認定NPO法人・特定認定NPO法人とはどのようなものでしょうか。通常のNPO法人とどのように違うのでしょうか。認定NPO法人の概要とそのメリットと課せられる義務について情報をお届けします。
目次
認定NPO法人(認定特定非営利活動法人)とは
市民や企業等の寄附によるNPO法人の活動への支援が一層大きくなることを目的とした制度が、認定特定非営利活動法人(認定NPO法人)制度です。
認定NPO法人になると、その法人へ寄附をした市民や企業等の寄附者が、税制上優遇されたり、認定NPO法人が納める法人税が優遇されたりします。認定NPO法人には、その運営組織および事業活動が適正であって公益の増進に資するものにつき一定の基準に適合したものが認定されることになります。
2012年4月1日からは、都道府県・指定都市が所轄庁として認定事務を行うことになり、さらに「特例認定制度」が創設されました。認定NPO法人になるための道が拡大したと言えます。
また、設立後5年以内NPO法人については、スタートアップ支援のため要件からパブリック・サポートテスト(PST)が免除され、税制上の優遇措置認めらる特例認定を1回に限り受けることができる特例NPO法人制度が設けられています。
認定NPO法人となった団体は、高い公益性が求められるだけなく、法令等を順守した適正な組織運営が求められます。また、情報開示を徹底し、高い透明性を示すことが求められます。すなわち、他のNPO法人の模範となるような運営を行うことで、多くの市民や企業に支えられた安定した活動を継続していくことが期待されているのです。
認定NPO法人になるメリット
認定NPO法人となるメリットをより詳しく説明しましょう。
- 社会的信頼を増やすことができます。
認定NPO法人は、高い公益認定基準に適合しなければなりません。そのため、認定NPO法人となると、社会的信頼が通常のNPO法人と比較して増します。 - 寄附金が集まりやすくなります。
最も大きなメリットとしては、寄附金に関する税の優遇制度が挙げられます。認定NPO法人へ寄附した個人に対しては、所得税と住民税に関して寄附金控除があります。相続人が相続財産を寄附した場合の相続税も非課税となります。また、企業等が寄附する場合も、損金算入限度額の枠が拡大されるので、寄附がしやすくなるのです。 - 法人税等の負担を減らすことができます。
認定NPO法人になると、収益事業から得た利益を非収益事業の支出に充当した部分を寄附金とみなし、一定の範囲で損金算入できるという「みなし寄附金制度」を活用できます。この制度を使うことで、その分税金負担を減らすことができます。 - 組織運営の強化と持続性を図ることができます。
認定NPO法人には、法令等を順守し、適正な運営組織であることが求められます。会計・経理等も適正に処理すると共に、情報開示も積極的に徹底して実施しなければなりません。また、認定後も認定基準に合致した体制を維持していかねばなりません。結果として、法令等を順守した適正な運営を持続できる強い組織になることができます。 - 法人運営に対する理事やスタッフの意識と責任を高めることができます。
認定NPO法人になると、適正な運営組織を継続し続けなければなりません。そのため、理事やスタッフが認定NPO法人としての社会的責任を常に意識することが求められます。すなわち、法人運営に対する組織内の意識と責任が高まります。
認定NPO法人になると課せられる義務
では、認定NPO法人になることに対して課せられる義務にはどのようなものがあるでしょうか。
- 情報公開をより一層徹底する必要があります。
認定NPO法人になると、経理の透明性や事業報告の迅速な明示が求められます。寄付者が増えるということは、注視する主体が増えるということでもあり、信頼度を低下させないためにも、とくに徹底する作業が求められます。 - 寄附金の管理に関して事務手続きが増えます。
寄付主体が増えるために、その寄付金に関しての名簿管理も必要となり、その分事務処理も増えます。また、税務処理に関しても、優遇措置を受けるための経理庶務が必要となります。 - 毎年度の報告書類が増えます。
寄付金管理と同様ですが、通常のNPO法人と比較して、毎年提出すべき事務処理が増えます。また、寄付者に対しても報告義務が生じるために、その事務処理も必要となります。 - 更新のために常に認定基準をクリアしていく運営が求められます。
認定NPO法人という認定を持続していくためには、5年ごとの再認定をクリアしていかなければなりません。寄付者が減少したり、不適正な組織運営を招かない努力が日常より求められます。
まとめ
認定NPO法人になるためは、PSTテストをクリアしたり、各種書類の作成が必要です。また認定取得後も提出義務のある書類が増えるため、必然的に事務処理が増えるといったハードルもあります。
しかしながら、税金関係などさまざまなメリットも存在すること、また何よりも組織運営が強固になると共に、幅広い理解と支援の輪が格段に広がります。是非NPO法人の方々は認定取得後も苦労しないよう今の業務を効率化して、まずはチャレンジするための準備を始めてみてはいかがでしょうか。
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