業務を円滑に進めていくためには、プロジェクトマネジメントの基本を押さえておく必要があります。しかし、初学者にとっては難しい用語なども多く、少し敷居が高く感じてしまう面もあるでしょう。
プロジェクトマネジメントに関する書籍や資格もたくさんあるので、まずは自分に合ったものを見つけていくことが大切です。そのうえで、実際にプロジェクトマネジメントを実践するための仕組みを形作っていきましょう。
目次
プロジェクトマネジメントとは
プロジェクトマネジメントは、プロジェクトが掲げる目標を達成するために、進捗管理や資源の配分などをコントロールすることを指します。明確な目的と達成期限が設けられた業務であり、期限を設けずに同じ業務を繰り返すルーチンワークとは異なるものです。
プロジェクトマネジメントにおいては、参加メンバー間での認識の共有が不可欠であるため、プロジェクトの目的を初めの段階で明確にしておく必要があります。また、期限内にプロジェクトの目的を達成するために人員や予算、スケージュールの調整などを行います。
プロジェクトを成功させるための工程では、品質・コスト・納期(QCD)の管理はもちろん、リスクの管理やステークホルダー(利害関係者)との調整など、さまざまな知識や技能が求められるのです。プロジェクトマネジメントの手法は数多くの種類がありますが、PMBOK(ピンボック:プロジェクトマネジメント知識体系ガイド)に沿って進めるのが基本となります。
プロジェクトマネジメントが必要とされる理由
プロジェクトマネジメントが求められるようになった背景には、「プロジェクト」に関する社会的な認識が変わったことがあげられます。かつて、日本においてはプロジェクトと言えば大規模な業務を想定するケースが多かったのですが、規模の大小に関係なくプロジェクトという言葉が次第に使用される流れができてきました。
経済のグローバル化などで市場競争が激化する要素が増え、企業や組織がこれまで通りの業務を続けるばかりではなく、大小さまざまなプロジェクトを通して新しい成長を模索しています。ただ、プロジェクトは明確な期限と目的を持つ業務であるため、しっかりと管理を行わなければ計画通りに進めることが難しい面もあります。
立派な目的を持つプロジェクトであったとしても、期限通りに達成されなければ本来の目的を失ってしまうでしょう。そのため、プロジェクトを成功へと導く業務遂行方法であるプロジェクトマネジメントが必要とされるようになっています。
超初心者向け!おすすめの本3選
プロジェクトマネジメントは重要な業務の遂行手法ですが、そのために求められる知識や技能は決して少なくありません。いきなり学ぼうとしても、「どこから手をつければいいのか分からない」と悩む人もいるはずです。
ここでは、プロジェクトマネジメントを勉強したい人が、まずは読むべき3冊の本を紹介します。
『プロジェクトマネジメントの基本 この1冊ですべてわかる』
引用元:Amazon プロジェクトマネジメントの基本 この1冊ですべてわかる
標準的なプロジェクトマネジメントについて、一通りの知識がまとめられており、入門書として適した本です。具体例として、新規事業・製品開発・経営革新として行われたプロジェクトと、そこで実践されたプロジェクトマネジメントの活用事例も掲載されています。
『マンガでわかるプロジェクトマネジメント』
引用元:Amazonマンガでわかるプロジェクトマネジメント (日本語) 単行本
プロジェクトマネジメントの初学者向けに、PMBOKをマンガによって解説している本です。マンガのストーリーを追っていくことで、楽しくプロジェクトマネジメントについて学ぶことができます。
専門的に学ぶというよりも、まずはプロジェクトマネジメントやPMBOKの基礎的な知識に触れてみたい人に向いている1冊です。
『PMBOK対応 童話でわかるプロジェクトマネジメント』
引用元:Amazonマンガでわかるプロジェクトマネジメント (日本語) 単行本
社内でプロジェクトマネジメントを任されることになったものの、具体的に何から始めればいいのかイメージが湧かない人におすすめの本です。桃太郎や三匹の子ぶたといったお馴染みの童話にたとえて、初学者にも分かりやすく解説した1冊となっています。
段取りを整えることの大切さやチームで目的を達成するための方法が学べる内容です。プロジェクトマネジメントに関する難解な言葉も理解できる作りとなっているので、入門書として適しています。
プロジェクトマネジメントに役立つ資格
プロジェクトマネジメントを体系的に学ぶためには、資格の取得を考えてみるのも良い方法です。日本では3つの資格を取得できるので、それぞれの資格の特徴について見ていきましょう。
プロジェクトマネージャー試験(PM)
プロジェクトマネージャー試験は、独立行政法人である情報処理推進機構(IPA)が主催する試験です。IT技術に関する広い知識を問うだけではなく、プロジェクトの責任者として必要なマネジメントスキルが問われる内容となっています。
試験は四肢択一式と記述式、さらには論述式で解答する必要があるため、普段から文章を書く練習を重ねておくことも大事です。
PMP(プロジェクト・マネジメント・プロフェッショナル)
PMP(Project Management Professional)は、アメリカの非営利団体であるPMIが行っている国際資格です。PMBOKをベースとして試験問題が作成されているため、この資格を取得することでプロジェクトマネジメントにまつわる知識を一定水準は得ている証明となります。
受験資格としては、「プロジェクトマネジメントを指揮・監督する立場や経験がある」もしくは「35時間の公式なプロジェクトマネジメント研修の受講」が必要です。PCでの受験ができるため、受験しやすい環境が整っています。
P2M試験
P2M(Project & Program Management)試験は日本プロジェクトマネジメント協会が行っているものであり、4種類の試験に分かれているのが特徴です。PMC・PMS・PMR・PMAと段階的に受検していく構成となっているため、それぞれの試験に特化した受験対策が必要になります。
プロジェクトマネジメントをツールで効率化しよう
プロジェクトマネジメントを実践するには、エクセルを活用する方法とプロジェクト管理ツールを利用する方法があります。エクセルを用いる場合では導入コストがほとんどかからないため、ハードルが低いのがメリットです。
マクロを使えば複雑な操作を自動化できるので、作業を効率化できます。また、必要な機能だけを使うようにカスタマイズすることも可能です。
ただ、エクセルでは複数のプロジェクトで情報共有しづらい面があるため、プロジェクト管理ツールの利用も検討してみましょう。導入コストはかかってしまいますが、プロジェクトマネジメントに必要な機能をすぐに使えるので、プロジェクトのスピードや精度を高められます。
プロジェクトに参加するメンバーがいつでもアクセスできる環境を整えられるため、情報共有や作業の効率化に貢献するはずです。
まとめ
プロジェクトマネジメントは、プロジェクトの目標を達成するために欠かせない要素だと言えます。基本的な仕組みを理解したうえで、実践するための具体的な方法を取り入れてみましょう。
体系的に学ぶための書籍や資格も多いので、自分のペースに合わせて学んでいくことも大切です。そして、プロジェクトの運用にあたっては管理ツールの活用も積極的に取り入れてみてください。