NPO法人の基礎知識

NPO法人の理事・監事の役割とは-必要な人数と業務内容-

NPO法人の理事・監事の役割とは-必要な人数と業務内容-

NPO法人の役員(理事・監事)の役割ってどういうものなのでしょうか? これからNPO法人を設立しようとしている方や、NPO法人の理事や監事として就任を考えられている方に向け、NPO法人の理事・監事の役割として必ず知っておきたい基礎知識と、留意点について情報をお届けします。

目次

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NPO法人の役員(理事・監事)って?

NPO法人の役員とは、理事と監事のことをいいます。
理事は3名以上、監事は1名以上、合計4名以上の役員が必要です。

NPO法人の理事とは、社員から法人の業務遂行を委任された役員であり、内部的には業務を執行する権限を有し、対外的には法人を代表する権限を有しています。実務は理事の下、事務局が行う団体も多いです。

監事は、法人内部にあって理事の職務執行を監督することを委任された者であり、法人の財産の状況及び理事の業務執行の状況を監査するなどの権限を持ちます。監事は最低1名置かなければならず、理事と監事の兼任はできません。また、NPO法人の職員を兼ねることもできません。

NPO法人の理事は原則3人以上とされていますが、理事の2/3 は無給で理事職を行なうことが義務付けられています。これは報酬に動機付けられることなく、社会の利益のために公正な意思決定を行うための規則です。

理事は、NPO法上は原則として全員が対外的な代表権を持っていますが、定款で代表権を特定の理事(例えば「代表理事」)にだけに与え、他の理事には代表権がないとしているNPO法人が多いと思われます。

「理事会」についてはNPO法上は何の定めもないのですが、NPO法人の多くは定款で理事会を設置し、重要な事項の決定を理事会に委ねています。

NPO法人の役員(理事・監事)にはあらかじめ就任承諾をもらっておく

理事の代表者が「理事長」あるいは「代表理事」となります。定款に規定することによって、副理事長や専務理事、常務理事など様々な理事を置くこともできます。なお、どんな役名を設定したとしても法的には理事と監事しか存在せず、法人の登記簿謄本には理事としか記載されません。また、役員であっても、監事は登記簿には記載されません。

役員の選任は、正式には設立申請直前に行う「設立総会」で行うのですが、役員就任者は「住民票」が必要だったり、「就任承諾書」を書いてもらったりと手続きが発生するので、あらかじめ役員就任の承諾を取り付けておくことが好ましいでしょう。

NPO法人の役員(理事・監事)になることができない人は?

以下の事項に一つでも該当する人はNPO法人の役員になることはできません。

1)成年被後見人又は被保佐人
2)破産者で復権を得ないもの
3)禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わった日又はその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
4)特定非営利活動促進法若しくは暴力団による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反したことにより、又は刑法第204条(傷害罪)、第206条(現場助勢罪)、第208条(暴行罪)、第208条の2(凶器準備集合及び結集罪)、第222条(脅迫罪)、第247条(背任罪)の罪を犯したことにより、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わった日又はその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
5)暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯したことにより、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わった日又はその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
6)暴力団の構成員(暴力団の構成員を含む)若しくは暴力団の構成員でなくなった日から5年を経過しない者
7)設立の認証を取り消された特定非営利活動法人(NPO法人)の解散当時の役員で、設立の認証を取り消された日から2年を経過しない者


また、3親等以内の親族が役員の3分の1を越えて含まれてはいけない、という規定があります。つまり、親子2名を役員にする場合には、親族以外の人を4名以上入れなければなりません。この場合、役員の総数は最低6名必要となります。これは、一族による法人支配を排除するためです。

NPO法人の役員(理事・監事)になるとどのような責任があるの?

NPO法人の理事は、善管注意義務に基づいて業務を行う責任があります。善管注意義務というのは、NPO法人の理事という立場に置いて、通常期待されている程度の一般的な注意義務のことを指します。

なお、例えばNPO法人でイベントなどを開催した際、事前に予測不能な事故や過失による損害があったなどの場合は善管注意義務の範囲には該当しないと想定されています。

まとめ

多々あるNPO法人の中には、理事会に出席や表決もせずに業務も担当しない「名ばかり理事」や、監査をせずにハンコを押すだけの「名ばかり監事」がいる場合があります。NPO法人の主旨への共感を基盤としながら、果たせる責任と追う責任ということをしっかりと考えることのできる役員の担い手を見つけることが肝要です。同時に、現場との関係を密にして、常に役員としての意識を担っていただくことも大切でしょう。

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