会社設立の基礎知識

起業相談ができる窓口とは?対応可能な専門家や相談前に押さえておくべきポイント

起業相談ができる窓口とは?対応可能な専門家や相談前に押さえておくべきポイントについて

起業をする際には、定款の作成や登記申請などさまざまな手続きや申請が必要です。複雑な手続きや申請が必要な起業ですが、起業に関する悩みや疑問に対して一部の公的機関や専門家(士業)は無料で相談窓口を設けている場合があります。

本記事では、起業相談を無料でできる窓口や、起業相談が可能な専門家について解説します。起業相談をスムーズに行うためのポイントもあわせて解説しているので、起業を検討している方はぜひ参考にしてください。

目次

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起業の相談を無料でできる窓口とは

起業についての悩みや疑問については、以下の5つの公的機関の窓口を利用することで無料で相談することができます。

起業の相談を無料でできる窓口

  • 税務署
  • 商工会・商工会議所
  • 中小企業基盤整備機構
  • 日本政策金融公庫
  • よろず支援拠点

税務署

税務署では、起業における手続きや確定申告の記帳、税務に関する相談を無料で受け付けています。起業時に必要な税金である法人税・事業税・消費税に関する疑問や、確定申告における記帳方法・帳簿の保存方法などに関する説明も受けられます。

税務署への相談は、面談と電話でそれぞれ可能ですが、面談を希望する場合は事前予約が必要です。電話の場合は、確定申告の時期である2〜3月は混み合いますので確定申告の時期を回避して相談するとよいでしょう。

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商工会・商工会議所

商工会・商工会議所とは、地域の発展を目指して多くのサービスを提供する非営利団体のことで、起業に関する相談窓口を設置している場合があります。

商工会・商工会議所には、税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士などが所属しており、起業に必要な各種手続きに関する疑問・悩みに答えてくれます。

窓口での相談はもちろん、起業に関する知識を学べるセミナーや交流会を開催していることもあります。また、融資の相談も可能です。

起業者同士の交流会を開催している商工会・商工会議所もあるので、起業に関する情報収集を目的に参加するのも良いでしょう。

中小企業基盤整備機構

中小企業基盤整備機構とは、中小企業を対象に企業の成長ステージにあわせた幅広い支援サービスを自治体や政府系機関と連携しながら提供する独立行政法人です。

起業に関する相談は、専門のアドバイザーによる面談形式で受けられます。面談には、事前予約が必要です。AIを活用したチャットボットを通じ、起業に関する質問に回答をもらうことも可能です。

また起業だけではなく経営に関する相談も行っており、資金調達・財務・法律・人事・知的財産権など、経営課題にまつわる内容についても各部門の専門家からアドバイスを受けられます。


出典:中小機構「中小機構とは」

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、国が100%出資している政府系金融機関です。個人事業主や小規模事業者・中小企業を対象に融資を行っており、「創業前支援」として起業相談も行っています。

具体的には、事業計画の作成・資金調達・会社設立・許認可の手続きなど、起業に関する幅広い疑問について専門の相談員からアドバイスを受けることができます。

相談は窓口だけでなく、電話やオンラインでの相談も可能となっており、事前予約さえ行えば土日祝日での来店相談も可能です。


出典:日本政策金融公庫「政策金融機関の業務の概要」

よろず支援拠点

よろず支援拠点は、国が全国に設置している中小企業や小規模事業者を対象とした経営相談所です。具体的には経営方法や売上の改善に関するアドバイスを無料で受けられます。

起業に関連する各分野の専門家が在籍しており、チームを組んだうえでの経営相談を行っている機関でもあります。そのため、起業に関するさまざまな課題をワンストップで解決することが可能です。

また「中小企業基盤整備機構」とも連携しているため、中小企業基盤整備機構の窓口へ訪問するのが難しい場合は居住地域にあるよろず支援拠点に足を運びましょう。


出典:よろず支援拠点全国本部「よろず支援拠点とは」

自治体が開催する創業支援セミナー・相談窓口

国や地方自治体による創業支援セミナーや相談窓口でも、起業相談は可能です。無料で参加可能なセミナーを開催している自治体も多いため、市役所などが公開する情報をこまめにチェックし、積極的に活用しましょう。

起業に関する相談をできる専門家とは

起業に関する相談は、以下に挙げる専門家へ依頼しましょう。ここでは、各専門家が実施する起業相談に関する内容を紹介します。

起業に関する相談をできる専門家

  • 行政書士・司法書士
  • 税理士
  • 社会保険労務士

起業の手続きや法律に関することなら「行政書士・司法書士」

起業の手続きや法律に関する内容は、行政書士と司法書士に相談しましょう。

行政書士は、起業後に許認可が必要な事業を行う場合の手続きをスムーズに進めてくれる専門家です。一方、司法書士は会社関連の法律や登記手続きに精通している専門家で、定款認証手続きや登記手続き、会社設立について相談できます。

起業・法律に関する相談をまとめて行いたい場合は、行政書士と司法書士双方の業務を行っている専門家を探して依頼しましょう。

税務処理や会計事務のことなら「税理士」

事業を行ううえで発生する税務処理や会計事務に関しては、税理士に相談できます。税理士に相談できるのは、主に以下に関する内容です。

  • 会計
  • 記帳
  • 節税
  • 給与計算

税理士には、会計面の視点による経営支援や、創業融資の資金調達サポートも依頼できます。ビジネスプラン・事業計画・資金調達・補助金・助成金に関する専門的な起業相談を行いたい場合は、税理士に依頼することでスムーズになるでしょう。

人事労務に関することなら「社会保険労務士」

起業に伴い、従業員を雇用して事業を始める場合は社会保険労務士に起業相談をしましょう。社会保険労務士には、主に以下に関する相談が可能です。

  • 雇用
  • 労働
  • 社会保険

また、社会保険労務士は助成金の申請手続きにも精通しているので、起業時に助成金を受けたい場合は社会保険労務士に相談しましょう。

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起業に関する相談をする場合のポイントとは

起業に関する相談を、窓口もしくは専門家に相談する際は、以下のポイントを事前に押さえておくことが大切です。

起業に関する相談をする場合のポイント

  • 起業目的を明確にする
  • 具体的な事業計画を考える
  • 事業の資金計画を立てる

起業相談から起業に至るまでの流れをよりスムーズに行うため、ここで紹介するポイントを参考にしてください。

また、起業の流れや手続きも把握しておくことで、より明確な相談が可能になります。起業の流れや手続きに関する内容は、以下の記事を参考にしてください。

【関連記事】
起業するにはどうしたらいい?会社を起業する方法や手続きについてわかりやすく解説

起業目的を明確にする

起業の目的が漠然としていると、専門家から具体的なアドバイスを受けられないケースもあります。そのため、起業相談をする前にまずは「なぜ起業するか」を明確にしておきましょう。

また、「企業に縛られず自由に働きたい」という目的で、起業を考えることもあります。自由に働くことを目的とする場合は、職種における需要や取引先の選定など、外的要因で業績が左右されるケースが多いことも把握したうえで起業することが大切です。

  • 事業を通じて成し遂げたいこと
  • 社会に貢献したいこと

これらの視点から起業目的を明確にしたうえで、専門家に起業相談をしましょう。

具体的な事業計画を考える

起業目的の明確化とあわせて、事業計画を具体的に考えることも大切です。以下に関する内容を具体的にすることで、スムーズな起業相談が可能になります。

  • 事業内容
  • 経営戦略
  • 収益見込み

人件費などのコストや集客方法、生産方法なども事前に考案しておくことで、専門家から具体的なアドバイスをもらえるでしょう。

事業の資金計画を立てる

起業には、以下を含めた開業資金が必要になります。

  • 初期投資
  • 運転資金

起業において必要な開業資金は、自己資金の割合も含めて具体的な金額を決めておきましょう。また、必要な金額をいつまでに、どのような方法で集めるかも明確にする必要があります。資金計画を具体的にすることで、起業に関するアドバイスの内容もより具体的になるでしょう。

まとめ

起業について相談する際は、税務署や商工会・商工会議所、日本政策金融公庫へ依頼しましょう。中小企業基盤整備機構や、中小企業基盤整備機構と連携しているよろず支援拠点に相談するのもおすすめです。

また、起業においては、法律や税務処理、人事労務に関するアドバイスが必要なこともあるでしょう。行政書士や司法書士、税理士や社会保険労務士であれば、起業に関するさまざまな相談が可能です。

起業相談には起業目的の明確化や具体性のある事業計画・資金計画も必要になるため、本記事で紹介した内容を的確な起業相談のためにお役立てください。

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詳しくは記事内「起業に関する相談をできる専門家とは」をご覧ください。

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市役所では創業支援セミナーを開催していることがあるため、起業に関する相談が可能です。起業相談に関する窓口も設置されているので、市役所でも起業相談はできます。

詳しくは記事内「自治体が開催する創業支援セミナー・相談窓口」をご覧ください。

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