の業務にもう戻ることはできません。それくらい効果を感じています。
――今後の展望はいかがでしょうか?
宿谷: 私は従来、定型的な経理業務を行ってきました。それはまさに、freeeによって業務効率化・削減の対象となっている業務だと思います。実際、freee導入によって私が従来行っていた業務のほとんどは無くなりました。
業務は無くなりましたが、困ることはありません。今では、これまで挑戦できていなかった新規事業企画にチャレンジしています。freeeを利用して、経理業務は人間の手ではなくシステムに任せたほうが良いと考え方が変わりました。
これは私個人にとってもチャレンジではありますが、「事務員は事務員の仕事だけ取り組んでいれば良い」と言われないように取り組みたいと考えています。
掲載日 2025年2月10日