定款(ていかん)とは、企業の根本原則が記載された書類で、どの法人形態でも必ず作成しなければなりません。
そして、株式会社・一般社団法人・一般財団法人は、定款を作成するだけではなく、作成した定款の正当性を公証人が証明する「定款認証」を受けなければなりません。
定款には紙と電子の2種類があり、それぞれで認証費用が異なります。本記事では、定款認証にかかる費用を紙・電子別に詳しく解説します。
定款認証の流れや方法について詳しく知りたい方は、別記事「定款認証とは?認証までの流れや必要書類について解説」をあわせてご確認ください。
目次
株式会社は定款認証が必要
定款認証とは、作成した定款の正当性を公証人が証明することで、本社所在地と同じ都道府県内にある公証役場で行います。
定款認証が必要な法人形態は以下のとおりです。
定款認証が必要な法人形態
- 株式会社
- 一般社団法人及び一般財団法人
- 税理士法人・司法書士法人・行政書士法人・土地家屋調査士法人・社会 保険労務士法人・弁護士法人・監査法人・特許業務法人・特定目的会社・相互会社・金融商品会員制法人
- 信用金庫、信用中央金庫及び信用金庫連合会
出典:日本公証人連合会「定款認証」
合同会社などの持分会社は定款認証の必要はありません。
紙の定款認証にかかる費用
定款の作成方法は紙と電子の2パターンがあり、紙の定款と電子定款では認証費用が異なります。ここでは紙の定款認証にかかる費用について解説します。
電子定款の認証費用について知りたい方は、記事内「電子定款の認証にかかる費用」をご確認ください。
紙の定款認証にかかる費用は以下の3つです。
紙の定款認証にかかる費用
- 認証手数料
- 謄本の請求手数料
- 収入印紙代
認証手数料
定款認証を受けるためには、公証役場への認証料の支払いが必須です。
2022年1月までの認証手数料は一律5万円でしたが、現在は資本金の額に応じて3万円から5万円の範囲で設定されるようになりました。
謄本の請求手数料
紙の定款は謄本が必要で、1枚につき250円の手数料がかかります。この1枚とは「1通」ではなく「1ページ」を指しており、認証書の1ページも含まれます。
よって、手数料は「250円 ×(定款のページ数 + 認定書)」となります。定款のページ数により料金は変動しますが、2,000円前後が一般的です。
出典:日本公証人連合会「公証事務」
収入印紙代
紙の定款は印紙税法の規定により課税文書となり、収入印紙代(印紙税)として4万円が必要です。
定款の認証手続きのプロセスにおいて、印刷・製本された定款に4万円の収入印紙を貼付します。
電子定款の認証にかかる費用
電子定款の認証にかかる費用は、以下のとおりです。
電子定款の認証にかかる費用
- 認証手数料
- 電磁的記録の保存手数料
- 同一情報の交付費用
電子定款の作成方法や手続きの流れについて詳しく知りたい方は、別記事「電子定款の作成・認証方法を徹底解説!紙よりも手間とコストを省くには?」をあわせてご確認ください。
認証手数料
紙の定款認証と同様、電子定款の認証にも資本金額に応じて以下の手数料がかかります。
- 100万円未満:3万円
- 100万円以上・300万円未満:4万円
- その他:5万円
電磁的記録の保存手数料
電子定款では、紙の定款認証にかかる収入印紙代はかかりません。その代わりに、CD-R・DVD-R・USBメモリといった媒体に対する「電磁的記録の保存手数料」が発生します。
電磁的記録の保存手数料は、一回につき300円です。
同一情報の交付費用
電子定款の場合、紙の定款でいうところの謄本に該当する同一情報が1回700円でデータにて交付されます。
書面で発行する場合も1回700円ですが、その枚数に応じて、1枚ずつ別途20円が加算される仕組みです。一方、電子定款は電子データであるため、ページごとの加算がなく、一律の料金となります。
電子定款で認証を受ける際の注意点
電子定款は収入印紙代がかからなかったり、家からでも申請ができたりするメリットがあります。一方、申請に際して電子証明書の作成や申請ソフトのインストールといった諸準備が必要です。
収入印紙代がかからない分、電子定款の認証費用のほうが安く抑えられます。しかし、電子定款を作成するのに必要な機器などを一から準備すると、結果的に費用がかさむことになります。
自身の設備環境やスケジュールに最適な作成・認証方法を選択するようにしましょう。
定款認証の手続きの流れ
定款認証の手続きは、以下のステップで進んでいきます。
定款認証の手続きの流れ
- 定款の作成
- 公証役場の予約を取る
- 公証人の認証を受ける
それぞれの流れについて詳しく知りたい方は、別記事「定款認証とは?認証までの流れや必要書類について解説」をあわせてご確認ください。
定款認証に必要なもの
定款認証を受けるために必要なものは、以下のとおりです。
定款認証に必要なもの
- 定款3通(公証役場での保存用1通・会社保存用1通・登記申請用1通)
- 発起人全員分の印鑑証明書をそれぞれ1通ずつ(発行から3ヶ月以内のもの)
- 発起人全員の実印(定款に不備があった場合すぐ修正を行うため)
代理人が定款認証を行う場合は、上記に加えて代理人本人であることがわかる身分証明書(印鑑登録証明書)や委任状が必要です。
委任状の書式については管轄の公証役場へ問い合わせるか、各公証役場のホームページのサンプルを参考に作成しましょう。
まとめ
定款の作成はどの法人でも必要ですが、株式会社・一般社団法人・一般財団法人はさらに定款の認証を受けなければなりません。
定款認証の費用は紙の定款と電子定款でそれぞれ異なります。
電子定款は紙の定款で必要になる収入印紙代がかからないので、認証費用を抑えることができます。ただし、作成するのに機器を揃えたり申請ソフトのインストールしたり諸準備が必要です。
それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、どちらの媒体で定款を作成・認証するのか検討しましょう。
自分でかんたん・あんしんに会社設立する方法
会社設立の準備から事業開始までには、多くの書類や手続きが必要になります。書類の転記をするだけでもかなりの時間がかかってしまいます。
freee会社設立は株式会社だけでなく、合同会社の設立にも対応しています。設立件数30,000社以上の実績をもつfreee会社設立なら、初めての方もあんしんしてご利用いただけます。
起業ダンドリコーディネーターが完了までサポートしてくれるからあんしん!
初めての会社設立では、書類の書き方や提出先、設立後の手続きなどさまざまな場面で不安を抱えてしまうこともあるでしょう。
freee会社設立では、会社設立に詳しい起業ダンドリコーディネーターが常駐しており、設立準備から登記後に必要な手続きまでを完全無料で並走・サポートします。
相談方法はオンライン面談、LINE相談、電話、メールなどから選べます。まずお気軽に問い合わせフォームからおためし相談(最大30分)の予約をして、ご自身のスケジュールや設立手続きに関する疑問や不安を解消しましょう。
入力項目・次にやること、すべて画面上で把握できる
freee会社設立では、必要項目を記入していくだけで会社設立に必要な書類を作成することができます。また、登記の際に必要となる会社印も同時に購入が可能です。
freee会社設立は株式会社だけでなく、合同会社の設立にも対応しています。
会社名や資本金額など必要項目を入力すると、定款(ていかん)をはじめとする会社設立に必要な約10種類の書類を自動で作成します。
<freee会社設立で出力できる書類の一例>
- 定款
- 登記申請書
- 印鑑届出書 など
設立にかかるコストを削減できる
設立費用を削減したい方には電子定款がおすすめです。紙の定款では、収入印紙代40,000円がかかりますが、電子定款ではこれが不要となります。
freee会社設立は電子定款にも対応しており、電子定款作成に必要な機器やソフトの準備なども必要がないため、自分で作成するよりもコストを抑えることができます。
<設立にかかる費用の比較例>
(1)freee会計を年間契約すると、無料になります。
(2)紙定款の印紙代(40,000円)
会社設立の準備を進めながら、バーチャルオフィスの申し込みが可能!
会社設立するためにオフィスの住所が必要になります。
自宅をオフィス代わりにしている場合は、自宅の住所でも問題ありませんが、公開情報となってしまうので注意が必要です。
自宅兼オフィスのように実際の住所を公開したくない場合や、管理者や所有者に物件の法人登記が認められていない場合は、バーチャルオフィスを利用するのがおすすめです。
freee会社設立では、会社設立に必要な書類を無料で作りながら、バーチャルオフィスの申し込みもできます!
まずはこちらからfreee会社設立に無料で登録してみてください!
自分で手続きする時間のない方には「登記おまかせプラン」がおすすめ!
「初めての会社設立で不安」、「自分で手続きする時間がない」という方には、司法書士が手続きまで代行してくれる登記おまかせプランがおすすめです。
設立代行の費用相場は10万円前後ですが、freeeの登記おまかせプランは一律5万円で利用できます。※海外在留者が出資者・役員の場合等の特殊ケースを除く
登記おまかせプランの利用方法等の詳細は、freee会社設立の無料登録が完了後にメールにてご案内します。
会社設立の準備をお考えの方は、ぜひ登録無料のfreee会社設立をお試しください。
よくある質問
定款の認証とは?
定款の認証とは、正当な手続きで定款が作成されたことを、公証人により証明することです。
詳しくは記事内「定款認証とは」をご覧ください。
定款認証にかかる費用は?
定款認証には、認証手数料がかかります。紙媒体で定款認証を受ける際は、謄本の請求手数料と収入印紙代も別途発生します。
詳しくは記事内「定款認証にかかる費用」をご覧ください。
電子定款の認証にかかる費用は?
電子定款の場合、紙媒体と同様に認証手数料が必要です。紙媒体でかかる謄本の請求手数料と収入印紙代は不要ですが、代わりに電磁媒体への保存手数料が必要になります。
詳しくは記事内「電子定款の認証にかかる費用」をご覧ください。