会社設立の基礎知識

一般社団法人設立の流れ・費用・必要書類についてわかりやすく解説!

監修 安田亮 安田亮公認会計士・税理士事務所

一般社団法人の設立方法、費用と必要書類について詳しく解説!

一般社団法人とは、非営利目的である法人格の一種です。事業目的における制限がなかったり株式会社設立に比べて手続きが少なかったりと、一般社団法人を設立するハードルは比較的低いとされています。

営利法人と比べた際、非営利法人は「利益を出さない法人である」と誤解されがちですが、その定義は「利益を配当しない」というところにあります。また、所轄庁の認可を受ける必要がないという点も、他の非営利法人とは異なる一般社団法人の大きな特徴です。

本記事では、一般社団法人の設立方法や必要書類などについて、実際の手続きの流れを元に詳しく解説します。

目次

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一般社団法人とは

一般社団法人の分類

法人は大きく営利法人と非営利法人の2つに分けられますが、一般社団法人は非営利法人の一つです。法律上、一般社団法人は「『一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)』に基づいて設立された社団法人のこと」と定義づけられています。

一般社団法人はできる事業に制限がなく、非公益かつ非営利の事業はもちろん収益事業も行え、自由で自律的な活動が認められていることが特徴です。また、一定の手続きを経て登記すれば、主務官庁の許可を得ることなく準則主義によって誰でも設立できます。さらには、設立後も行政からの監督や指導はありません。

ただし、設立者や社員等に剰余金や残余財産の分配を受ける権利を付与することは禁じられています。


出典:法務省「一般社団法人及び一般財団法人制度Q&A Q1一般社団法人とは、何ですか。」
出典:法務省「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律リーフレット」

他の非営利法人との違い

一般社団法人と同様に、社会貢献活動や社会問題を解決したいという思いで活動する非営利法人には、NPO法人・一般財団法人・社会福祉法人などがあります。

それぞれの目的や所轄庁の認可の違いについて、以下にまとめました。

非営利法人名目的所轄庁の認可・決算書類の提出
一般社団法人事業の公益性の有無にかかわらず、余剰資金の分配を目的としない団体必要なし
NPO法人20種類の特定非営利活動に該当し、不特定かつ多数のものの利益に寄与する法人必要あり
一般財団法人企業や個人から提供された財産を維持・運用することを目的とした法人必要なし
社会福祉法人社会福祉事業を目的とした法人必要あり

NPO法人や社会福祉法人は、登記に加えて所轄庁の認可を受ける必要がありますが、一般社団法人・一般財団法人は登記をすることによって設立が成立します。また、一般社団法人や一般財団法人は、事業年度終了後に決算書類を所轄庁に提出する必要もないため、NPO法人や社会福祉法人に比べ、設立や維持が比較的簡単です。

営利法人との違い

営利法人には、主に株式会社や合同会社が挙げられます。それぞれの設立の要件や課税方式などの違いについて、以下にまとめました。

 一般社団法人株式会社合同会社
資本金不要1円以上1円以上
出資者・株主不要1名以上1名以上
役員数理事1名取締役1名以上規定なし
社員数2名以上規定なし規定なし
課税方式全所得に課税
(収益事業該当の場合のみ)
全所得に課税全所得に課税
登記完了までの期間2〜3週間程度2〜3週間程度1〜2週間程度

株式会社や合同会社を設立する場合には、資本金(1円以上)と出資者・株主(1名以上)が必要ですが、一般社団法人には資本金制度自体がないため、資本金なしで設立可能です。

しかし、資本金なしで設立できるといっても、実際に組織を運営するためには資金を調達する必要があります。資金がない状態で設立をすると、事業活動を行うために必要な経費は社員が用意することになるため、大きな負担がかかってしまうでしょう。

一般社団法人を設立する際には、活動に必要な資金計画をしっかりと立てることが重要です。

【関連記事】
法人とは?法人の種類や例、個人事業主との違いを簡単に解説

一般社団法人を設立する流れ

一般社団法人の設立には、事前にさまざまな準備を行い、各要件を満たす必要があります。設立までの流れは、以下のとおりです。

一般社団法人を設立するまでの流れ

  1. 一般社団法人の社員を2名以上集める
  2. 定款を作成し、公証人の認証を受ける
  3. 設立時理事の選任を行う
    (設立時監事や設立時会計監査人を置く場合はこれらの者も含む)
  4. 設立時理事(設立時監事が置かれている場合は、その者も)が、設立手続の調査を行う
  5. 法人を代表すべき者(設立時理事又は設立時代表理事)が、法定の期限内に、主たる事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局に設立の登記の申請を行う

なお、2.3は設立時社員(法人成立後最初の社員となる者2名以上)が行います。


出典:法務省「一般社団法人及び一般財団法人制度Q&A Q2 一般社団法人を設立する方法を簡単に説明して下さい。」

一般社団法人の社員を2名以上集める

一般社団法人の設立には、役員数が理事1名、社員数は2名以上が必要です。一般社団法人設立後、社員が1名のみになった場合でも解散しませんが、社員が0人となった場合は解散となります。なお、理事会設置一般社団法人を設立する場合には、理事を3名以上選任しなければいけません。

会社などの法人も一般社団法人の社員になれますが、法人の従たる事務所の性質を有する支店・支部・営業所等は、一般社団法人の社員となることはできません。また、ここでいう社員とは従業員という意味ではなく、一般社団法人設立後に意思決定機関である社員総会での議決権を保有し、運営に関わる重要な役割を果たします。

定款を作成して、公証人の認証を受ける

一般社団法人を設立するためにはまず定款(ていかん)を作成し、公証人の認証を受ける必要があります。定款は「法人の憲法」とも呼ばれる、法人設立時に発起人全員が合意した法人の基本原則を記載した文書です。

定款には、法人の名前(商号)・事業内容・住所などの基本情報や、法人を指導するさまざまなルールを記載します。定款の認証は紙で行う方法と、PDF形式の電子ファイルで提出する電子定款で行う方法があります。

定款を作成したら、本店所在地と同じ都道府県にある公証人役場で認証を受けます。認証にかかる費用については、以下のとおりです。

  • 定款認証手数料:5万円
  • 定款謄本取得代金:数千円

なお、一般社団法人が定款の認証を受ける場合、この段階で最低2名以上の社員をおかなければいけません。定款については、以下の記事でも詳しく解説しているため、あわせて参考にしてみてください。

【関連記事】
会社設立に必須の定款とは? 認証方法や記載事項について詳しく解説
定款の認証とは?認証費用や手数料と必要な手続きについて解説


出典:日本公証人連合会「定款認証に必要な「実質的支配者となるべき者の申告書」の記載方法等の変更について」
出典:法務省「一般社団法人の定款には、どのようなことを記載(記録)しなければならないのですか。」

設立時理事を選任する

次に、設立時理事の選任を行います。設立時監事や設立時会計監査人を置く場合も、設立時理事と同様に選任しましょう一般社団法人を設立した人(発起人)を設立時社員と呼び、設立時社員は一般社団法人の原始定款を作成し、設立時理事を指定することができます。一般社団法人における設立時理事は、業務執行と代表の権限を持ちます。

設立時理事は一般社団法人の設立において必置の機関として一般法人法において定められているため、くれぐれも忘れないように気をつけてください。

理事の数は、設立後の一般社団法人が理事会を設置する場合には3名以上、理事会を設置しない場合には少なくとも1名とします。

また、定款に最初の理事を定めていない場合は、定款認証後に社員が集まって設立時の理事を選びます。なお、一般社団法人設立後の理事の権限は、業務執行権限と代表権限の2種類です。


出典:日本公証人連合会「Q12. 一般社団法人の定款の附則に記載する事項及びその記載上注意すべき点は何ですか(一般社団法人の定款の附則)。」

設立時理事が設立手続きの調査を行う

次に、設立時理事(設立時監事が置かれている場合はその者も含む)が、設立手続きの調査を行います。設立手続きの調査とは、一般社団法人の設立手続きが法令または定款に違反していないかを調べることです。

もし違反が見つかったり不当な事項があるといった場合には、設立時理事が一般社団法人の設立時社員にその旨を通知しなければいけません。

法定期限内に登記申請を行う

最後に、一般社団法人を代表すべき者(設立時理事または設立時代表理事)が、法定の期限内に主たる事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局に設立の登記の申請を行います。

一般社団法人の法定期限は、設立時理事の調査が終了した日、または設立時社員が定めた日のいずれか遅い日から2週間以内です。万が一遅れてしまった場合には過料などの罰則が与えられる場合があるため、期限は厳守するようにしてください。

登記申請を行い不備等の連絡が法務局より通知されなければ、晴れて一般社団法人の設立が完了です。


出典:e-Gov法令検索「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」

一般社団法人を設立するための必要書類

一般社団法人を設立するためには、数多くの必要書類を用意しなければいけません。登記申請の際に書類を用意することはもちろんですが、定款認証の際にも必要な書類が多くあります。

定款認証は登記申請の前に行う必要があるため、以下で詳しく解説します。

定款認証に必要な書類

定款の認証方法には、紙定款と電子定款の2種類があります。これらの認証方法による必要書類は、それぞれ以下のように異なるため注意が必要です。

紙定款の場合の必要書類電子定款の場合の必要書類
・定款 3通
・発起人全員分の印鑑証明書 1通ずつ
・発起人全員の実印
・実質的支配者となるべき者の申告書
・委任状(代理人が定款認証を行う場合)
・身分証明書
・定款 3通
・発起人全員分の印鑑証明書 1通ずつ
・実質的支配者となるべき者の申告書
・委任状(代理人が定款認証を行う場合)
・電子署名する者の身分証明書

上記が紙定款・電子定款の認証に必要な書類ですので、忘れずに覚えておきましょう。また、提出する公証役場によっても指定される書類に違いがあるため、事前にホームページ等を確認しておくとスムーズです。

それぞれの書類についての詳細は、以下で詳しく解説します。

定款3通

定款とは、会社設立時に発起人全員の同意のもとで定める企業の根本原則が記載された「法人の憲法」とも呼ばれている書類で、会社を設立する時に必要な書類です。

定款には、以下のようにさまざまな事項を記載する必要があります。

定款に記載する事項

  • 事業の目的
  • 商号
  • 所在地
  • 発起人の氏名と住所 など

なお、定款3通を用意する理由としては、会社保存用・公証役場用・法務局用と分けられるためです。

発起人全員分の印鑑証明書

印鑑証明書とは、実印が必要な法律行為を行う場合に印鑑が確かに登録した物であることを示した書類のことです。

定款を認証してもらう公証役場では、発起人全員分の印鑑証明書の提出が義務付けられています。定款には発起人の実印を押印するため、発起人の実印が本人の物かを確認するために必ず全員分用意しなければいけません。

実質的支配者となるべき者の申告書

実質的支配者とは、法人の事業経営を実質的に支配することが可能な人のことを指します。一般社団法人の場合は、以下に該当する人が実質的支配者です。

  • 事業活動に支配的な影響力を有する個人
  • 代表理事(上記の個人が存在しない場合)

定款認証の際は、「実質的支配者となるべき者の申告書」が必要となります。

これは公証人法施行規則の改正によるもので、2018年11月30日から設立予定の法人の実質的支配者を明示し、暴力団員などに該当するかどうかを申告せねばならないというものです。

「実質的支配者となるべき者の申告書」は、日本公証人連合会のサイトでダウンロードできます。

委任状(代理人が定款認証を行う場合)

定款認証手続きを行う者が発起人ではなく代理人である場合には、委任状が必要です。また、委任状に加えて委任者の印鑑証明書と身分証明書も必要になるため、忘れずに用意しましょう。

委任状は、日本公証人連合会のサイトからダウンロード可能です。

登記申請に必要な書類

定款認証が完了し一般社団法人を設立するには、登記申請を行わなければいけません。登記申請を行う際にも数多くの書類が必要で、用意するべきものは以下のとおりです。

登記申請書に必要な書類

  • 定款
  • 委任状
  • 設立登記申請書
  • 登記事項を記録したCD-R
  • 設立時代表理事・理事・監事の就任承諾書
  • 印鑑証明書
  • 本人確認書類
  • 設立時代表理事選定書
  • 設立時社員の決議書
  • 印鑑届書

それぞれの内容や書類のダウンロード方法については、以下で詳しく解説します。

定款

定款は、登記時にも必要になりますが、設立時社員によって作成されただけでは有効ではありません。上述でも解説したように、定款が有効になるためには、公証人による認証が必要です。

定款の記載事項には、必ず記載しなければならない「絶対的記載事項」と、該当すれば定款に記載する「相対的記載事項」、必ずしも記載しなくてもよい「任意的記載事項」があります。

特に、絶対的記載事項について記載漏れがあった場合には定款自体が無効となるため、注意しましょう。

【関連記事】
会社設立に必須の定款とは? 認証方法や記載事項について詳しく解説
定款の認証とは?認証費用や手数料と必要な手続きについて解説

委任状

代理人(司法書士・弁護士)が登記申請手続きを行う場合は、委任状が必要です。委任状に印鑑を押印する場合は、登記所に提出した印鑑を押印する必要があります。

<委任状の記載例>

委任状の記載例
出典:法務局「商業・法人登記の申請書様式」

設立登記申請書

登記申請書は、法務局に提出する登記手続のための重要な書類です。この書類には、主に以下のような内容が含まれます。

登記申請書に記載する主な項目

  • 法人名(商号)
  • 所在地
  • 法人の公告方法
  • 目的
  • 添付書類の一覧
  • 登録免許税 など

出典:法務省「商業・法人登記の申請書様式」

上記はあくまでも一般的に記載が必要な項目で、設立する法人形態によって記載すべき内容は異なります。もし不備があった場合、登記が遅れるだけでなく登記拒否の対象にもなるため、正確に記入することが重要です。

登記申請書は、法務局のサイトからダウンロードできます。

なお、登記申請書には収入印紙を貼り付ける部分があるため、登録免許税の支払いは登記申請書を通して行ってください。

登記事項を記録したCD-R

申請書に記載する事項のうち登記する事項については、申請書の記載に代えて電磁的記録媒体CD-Rを提出することができます。

なお、電磁的記録媒体CD-R自体が申請書の一部となりますので、電磁的記録媒体CD-Rの内容を別途プリントアウトして添付する必要はありません。

詳しくお知りになりたい方は、法務局のホームページにある「商業・法人登記申請における登記すべき事項を記録した電磁的記録媒体の提出について」をご覧ください。

設立時代表理事・理事・監事の就任承諾書

設立時の役員や、代表理事に選ばれた方がそれを承諾することについて、就任承諾書を作成します。一般社団法人で理事会を設置している場合、設立時代表理事の就任承諾書には、市町村長の作成した印鑑証明書と同じ印鑑を押す必要があります。

<就任承諾書の記載例>

就任承諾書の記載例
出典:法務局「商業・法人登記の申請書様式」

印鑑証明書

印鑑証明書には、就任承諾書に押印した印鑑であり市区町村長が発行したものを貼付します。一般社団法人の場合、理事会の設置有無によって印鑑証明書の必要枚数が異なるため、注意してください。

  • 理事会を設置する場合:設立時代表理事の印鑑証明書が必要
  • 理事会を設置しない場合:設立時の理事全員の印鑑証明書が必要

なお、登記申請の際に必要な印鑑証明書はあくまでも個人ものであるため、法人の印鑑証明書は登記申請と同じタイミングで印鑑届書を提出した上で取得を進めることが一般的です。

【関連記事】
会社設立時に必要不可欠!印鑑証明書を発行してもらう方法と必要な枚数について

本人確認書類

理事会を設置する場合は代表理事の印鑑証明書が必要ですが、その他の理事については印鑑証明書の添付は必要ありません。

そのため、その他の理事については、住民票記載事項証明書や運転免許証のコピー(裏面もコピーし、本人が原本と相違ない旨を記載して、記名したもの)などの本人確認書類の提出が必要となります。


出典:法務省「添付書面としての本人確認証明書及び婚姻前の氏の併記について」

設立時代表理事選定書

設立時代表理事選定書とは、設立時の役員や代表理事に選ばれたことを決定する旨の通知書です。この書類には、以下のように設立時理事全員の名前を記名する必要があります。

<設立時代表理事選定書の記載例>

設立時代表理事選定書の記載例
出典:法務局「一般社団法人設立登記申請書」

設立時理事等が選任された会議の席上で設立時代表理事が就任を承諾し、その旨の記載が選定書にある場合には、申請書に別途、就任承諾書を添付する必要はありません。

ただし、設立時代表理事が本選定書に、市町村長の作成した印鑑証明書と同一の印鑑を押した場合に限ります(理事会設置一般社団法人においては、設立時代表理事が就任を承諾したことを証する書面の印鑑について、市町村長の作成した印鑑証明書を添付する必要があります。)。

この場合、申請書には「就任承諾書は、設立時代表理事選定書の記載を援用する。」等の記載をしてください。

設立時社員の決議書

定款に設立時役員や主たる事務所の所在地を定めている場合は、決議書を添付する必要はありません。ただし、定款に「新宿区」や「世田谷区」などの具体的な住所を定めていない場合は、具体的な所在地を記載した決議書を添付する必要があります。

<決議書の記載例>

決議書の記載例
出典:法務局「商業・法人登記の申請書様式」

設立時に従たる事務所を設置する場合は、主たる事務所の所在地に倣って従たる事務所の所在地を決定する義務があります。なお、決議書には設立時社員の記名と押印が必要です。

印鑑届書

印鑑届書は「代表者印」とも呼ばれ、会社の印鑑(実印)を登録するための書類です。登記申請時に必ず提出が求められている書類ではありませんが、早めに法人印の印鑑証明書を発行するためにも登記申請時にあわせて提出することが一般的です。印鑑届書は、申請を行う法務局内に置いてありますが、こちらからもダウンロードできます。


印鑑届書
出典:法務局「印鑑(改印)届書」

印鑑届書を提出し、法務局で法人の実印を登録すると、印鑑証明書が発行されます。なお、印鑑証明書を取得するためには、印鑑カードが必要になります。印鑑カードは、印鑑カード交付申請書を法務局に提出することで交付されます。

【関連記事】
法人の印鑑証明の取り方!登録・取得方法や利用目的をわかりやすく解説

一般社団法人の設立費用

一般社団法人を設立するためには、法定費用(定款認証費用、登録免許税)や印鑑の作成費用のほか、事業内容によっては許認可の取得費用などがかかります。一般社団法人が設立する際にかかる費用は、一般的に以下のとおりです。


必要費用名金額費用が必要になるタイミング
定款認証手数料一律50,000円定款認証時
謄本手数料約2,000円
(250円/1枚)
定款認証時
登録免許税60,000円登記申請時
総額約112,000円

また、司法書士や行政書士に設立手続きを依頼した場合は、30,000円から50,000円程度の代行費用が上乗せされます。

その場合の設立費用の総額は、15万円程度になると想定しておくと良いでしょう。なお、会社設立についての費用について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

【関連記事】
会社設立費用はいくら必要?株式会社と合同会社別にわかりやすく解説

一般社団法人の設立後にやるべきこと

一般社団法人の設立が完了したら、主に以下5つのやるべきことがあります。

一般社団法人の設立後にやるべきこと

  • 各機関への法人設立届出手続き
  • 社会保険加入の手続き
  • 労働保険加入の手続き
  • 定時社員総会を開き決算の承認を得る
  • 理事の重任・変更手続き

各機関への法人設立届出手続き

一般社団法人の設立が完了したら、法人設立した旨を以下の機関へ届け出る必要があります。

  • 税務署
  • 都道府県税事務所
  • 市町村役場

届出は法人設立届出書の提出をもって行い、書類は国税庁や都道府県、市町村のサイトから簡単に取得できます。なお、届出期間やその他添付書類は管轄の各機関によって異なるため、ホームページ等を事前に確認しましょう。

社会保険加入の手続き

法人が役員または従業員等に給料を支払う場合は、社会保険への加入が義務付けられています。社会保険への加入は管轄の年金事務所にて行い、設立から5日以内に手続きを行わなければいけません。

また、社会保険への加入に必要な書類は以下のとおりです。

一般社団法人が社会保険に加入するために必要な書類

  • 健康保険・厚生年金保険新規適用届
  • 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
  • 被扶養者(異動)届(扶養家族がいる場合)
  • 保険料口座振替納付申出書(口座振替をする場合)
  • 法人の登記事項証明書(登記簿謄本)

上記書類はそれぞれ日本年金機構サイトからダウンロードできるため、早めに準備するようにしましょう。

労働保険加入の手続き

一般社団法人設立後に従業員を雇う場合には、労働保険への加入が必要です。一人でも従業員を雇う場合には加入が必須であり、もし未加入である場合には罰則が課せられてしまいます。

加入手続きは労働基準監督署にて行い、以下の書類が必要です。

  • 労働保険成立届
  • 登記簿謄本
  • 概算保険料申告書

加入期限等は管轄の労働基準監督署によって異なりますが、出来るだけ早く手続きを行うようにしましょう。


出典:厚生労働省「労災保険・雇用保険加入に関する手続きの流れ及び必要書類について」

また、労働基準監督署の手続きが完了し労働保険への加入が済んだら、ハローワークにて以下の雇用保険に関する書類提出の手続きを行います。

  • 雇用保険適用事業所設置届
  • 雇用保険被保険者資格取得届

上記の書類は、それぞれ厚生労働省のサイトからダウンロード可能です。


出典:厚生労働省「雇用保険適用事業所設置届」
出典:厚生労働省「雇用保険被保険者資格取得届」

定時社員総会を開き決算の承認を得る

定時社員総会を開き決算の承認を得るということは、一般社団法人法において定められています。一般的に事業年度終了から3ヶ月以内に決算処理を行うと定款に記載している法人が大半であるため、定款の規則に則って確実に行うようにしましょう。

決算の承認を得た後に、税務署にて法人税の申告・納付を行います。

理事の重任・変更手続き

一般社団法人法では、理事の任期を選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとするとして、定められています。そのため、2期目の定時社員総会の際に、理事の選任決議を行うことが必要です。

変更がある場合もない場合(重任)も法務局にて役員変更登記手続きが必要になるため、くれぐれも忘れないように手続きを行いましょう。

まとめ

一般社団法人は、非営利法人でありながらも、利益の分配をしないという条件の元で自由に事業活動を行える法人形態の一つです。定款用の収入印紙代がかからないことから、株式会社等の設立に比べて費用が抑えられるため、設立のハードルが低いことがメリットとされています。

設立には、多くの書類や手続きが求められ、もし不備がある場合には予定よりも設立が遅れてしまうことになりかねません。また、専門家に設立を代行する場合にはさらに費用も嵩んでしまうでしょう。

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よくある質問

一般社団法人の設立費用はどのくらい?

一般社団法人の設立費用は、一般的に112,000円ほどです。内訳としては以下のとおり。


  • 定款認証手数料:50,000円
  • 謄本手数料:約2,000円(250円/1枚)
  • 登録免許税:60,000円

また、上記は設立に必要な最低限の費用ですが、当然事業内容によって追加で必要な費用は発生します。一般社団法人の設立は、事業開始後も余裕を持った資金繰りができるように想定した上で行いましょう。詳しくは記事内「一般社団法人の設立費用」をご覧ください。

一般社団法人設立時の社員の人数は?

一般社団法人の設立時には、最低2名以上の社員を置く必要があります。また、最低1名以上の理事を選任しておくことも必要です。もし理事会設置一般社団法人を設立する場合には、理事を最低3名選任しなければいけません。

また、一般社団法人設立後は社員が1名のみになった場合でも解散しませんが、社員が0人となった場合は解散となるため、覚えておきましょう。詳しくは記事内「一般社団法人の社員を2名以上集める」をご覧ください。

監修 安田 亮(やすだ りょう)

1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。

監修者 安田亮

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