会社設立の基礎知識

はじめてのエンジニア採用はどうやる?有名ベンチャー社長とエンジニアの出会いまとめ

はじめてのエンジニア採用はどうやる?有名ベンチャー社長とエンジニアの出会いまとめ

IT業界で起業したいと思ったとき、もっとも高いハードルといえるのがエンジニアの確保です。

業界全体でIT技術者が不足している現在、どの企業もエンジニアの採用には必死。小さな生まれたての企業が採用を行うのは至難の業です。

そんな中で有名企業の起業家たちはどう最初のエンジニアをリクルーティングしたのでしょうか。起業家と最初のエンジニアの出会いを調べました。

あわせてエンジニア採用の方法・有効なツールも紹介していきます。

有名ベンチャー企業の最初のエンジニア採用

守安 功氏 / 株式会社ディー・エヌ・エー

守安氏は社員数6名のDeNAにシステムエンジニアとして入社しました。
きっかけは前職の日本オラクルで同期だった友人に誘われて、DeNAのオフィスに遊びにいったことだったそうです。当時、守安氏は日本オラクルを退社し、自ら起業した事業が上手くいっていなかったとき。オフィス訪問をしてそのまま転職をしてしまったのだとか。

転職した当時のDeNAはまだ、サービスのローンチ前。しかも外注をしていたシステム開発がリリース1ヶ月前に未着手だったことが発覚したそうです。なんとかほかのメンバーと共にローンチにこぎつけますが、ローンチ後もシステムは不安定。しばらくはメンバーが交代で常にシステムに張り付いている日々が続いていたのだそう。

野村 真一氏 / 株式会社クラウドワークス

2011年11月の創業当時からクラウドワークスに参画していた野村氏。
創業社長の吉田氏との出会いは、なんとTwitter。吉田氏がクラウドワークスをはじめる前に経営していた企業でエンジニアが不足しており、Twitteでエンジニアを募る投稿にリプライしたことがはじまりだそうです。

その後、吉田氏の会社で受託エンジニアとして勤務。野村氏の契約満了日が近づいていたときに、吉田氏から現在のクラウドワークスのアイディアを聞き、参画することを決心。
立ち上げ期は野村氏ほぼ一人でプロダクトを作ったそうです。

桂 大介氏 / 株式会社リブセンス

創業社長の村上氏は、大学1年生のときに現在のリブセンスの元となるサイトを立ち上げました。村上氏自身もプログラミングは苦手な方ではなかったようですが、もっと詳しい人材を採用するために、人材探しをスタートしたそうです。

当時村上氏が在籍していた早稲田大学の中で、プログラミングに一番詳しい人を探した結果、桂氏に出会います。桂氏は高校生時代から個人事業主として、ホームページの受託制作をしていたそう。大学時代でも実績は十分にあったというわけですね。

和田 修一氏 / 株式会社nanapi

ノウハウの共有サービス「nanapi」を運営する株式会社nanapi(現在は統合によりSupership株式会社になっている)は1通のチャットメッセージからはじまったそうです。
共同創業者の古川氏は、新卒で入社したリクルートに勤務しながら会社を設立。副業感覚で経営をしていたそうです。その後、リクルートを退社しnanapiの起業に本腰を入れます。

そんなときに声をかけたのが、共同創業者でありnanapiの開発を担当した和田氏。和田氏は学生時代はエンジニアと無縁な生活を送っていたそうです。しかし新卒で入社した楽天でインフラを運用するチームへ配属されたことからエンジニアとしてのキャリアをスタート。
のちに、中学・高校時代の同級生である古川氏から起業の誘いを受け、その場で快諾。起業に至ったそうです。

竹内 秀行氏 / 株式会社ユーザベース

企業・産業分析用の情報をオンラインで提供するサービスのSPEEDAを開発・運営するユーザベース。
最初は前職の同僚だった共同経営者の梅田氏と新野氏が、2人でSPEEDAの構想を固めました。一方で2人は技術については詳しくなかったので、高校時代の友人の稲垣氏(現・最高執行責任者)に技術面を相談。前職でデータベースエンジニアをしていた稲垣氏は、Webシステムの構築は未経験ながらも快諾。開発がスタートしました。

しかし開発は難航。稲垣氏ひとりでの開発は難しく、また外注をする費用もない……。そんなときに、稲垣氏の後輩であり東京工業大学の学生だった竹内氏に出会ったそうです。事業構想を聞き、面白そうなサービスだということで、ジョインを決意。結果的に、システムの基礎部分をほぼ竹内氏だけで開発したとのことです。

本城 愼之介氏 / 楽天株式会社

本城氏は、就職活動をしているときは日本興業銀行に就職希望だったそうです。当時日本興業銀行に勤めていた三木谷氏に話を聞こうと尋ねたのがきっかけで、創業メンバーに加わりました。

本城氏は大学も文系学部を卒業し、プログラムを組んだことがなかった初心者でした。しかし知識がゼロの状態でシステム開発を任せられてしまい、本一冊とプログラムの家庭教師一人を与えられ、楽天市場のシステム開発をスタートしたそうです。

藤本 真樹氏 / グリー株式会社

SNS・ネットゲームを多数運営する企業で知られるグリーは、実は創業者である田中氏の個人サイトとしてスタートしました。
そもそも田中氏はエンジニアとしてキャリアをスタートしたわけではありませんでした。しかし転職した楽天でコミュニティサービスでエンジニアの数が足りず、自分でもプログラミングを独学ではじめたことがグリーのはじまり。ノウハウを生かすために趣味として、隙間時間にグリーの開発を行っていました。

しかしユーザー数が急増。サービスを安定して運営するために、前職をやめ本腰を入れることになりました。このときに、楽天に技術コンサルタントとしてきていた藤本氏を誘い、本格的なサービス拡大に着手したそうです。

川崎 禎紀氏 / ウォンテッドリー株式会社

SNSを利用した企業と求職者をマッチングするサービスのWantedly(ウォンテッドリー)。サービスの立ち上げは創業社長の仲氏が一人で行ったのだとか。

そのサービスの開発を引き継ぎ、一人目のエンジニアとして入社したのが川崎氏です。川崎氏は外資系金融機関で経験を積み、責任のある立場も任せられるようになってきた30歳の頃、「このまま会社にいても何も変わらない」と思うように。
ちょうどそのときに、会社の後輩の仲氏が運営するウォンテッドリーに出会います。いちユーザーとしてサービスを使う中で、仲氏に出会い入社に至ったそうです。

エンジニア採用の方法

今回ご紹介した企業の中では、友人や知り合いのエンジニアをリクルーティングしたケースが多くみられました。しかし、エンジニアの採用が難しくなってきている今、さまざまな採用方法が出てきています。

求人サイトに求人広告を掲載する

一番メジャーで伝統的な方法です。
利用者数が多いサイトは多くの人にアプローチができる分、登録企業も多いのでライバルが多いのが現状。また掲載料も高いことが多いですが、写真や文章のプロによって求人広告を制作してもらえます。
大手では、リクナビNEXT(株式会社リクルートキャリア)、エン転職(エン・ジャパン株式会社)、DODA(株式会社インテリジェンス)などのサイトが有名です。

SNSでソーシャルリクルーティングをする

ソーシャルメディアを利用して直接連絡をとる方法もメジャーになりつつあります。
求人サイトに比べてコストが節約できる一方で自ら求職者にアプローチしなければいけないという点では、手間がかかる方法です。

多くのユーザーをもつFacebookやインスタグラム、Twitterを利用することで、潜在的な求職者層にもアプローチが可能ですし、求職サイトより近い距離感で職場の雰囲気を伝えることができます。
また、LinkedlnやWantedlyなど、企業と人材をマッチングに特化したSNSサービスも数多くあります。

ヘッドハンターに人材を探してきてもらう

費用は高いですが、能力の高い人材・実績がある人材に確実に出会いたいときにはオススメの方法です。採用したい人材の要件を伝え、ヘッドハンティングをしてもらいます。
人材市場の流れや相場を熟知している専門家が多いので、はじめての採用活動であれば一度相談してみるのもいいでしょう。

フリーランスに委託する

まだ正社員として採用できるほどの予算がない、という場合はまずはクラウドソーシングを利用するのも一つの手です。
データベースの中から、要件を満たすフリーランスエンジニアを探して声をかけ、業務委託契約を結びます。オフィスへの出勤がマストでなければ、全国からスキルの高いエンジニアを採用できるので、人材を探す間口は広がります。
国内では、ランサーズやクラウドワークスが有名です。また英語ができるのであれば、アメリカのUpworkで世界中のフリーランサーへの依頼も。
のちに正規雇用につなげていっても良いです。

ミートアップイベントに潜り込む

IT業界では、アイディアや技術など共有したいと思っている人が集まるイベントが活発に開催されています。
たとえば以下のようなイベント検索サイトがあります。


こうしたイベントに参加して、エンジニアの人脈を広げるのも◎。
ただしイベントのメインの目的から大きくそれた行動をしてしまうと、逆に嫌がられてしまうこともあるので要注意。
知り合いのエンジニアと共に参加してみてもいいかもしれませんね。

知人紹介(リファラル採用)

友人や社員から人材を紹介してもらう方法も、有効な採用手段だと注目を浴びつつあります。社員が紹介した人材が無事入社したときに、紹介してくれた社員にインセンティブを渡す企業もあるそうです。

社員であれば、どんな人材が自社の雰囲気にマッチするのか、要件を満たすのかを熟知しているので、入社の可能性が高い人材にアプローチができます。またあらかじめ社内の実情を知人経由で聞いた上で入社しているので、入社後の早期退職も防げます。

Googleはこの採用手段で社員の知り合いに徹底的にアプローチし、インセンティブもしっかり払って優秀な人材を確保してきました。
ビジネス向けチャットツールChatWorkのCEOである山本敏行氏は、創業し始めの会社は先行きが不安定であり、優秀な人材を集めるのは難しいことを認めています。そのため、兄弟や友人、同級生など身近にいる知人を巻き込んでいったとか。

おわりに

特に創業フェーズの企業は、優秀な人材の確保が重要。
まずはさまざまな方法を利用して、多くのエンジニアに会うことが重要です。直接アイデアや熱意を伝えれば、メンバーに加わってくれる可能性が高まることも。

また自分自身でプログラミングの勉強をして、知識をつけるのもオススメです。
自分でシステム開発をしなくても、エンジニアの実力や、開発の進捗状態を見極める助けになりますよ。

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<設立にかかる費用の比較例>


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