監修 好川寛 プロゴ税理士事務所
2017年に大きな注目を集めた仮想通貨。仮想通貨は保有しているだけでは税金がかかりませんが、売買や交換、商品の決済などに使用し、一定条件を満たすと税金がかかります。
2017年12月には、仮想通貨で得た利益が「雑所得」に分類されるという見解が発表され、計算方法や課税の対象になる事例も公表されました。
今回の記事では、仮想通貨と税金に関して詳しくご説明していきます。
▶︎ 確定申告について、まずはこちらの記事!
目次
\確定申告は簡単オンライン!/
freee会計は、税務署に行かずにオンラインで簡単に確定申告ができます。
e-taxが初めてという方でも安心です!
仮想通貨にかかる税金とは?
仮想通貨の売買などで20万円以上の利益(所得)が発生すると、その利益に対して所得税がかかります。なお、学生や主婦など、扶養されている方は33万円以上の利益が出て初めて課税の対象になります。
所得税はその性質に応じて10種に分類されます。
勤務先から受け取る給与・賞与などは給与所得、株式投資の売買で得られた利益は譲渡所得、不動産の貸付などで生じる所得は不動産所得......2017年12月に発表された国税庁の「仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)」によると、仮想通貨の取引などで得た利益は所得税のうち雑所得に分類されます。
【所得の種類】
1 | 事業所得 | 農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業から生ずる所得。ただし、不動産の貸付けや山林の譲渡による所得は、原則として不動産所得や山林所得に分類。 |
---|---|---|
2 | 不動産所得 | 土地や建物、不動産の貸付から生じる所得 |
3 | 給与所得 | 勤務先から受け取る給与、賞与などの所得 |
4 | 退職所得 | 退職により勤務先から受ける退職手当や、厚生年金保険法に基づく一時金などの所得 |
5 | 配当所得 | 株主や出資者が法人から受ける配当や、投資信託などの収益の分配などにかかる所得 |
6 | 利子所得 | 預貯金や公社債の利子、合同運用信託、公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託の収益の分配に係る所得をいいます。 |
7 | 山林所得 | 山林を伐採して譲渡したり、立木のままで譲渡することによって生ずる所得 |
8 | 譲渡所得 | 土地、建物、ゴルフ会員権などの資産を譲渡することによって生ずる所得 |
9 | 一時所得 | 生命保険の満期金など、営利を目的としない行為から生じる所得 |
10 | 雑所得 | 上記以外の所得。仮想通貨の利益はこの雑所得に分類。 |
参考:国税庁「No.1300 所得の区分のあらまし」
仮想通貨にかかる税金の計算方法
所得税は収入に応じて課税率がアップする累進課税。さらに雑所得は総合課税の対象で、給与所得などほかの所得と合算した額に応じて税率が決まります。このため、利益が多額になれば、累進課税によって所得税の税率は最大45%までアップし、住民税10%と合計して最大55%になる可能性も……。
ちなみに、株式投資で得た利益は譲渡所得、FX(外国為替証拠金取引)で得た利益は仮想通貨と同様に雑所得。しかし、いずれも他の所得と分離して税額を計算する「申告分離課税」が適用されます。申告分離課税の税率は、所得の額に関わらず一律約20.315%。このため、仮想通貨の売買益にかかる税金が高いとの声も少なくありません。
【所得金額と税率】
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
参考:国税庁「No.2260 所得税の税率」
仮想通貨の売買損益は「移動平均法」か「総平均法」で計算
仮想通貨の売買損益にかかる所得税は、1月1日から12月31日までの1年分の取引総額が対象です。そして合計所得額を計算する方法には、「移動平均法」と「総平均法」の2つがあり、申告の際はいずれかを選択する必要があります。
評価方法を変更する場合は、変更しようとする年の3月15日までに、「所得税の暗号資産の評価方法の変更承認申請書」を提出して、その承認を受ける必要があります。
移動平均法とは、仮想通貨を購入するたびに購入額と残高を平均し所得を計算する方法、総平均法とは、1年間の購入平均レートをもとに計算した総購入金額と、売却合計金額の差額(所得)を計算する方法です。
詳細は、こちらの記事の計算式をご参照ください。
仮想通貨での買い物、通貨の交換にかかる税
2017年4月の資金決済法改正により、ビットコインが決済手段として認められました。たとえば、ビットコインでPCを購入しその際に利益が生じた場合、課税の対象になります。また、他の仮想通貨と交換し利益が発生しても課税対象です。
例えば、1BTC=10万円の時に1BTCを10万円で購入、1BTCが30万円の時にPCを購入すると…
PCの購入金額30万円(1BTC)ービットコインの取得価格10万円=20万円・・・課税所得
さらに、ビットコインはユーザー同士で取引を「承認」し合うことで不正を防ぎます。このため、仮想通貨取引の承認作業(マイニング)を行うと、対価として仮想通貨を得ることができ、課税の対象となります。この場合は、電気代や機材の購入費用を経費として、マイニングで取得した仮想通貨の時価から引いた所得が課税の対象になります。
仮想通貨は税制メリット「損益通算」「繰越控除」の対象外
不動産貸の貸付などで得られる不動産所得、個人事業などの事業所得、株式などの売買で得られる譲渡所得などは、損失が生じた場合に利益が出ている所得から差し引き、課税対象額を減額することが可能です。これを損益通算といいます。
仮想通貨の場合、仮想通貨同士の損益、雑所得内での損益は差し引きが可能ですが、他の金融資産などに対して損益通算はできません。
また、株式投資などでは、利益から差し引いてもさらに損失が残る場合、向こう3年は損失を繰り越しすることができます(繰越控除)。しかし、残念ながらこの繰越控除も仮想通貨は対象外です。
確定申告をして仮想通貨の税金を納めよう
仮想通貨で20万円以上の利益を得た会社員の方や、個人事業主の方は、期限内に確定申告書を作成・提出し、納税を行う必要があります。原則毎年2月16日から3月15日までが期限となります。
<国税の納付期限>
所得税:3月15日
消費税:3月31日(個人事業者の場合)
もし期日までに書類の提出が間に合わなければ、無申告加算税が発生する可能性があります。また、期限内に納税が行われなかった場合は延滞税がかかるため注意が必要です。
※年によって期限日が異なる場合があります。詳しくは国税庁のホームページをご確認ください。
確定申告を簡単に終わらせる方法
確定申告には青色申告と白色申告の2種類があります。どちらを選択するにしても、期限までに正確な内容の書類を作成し申告しなければいけません。
確定申告書を作成する方法は手書きのほかにも、国税庁の「確定申告等作成コーナー」を利用するなどさまざまですが、会計知識がないと記入内容に悩む場面も出てくるでしょう。
そこでおすすめしたいのが、確定申告ソフト「freee会計」の活用です。
freee会計は、〇✕形式の質問で確定申告に必要な書類作成をやさしくサポートします。必要な計算は自動で行ってくれるため、計算ミスや入力ミスを軽減できます。
ここからは、freee会計を利用するメリットについて紹介します。
1.銀行口座やクレジットカードは同期して自動入力が可能!
1年分の経費の入力は時間がかかる作業のひとつです。freee会計に銀行口座やクレジットカードを同期すると、利用した内容が自動で入力されます。
また、freee会計は日付や金額だけでなく、勘定科目も予測して入力します。
溜め込んだ経費も自動入力でカンタン!
2.現金取引の入力もカンタン!
freee会計は、現金での支払いも「いつ」「どこで」「何に使ったか」を家計簿感覚で入力できるので、毎日手軽に帳簿づけが可能です。自動的に複式簿記の形に変換してくれるため、初心者の方でも安心できます。
さらに有料プランでは、チャットで確定申告について質問ができるようになります。オプションサービスに申し込めば、電話での質問も可能です。
freee会計の価格・プランについて確認したい方はこちらをご覧ください。
3.〇✕形式の質問に答えると、各種控除や所得税の金額を自動で算出できる!
各種保険やふるさと納税、住宅ローンなどを利用している場合は控除の対象となり、確定申告することで節税につながる場合があります。控除の種類によって控除額や計算方法、条件は異なるため、事前に調べなければなりません。
freee会計なら、質問に答えることで控除額を自動で算出できるので、自身で調べたり、計算したりする手間も省略できます。
4.確定申告書を自動作成!
freee会計は取引内容や質問の回答をもとに確定申告書を自動で作成できます。自動作成した確定申告書に抜け漏れがないことを確認したら、税務署へ郵送もしくは電子申告などで提出して、納税をすれば確定申告は完了です。
また、freee会計はe-tax(電子申告)にも対応しています。e-taxからの申告は24時間可能で、税務署へ行く必要もありません。青色申告であれば控除額が10万円分上乗せされるので、節税効果がさらに高くなります。
e-tax(電子申告)を検討されている方はこちらをご覧ください。
完成した確定申告書を提出・納税して確定申告が完了!
freee会計を使うとどれくらいお得?
freee会計には、会計初心者の方からも「本当に簡単に終わった!」というたくさんの声をいただいています。
税理士などの専門家に代行依頼をすると、確定申告書類の作成に5万円〜10万円程度かかってしまいます。freee会計なら月額980円(※年払いで契約した場合)から利用でき、自分でも簡単に確定申告書の作成・提出までを完了できます。
余裕をもって確定申告を迎えるためにも、ぜひfreee会計の利用をご検討ください。
監修 好川寛(よしかわひろし)
プロゴ税理士事務所代表。20年以上のキャリアをもつ国税OB税理士。税務調査や複雑な税務判断に精通し、幅広い税務相談に対応。クライアントの事業を深く理解し、長期的な視点で最適な税務戦略を支援しています。