会社設立の基礎知識

起業するにはどうする?会社起業の手順や必要な手続きをわかりやすく解説

起業するにはどうする?会社起業の手順や必要な手続きをわかりやすく解説

起業するには、会社を設立して事業活動を行っていくことが一般的です。しかし、ただ会社を作って事業を行えばよいわけではなく、起業目的をきちんと決め、事業内容も細かく定める必要があります。

その上で、どんな会社形態での起業が合うのか検討し、必要な資金を集めることが必要です。

本記事では、起業するために必要な手続きと事業開始にあたって必要なこと、起業家として成功する人の特徴について、わかりやすく解説していきます。

目次

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起業とは

起業とは、自分自身で新しい事業を立ち上げることです。挑戦といったニュアンスも含まれており、一般的には独立して会社設立することを指します。

類似した言葉に開業や創業がありますが、開業は現在携わっている事業を新たに始めること、創業は事業を始めたそのときを指し、過去を表す場合に使用するのが一般的です。

近年は、国や地方自治体の起業支援施策によって資金調達が容易になり、起業に対するハードルは低くなっています。また、インターネットの普及によって起業に関する情報が収集しやすくなっています。

世の中に広がる革新的なサービスや商品は、起業して成功した起業家によって生み出されており、起業は経済活動の促進において必要不可欠です。

起業するために必要な5つの手順

起業は誰でもすぐに行えるわけではなく、以下のような手順を踏んでいく必要があります。

起業するために必要な5つの手順

  • 起業する目的を定める
  • どんな事業で起業するのか決める
  • 起業するにあたって会社形態を決める
  • 起業するのに必要な資金を用意する
  • 企業のための会社設立手続きを行う

1. 起業する目的を定める

まずは、なぜ起業したいのか、目的や「こういう会社をつくりたい」といったビジョンを立てます。はじめに実現したいことを明確化させておくことで、事業を迷わず進められるでしょう。

ビジネスを通して自分はどうなりたいのか、何を実現させたいのかなどを考えることは、起業する上での第一歩です。

2. どんな事業で起業するのか決める

起業の目的が明確になったら、次に自分がどの事業を行いたいのか、どんな事業で収益化したいのかなどについて、決める必要があります。具体的に行うことは、主に以下のとおりです。

  • ビジネスモデルを明確にする
  • 想定される顧客や市場について調査する
  • 必要に応じて事業契約書を作成する

ビジネスモデルを明確にする

まずは、ビジネスモデルを明確にしましょう。ビジネスモデルとは、誰がいつどのように事業活動を進めても、同じように結果を出し続けられる仕組みのことです。

ビジネスモデルは、主に以下4つの要素によって構成されており、これらを詳しく考えることからはじめていきます。

項目内容
WHO誰が顧客になるのか、年齢や性別、趣味嗜好など具体的にする
※例:30代〜40代、経営者、男性、日本人 など
WHAT提供する商品やサービスはどんな価値を生み出すのか、顧客が得られる価値を具体的に考える
※例:生活が便利になる、業務効率化が図れる など
HOW商品やサービスをどのように提供するのか具体的にする
※例:オンラインのみで販売、サブスクリプション型で販売 など
WHYなぜ事業に取り組むのかストーリーやビジョンを描く
例:選手として活躍していたがケガで引退せざるを得なくなり、その経験をもとにスポーツトレーナーに転身した など

また、ビジネスモデルには販売モデルや広告モデルなどさまざまな種類があり、とにかく具体的に分析して構築していくことが重要です。

なお、ビジネスモデルについて詳しく知りたい方は、別記事「ビジネスモデル分析で失敗しないために、起業1年目で知っておくべき「経営者目線」の考え方とは」をあわせてご確認ください。

想定される顧客や市場について調査する

起業してビジネスを成功させるには、自分の商品が誰に売れるのか、どんな企業がライバルとなるのか、事前に顧客や市場を調査する必要があります。どれだけ自分がよい商品・サービスを生み出したとしても、それが顧客に合っていなかったり競合に劣っていたりすると、成功はできません。

そのため、徹底的な分析調査をもとにニーズに合った商品・サービスを生み出し、競合との差別化を図りましょう。

必要に応じて事業計画書を作成する

事業内容が固まってきたら、漠然と頭の中でイメージするのではなく、事業計画書には決められたフォーマットがなく、自身で作成していく必要があります。

一例として事業計画書に記入する項目を紹介するので、参考にしてみてください。

事業計画書の項目例

  1. 起業メンバーのプロフィール
  2. ビジョン・理念・目的
  3. 企業・事業の概要
  4. 市場環境・競合
  5. 自社サービス・商品の強みや特徴
  6. 販売・マーケティング戦略
  7. 取引先情報
  8. 実施体制・人員計画
  9. 売上に関する計画
  10. 利益に関する計画
  11. 資金調達に関する計画
  12. 実施スケジュール

事業計画書の作成は、各自治体の起業家支援サポートや、商工会議所などで支援が受けられるので、気軽に相談してみるのもよいでしょう。

なお、事業計画書について詳しく知りたい方は、別記事「【項目別】事業計画書の書き方とは?作成前にすべきことや入手先も解説」をあわせてご確認ください。

3. 起業するにあたって会社形態を決める

新たに起業するには、どのような形態で事業活動を行なっていくのか決める必要があります。主な起業形態は、以下の8つです。

主な起業形態

  • 株式会社
  • 合同会社
  • 個人事業主
  • 企業組合
  • フランチャイズ
  • M&A
  • NPO法人
  • 一般社団法人

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それぞれ特徴やメリットが異なるため、自身の事業計画に沿った形態で起業を進めましょう。

株式会社で起業する

株式会社は、株式を発行しその資本を基に事業を行う会社形態です。

株式会社の特徴のひとつとして、会社設立の際に出資した人(株主)と、実際に会社経営を行う人(取締役)が分離していることが挙げられます。このように、出資者と経営者が異なることを「所有と経営の分離」といいます。

なお、株主が取締役になることも可能で、小規模の会社では創業メンバーが出資者兼経営者であるケースも多いです。

株式会社は多数の投資家から大きな資金を調達できるため、大きな事業を運営するのに適しています。

株式会社について詳しく知りたい方は、別記事「株式会社とは?株式会社の仕組みと設立するメリット・デメリットをわかりやすく解説」をあわせてご確認ください。

合同会社で起業する

合同会社とは、2006年の会社法改正により新しく設けられた会社形態です。アメリカのLLC(Limited Liability Company)をモデルとして、日本国内でも導入されました。

合同会社は株式会社とは異なり「出資者=会社の経営者」であり、出資したすべての社員に会社の決定権があります。出資者の出資額に応じて出資比率を決定し経営に参加でき、出資者は会社の経営についての権利と責任を負います。

また、合同会社は株式会社と比較して設立費用が安く手続きが簡略化されていることがメリットです。そのため、小規模な事業を行う企業やスタートアップ企業に適しているといえます。

合同会社について詳しく知りたい方は、別記事「合同会社とは?特徴や設立するメリット・デメリットについて解説」をあわせてご確認ください。

個人事業主として起業する

個人事業主とは、法人を設立せずに個人で事業を営んでいる人のことです。

税務署に「開業届」を提出して事業開始の申請をすれば、個人事業主として独立できます。法人と比較すると開業の手続きが簡単で、開業に伴う費用もかかりません。 開業届について詳しく知りたい方は、別記事「開業届とは?個人事業主が知っておくべき基礎知識や提出するメリット・注意点について解説」をご確認ください。

個人事業主は、自身で事業を経営するため自由な経営方針を取れるメリットがあります。また、事業の規模が小さく経理処理や税務申告などの手続きも簡便であるため、独立開業する初心者にもおすすめです。

また、副業解禁による働き方の多様化に伴い、副業起業やフリーランスとして働く人は増えています。その業種はフリーランスのライターや個人トレーナー、小規模な飲食店などさまざまです。

個人事業主と会社(法人)の違いについて詳しく知りたい方は、別記事「個人事業主と法人の違いは?13項目で比較した特徴とメリット・デメリットや法人化を選択するポイント」をあわせてご確認ください。

企業組合として起業する

企業組合とは、事業者や主婦、学生などの個人が4人以上で協同し、組合員として事業を起こす組織です。企業組合は、それぞれのノウハウや資格を活かして事業を行います。

企業組合は組合員全員が出資化かつ労働者であることが特徴で、株式会社と同様に法人格を得て活動できます。

しかし、株式会社とは違い、組合員の出資額は限定されており、出資額にかかわらない平等な決議が可能です。また営利を追求する側面もありますが、お互いに助け合い、安定して働ける場所を確保する目的で用いられるケースが多い形態でもあります。

フランチャイズで起業する

フランチャイズ(Franchise)とは、親会社(フランチャイザー)が自社のブランドやビジネスモデル・製品・サービス・技術をライセンスとして提供し、その他社(フランチャイジー)が独自の経営ノウハウ・労働力を投入しながら、親会社の指導の下で自らの店舗を開業するビジネスモデルのことです。

フランチャイズは、親会社が効率的に事業拡大を進められ、他社にとっては比較的低いリスクで開業できる、双方にとってWin-Winのメリットがあります。

一方で、親会社フランチャイジーにはフランチャイズ契約によって厳格な運営ルールが課せられるため、注意が必要です。

M&Aを活用して起業する

M&Aとは、Merger and Acquisition(合併・買収)の略称です。企業の経営戦略のひとつであり、他社の買収や、複数の企業が合併した新たな企業の設立を指します。

M&Aは、買収や合併によって競合他社や新たな市場への参入がスピーディーに行え、自社ビジネスを拡大できることがメリットです。また、経費の削減や生産性向上も見込めます。

一方で、買収や合併には膨大な資金が必要になり、資金調達に苦労する可能性があります。企業間の文化の相違や煩雑な手続きによる経営統合の困難さも考えられるため、対策の検討を事前に行いましょう。

NPO法人として起業する

NPO法人とは、Non-Profit Organization(非営利団体)の略称であり、日本国内において法人格を有し、営利を目的としない公益的活動を行う団体のことです。

一般社団法人や公益社団法人と同様に法人格をもつため、一定の活動を行うために登記する必要があります。NPO法人が行う活動の主な分野は、文化・芸術・スポーツ・社会福祉・環境保護・国際協力などさまざまです。

また、寄付や助成金などの支援を受けやすく、社会的な貢献をしていきたい場合に向いています。

一般社団法人で起業する

一般社団法人とは、非営利目的に活動する法人で、社会的な役割を果たす法人形態です。具体的には、文化・芸術・スポーツ・社会福祉・教育・研究などの分野で活動できます。

株式会社は利益を株主に配当する義務がありますが、一般社団法人は事業の公益性の有無にかかわらず生じた利益を社員に分配しません。このような仕組みから「非営利」の法人といえます。

なお、一般社団法人について詳しく知りたい方は、別記事「一般社団法人設立の流れ・費用・必要書類についてわかりやすく解説!」をあわせてご確認ください。

4. 起業するのに必要な資金を用意する

起業するには、法人の設立費用はもちろん、事業を行うための初期費用やランニングコストなどさまざまな費用がかかります。設立する法人形態や細かな事業内容が固まったら、早めに資金調達を行いましょう。

以下では、起業に伴う資金調達について、詳しく解説していきます。

起業するのに資金がいくら必要なのか算出する

資金調達を進める前に、自身の起業にはどれくらいの資金が必要なのか、逆算して算出しましょう。事業を行う法人形態の設立費用に加え、設備投資や運転資金の検討も重要です。

起業してすぐに安定した売上が経つ可能性はそこまで高くないため、最低でも3ヶ月から半年間の事業が行えるだけの資金がいくらなのか、明確に算出してください。

会社設立の費用については「会社設立の費用はいくら?株式会社と合同会社の設立費用や維持費をわかりやすく解説」をご覧ください。

自己資金を確保する

起業の資金の大元を占めるのが、自己資金になります。自己資金が貯まったタイミングで起業したいと考えている方も多いでしょう。

そのため、起業を検討している方は、できるだけ早めに十分な自己資金を確保しておくことが重要です。

しかし、起業へのモチベーションが高く具体的な事業計画が完成しているにもかかわらず、お金が理由で起業に踏み出せない可能性もあります。そこで、以下では自己資金が足りなくても起業できるような、資金調達の方法を紹介します。

起業したいけど金銭面で不安のある方は「自己資金なしで起業したい!お金がない人ができる融資制度をわかりやすく解説」をご覧ください。

必要に応じて融資や出資を活用する

融資とは、金融機関や信用金庫から資金を借り入れる方法です。融資には審査があり、その審査基準をクリアすると資金を借りることができます。

ただし融資はあくまで借金なので、返済が滞らないように借入金の返済計画をしっかりと立ててきちんと扱うようにしましょう。

一方の出資とは、個人や他企業からの資金を受ける方法です。出資を受けられれば、返済に追われず自分のビジネスやプロジェクトを成長させることができます。

出資を受ける方法には、共同資金(複数の個人や法人が共同の事業に出資)や株式の発行、ベンチャーキャピタルからの出資(未上場のベンチャー企業に出資)などです。

出資金は会社のものになるので返金の義務や利息はありませんが、出資条件や利益配分などを含めた契約を締結する義務が生じます。また、銀行の融資とは違い資金の用途は自由に決められますが、出資者への利益還元が求められるため、売上や利益を早期に上げる努力が必要です。

補助金や助成金を活用する

補助金・助成金とは、国や地方自治体等が公的資金を財源として提供している資金面での支援制度のことです。補助金や助成金は、返済の義務がありません。そのため、設立してまもない会社の金銭的リスクや負担を軽減できる利点があります。

補助金と助成金は、補助金が事業資金として交付されるのに対し、助成金は事業支援や特定目的の支援など、金銭的な支援以外の目的で提供されることが相違点です。それぞれの細かい内容については、以下を確認してください。


項目補助金助成金
資金提供先事業者団体・NPO
管轄経済産業省厚生労働省
目的政策目標の実施支援雇用や労使などの支援・振興
申請資格事業者・個人団体・NPO・自治体
返済義務なしなし
審査基準・条件事業計画・財務状況・地域性など条件を満たしていること活動内容・社会貢献度など条件を満たしていること
起業支援補助金・環境改善補助金など地域活動支援助成金・スポーツ振興助成金など

助成金は、定められた要件を満たしてさえいれば基本的に給付されます。対して補助金には、予算・件数に上限があり、審査によって給付の可否が左右されます。

また、応募の期間についても、助成金は比較的長いですが、補助金では短く設定されていることが多いです。

企業に伴う助成金や補助金について詳しく知りたい方は、別記事「会社設立時に最適な助成金・補助金は?金額・条件・申請方法を一覧で紹介」をあわせてご確認ください。

クラウドファンディングを活用する

クラウドファンディングとは、インターネットを通じてプロジェクトや商品の開発、事業の立ち上げの支援を目的としてお金を出資してもらえるものです。少額からでも出資を募れるため、多くの人に参加してもらえます。

クラウドファンディングを始めるには、プロジェクトの内容や目的、目標金額の決定が必要です。支援者は、決定した内容を見て、自分が応援したいプロジェクトを選び出資します。

そして、目標金額を達成するとプロジェクトが実行され、出資者はリターンを得られます。逆に目標金額に達しなかった場合は、お金は出資者に返金され、出資金は受け取れません。

クラウドファンディングのやり方について詳しく知りたい方は、別記事「クラウドファンディングのやり方は?仕組みや種類についても解説」をあわせてご確認ください。

5. 起業のための会社設立手続きを行う

起業に伴い会社設立を決断する人は多いです。その中でも株式会社で会社設立を行うケースが多く、手続きは以下の流れで進めていきます。

  1. 会社の基本事項を決める
  2. 会社用の印鑑を購入する
  3. 定款を作成する
  4. 定款の認証を受ける
  5. 資本金の払い込みを行う
  6. 登記申請を行う

なお、より具体的な株式会社設立の流れについては別記事「会社設立の流れを解説!株式会社の作り方や必要書類、手続きを紹介」でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

1. 会社の基本事項を決める

会社設立を行うには、まず会社の基本事項として以下8つを決めます。

  • 会社形態
  • 商号(会社名)
  • 事業目的
  • 本店所在地
  • 資本金
  • 会社設立日
  • 会計年度
  • 役員や株主の構成

これらは後ほど作成する定款にも記載する項目であり、会社設立をするには必須です。世間一般に見られる項目でもあるため、きちんと第三者からの視点も持った上で決定しましょう。

2. 会社用の印鑑を購入する

会社用の印鑑は、登記申請手続きにおいて必要です。起業を決断し会社名を決めたら、早めに作成しておきましょう。ただし、会社設立の登記申請をオンラインで行う場合、押印は任意となっています。

会社印は、設立後の契約書や稟議書などへの押印などさまざまなシーンで必要になるので、作成後はきちんと保管しておきましょう。

なお、会社用の印鑑について詳しく知りたい方は、別記事「会社設立に必要な印鑑は?種類や役割、用意する際のポイントを解説」をあわせてご確認ください。

3. 定款を作成する

定款は、会社の説明書のような役割を果たす重要な書類です。会社設立において定款の作成は必須で、株式会社と合同会社のいずれを設立する場合でも、作成しなければなりません。

定款には絶対的記載事項と相対的記載事項、任意的記載事項の3種類があり、必ず記載しなければならない絶対的記載事項は以下のとおりです。

  • 事業の目的
  • 商号
  • 本社所在地
  • 資本金額(出資財産額)
  • 発起人の氏名と住所

その他の相対的記載事項や任意的記載事項など、定款について詳しく知りたい方は、別記事「会社設立に必須の定款とは? 認証方法や記載事項について詳しく解説」をあわせてご確認ください。

4. 定款の認証を受ける

株式会社を設立する場合、作成した定款の認証を公証役場にて受ける必要があります。認証には管轄の公証役場に連絡して、公証人の予約を取らなければなりません。

定款認証には大体1週間ほどの期間がかかるため、定款作成が完了したらできるだけ早くスケジュールを確保しましょう。

また、定款認証には以下の持ち物が必要です。

  • 定款:3部
  • 発起人全員の3ヶ月以内に発行された印鑑登録証明書:各1通
  • 発起人全員の実印
  • 認証手数料:30,000〜50,000円*資本金額によって異なる
  • 謄本代:250円×定款の枚数(現金で持参)
  • 収入印紙:40,000円(電子定款は不要)
  • 委任状(代理人が申請する場合)
  • 実質的支配者となるべき者の申告書

なお、定款認証が必要なのは株式会社や一般社団法人などであり、合同会社などの持分会社は必要ありません。

5. 資本金の払い込みを行う

資本金は会社設立に必須であり、準備したら代表者口座への払込が必要です。払い込みを行ったら、通帳のコピーを保管し、登記申請時の添付書類として提出します。

この時点では会社用の口座開設ができないため、個人口座に払い込む必要がある点について、注意しておきましょう。

なお、資本金について詳しく知りたい方は、別記事「資本金とは?基本情報から会社設立時に必要な金額の設定方法までわかりやすく解説」をあわせてご確認ください。

6. 登記申請を行う

諸々の準備が整ったら、必要書類を揃えて登記申請を行いましょう。登記申請の手続きは、管轄の法務局にて直接または郵送にて行えます。現在は電子申請もできるため、必要に応じて活用するのがおすすめです。

また、登記申請には以下の書類が必要になるので、忘れないようにしてください。

  • 登記申請書
  • 登録免許税分の収入印紙を貼り付けた納付用台紙
  • 定款
  • 発起人の決定書
  • 設立時取締役の就任承諾書
  • 設立時代表取締役および設立時監査役の就任承諾書
  • 設立時取締役の印鑑登録証明書
  • 資本金の払込があったことを証する書面
  • 印鑑届出書
  • 「登記すべき事項」を記載した書面又は保存したCD-R

これらの書類を提出したら、会社設立に伴う申請手続きは完了です。特に不備などなければ10日ほどで登記は完了します。不備があった場合には申請した法務局から連絡が届きますが、登記完了の連絡はありません。

会社設立に必要な書類について詳しく知りたい方は、別記事「会社設立に必要な書類は全部で10種類! 書き方や提出方法についてわかりやすく解説」をあわせてご確認ください。

事業開始前に行うべき手続き

無事に登記されたら起業は完了ですが、事業を開始する前にはさまざまな手続きがあります。主な手続きには以下のようなものがあり、期限が決まっているケースもあるため、登記が完了したら速やかに取り掛かりましょう。

事業開始前にしておくべき手続き

  • 国税について税務署に届出をする
  • 地方税について地方自治体に届出をする
  • 社会保険の加入について年金事務所に会社設立後5日以内に届出をする
  • 労働法に関する届出を従業員を雇用した翌日から10日以内に労働基準監督署に提出する
  • 雇用保険に関する届出を従業員を雇用した翌日から10日以内にハローワークへ提出する
  • 法人口座を開設する

各機関によって提出書類や提出期限はさまざまなので、各機関のホームページなども確認し、漏れがないように注意しましょう。

なお、会社設立後に必要な手続きについて詳しく知りたい方は、別記事「法人登記で終わりじゃない!事業開始までにやるべきこととは?」をあわせてご確認ください。

起業して成功する傾向がある人の特徴

起業して成功する人のことを「起業家」と呼ぶことがあります。成功した起業家になる人の主な特徴としてあげられるのは、以下のとおりです。

起業して成功する傾向がある人の特徴

  • 行動力や決断力のある人
  • 好奇心があり柔軟性のある人
  • 解決したい社会課題がある人
  • リスクを恐れず挑戦でき失敗しても諦めない人
  • コミュニケーション力があり人付き合いが得意な人

行動力や決断力のある人

起業して成功するには大胆な行動力と、強い意志を持った決断力が必要です。事業開始直後はさまざまな状況が訪れるため、常にアクションを起こし続けられる素質があるとよいとされています。

また、起業して事業を拡大していくと重要な決断を下さなければならないシーンが出てくるでしょう。このような状況において、社長の行動力や決断力は重要です。

好奇心があり柔軟性のある人

常に新しい視点を持って物事に取り組める好奇心は、起業家にとって重要な素質といえます。起業して成功するには、既存ビジネスにはないイノベーションを社会にもたらさなければなりません。

そして、年々移り変わる流行や社会の流れに対して、柔軟な対応ができることも大事です。

解決したい社会課題がある人

起業して事業を成功するまで続けるためには、社会課題の解決を目標に持っていることが重要です。世の中への貢献を目的にしている人は、起業してイノベーションを起こせる素質があります。

ただただお金稼ぎが目的だったり、思いつきで起業してみたかったりする人は、なかなか成功できるとはいえません。

リスクを恐れず挑戦でき失敗しても諦めない人

起業にはリスクがつきもので、売上が立たなかったりトラブルが起こったりと、困難が訪れます。そんな中でも失敗を乗り越えて諦めずに改善し、アクションを起こし続けられる人は起業に向いているでしょう。

失敗を糧にして成功を掴める人は、起業家として大きな素質を持っているといえます。

コミュニケーション力があり人付き合いが得意な人

起業して会社や事業を成長させていくには、多くの人の助けが必要です。顧客獲得はもちろん、会社運営のアドバイスをもらったり、出資をしてもらったりと、さまざまな方面において人との関わりは重要になります。

その上で、人付き合いをうまくできるコミュニケーション力が重要です。

起業して失敗する傾向のある人の特徴

起業して成功する人がいる一方で、失敗する傾向がある人の特徴として、以下があげられます。

起業して失敗する傾向のある人の特徴

  • 責任感に欠け挑戦する力の弱い人
  • 失敗や困難に陥ったときにモチベーションが下がってしまう人
  • お金の管理が苦手な人

責任感に欠け挑戦する力の弱い人

起業するということは、会社や事業の責任を持つということです。そのため、責任感に欠け、何事にも前向きに挑戦できない方は起業には不向きだといえます。

失敗や困難に陥ったときにモチベーションが下がってしまう人

起業して一度も失敗せずにうまくいくということは、ほとんどあり得ません。失敗や困難を乗り越えて、企業による成功はつかみ取れるものです。

そのため、失敗や困難に対して落ち込んだりアクションが起こしづらくなったりするなど、モチベーションが下がってしまう人は起業に不向きといえます。

お金の管理が苦手な人

お金の管理は、起業して事業を安定させ、成長させていく上で必要不可欠です。売上や利益をどのように活用していくのか、お金をきちんと管理して事業を進めることで、起業は成功します。

そのため、日頃から散財癖がある方や、クレジットカードの支払いを滞納するような方は、企業で失敗する可能性が高いでしょう。

まとめ

起業するには、大きく分けて5つのステップを踏んでいく必要があります。まずは起業する目的を明確にし、その上でどんな事業で起業するのか決定してください。そして、株式会社を設立するのか、個人事業主で起業するのかなど、組織形態を決めます。

あとは起業に必要な資金を調達し、会社設立等の手続きを行うことで、起業のスタートラインに立てます。起業して成功するためにも、本記事で紹介した5つのステップをきちんと実行し、その後も一生懸命事業活動を進めていってください。

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よくある質問

起業するには何から始めればいいですか?

起業するには、まず起業する目的を明確にしましょう。目的がはっきりしないことには、どんな事業を行うのか、どの組織形態で起業するのかなどが定まりません。

詳しくは、記事内「起業するために必要な5つの手順」をご覧ください。

起業するには最低いくら必要ですか?

起業するには、法人設立費用や運転資金、事業活動に必要な設備投資などの費用が必要です。余裕を持って事業を行うために、起業後3ヶ月から半年分の資金を用意しましょう。

詳しくは、記事内「4. 起業するのに必要な資金を用意する」をご覧ください。

起業に向いているのはどんな人ですか?

起業する人のことを「起業家」と呼びますが、成功するには行動力や決断力に優れている必要があります。また、コミュニケーション力や好奇心の高さも起業家には重要です。

詳しくは、記事内「起業して成功する傾向がある人の特徴」をご覧ください。

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