会社設立準備の際、必ず行うのが定款の作成です。定款に記載する「事業目的」については書き方を迷う方も多いのではないでしょうか?このページでは、定款の事業目的について説明していきたいと思います。
・【事業目的】具体的な書き方やルールとは?
会社設立時に必要な定款の作成方法や、その他の書類について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
・【定款】会社設立時に必須の定款とは?
・【会社設立に必要な書類】全部で11種類! 準備すべき書類や記載内容は?
そもそも定款とは
定款とは会社の憲法のようなもので会社の根本的なルールを設定しており、会社設立の上では必ず作成しなければならないものとなります。
定款は、会社の根本的なルールを設定することになりますので、会社設立に立ち会う発起人全員によって作成する必要があり、発起人の署名又は記名捺印して公証人の認証がなければいけません。
定款の中でも絶対的記載事項という必ず記載しなければならない事項があり、その中の一つが「事業目的」です。
定款の絶対的記載事項の事業目的とは?
事業目的とは、その会社を設立するにあたり具合的に会社で何を事業とするのかを目的として設定するものです。事業目的を設定する一番の目的は「取引の安定性」を確保するためです。会社は個人と違い実態がないものですから、取引をする相手に信頼されるためにも定款で事業の目的を設定することになっております。事業目的の決定に際して決めるべきポイントは3つ必要となります。
・適法性
適法性とは、その名の通り会社設立の目的となる事業目的が違法ではないことを指します。例えば「詐欺」「麻薬の輸入」など公序良俗に反する事業目的の内容は認められないこととなっています。
・営利性
会社の設立は利益をあげることを事業目的としなければなりません。そのためボランティア活動や寄付活動は非営利の事業目的とすることはできません。
・明確性
事業目的は、どんな人が見てもわかるように設定する必要があります。上述した通り、事業目的の理由は取引の安定性の確保のため、事業目的が何をやっているのかわからないと信用できないこととなります。そのため、事業目的は一般的にわかるものにする必要があります。
会社設立時に事業目的を決める際の注意事項
⑴事業目的の数
会社設立時に気をつけなければならないのが、事業目的以外の事業は基本的には行うことができないとされていることです。そのため、将来の事業展開を考慮の上、事業目的を決める必要があります。事業目的の数には上限はありませんが、あまりにも多すぎると、融資などの際に計画性に疑問を持たれる可能性もあるため、通常は4~5個ぐらいを設定しています。
⑵融資審査
日本政策金融公庫や制度融資で操業融資などを検討されている場合、農林、漁業などは融資審査がおりない可能性があります。会社設立に際して、融資を検討される場合は、その点も考慮に入れて事業目的を決定しましょう。
⑶許認可の有無
建設業や不動産業、リース業など一定の事業目的に関しては、役所の許認可が必要となってきます。まずは会社設立の際に決定する予定の事業目的に許認可が必要かどうかを確認しておきましょう。
許認可が必要な事業に関しては、定款の事業目的の記載方法に決まりがあることがあります。許認可が必要な事業を行う場合は必ず確認しておきましょう。
定款の事業目的が利用される場面
会社設立時ではあまり気にせず事業目的を設定しますが、事業目的が利用される場面は様々です。定款や登記簿謄本を見る場面は以下の通りです。
①銀行など金融機関が融資の審査を行う場面
②役所が補助金の審査をする場面
③会社が信用取引をする際に行う信用調査の場面
会社設立後、最も発生する場面は銀行など金融機関の融資でしょう。このような場面で、悪いイメージを持たれないためにも事業目的はしっかり考えて設定することをお勧めします。
定款の事業目的は変更できるのか
会社設立後に定款の事業目的を変更することも可能です。しかし、定款の事業目的の変更には株主総会の特別決議(株式会社の場合)や登記申請が必要になります。登記申請では費用も発生します。
ですので、少なくとも今後数年の事業展開を踏まえたで記載する事業目的を設定することをおすすめします。
詳しくは以下の記事などを参考にしてください。
株式会社の定款を変更したいとき、どのような手続きを取ればいい?
まとめ
本記事では会社設立時に決定する定款の事業目的についての基礎知識の説明をしました。定款に記載する事業目的は会社設立後も事業内容や融資などの重要な場面に関わってきます。将来どのように事業を展開するかも考えて事業目的を決定しましょう。
会社設立の方法を知りたい方はこちら
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定款(ていかん)を簡単に作成する方法
定款とは、会社のルールブックであり、会社設立時に必ず必要な書類の一つです。
テンプレートはほぼ決まっていますが、事業目的などの記載内容は会社によって異なるため、自分で作成すると時間がかかってしまいます。また、ほかにも設立時には約10種類の書類を準備しなければなりません。
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- ・定款(ていかん)
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