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嫌がらせで送りつけたプレゼントは経費？

たかしくんは取引先の人に誕生日プレゼントをあげました。
これは経費で落とせますか？

【税理士】
「これは原則としてOKです。度を超えた金額でなければ交際費として計上できます。ただし、プレゼントを送ることで将来的な利益に繋がるような相手でなければいけません。ですので、家族へのプレゼントなどは経費にできません」

【シモダ】
「ほうほう、勉強になるなぁ。ちなみにオフィスの移転祝いとかでもOKですか？」

【税理士】
「そうですね。そのように祝われる正当な理由があるなら問題ないと思いますよ」

【シモダ】
「良かった。僕、こないだ友人のオフィスの移転祝いに石燈籠を送ったんですよ。それも経費になるってことですよね？」

【税理士】
「石燈籠？」

【シモダ】
「これです。僕、人に大きい物を贈るのが好きなんです。社員に等身大のシマウマぬいぐるみを無理矢理プレゼントしたり、過去にも色々やってきたんですよね」

【税理士】
「この石燈籠を送ることで、何か御社の今後の利益に繋がる見込みはありますか？」

【シモダ】
「いえ、何もありませんね。『オフィスに全然合わない！』って友人もちょっと怒ってたみたいですし、逆に不利益はあるかもしれません」

【税理士】
「うーん。難しいラインですが、これは…趣味ですね？」

【シモダ】
「はい、趣味です」

【税理士】
「シモダさん、申し上げにくいんですが、趣味で使ったお金は経費で落とせません」

【シモダ】
「え…？」

【税理士】
「残念ですが」

【シモダ】
「あんなに楽しかったのに？！！」

【税理士】
「はい、だからです。利益じゃなく楽しさメインになっちゃってますよね？ 嫌がらせのために石燈籠を送るのは趣味の範囲ではないか、と私は考えます」

【シモダ】
「わかりました…。でも楽しかったから全然いいです！ 同じ石燈籠をもう8個贈ってやろうと思います」

【税理士】
「やめてあげてください」

【シモダ】
「あ、ちなみに先生のオフィスの住所を教えてもらっていいですか？ 今度お礼がしたいんで」

【税理士】
「絶対に教えません」

愛人に経費でお金を渡すには？

たかしくんは愛人を囲おうと思っています。
経費で囲ってもいいですか？

【税理士】
「さすがにこの答えはもうシモダさんもおわかりになるんじゃないですか？」

【シモダ】
「ギリギリセーフ？」

【税理士】
「どう考えてもアウトです！ 疑う余地のない完全なアウトです！」

【シモダ】
「でも愛人を囲うことで、このたかしくんのやる気は一気に上がるんですよ？ 仕事へのモチベーションのため、と考えたら経費としてもいいじゃないですか」

【税理士】
「それは個人のお金でやってください。ちなみに、実際たまにいるんですが、仕事していない愛人を社員扱いにして給料を渡すというのも不可能です」

【シモダ】
「え！？ ダメなんですか？」

【税理士】
「実態のない給料は調査入ったらすぐに看破されますね。『電話番だけやらせて高額給料』なども恐らくバレるでしょう」

【シモダ】
「じゃあ、元々いた社員と愛人関係になったっていうケースはどうなんですか？」

【税理士】
「それなら大丈夫です。それがきっかけで給料を不当に上げたりしなければ」

【シモダ】
「社員が全員オッサンでも？」

【税理士】
「好きにしてください」

広報犬の代わりに、別の生き物はOK？

たかしくんは会社で犬を飼おうと思っています。
経費で飼ってもいいですか？

【税理士】
「先ほどから申し上げているように、会社の利益に繋がるかどうかが問題ですね」

【シモダ】
「今、広報犬とか流行ってるじゃないですか。それならいいってことですか？」

【税理士】
「そうですね。名目だけじゃなく、しっかりと活動していれば問題ないかと」

【シモダ】
「犬じゃなくても大丈夫ですか？ ヤクとか」

【税理士】
「ヤク？」

【シモダ】
「標高3000メートル以上にしか生息できない牛です」

【税理士】
「それ、飼えるんですか？」

【シモダ】
「もちろん、全力を尽くします。社員のことは二の次で、ヤクが快適に過ごせるような環境作りを努力します」

【税理士】
「うーん、設備やエサ代など、かなりかかりそうですね…。広報効果よりも明らかに諸費用の方が高くつきそうで、微妙なラインだと思いますが」

【シモダ】
「でも、広報効果が出るか出ないかってフタを開けてみないとわからないし、それは経営判断じゃないですか？ 現に、僕はもう広報ヤクの成功を確信してますよ？」

【税理士】
「まあ、そうですね。経費で落とせる、かなぁ…？ あ、そうだ、ちなみに乳牛は固定資産として計上され、減価償却もされますよ」

【シモダ】
「へー、そうなんですね。ヤクはどうなんですか？」

【税理士】
「ヤクは…ちょっとわかりません」

【シモダ】
「ふーん、先生でもわからないことあるんですねぇ…？ 会計の勉強ばっかりし過ぎて、ヤクの勉強をしてこなかったんじゃないですかねぇ…？」

【税理士】
「ヤクの勉強ってなんですか？ そりゃしてませんよ」

【シモダ】
「牛とヤクを交配させたものはゾッキョって言うんですよ。知ってました？」

【税理士】
「あなたは逆に詳しすぎると思います」

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