監修 米澤 潤平
ホームページの作成は、事業を発展させていくうえで重要な施策のひとつです。取引先や顧客からの信用に影響したり、営業ツールとして利用したりとさまざまな活用方法が考えられます。
現在ではさまざまなホームページの作成方法があり、費用や機能などをニーズに応じて選択可能です。
本記事では、ホームページ作成に必要なものや会社ホームページの作り方、ホームページ作成後にすべきことなどを解説します。
目次
ホームページの作成に必要なもの
ホームページの作成には、「サーバー」と「ドメイン」の2つの準備が必要です。ホームページは、インターネット上に情報をまとめて閲覧できるようにする仕組みです。具体的には、サーバーとドメインは下図のような仕組みとなっています。
作成者は、サーバーにホームページのデータを保存します。閲覧者はGoogle Chromeなどのブラウザを利用して、サーバーに置いてある各ページの情報(ドメイン)を呼び出し、表示させることでホームページを見ているのです。
サーバー
サーバーとは、情報を保存しておくためのコンピューターのことです。情報を保存しておき、ユーザーのリクエストに応じて提供します。
サーバーは、自前でも用意が可能ですが、維持管理に労力や費用がかかります。まずサーバー本体の価格が10~100万円程度、周辺機器の用意に数十万円、その他にもネットワークの設定などが必要です。
そのため、レンタルサーバーの使用が一般的です。レンタルサーバーには、無料で利用できるプランもありますが容量や機能が制限され、法人利用に適さない場合があります。必要な機能に応じた有料サービスの利用がおすすめです。
ドメイン
ドメインとは、インターネット上の住所にあたるものです。ドメインを指定する(URLを入力する)ことで、ユーザーはサーバーに保存されている特定のホームページにアクセスできます。
ドメインには「独自ドメイン」と「共有ドメイン」の2種類があります。
独自ドメインとは、自分でドメイン名を決めて取得するドメインのことです。任意の文字列の後に「.com」「.jp」「.co.jp」などが続いて構成されます。これら「.com」「.jp」「.co.jp」のように末尾に付く文字列のことを、「トップレベルドメイン」と呼びます。
トップレベルドメインの前の文字列は、例えば会社名やサービス名など、自由に決められます。独自ドメインの取得には費用がかかりますが、自由度が高いうえに一定の信用獲得にもつながることからおすすめです。
一方で共有ドメインとは、複数人で共有するドメインのことです。共有ドメインは無料で利用できますが、自由度が低いうえにサービスの提供が終了すれば利用できなくなってしまいます。
ホームページを作る際は戦略を考える必要がある
ホームページを作る際は、企業の基本情報を載せて何をしている企業かを伝えるためなのか、商品・サービスの認知を広げて集客するためなのか、目的をあらかじめ決めておきます。
もし集客が目的であれば、ただ企業や商品・サービスの情報を掲載するのではなく、マーケティングの観点を考慮したうえでホームページを作ると効果的です。たとえば、以下のような項目について事前に考えておくとよいでしょう。
集客目的の場合に事前に考えておきたい項目
- ターゲットはどのような人か
- 集客はどう行うか
- 動線はどうするか
- どのようなコンテンツにするか
- どのような機能が必要か
デザインの美しさやコストばかりに着目していると、せっかくホームページを作っても集客や問い合わせにつながらない可能性があります。ターゲットにとって価値のある情報を発信し、会社や商品・サービスに興味関心を持ってもらうことが重要です。
そのためホームページの目的を固めたうえで、構成やデザインを検討していくことをおすすめします。
会社ホームページの作り方
会社ホームページを作る方法としては、主に以下の方法が考えられます。それぞれの特徴を詳しく解説します。
メリット | デメリット | |
WordPressで自作 | ・専門知識がなくても視覚的に作成できる ・作成に関するサポートが豊富 | ・操作方法は自分で調べる必要がある |
ホームページ作成用ソフトで自作 | ・有料であればクオリティが高いものも作れる ・操作は比較的簡単な物が多い | ・無料だと機能が少ない ・有料は維持費が高い |
HTMLやCSSを使用して自作 | ・自由度が最も高い | ・専門知識が必要 ・時間と手間がかかる |
外注 | ・作成の手間が省ける | ・費用が高額となる |
WordPressで作成する
WordPressは、CMS(コンテンツマネジメントシステム)の一種であり、日本でトップのシェアを誇ります。CMSとは、Web制作知識がなくても直感的な操作でホームページを作成できるツールのことです。
デザインのテンプレートや機能追加など、作成をサポートするツールが用意されているのも特徴です。
詳しい操作方法は自分で調べなくてはいけませんが、WordPressは利用者が多いことから、比較的情報を集めやすい傾向にあります。
ホームページ作成用ソフトで作成する
WordPressなどのCMS以外にも、ホームページ作成用ソフトの使用も考えられます。ホームページ作成用ソフトとは、既存のテンプレートやパーツを活用することでホームページを簡単に作成できるツールのことです。
ホームページ作成用ソフトには無料のものもありますが、一般的に機能が限定的です。
ホームページ作成用ソフトであれば手軽にホームページを作成できる一方で、個性的なデザインのホームページは作りにくい面もあります。また、有料ソフトの場合は一般的に月々数千円〜数万円程度の費用がかかる点にも留意が必要です。ソフトのサービスが終了すれば、ホームページが消えてしまうという問題も考えられます。
HTMLやCSSで作成する
HTMLやCSSの知識があれば、ホームページ作成用ソフト等のツールを使用せずにホームページを作成できます。HTMLやCSSは「マークアップ言語」と呼ばれる、Webページを作成する際に用いられる言語です。基本的にはHTMLで作った骨組みに対して、CSSを使って色や形、エフェクトなど肉付けを行っていきます。
HTMLやCSSを使ってホームページを構築すれば、ツールの機能による制限を受けないことから自分の好きなようにデザインできます。シンプルなデザインや、差別化を図るために独自性の強いデザインなど、自分の好みや目的に沿ったデザインが作成できます。
ただし、HTMLやCSSの知識を習得している必要があり、他の作成方法よりも労力が必要です。また、シンプルなホームページであればHTMLとCSSだけでも構築できますが、動きのあるデザインなどを追加していくにはJavaScriptやPHPなどのプログラミング言語の知識も求められます。
外注する
ホームページ作成は、専門業者に外注もできます。豊富なノウハウを持ったWeb制作会社に依頼すれば、デザインだけでなく使いやすさやこだわりを詰め込んだハイクオリティなホームページが期待できます。
ただし、依頼する制作会社や求める品質によっては高いコストがかかる点に留意しておきましょう。
会社設立時にホームページを作成するメリット
ホームページの作成には、信頼度の向上やマーケティングでの活用などさまざまなメリットがあります。ここでは、会社設立時にホームページを作成するメリットを紹介します。
信頼度が向上する
ホームページを作成するメリットとして、企業の信頼度向上が挙げられます。総務省によると、2022年には84.9%の個人がインターネットを利用し、利用者の60%程度が情報検索のためにインターネットを使っているというデータも公表されています。
出典:総務省「令和5年版 情報通信白書」
企業名を検索した際にホームぺージがないと、企業の詳細を確認できず、受注につながらない可能性はあります。
一方でホームページを作成することで、これまでの実績や強みなどを示せるため、信頼の獲得につながる可能性は十分にあります。
集客・営業ツールになる
ホームページがあると、集客・営業ツールとして活用できます。商品やサービスの魅力をホームページに記載することで、パンフレットなどの物的資料の代わりに時間や場所を問わない営業ツールとして活用できます。
また、GoogleやYahoo!などの検索エンジン上で、見込み顧客が用いると思われる言葉で検索したときに、検索結果の上位に自社のホームページが表示されれば、24時間稼働し続ける集客ツールとしても成果が期待できるでしょう。
顧客ニーズを探ることができる
ホームページは、ホームページを閲覧したユーザーや閲覧状況を分析することで、顧客ニーズの調査・発掘にも活かせます。Googleアナリティクスやサーチコンソールなどの分析ツールを利用することで、たとえば以下のような情報の取得が可能です。
分析ツールで取得できる情報例
- ホームページにたどり着いた検索ワード
- 閲覧者数
- 滞在時間
- ページ閲覧数
分析結果をもとにホームページを運用・改善していくことで、認知度の向上や売上増などの目標達成に近付くことができるでしょう。
ホームページ作成後にすべきこと
ホームページは「作成すれば終わり」ではなく、作成後も継続的に管理をしていく必要があります。特にサーバーやドメインには維持費が必要で、Web広告を利用するなら広告費用も必要です。
この他にもホームページ作成後にすべきことは多くあり、一定のコストや人員を割く必要があります。ホームページ作成後の運用で必要となる代表的な事項を紹介します。
最新情報やセキュリティ面を保つ
ホームページを作成した後は、最新の情報への更新や、セキュリティのアップデートなどが求められます。作成したまま放置しておくと、情報が古くなってしまい、ユーザーからの信頼を失う恐れがあります。
また、情報漏洩やページの改ざん、乗っ取りなどのリスクも回避しなければなりません。そのため、システムアップデートやデータのバックアップなど、定期的なセキュリティ関連のアップデートが必要です。
問い合わせ対応を行う
ホームページに問い合わせ窓口を置いた場合、しっかりとその対応を行う必要があります。具体的には、以下のような内容の問い合わせが来ることが考えられます。
問い合わせで来る可能性のある内容
- 商品・サービスについて
- 営業時間について
- 取引の提案
- クレーム
- その他の質問
会社への信頼性を維持するためには、問い合わせの有無や内容は定期的に確認して、溜め込まないことが大切です。なるべく早めに返答するために、自動返信の設定を活用する方法も考えられます。
まとめ
ホームページを作るには、サーバーとドメインの用意が必要です。作成方法はWordPressやCSS・HTMLを利用した自作や専門業者への外注など幅広く選択できることから、自社の目的や予算に合った方法を選ぶとよいでしょう。
ただし、ホームページは単に作成すればよいものではありません。作成前の目的に合わせた戦略設計や、作成後の維持管理も重要です。計画的にホームページを作成・運用し、自社のビジネスを発展させる推進力として役立てましょう。
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よくある質問
会社ホームページの作り方にはどのような方法がありますか?
会社ホームページを作る方法としては、HTMLやCSSを使う他にも、WordPressやホームページ作成ソフトでも作成できます。またコストはかかりますが、外注してハイクオリティなホームぺージを作る方法もあります。
詳しくは記事内「会社ホームページの作り方」をご参照ください。
会社ホームページを作成するメリットは何ですか?
ホームページを作成する主なメリットは顧客からの信頼度向上が期待できることです。また、ホームページを営業ツールとして利用したり、顧客ニーズの調査ツールとするなど、マーケティングにも活用できます。
詳しくは記事内「会社設立時にホームページを作成するメリット」をご参照ください。
監修 米澤 潤平
26歳のときに中小企業診断士、29歳のときに社会保険労務士、39歳のときに税理士資格を取得。コンサルティング会社に勤務する傍らで、税理士事務所を開業し、主に法人・個人からの税務相談や経営相談、決算・申告などのセミナー講師、会計や税務に関する執筆活動を中心に活動している。