確定申告の基礎知識

所得とは? 収入との違いや種類別の計算方法を解説


所得と収入は、どちらも業務などを通して得た金銭という点では似た意味を持っていますが、税制上は異なる扱いとなります。

特に所得においては、毎年1月1日から12月31日までの1年間の所得をもとに、確定申告を行い所得税を算出して納付する必要がありますが、収入と所得の正しい意味を理解しておかなければ税額を間違えるなどミスにつながります。

本記事では、所得と収入の違いや所得の種類、それぞれの計算方法を解説します。

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目次

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所得と収入の違い

「所得」と似た意味を持つ言葉に「収入」がありますが、税制上の使われ方は異なります。

また、所得と収入の考え方は、会計上の所得分類が異なる個人事業主や会社員、年金受給者によっても違うため、それぞれについて解説します。

収入

収入とは、自分の手元に入ってくるお金のことを総じて指します。そのため、金銭だけではなく現物給与も含まれることがあります。

現物給与とは、商品の値引販売といったような物または権利などの金銭以外で受ける経済的利益を指します。現物給与は原則として通貨に換算されます。

現物給与の対象となるのは、主に以下のケースです。

現物給与の対象となる例

  1. 会社の商品や物品などの資産を無償、または定価よりも低価格で受け取った場合
  2. 会社の土地や家屋、金銭などの資産を無償、または低価格で借りた場合
  3. 会社が所有する福利厚生施設の利用など2以外の用途を無償、または低価格で利用した場合
  4. 個人的な債務を免除または負担したことによる経済的利益
出典:国税庁「No.2508 給与所得となるもの」

所得

所得とは、収入から必要経費を引いた金額のことを指します。

所得の算出方法

収入 - 必要経費 = 所得

必要経費とは、収入を得るために発生した支出のことです。具体的にはパソコンや携帯の購入費・通信費、取引先の元へ行くための交通費などが含まれます。

毎年1月1日から12月31日までの所得に、一定の税率をかけて算出した所得税を納めなくてはなりません。会社員の場合は、年末調整というかたちで会社が従業員の代わりに所得税の申告・納税を行いますが、個人事業主やフリーランスは自身で確定申告をしなければなりません。

なお、現物給与も所得税の対象としてみなされるので注意しましょう。条件を満たした通勤費や食事代、社宅などは非課税になるので、所得税はかかりません。

個人事業主の収入と所得

個人事業主やフリーランスの場合、事業によって発生した「売上金額」が「収入」となります。上述したように所得とは、収入から業務を遂行する上で必要だった必要経費を差し引いた金額です。

なお、個人事業主の所得は、事業を通じて得た所得であるため「事業所得」に分類されます。

事業所得の算出方法

収入(売上) - 必要経費 = 事業所得

事業所得の詳しい解説は、後述の「②事業所得」をご確認ください。

会社員の収入と所得

会社員にとっての収入は、税金が引かれる前の額面のことであり、給与や賞与(ボーナス)などが含まれます。

会社員の所得は給与所得に該当し、給与や賞与(ボーナス)などの給与収入から給与所得控除を差し引いた金額を指します。

給与所得の算出方法

収入(給与) - 給与所得控除額 = 給与所得

会社員には原則として必要経費が認められませんが、例外として交通費や研修費などは必要経費に該当します。必要経費は会社が支払うケースが多いですが、会社によっては自身で支払うケースもあります。

自身で支払った必要経費を確定申告で申告すると、税金の還付を受けられます。これを「特定支出控除」といいます。特定支出控除に関しては後述する「会社員の特定支出控除」を参照してください。

給与所得の詳しい解説は、後述の「①給与所得」をご確認ください。

年金受給者の収入と所得

年金受給者の収入は公的年金が該当します。公的年金とは、20歳以上から60歳未満の日本に住む全ての人が加入する「国民年金」と、会社員や公務員が加入する「厚生年金」などの年金のことを指します。

年金受給者は「公的年金等控除」を受けられます。年金にも税金が発生し、所得の区分は雑所得として課税されます。公的年金等控除とは、国民年金や厚生年金などの年金を受給している人に適用される控除です。

年金受給者の所得は、会計上は「雑所得」扱いとなり、公的年金の雑所得は以下のように算出できます。

公的年金による雑所得の算出方法

収入(公的年金)- 公的年金等控除額 = 雑所得

雑所得の詳しい解説は、後述の「⑩雑所得」をご確認ください。

所得税法による10種類の所得と計算方法

所得は、所得税法により内容に応じて以下の10種類に区分されています。


所得の区分内容課税方法
①給与所得勤務先から受ける給料、賞与(ボーナス)などの所得総合課税
②事業所得農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業から生ずる所得総合課税
③利子所得公社債や預貯金の利子、合同運用信託や公社債投資信託の収益の分配などで収入がある場合に発生する所得分離課税
④配当所得株主として得た配当や、投資信託などから得た所得分離課税
⑤不動産所得不動産や、船舶、航空機などの貸付から収入がある場合に発生する所得総合課税
⑥退職所得勤務先から受ける退職手当や厚生年金基金等の加入員の退職に基因して支払われる厚生年金保険法に基づく一時金などの所得分離課税
⑦山林所得山林を伐採して譲渡し、立木のままで譲渡することによって生ずる所得分離課税
⑧譲渡所得資産の譲渡から得た収入がある場合に発生する所得分離課税
⑨一時所得臨時的に得た収入や、たまたま得た収入がある場合に発生する所得総合課税
⑩雑所得他の所得のいずれにも当てはまらない収入がある場合に発生する所得のこと総合課税
出典:国税庁「所得の種類と課税方法」

① 給与所得

給与所得とは、会社員が勤務先から受け取る給料や賞与(ボーナス)を指します。

会社員やアルバイト・パートなどの給与所得者には、通勤にかかる費用や業務で使用する技術を得るための研修費など、特定の支出以外は経費が認められません。

しかし、給与所得者も仕事のために筆記用具を購入したり、移動のため交通費を自腹で負担することもあります。このような給与所得者の事情を考慮し、給与所得控除というかたちで給与収入から概算の経費額を控除する仕組みがあります。

給与所得控除の額は、2020年(令和2年)の税制改正により変更され、基礎控除が引き上げられる代わりに、控除額が一律10万円引き下げられました。給与所得控除額は以下のとおりです。

給与収入金額給与所得控除額
〜2019年まで2020年から
162万5,000円以下収入金額×40%
(65万円に満たない場合は65万円)
55万円
162万5,000円〜180万円以下収入金額×40%-10万円
180万円〜360万円以下収入金額×30%+18万円収入金額×30%+8万円
360万円〜660万円以下収入金額×20%+54万円収入金額×20%+44万円
660万円〜850万円以下収入金額×10%+120万円収入金額×10%+110万円
850万円〜1,000万円以下195万円(上限)
1,000万円〜220万円(上限)
出典:国税庁「No.1410 給与所得控除」

たとえば、1年間の給与収入金額が500万円だった場合、「収入金額×20%+44万円」が給与所得控除額を求める式となります。

給与所得の計算例

  • 給与収入=500万円
  • 給与所得控除額=500万円×20%+44万円=144万円
  • 給与所得=500万円-144万円=356万円

会社員の特定支出控除

上述したように会社員は原則、必要経費が認められません。ただし、以下に該当する支出が給与所得控除額の半分を超える場合は「会社員の特定支出控除」として確定申告により控除できます。

給与所会社員の特定支出控除として認められる支出

  • 転勤費
  • 転居費
  • 研修費
  • 資格取得費
  • 帰宅旅費
  • 勤務必要経費(図書費・衣服費・交際費)
    ※勤務必要経費の場合、上限が65万円に設定

出典:国税庁「No.1415 給与所得者の特定支出控除」

たとえば、給与収入が500万円の会社員が、会社の辞令によって転勤が決まり、引越しに100万円の費用が発生したとします。この場合、給与所得控除の半分(72万円)を超えた28万円分を、特定支出控除として確定申告で控除できます。

特定支出控除を受けるためには「給与所得者の特定支出に関する明細書」ならびに、「給与所得者の特定支出に関する証明書」を所轄の税務署に提出します。証明書には会社の押印が必要です。

給与所得にかかる所得税の計算方法

所得税を求めるには給与所得の金額を算出し、給与所得から所得控除を引いた額に一定の割合をかけることで算出できます。

給与所得にかかる所得税の計算方法

(給与所得 - 所得控除)× 所得税率 = 所得税額

ここでいう所得控除とは、年間の支払いをした社会保険料の金額や、生命保険料の金額から計算した一定の金額を指します。給与所得控除とは全くの別物なので注意しましょう。

所得控除の種類は、以下のようなものがあります。

所得控除一覧

控除の種類概要控除額
雑損控除災害や盗難、横領によって損害を受けた時に適用される以下のいずれか多い方

・(差引損失額)-(総所得金額等)×10%
・(差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円
医療費控除一定額以上の医療費を支払った場合に適用される
※生計を同じくする配偶者やその他の親族も含まれる
(支払った医療費-保険金などで補填される金額)-10万円

※その年の総所得金額等が200万円未満の人は総所得金額等×5%
社会保険料控除健康保険料や国民年金保険料などの社会保険料を支払った場合に適用される
※生計を同じくする配偶者やその他の親族も含まれる
支払った保険料の合計
小規模企業共済等掛金控除小規模企業共済の掛金を支払った場合に適用される支払った掛金の合計額
生命保険料控除生命保険や介護医療保険、 個人年金保険で、支払った保険料がある場合に適用される一定の方法で計算した金額
(最大12万円)
地震保険料控除地震保険料を支払った場合に適用される一定の方法で計算した金額
(最大5万円)
寄附金控除ふるさと納税や認定NPO法人等に対して寄附をした場合に適用される「寄附金支出合計額」と
「総所得金額等 ×40%」
のいずれか少ない方-2,000円
障害者控除納税者や控除対象配偶者、扶養親族が障害者である場合に適用される一人につき、
・障害者27万円
・特別障害者40万円
・同居特別障害者75万円
寡婦控除その年の12月31日時点で「ひとり親」に該当しない寡婦に適用される
※寡夫控除は、2020年度分より、ひとり親控除に変更
27万円
ひとり親控除納税者がひとり親であるときに適用される
※ひとり親控除は2020年分の所得税から適用
35万円
勤労学生控除学校に行きながら働いている場合に適用される
※ただし、合計所得金額が75万円以下
27万円
配偶者控除配偶者の合計所得金額が48万円以下の場合に適用される
(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
・一般控除対象配偶者は最大38万円
・老人控除対象配偶者は最大48万円
(控除対象配偶者のうち年齢が70歳以上)
配偶者特別控除納税者の合計所得金額が1,000万円以下で、配偶者の合計所得が48万円超133万円以下である場合に適用される配偶者の所得金額によって
最大48万円
※令和2019年分以前は38万円
扶養控除16歳以上の子どもや両親などを扶養している場合に適用される・一般控除対象扶養親族は38万円
・特定扶養親族は63万円
(扶養親族が19歳以上23歳未満)
・老人扶養親族は最大58万円
基礎控除全ての人に適用される所得金額によって最大48万円

出典:国税庁『No.1100 所得控除のあらまし

給与所得から上記の所得控除を引いた額に、規定の所得税率をかけることで所得税が算出できます。なお、所得税には累進課税制度が採用されており、所得が多い人ほど税率も高くなります。

所得税率の速算表

課税対象の所得金額税率控除額
1,000円〜1,949,000円5%0円
1,950,000円〜3,299,000円10%97,500円
3,300,000円〜6,949,000円20%427,500円
6,950,000円〜8,999,000円23%636,000円
9,000,000円〜17,999,000円33%1,536,000円
18,000,000円〜39,999,000円40%2,796,000円
40,000,000円以上45%4,796,000円
出典:国税庁「No.2260 所得税の税率」

② 事業所得

事業所得とは、農業・漁業・製造業・卸売業・小売業・サービス業をはじめとするその他の事業から生ずる所得のことをいいます。

フリーランスのライターやエンジニア・デザイナー、YouTubeの広告収入など、個人事業主の所得の多くが事業所得に該当します。

事業所得は収入から必要経費を差し引くことが認められています。必要経費とは、事業を営むうえで必要な支出のことで、具体的には以下のようなものが該当します。

必要経費に該当する支出の例

  • 打ち合わせで使用したレンタルルーム
  • パソコンの購入費
  • 事業で使用する携帯料金
  • 打ち合わせ先へ向かう交通費
  • 事業に関連する書籍の購入費

上記を経費として計上するためには、原則として経費であることを裏付ける領収書やレシートなどの証拠書類が必要になります。ただし、鉄道やバスなどの公共交通機関の利用により領収書などが入手できない場合は、出金伝票を証拠書類とすることも可能です。

個人事業主の経費について詳しく知りたい方は、別記事「個人事業主が経費にできるもの・できないものとは?」を参照してください。

③ 利子所得

利子所得とは、預貯金や公社債の利子や合同運用信託、公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託の利益の分配にかかわる所得のことをいいます。

利子所得では、収入金額がそのまま所得の金額となります。

利子所得の算出方法

利子所得 = 収入額(源泉徴収前の額)

利子所得は給与所得や事業所得などのほかの所得と分離して、税額を計算します。これを「源泉分離課税」方式といいます。

ただし、国債や地方債・外国債など「特定公社債等」の利子に関しては、源泉徴収課税ではなく「申告分離課税」の対象となるため、確定申告の有無の選択ができます。

源泉分離課税については後述しています。

④ 配当所得

配当所得とは、株主や出資者が法人から受ける配当金や、投資信託の収益分配金にかかわる所得のことをいいます。

配当所得は源泉徴収前の配当による収入から、株主などの取得に要した借入金を差し引いた金額となります。

配当所得の算出方法

配当所得 =
配当による収入(源泉徴収前の額)- 株主などの取得に要した借入金の利子

配当所得は原則として総合課税の対象となります。株式の配当金は所得税などが源泉徴収されるため、確定申告をしなくても本来は問題ありません。

しかし、法人からの配当金は法人税が差し引かれた金額が分配されています。この二重に課税された部分を、確定申告をすることで出資者に還元する配当控除があります。

配当控除を受けたい人は確定申告が必要ですが、源泉徴収だけで済ませて確定申告をしない(確定申告不要制度)ことも可能です。

この制度を使用することで確定申告は不要となりますが、配当控除や所得税などの源泉徴収税額控除は受けられません。

⑤ 不動産所得

不動産所得とは、土地や建物などの不動産、借地権などの不動産上の権利をはじめ、船舶や航空機の貸付けによって得られる所得のことをいいます。

不動産所得に該当するのは、アパート経営によって得られる家賃収入や、所有する土地を貸した際に得られる所得などです。

しかし、該当の不動産がまかない付きの宿を提供する場合や保管責任を伴う有料駐車場の場合は例外です。これらはサービスの提供という役務の提供も含まれるため、不動産所得ではなく、事業所得や雑所得に分類されます。

退職所得の算出方法

不動産所得 = 総収入金額 - 必要経費

不動産所得における必要経費とは、不動産収入を得るために直接必要な経費のうち、家事上の経費と明確に区別され、主に「固定資産税」「損害保険料」「修繕費」などが該当します。

⑥ 退職所得

退職所得とは、勤めていた勤務先から受ける退職手当や、厚生年金基金などの加入員の退職によって支払われる一時金などの所得のことをいいます。

退職所得の算出方法

退職所得 =(源泉徴収前の収入金額 - 退職所得控除)× 1/2

退職所得控除は、退職した会社の勤続年数によって異なります。


勤続年数退職所得控除額
20年以下40万円×勤続年数
(80万円に満たない場合は、80万円)
20年超800万円+70万円×(勤続年数ー20年)
出典:国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」

たとえば、実際に勤務した期間が12年2ヶ月だった場合は、端数の2ヶ月を1年に切り上げ、勤続年数は13年として考えます。

この場合の退職所得控除は「40万円×13年=520万円」となります。

例外として、障がい者になったことが原因で退職した場合は、上記の計算式に100万円を加えた金額が退職所得控除となります。

また、前年以前に退職金を受け取った場合、または同一年中に2ヶ所以上から退職金を受け取った場合は、控除額の計算が異なります。詳しくは国税庁のホームページ「No.2735 同じ年に2か所以上から退職金をもらったとき」を参照してください。

なお、退職所得は分離課税の対象となるため、ほかの所得とは分離して所得税を計算します。

⑦ 山林所得

山林所得とは、山林を伐採して譲渡する場合や、立木のまま譲渡することによって生じる所得のことをいいます。

ただし、所有期間が5年以内の山林に関しての譲渡は、事業所得または雑所得の区分になります。また、山ごと譲渡する場合は、土地の部分は譲渡所得になります。

山林所得の算出方法

山林所得 = 総収入金額 - 必要経費 - 特別控除額(最高50万円)

山林所得における必要経費は、植林などの取得費用・維持管理費用・伐採費・運搬費などが該当します。

所有していた山林を、伐採または譲渡した年の15年前の12月31日以前から所有していた場合は、「概算経費控除」の特例があります。

概算経費控除とは、収入金額から伐採費などの譲渡費用を差し引いた金額の50%に相当する金額に、伐採費などの譲渡費用を加えた金額を必要経費とすることができる控除です。

山林所得は、分離課税対象となるため、ほかの所得と分離して所得税を算出します。山林所得には、5分5乗方式と呼ばれる税額の計算方法が採用されています。

5分5乗方式の計算方法は以下のようになります。

山林所得の税額の算出方法

山林所得 =(課税山林所得金額 × ⅕ × 税率)× 5


出典:国税庁「No.1480 山林所得」

⑧ 譲渡所得

譲渡所得とは、土地・建物・ゴルフ会員権などの資産を譲渡することによって生じる所得や、建物などの所有を目的とする地上権の設定による所得のことをいいます。

譲渡所得は、譲渡する資産の種類によって「分離課税」と「総合課税」に分かれます。たとえば、ゴルフ会員権や船舶・車両などは総合課税に分類され、土地や建物・借地権・株式などは分離課税に分類されます。

譲渡所得の算出方法

(1)譲渡資産が土地や建物の場合:
 譲渡所得 = 収入金額 -(取得費 + 譲渡費用)- 特別控除額

(2)譲渡資産が株式などの場合:
 譲渡所得 = 総収入金額(譲渡価格)ー 必要経費(取得費 + 委託手数料等)

譲渡資産が土地・建物および株式など以外の場合は、所有期間が5年以下のものを「短期譲渡所得」といい、所有期間が5年を超えるものを「長期譲渡所得」として、それぞれ分けて計算をします。

・短期譲渡所得=総収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額(最高50万円)
・長期譲渡所得=総収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額(最高50万円)

⑨ 一時所得

一時所得とは、労働や資産を売却して所得を得た場合や、営利を目的とする継続的な行為から生じたものではない所得のことを指します。

たとえば、懸賞や福引の賞金や賞品、競馬や競輪の払戻金、生命保険の一時金、損害保険の満期払戻金などが該当します。

一時所得の算出方法

一時所得 =
総収入金額 - 収入を得るために支出した金額 - 特別控除(最高50万円)

一時所得は総合課税に分類されます。所得金額の1/2に相当する金額を、ほかの所得と合計して納税額が算出されます。

⑩ 雑所得

雑所得とは、前述した9種の所得のいずれにも該当しない所得を指します。公的年金や原稿料・講演料、シェアリングエコノミーにまつわる所得などが該当します。

雑所得には「公的年金等」「業務に係るもの」「それ以外」の3つに区分され、それぞれの雑所得の計算方法は以下のとおりです。

雑所得の算出方法

(1)公的年金等:
公的年金等の雑所得 = 収入金額 - 公的年金等控除額

(2)業務に係る所得(副業に係る収入のうち営利を目的とした継続的なもの:
業務に係る雑所得 = 総収入金額 - 必要経費

(3)それ以外の所得:
その他の雑所得 = 総収入金額 - 必要経費

総合課税と分離課税の違い

所得税の課税方法には、「総合課税」と「分離課税」の2種類があります。

総合課税とは、ほかの所得と合算した合計額に税率をかけて納税額を算出する課税方式のことをいいます。給与所得や一時所得などの所得が該当します。

一方、分離課税とは、ほかの所得とは合計せず、その所得だけで独自の税率をかけて納税額を算出する課税方式のことです。

分離課税には、「申告分離課税」と「源泉分離課税」があり、申告分離課税は原則として確定申告が必要です。申告分離課税には、以下の所得が該当します。

雑所得申告分離課税に該当する所得

  • 山林所得
  • 土地建物などの譲渡による譲渡所得
  • 株式などの譲渡所得
  • 上場株式などから受ける配当所得

源泉分離課税に関しては、所得を受け取る時点で税率が差し引かれるため、確定申告が不要です。

【関連記事】
個人事業主にかかる税金は何種類? 課税される条件と計算方法

まとめ

収入とは、自分の手元に入ってくるお金や物品のことを指すのに対し、所得とは収入から必要経費を差し引いた金額を指します。

所得が20万円を超えた場合には確定申告をする必要があり、所得に応じた所得税を納付する義務が発生します。自身が得た所得の種類を把握して、正しい計算方法で所得税を算出しましょう。

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