介護医療保険料控除とは、平成22年度に改正された新しい保険料控除の制度です。
ここでは年末調整で介護医療保険控除の申告をする際に役立つ、申告書の書き方、変動する控除額、注意するべきポイントをご紹介します。
目次
ペーパーレス年末調整でチェック業務をらくらくに
年末調整の計算や従業員からの書類の回収、年調減税への対応などに追われていませんか?
freeeの年末調整なら3ステップで簡単申告!2024年の年末調整の業務量を大幅に削減できます。
ぜひ一度、無料で資料ダウンロードしてみてください!
介護医療保険料控除の対象とは
「介護医療保険料の控除」とは、平成22年度税制改正によって新設された比較的新しい控除制度のことです。従来までの生命保険料の控除や個人年金保険料の控除と同様に、H24年1月1日以降契約された介護保険医療の保険料も控除されるようになりました。
控除の対象は、以下のようになっています。
医療費に対して、保険金が支払われる保険
生命保険や損害保険の中でも、医療費に対して保険金が支払われるタイプが対象です。傷害保険は対象にはなりません。
疾病や身体の障害に対して、保険料が支払われる保険
簡易生命保険管理機構が運営する簡易保険の中でも、疾病や身体の障害に対して保険料が支払われるタイプの保険を契約している際に対象になります。
「5年未満の契約」や「貯蓄型の契約」は控除の対象にはならない点に注意しましょう。
介護医療保険料控除の書き方
介護医療保険料控除の書き方は、従来までの生命保険料控除の書き方とほぼ一緒です。年末調整で控除申請をする場合は、「保険料控除申告書」を用意し、保険会社から送付された「保険料控除証明書」を参考にして漏れなく記入するようにしましょう。では、具体的に記入方法をご紹介します。
- 1.「給与所得者の保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除書」を用意する
- 「保険料控除申告書」の正式名称は、上記の非常に長い申告書類のことを指します。これ1枚で、給与所得者本人はもちろん、配偶者の控除申請も可能です。
- 2.「生命保険料控除」の「介護医療保険料」の部分に必要事項を記入する
- 用紙の中段あたりにある「介護医療保険料」の部分に必要事項を記入します。必要事項は以下の通りです。
- 「保険会社等の名称」
- 「保険等の種類」
- 「保険期間又は年金支払期限」
- 「保険等の契約者の氏名」
- 「保険金等の受取(氏名・続柄)」
- 「あなたが本年度中に支払った保険料等の金額」
- 「(a)の金額の合計」
- 「Cの金額を計算式Ⅰ(新保険料に当てはめて計算した金額)」
利用している保険会社の名称を記入します。
保険会社から郵送される生命保険料控除証明書に利用している保険の種目が通常記載されているので、参考に記入しましょう。
保険会社からの生命保険料控除証明書に記載があるので、そのまま記入しましょう。
実際に保険を契約している方の氏名を記入します。給与所得者本人の名義で契約をしているのであれば、そのまま本人の氏名を記入しましょう。
実際に保険金を受け取る方の氏名と続柄を記入します。たまに保険会社からの生命保険料控除証明書に記載がないこともあるので、しっかりと調べて正確に記入しましょう。
保険会社から届く生命保険料控除証明書に書かれた証明年12月末までに振込予定の金額である「申告額」を記入するようにしましょう。一緒に書かれている「証明額」とは、証明年1月から証明日までに払込した金額なので、年末調整の申告に使用しません。
(a)合計金額を記入します。利用している保険が1種類であればその金額を、数種類あるならその合計を記入します。
計算後の金額を記入します。
控除申請をする際には、保険会社から届く生命保険料控除証明書に記載されている情報が必須です。必ず手元に置いた状態で、記入を始めるようにしましょう。
介護医療保険料控除で受けられる控除額
介護医療保険料で控除を受けられる金額は、支払った保険料によって変動します。以下が受けられる控除の金額です。
年間の支払保険料等 | 控除額 |
---|---|
年間支払額2万円以下 | 支払額の全額 |
年間支払額2万円超4万円以下 | (支払保険料×1/2)+1万円 |
年間支払額4万円超8万円以下 | (支払保険料×1/4)+2万円 |
年間支払額8万円超 | 一律4万円 |
8万円を超えると控除額は一律で4万円になります。
複数の保険に加入していて加入している保険を申告書に書ききれなくなった場合、すでに記載した保険で8万円を超えているのであればそれ以外のものを無理してすべて記入する必要はありません。
介護医療保険料控除で注意すべきポイント
最後に介護医療保険料控除を受ける際に、注意しておきたいポイントをご紹介します。
保険の更新が必要
介護医療保険料の控除を受けられるのは、平成24年1月1日以降に契約された保険に限られます。よってそれ以前から更新を行っていない保険に関しては、控除の適用外になりますので、控除証明書をよく確認するようにしましょう。
5年未満の保険には適用されない
保険の中でも、5年未満の保険は介護医療保険料の控除が適用されません。
貯蓄型の保険にも適用されない
貯蓄型の保険も控除の対象にはなりません。自分が契約している保険のタイプをしっかりとチェックする必要があります。
傷害保険には適用されない
控除が受けられる保険は、生命保険や損害保険であり、病気に対する医療費に対してのみ控除される制度です。傷害保険は控除の対象にはならないので注意しましょう。
2024年の年調減税を簡単に行う方法
年末調整の計算と従業員への用紙の配布・収集・確認をペーパーレス化
年調減税にも完全対応
2024年に対応が必要な年調減税もfreee人事労務は完全対応!
気になる方は、是非お試しください。
まとめ
介護医療保険料控除とは、平成22年度に改正された比較的新しい保険料控除の制度です。5年以上の保険を契約している場合、年末調整によって控除を受けられます。申告の仕方は非常にシンプルですが、記入の際には必ず保険会社から送られてくるハガキ等の生命保燃料控除証明書を参考にしましょう。