【シモダ】
「これはどうですか? 明らかにたかしくんの顔のせいで業績が落ちてるんですよ。これは経費で落とせますよね?」
【税理士】
「うーん、顔のせいで業績が落ちたという因果関係を認めるのが難しいところですね」
【シモダ】
「じゃあ取引先にアンケートを取って、『たかしくんがブサイク過ぎたので契約を切りました』みたいな結果を100枚くらい集めたらどうですか?」
【税理士】
「それならいけるかもしれません。そういう風にちゃんと証明できれば」
【シモダ】
「え?! いいんですか!?」
【税理士】
「前例は聞いたことないですが、恐らく大丈夫かと」
【シモダ】
「じゃあ例えばですけど、社員全員の顔に鼻をもう1つ付けて『ダブルノーズ社員』として売り出すことで、会社の利益に繋げたいと考えたら、それも経費で落ちます?」
【税理士】
「社員が合意して、売上が上がるという見込みがあれば、経費として認められる可能性はあります」
【シモダ】
「本当ですか?! すごい!!」
【税理士】
「でも、誰も合意しないと思いますよ」
【シモダ】
「可能性がある、というだけで充分です! 夢が広がりました。ありがとうございます!」
【税理士】
「その前向きさが妙に怖いんですが、何かあっても私のせいにはしないでくださいね」
【シモダ】
「これは経費で落ちそうですね。トイレに並ぶ時間のこと考えたら合理的ですし、業務にも関係あることですもんね」
【税理士】
「これは落ちません」
【シモダ】
「え?! なんで?」
【税理士】
「まず会社の設備がひどすぎますよね。オムツ着用の前にトイレを増やすべきです」
【シモダ】
「会社のトイレが一時的に全部故障してしまった場合はどうですか? オムツ認められません?」
【税理士】
「外のトイレを使ってください」
【シモダ】
「じゃあ、トイレも適切な数あるし、故障もしてないけど、自分が性的興奮を得るために、完全な趣味でオムツを履いて仕事してる場合はどうなんですか?」
【税理士】
「通るわけないでしょ。今までのが通らなくて、何でそれが通ると思うんですか」
【シモダ】
「なんか逆に、マイナスとマイナスを掛けたらプラスになったりしないかな、って」
【税理士】
「会計ってそういう仕組みじゃありません」
【税理士】
「これは趣味ですよね? 安い薪でも代替可能であるなら、そっちを使うべきです」
【シモダ】
「でも、木の香りとか、薪がパチパチと立てる音の良さとか、全然違ってくると思うんですよ。アロマ効果って言うんですかね」
【税理士】
「それでも釜茹での刑という目的のためには関係ないですよね?
やはり、相場からかけ離れた高すぎる薪は認められないでしょう」
【シモダ】
「そもそもこういう社員の折檻に経費は使えるんですか?」
【税理士】
「ものによりますね。例えば社員の教育のために説教部屋みたいなものを作るのであれば問題ないかと思います」
【シモダ】
「なるほど、じゃあこの例で挙げた釜茹での刑も問題ないんですね」
【税理士】
「社員に合意は取れてる想定ですよね?」
【シモダ】
「いや、取れてないですよ」
【税理士】
「じゃあ逮捕されます」
【シモダ】
「逮捕されても経費では落ちる?」
【税理士】
「落ちます」
【シモダ】
「落ちるんだ。じゃあ、大丈夫です!」
【税理士】
「本当ですか? 何が大丈夫なんですか?」
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