人事労務の基礎知識

労務管理ソフトの比較ポイント2024年版!選び方とメリット・デメリットを解説

労務管理ソフトの比較ポイント2024年版!選び方とメリット・デメリットを解説

労務管理ソフトとは、従業員の勤怠や社会保険などの管理業務を効率化できるソフトのことです。

労務管理ソフトを使うことで印刷・郵送などの手間が省けるうえ、電子申請も行えるようになります。

本記事では、労務管理ソフトの種類や、それぞれのメリット・デメリット、導入する際のポイントについて、わかりやすく解説します。

目次

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労務管理ソフトとは

労務管理ソフトとは、従業員の勤怠や社会保険などの管理業務を効率化できるソフトのことです。

ソフトを使わずにこれらの業務をマンパワーで管理する場合、膨大な時間と手間がかかるだけではなく、ヒューマンエラーが起きるリスクもあります。

労務管理ソフトを導入することで、必要な情報をシステム管理できるため、業務の効率化が期待できます。また、労務管理ソフトがあれば、関係機関への雇用保険関係や労働保険関係などの電子申請も可能です。

労務管理ソフトの機能

労務管理ソフトには、従業員の入退社時の手続きや契約書、給与明細や源泉徴収票の発行など、さまざまな労務関係の業務を処理できる機能が備わっています。

①入退社手続き・従業員情報の管理

従業員が入社するときや退社時に社会保険や雇用保険の手続きを行う必要がありますが、これらの手続きを労務管理ソフトで対応できます。

また、各種手続きの申請業務もシステム上で電子申請が可能なので、限られた提出期限までにスピーディーに処理が行えるでしょう。

②各種契約書の作成

従業員が自社で働き始める前に労働者と雇用主の間の労働契約の内容を明確にする契約書を交わさなければいけません。このような雇用契約書も労務管理ソフトで作成できます。システムを使えば、雇用契約書作成時に履歴書を見て作成する必要がなく、記入項目の自動入力が可能です。

また、雇用契約書だけではなく、秘密情報を従業員や他社に開示するときにその情報を第三者に漏らさないよう締結する契約する秘密保持契約書などさまざまな各種契約書の作成も労務管理ソフトで実施できます。
従来の契約の流れである書類発送や従業員が記入した書類の回収、データ入力などをすべて電子上で管理できるため、管理者も従業員も各工程にかかっていた時間を大幅に短縮できます。

③年末調整

年末調整における各種手続きも労務管理ソフトにより対応が可能です。年末調整は、従業員の書いた各種申告書を勤務先で回収して源泉徴収税の納税額を確定し、勤務先が正しい金額をまとめて納税するために必要な手続きです。

これらの各種申告書などの書類作成、所得税徴収高計算書、扶養控除等申告書、保険料控除申告書なども労務管理ソフトで作成しオンラインによる提出が可能です。労務管理ソフトを導入することにより、担当者による入力作業の負担を大幅に軽減でき、年末調整の計算ミスを防げるようになります。

また、労務管理ソフト上で従業員の書類の提出状況や申請する内容を確認できるので、従来のような差し戻しと回収のやり取りがより迅速に行えます。

④給与明細や源泉徴収票の発行

労務管理ソフトなら、給与明細をWeb上で発行し従業員に配布できます。従業員はパソコンやスマートフォンで給与明細の閲覧が可能です。

紙の給与明細を毎月発行する場合、配付先の間違えや盗難・紛失のリスクがあり、個人情報保護の観点からも好ましくありません。また、全従業員の給与明細を作成する紙代や印刷代、郵送の場合は切手代などのコストが毎月必要です。
労務管理ソフトを使えば、給与明細だけではなく賞与明細や源泉徴収票の作成も可能なため、給与関係の業務量の削減をはかれるうえ、盗難や紛失などのセキュリティ対策も取れます。

⑤従業員情報の管理

従業員のマイナンバーを収集し、法定調書に記載して税務署に提出します。労務管理ソフトによって、労務管理業務の全般に対応できるものから必要な一部の業務を管理できるものまでさまざまなものがあります。

労務管理ソフトの種類とメリット・デメリット

労務管理ソフトには、オンプレミス型とクラウド型の2種類があります。それぞれの特徴やメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。

①オンプレミス型の労務管理ソフト

オンプレミス型の労務管理ソフトは、自社のサーバーに労務管理専用のソフトウェアを構築してインストールするタイプです。

オンプレミス型のメリット

オンプレミス型の労務管理ソフトなら、システムを自社で構築するため、自社のニーズに合わせたオリジナルのシステムを構築できます。必要な機能を自由にカスタマイズできるので、自社にあった利便性の高い労務管理ソフトを設置できます。

また、勤務先が保有するサーバー内で労務管理ソフトを管理するため、導入後も常に自社に適したセキュリティを保ちつつ、データ漏洩や不正なアクセスなどのリスクを減らせる点も大きなメリットです。

さらに、オンプレミス型の労務管理ソフトなら、自社サーバーを使うのでネットワークの環境の影響を受けずにシステムを使えます。

オンプレミス型のデメリット

オンプレミス型の労務管理ソフトを導入する場合、自社でシステムを開発する必要があるため、導入費用が高額になりがちです。

また、労務管理ソフトを使用するうえで必要なサーバーやシステムメンテナンス、定期的なアップロードも社内で行わなければいけません。そのため、システム構築から実装、さらに運用までの作業に対応できる人材を確保する必要があるでしょう。メンテナンス作業を業務時間内に行う場合は、その間システムが使えなくなります。

さらに、オンプレミス型の労務管理ソフトは組織内のサーバーに保存して使用するため、自然災害や火災などでサーバーが故障した場合や、不正アクセスによってハッキングされた場合、重要なデータが消失・漏洩する可能性がある点は大きなデメリットです。常にバックアップを取り、組織内での十分なセキュリティ対策が求められます。

②クラウド型の労務管理ソフト

クラウド型の労務管理ソフトは、オンライン上にあるサーバーの労務管理ソフトを使って業務を行うものです。勤務先のサーバーやネットワークを経由せずインターネットがあれば利用可能です。

クラウド型のメリット

クラウド型の労務管理ソフトは、自社のサーバーや専用サーバーを保有しなくてもインターネットがあれば利用できる手軽さが大きなメリットです。ソフトウェアを自社で開発する必要もありません。

そのため、オンプレミス型の労務管理ソフトに比べて導入コストを抑えられます。また、アップデートは労務管理ソフトを提供している業者が行ってくれるので、メンテナンス作業に時間や手間を取られることもありません。

操作や使用上の疑問点などはカスタマーサポートに問い合わせができるので、本来のコア業務に集中できます。

クラウド型労務管理ソフトは、クラウド上にデータを保管するので操作する端末を自由に選べる点も大きなメリットです。インターネットがあればどこからでもアクセスして使えるため、テレワーク中でも利用できます。

クラウド型のデメリット

クラウド型の労務管理ソフトは、インターネットに接続しなければ利用できない点が大きなデメリットといえます。インターネット接続が不安定になる場合や、回線の速度が遅いところで使用する場合には、労務管理ソフトを快適に使えないことがあります。

また、労務管理ソフトの機能はあらかじめ用意されているので自社のニーズに合わせたカスタマイズができず、自由度が低い点もデメリットです。もし、クラウド型の労務管理ソフトを自社のニーズに合わせてカスタマイズしたい場合は、専門の開発業者に依頼しなければいけません。
クラウド型の労務管理ソフトは、提供する業者によって機能や利用料金、サポートなどが異なるため、導入前に十分な比較検討を行いましょう。

また自社の労務に関する情報を操作するシステムなので、サービス提供会社の信頼性やシステムの安全性についても事前に確認が必要です。

労務管理ソフトを選ぶポイント

労務管理ソフトを選ぶときのポイントは、初期費用およびランニングコストが自社に見合っているか、利用したい機能があるか、誰でも使いやすい操作性があるかなどをチェックするとよいでしょう。

①コストが自社に合っているか

労務管理ソフトを選ぶ際は、導入費用に加えてランニングコストも確認しましょう。自社のニーズに合ったソフトであっても、高額な費用がかかり続けるのでは導入するメリットが薄れてしまいます。

導入時だけではなく、継続的に発生する費用がどのくらいなのかあらかじめ比較して選ぶことが必要です。

②必要な業務・帳票に対応しているか

労務管理ソフトが、自社の求めている業務や帳票に対応しているか確認しましょう。特にクラウド型の労務管理ソフトの場合、導入コストは安く抑えられますが、自由にカスタマイズするには適していません。

③労務担当者以外も使いやすいか

労務管理ソフトの使いやすさもチェックポイントです。労務担当者以外にも操作しやすいものなら、他の部署や代わりの従業員が労務管理ソフトを使って業務に対応できます。

操作が複雑なシステムの場合、実装する前に研修を設けたりスキルのある担当者を配置したりと、労務管理ソフトの導入以外にも余計なコストがかかってしまいます。シンプルで分かりやすい操作性のものがおすすめです。

④既存システムと連携可能か

社内の既存システムとの連携ができる労務管理ソフトを選びましょう。互換性がないものを導入してしまうと、使いづらいだけではなく、連携するために労務管理ソフトの改修が必要になる可能性もあります。

自社システムとの相性を確認して、対応できるサービスにしてください。

【2024年最新版】労務管理ソフト例10選

最後に、2024年段階で使用可能な労務管理ソフトを10種類抜粋して紹介します。


ソフト名称提供会社
freee人事労務フリー株式会社
マネーフォワードクラウド社会保険株式会社マネーフォワード
ジンジャー人事労務jinjer株式会社
SmartHR株式会社SmartHR
ジョブカン労務管理株式会社DONUTS
オフィスステーション労務株式会社エフアンドエム
タレントパレット株式会社プラスアルファ・コンサルティング
Biz-Zero株式会社日本シャルフ
HybRid株式会社CSS-consulting
e-AMANO人事届出サービスアマノ株式会社

まとめ

労務管理ソフト、従業員の入退社に関する手続きや給与明細、年末調整などの書類の作成・情報管理が行えるソフトで、導入することで業務の効率化を図れます。

オンプレミス型とクラウド型のソフトがありそれぞれでメリットとデメリットがあります。複数のサービスを比較して自社のニーズと予算に見合ったものを選んでください。

よくある質問

労務管理ソフトはどう選ぶべき?

労務管理ソフトは、初期費用やランニングコスト、機能面や操作性などを基準に選ぶべきです。

詳しくは記事内「労務管理ソフトを選ぶポイント」をご覧ください。

労務管理ソフトにはどんな機能がある?

入退社の手続きや各種書類(契約書・給与明細・源泉徴収票)の発行など、労務に関係するさまざまな業務の処理が労務管理ソフトに備わっている機能です。

詳しくは記事内「労務管理ソフトでできること・主な機能」をご覧ください。

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