監修 安田亮 安田亮公認会計士・税理士事務所
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国税庁は、確定申告にマイナンバーカードの利用が便利だと推奨しています。
しかし、現時点では、マイナンバーカードを保有していない人も多くいます。マイナンバーカードがなくても確定申告できますが、将来的にマイナンバーカードが必須となる可能性もあるため、注意が必要です。
本記事では、マイナンバーカードがない人が確定申告する際のポイントと、マイナンバーカードをもっていない場合でも利用可能な申告方法について解説します。マイナンバーカードを取得する方法も解説するので参考にしてください。
目次
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マイナンバーとマイナンバーカードの違い
マイナンバーは日本国内に住民票があるすべての人に対して、1人ずつ割り振られた12桁の識別番号のことであり、「番号そのもの」を指します。
マイナンバーカードは、そのマイナンバーが記載されたプラスチック製の「ICチップ付きカード」のことです。
マイナンバーカードのほかに「マイナンバー通知カード」もあり、マイナンバー通知カードとは、個人にマイナンバーを通知するためのカードを指します。
マイナンバーカードがなくても確定申告は可能
確定申告では、マイナンバーカードがなくても、「マイナンバー」が確認できる書類さえあれば手続きを進められます。まずは、確定申告に備えて事前に確認しておくべき点をおさえましょう。
マイナンバーは確定申告書に記載する必要がある
マイナンバーカードを保有していなくても確定申告は可能ですが、「マイナンバー」の記載は求められます。確定申告書の記入項目には、氏名や住所だけではなくマイナンバーの記入欄があり、記入は必須です。
また、確定申告に関連する「支払調書」や「開業届」などの書類にもマイナンバーを記入します。扶養する親族や配偶者がいる人は、家族分のマイナンバーも記入して申告しなければなりません。
マイナンバーの確認方法
マイナンバーカードのない人が自分のマイナンバーを確認する手段は、通知カードを見る方法と、住民票を取得する方法の2つがあります。
通知カードは2015年10月中旬以降、住民票を有するすべての住民に対し、簡易書留により郵送されています。どなたにも書面が届いているため、通知カードさえ手元にあれば自分のマイナンバーはすぐにわかるでしょう。
もし紛失してしまった場合は、通知カードの代わりとして住民票が使えます。住民票(もしくは記載事項証明書)は、マイナンバーを記載した状態で発行が可能です。マイナンバー記載の住民票は、住民登録のある市区町村の役所にて申請でき、原則即日発行してもらえます。
店舗によっては、コンビニエンスストア等のマルチコピー機にて住民票を発行することも可能です。ただし、一部の地域では、コンビニ交付サービスでマイナンバー記載済みの住民票が発行できないため注意が必要です。
その場合は、役所へ足を運ぶか郵送での請求が必要なため、確定申告期日より余裕をもって準備しましょう。
マイナンバーカードなしで確定申告をする方法
マイナンバーカードが手元になくても、確定申告はできます。マイナンバーカードなしで確定申告する方法は以下の2つです。
マイナンバーカードなしで確定申告をする方法
- 税務署・確定申告会場で直接申告する
- e-TaxでID・パスワード方式で申告する
税務署・確定申告会場で直接申告する
マイナンバーカードがなくても、通常の申告時と同様に、所轄の税務署や確定申告会場にて申告が可能です。
申告時には、通知カードもしくはマイナンバーが記載されている住民票(記載事項証明書)のコピーを確定申告書と一緒に提出します。
さらに、本人確認書類として以下のうちいずれか1点のコピーもあわせて提出してください。
本人確認書類として提出が必要な書類
- 運転免許証
- 保険証
- パスポート
なお、通知カードは、記載されている情報と申告時の情報が異なっているとマイナンバーの証明書類として認められないため、注意が必要です。たとえば、通知カードに記載された氏名や住所が、婚姻や引越しなどで変わってしまった人が当てはまります。
通知カードは再交付および新規発行されないため、通知カードに記載されている情報と現在の情報が異なることもあります。その際は、市区町村の役所にてマイナンバーの記載された住民票(記載事項証明書)を発行してもらいましょう。
e-TaxでID・パスワード方式で申告する
確定申告は、税務署や確定申告会場で行うほか、パソコンやスマートフォンを使ってインターネットからオンラインで申告することも可能です。
オンラインで申告を行うには、国税庁のホームページにある確定申告書等作成コーナー(e-Tax)を利用します。e-Taxでは、確定申告書の作成・送信・印刷の一括操作が可能で、時間や場所に左右されず自分の好きなタイミングで申告できて便利です。
マイナンバーカードをもっていない人がe-Taxを利用するには、ID・パスワード方式を用いてログインします。ただし、ID・パスワード方式にて申告するには、事前に税務署にて本人確認を受けなければなりません。
税務署職員による対面での本人確認を済ませ、ID・パスワード方式を利用する届出を作成・提出すると、e-Taxでの確定申告が認められます。
マイナンバーカードなしでオンライン申告をしたい場合は、運転免許証・保険証・パスポートのうちいずれかを持参して先に税務署で本人確認と届出を行いましょう。
なお、ID・パスワード方式での申告は、マイナンバーカード及びICカードリーダライタが普及するまでの暫定的な対応です。現在はまだこの方法での申告が可能ですが、近い将来利用できなくなる可能性があることを、念頭に置いておきましょう。
出典:e-Tax「ID・パスワード方式について」
マイナンバーカードがあれば確定申告が簡単になる
マイナンバーカードがなくても確定申告は可能ですが、マイナンバーカードをもっているほうが申告をスムーズに終えられます。
e-TaxのID・パスワード方式では、事前に税務署へ足を運んで対面での本人確認と届出が必要です。一方、マイナンバーカード方式では、事前の届出をしなくてもすぐにe-Taxを使えます。
【関連記事】
e-Taxで確定申告!「マイナンバーカード方式」と「ID・パスワード方式」を解説
マイナンバーカードがあればe-Taxでの申告が可能
マイナンバーカード読み取り対応のスマートフォンとマイナンバーカードがあれば、時間や場所を選ばずe-Taxでマイナンバーカード方式による申告ができます。
パソコンで申告書を作成する場合も、スマホアプリ(マイナポータルアプリ)でパソコン上に表示されたQRコードを読み取れば、e-Taxによる申告が可能です。
なお、マイナンバーカード方式によって確定申告を進める場合は、ICカードリーダライタか、マイナンバーカード読み取り可能なスマートフォンが必要です。
マイナンバーカードを取得する方法
e-Taxによる申請をする際、マイナンバーカードを持っていれば、ID・パスワード発行手続きの手間が省け、効率的に申告手続きを済ませられます。
ただし、マイナンバーカードの申請から取得までには、1~2か月程度かかるため早めに手続きを行いましょう。
マイナンバーカードを取得する方法は、以下の3つです。
マイナンバーカードを取得する方法
- オンライン
- 郵送
- 証明写真機の利用
オンラインで申請する場合、「オンライン申請サイト」にアクセスしてメールアドレスを登録します。登録されたメールアドレスあてに申請者専用ウェブサイトのURLが通知されるので、そちらにアクセスして顔写真を登録します。
そのほか申請に必要な情報を入力して送信すれば、登録したメールアドレスあてに申請が完了した旨のメールが届き、申請手続き完了です。
郵送で申請する場合、個人番号カード交付申請書にしたがって必要事項を記入し、顔写真を貼り付けます。交付申請書の内容に間違いがないか確認し、送付用封筒に入れて郵便ポストに投函すれば、申請手続き完了です。交付申請書がない場合は「マイナンバーカード総合サイト」からダウンロードすることもできます。
証明写真機を利用して申請する場合、証明写真機のタッチパネルから「個人番号カード申請」を選択します。必要なお金を入れて、交付申請書のQRコードをバーコードリーダーにかざしましょう。
画面の案内にしたがって必要事項を入力し、顔写真を撮影して送信すれば申請手続き完了です。
マイナンバーカード方式での確定申告の準備
マイナンバーカード方式で確定申告をする際は、まず以下の2つを用意します。
マイナンバーカード方式で確定申告する際に必要なもの
- マイナンバーカード
- ICカードリーダライタまたはマイナンバーカード対応のスマートフォン
手続きの方法は、「Webからマイナンバーカードを使う方法」と「マイナポータルから手続きする方法」の2通りです。
「Webからマイナンバーカードを使う方法」の場合、e-Taxホームページ上部の「ログイン」ボタンから、e-Taxソフト(Web版)のログイン画面にアクセスします。
e-Taxソフト(Web版)のログイン画面からマイナンバーカードを読み取ると、「マイナンバーカード方式の利用開始」画面に遷移します。
利用者識別番号をおもちでない方は、「利用者情報の登録」画面に遷移するので、画面の指示にしたがって入力を進めると登録手続きの完了です。
「マイナポータルから手続きする方法」の場合、マイナポータルの「外部サイトとの連携」機能からe-Taxを利用するために利用者識別番号の入力が必要です。
利用者識別番号をおもちでない方は、「利用者情報の登録」画面に遷移するので、画面にしたがって入力を進めましょう。入力が完了したら、 マイナンバーカード方式のアカウントの登録が完了します。
マイナンバーカード方式での確定申告の方法
マイナンバーカード方式で確定申告をする方法は以下の通りです。
マイナンバーカード方式で確定申告する流れ
- 確定申告に必要な書類の準備
- 確定申告書等作成コーナーへアクセス
- 税務署への提出方法の選択
- 作成する申告書などを選択
- マイナポータルと連携
- マイナンバーカードを読み取る
- 申告書を作成・e-Taxから提出
詳しい方法は以下の記事で紹介しているのであわせてご覧ください。
【関連記事】
マイナンバーカードを使った確定申告の流れは?利用に必要な手続きも解説
確定申告をかんたんに終わらせる方法
確定申告の期間は1ヶ月です。それまでに正確な内容の書類を作成し、申告・納税しなければいけません。
ほかにも、青色申告の場合に受けられる特別控除で、最大65万円を適用するためにはe-Taxの利用が必須条件であり、はじめての人には難しい場面が増えることが予想されます。
そこでおすすめしたいのが、確定申告ソフト「freee会計」の活用です。
freee会計は、〇✕形式の質問で確定申告に必要な書類作成をやさしくサポートします。また、所得額や控除額の計算は自動で行ってくれるため、計算・入力ミスの削減できるでしょう。
ここからは、freee会計を利用するメリットについて紹介します。
1.銀行口座やクレジットカードは同期して自動入力が可能!
確定申告を行うためには、1年間のお金にまつわる取引を正しく記帳しなければなりません。自身で1つずつ手作業で記録していくには手間がかかります。
freee会計では、銀行口座やクレジットカードの同期が可能で、利用した内容が自動で入力されていきます。
日付や金額を自動入力するだけでなく、勘定科目も予測して入力してくれるため、日々の記帳がほぼ自動化でき、工数削減につながります。
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2.現金取引の入力もカンタン!
会計ソフトでも現金取引の場合は自身で入力し、登録しなければなりません。
freee会計は、現金での支払いも「いつ」「どこで」「何に使ったか」を家計簿感覚で入力できるので、毎日手軽に帳簿付けが可能です。
自動的に複式簿記の形に変換してくれるため、会計処理の経験がない人でも正確に記帳ができます。
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さらに有料プランでは、チャットで確定申告について質問ができるようになるので、わからないことがあったらすぐに相談できます。また、オプションサービスには電話相談もあるので、直接相談できるのもメリットの1つです。
freee会計の価格・プランについてはこちらをご覧ください。
3.〇✕形式の質問に答えるだけで各種控除や所得税の金額を自動で算出できる!
各種保険やふるさと納税、住宅ローンなどを利用している場合は控除の対象となり、確定申告することで節税につながる場合があります。控除の種類によって控除額や計算方法、条件は異なるため、事前に調べなければなりません。
freee会計なら、質問に答えることで控除額を自動で算出できるので、自身で調べたり、計算したりする手間も省略できます。
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4.確定申告書を自動作成!
freee会計は取引内容や質問の回答をもとに確定申告書を自動で作成できます。自動作成した確定申告書に抜け漏れがないことを確認したら、税務署へ郵送もしくは電子申告などで提出して、納税をすれば確定申告は完了です。
また、freee会計はe-Tax(電子申告)にも対応しています。e-Taxからの申告は24時間可能で、税務署へ行く必要もありません。青色申告であれば控除額が10万円分上乗せされるので、節税効果がさらに高くなります。
e-Tax(電子申告)を検討されている方はこちらをご覧ください。
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freee会計を使うとどれくらいお得?
freee会計には、会計初心者の方からも「本当に簡単に終わった!」というたくさんの声をいただいています。
税理士などの専門家に代行依頼をすると、確定申告書類の作成に5万円〜10万円程度かかってしまいます。freee会計なら月額980円(※年払いで契約した場合)から利用でき、自分でも簡単に確定申告書の作成・提出までを完了できます。
余裕をもって確定申告を迎えるためにも、ぜひfreee会計の利用をご検討ください。
まとめ
マイナンバーカードがない人でも確定申告は可能です。ただし、マイナンバーの記入は必要なため、通知カードやマイナンバー入りの住民票などを用意してマイナンバーを確認しましょう。
マイナンバーカードがあれば、確定申告書の作成から提出までをオンラインで一括で進められるためスムーズです。確定申告をより簡単に済ませたい人は、マイナンバーカードの発行を検討することをおすすめします。
よくある質問
マイナンバーカードなしでも確定申告できる?
マイナンバーカードがなくても確定申告は可能です。ただし、e-Taxの場合はログイン方式がID・パスワード方式のみとなり、事前に税務署への届出が求められます。
詳しくは「マイナンバーカードがなくても確定申告は可能」をご覧ください。
マイナンバーカードなしで確定申告するには?
マイナンバーカードがなくても、通常の申告時と同様に、税務署や確定申告会場での申告が可能です。また、e-TaxでID・パスワード方式でも申告できます。
詳しくは、「マイナンバーカードなしで確定申告をする方法」をご覧ください。
監修 安田 亮(やすだ りょう)
1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。
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