資本金は、会社設立の前にかならず準備すべきものの一つ。起業時には、資本金があることを証明するため、口座への振込みが必須です。どの口座にどういった手順でいつ支払うのか……など、その支払い方法は面倒ですが、絶対に通らなければいけない道です。今回は起業する際の資本金の振込み方を簡単にわかりやすくまとめました。
・【資本金】いくら必要? 会社設立時の資本金額の決め方
資本金に関わる税金や、資金調達方法について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
・【資金調達】会社設立時に活用できる助成金・補助金とは?
・【税金と税率】個人事業主と法人で税金はどう変わる?
資本金の払込み先は個人の銀行口座
資本金の振込みというと会社の銀行口座に振込むイメージがあるかもしれません。しかし登記が完了する前は会社の口座は作れませんので、発起人の銀行口座に資本金を払い込みます。
この時に注意したいのは、できればネット銀行は避けること。
ネット銀行はいつでも・どこからでもお金を振り込めるので便利ではありますが、通帳がないことがネック。通常は資本金を振り込んだあとに記帳した通帳をコピーしますが、ネット銀行ではできません。振込み履歴をプリントアウトしたもので代用ができるものの、1枚のプリントアウト画面の中に必要項目をすべて表示しないといけないなど、制約が多く手続きが一気に難しくなってしまいます。
通帳がある銀行口座を持っているのあれば、そちらを使うことをおすすめします。
ちなみに以前はゆうちょ口座を資本金の振込み先とすることは法律で禁止されていました。現在は郵政民営化し、郵便貯金だったものが「銀行」となったので資本金の振込みに使うことができます。
振込みのタイミングは定款認証のあと
資本金の振込みは定款の認証後におこないます。間違えて定款認証の前に振り込んでしまうケースが多いので、注意してくださいね。
ちなみに東京の法務局ではあまりにも定款認証の前に振り込んでしまう人が多いため、黙認される場合が多いですが、他の地域の法務局に行くと承認されない場合も。承認されないと振り込んだ資本金を引き出して、再度入金をしなければならないのでお気をつけて。
振込みは銀行の窓口がベスト
定款の認証が終わったら、銀行の窓口に資本金を振込みに行きます。
コンビニなどのATMでも資本金の振込みは可能ですが、銀行やキャッシュカードの種類によって1日の振込み限度額が細かく決められています。限度額も100〜200万程度に設定されている場合があるので、巨額の資本金を振り込むには直接窓口へ行った方がベター。また現金でのATM振込みは50万まで可能なケースが多いですが、大金を持ち歩くことは安全面から見ても避けた方が無難です。
銀行の窓口では振り込む金額が10万円を超える場合、本人確認や振込み目的なども確認されることがほとんどです。通帳とキャッシュカードの他に、運転免許証などの本人確認書類や印鑑も持参しましょう。
振込み後に記帳と通帳のコピーも忘れずに
資本金の払込みが終わったら記帳をして、その通帳のコピーをとります。コピーはコンビニのコピー機でOK。その後に支払証明書を作成し通帳のコピーを貼り、資本金の支払い手続きは終了します。
資本金を振込んだ証明のためのコピーをする際は、下記の3箇所をコピーします。
- 記帳欄
- 表紙
- 個人情報欄
※表紙を開いた裏にある住所や名前などが乗っている欄
ちなみに支払証明書には資本金額のほかに、株数や1株あたりの金額を書く必要があります。この最初に決める1株あたりの金額は、高すぎても低すぎてもNG。後々、融資を受けづらくなってしまったり、金額を下げづらくなってしまったりします。1株の価格は慎重に決めることをオススメします。
会社設立も資本金の振込みまで終われば、あと一歩。振込み手順は一見面倒そうですが、一つひとつ丁寧に対応していけば難しいことはありません。
会社設立の方法を知りたい方はこちら
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