確定申告の基礎知識

個人事業主におすすめの会計ソフトは? 必要性や初心者が選ぶ際のポイントを解説

監修 安田亮 安田亮公認会計士・税理士事務所

個人事業主におすすめの会計ソフトは? 必要性や初心者が選ぶ際のポイントを解説

記帳や確定申告書の作成をすべて手書きやPCへ手動で入力をするには手間がかかりますが、会計ソフトを活用すれば、仕訳や計算が自動で行われるので便利です。個人事業主やフリーランスが会計ソフトを使うと、帳簿付けや確定申告にかかる手間を減らせます。

無料ではなく有料の会計ソフトを使う場合は、費用がかかる点がデメリットではあるものの、それ以上のメリットを感じられることも少なくありません。会計の初心者でも簡単に操作できるものもあるので、会計業務では会計ソフトの活用がおすすめです。

本記事では、個人事業主が会計ソフトを利用する必要性や選ぶ際のポイントを解説します。

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確定申告とは何? 全く分からない人でもわかりやすく解説!

目次

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個人事業主に会計ソフトが必要になるケースとは?

個人事業主が会計ソフトを使うべきかどうかは、帳簿・確定申告書の作成作業の大変さや会計知識の量などによって変わります。

取引量・仕訳数が少なく帳簿や申告書の作成に手間がかからない場合や、会計知識があり自分で記帳や税額計算をできる場合は、会計ソフトの必要性はそれほど高くありません。逆に、以下のようなケースでは会計ソフトの活用がおすすめです。

会計ソフトの必要性が高いケース

  • 青色申告で確定申告をする場合
  • 帳簿や確定申告書の作成に伴う負担を軽減したい場合
  • 会計知識がない初心者の場合

青色申告で確定申告をする場合

青色申告と白色申告、2種類ある確定申告の方法のうち、青色申告では複式簿記による記帳が必要です。単式簿記で記帳する白色申告に比べると、青色申告者は日々の記帳で時間や手間がかかります。

その分、会計ソフトを導入することによる時間・手間の削減効果が大きくなるので、青色申告で確定申告をする個人事業主には会計ソフトの導入がおすすめです。

青色申告と白色申告では、会計ソフトを導入することによるメリット・デメリットに以下のような違いがあります。

会計ソフト導入のメリット会計ソフト導入のデメリット
青色申告 ・複式簿記による帳簿付けを簡単にできる
・e-Taxによる電子申告に対応している会計ソフトなら65万円の特別控除を適用できる
・青色申告に対応している会計ソフトは一般的に有料なので費用がかかる
白色申告 ・単式簿記による帳簿付けを簡単にできる
・無料の会計ソフトなら購入費や維持費がかからない

e-Taxに対応している会計ソフトを使えば、会計ソフトで作成した申告書などのデータをe-Taxで読み込んで送信できます。青色申告では、65万円の青色申告特別控除を適用するためには以下の要件を満たす必要があり、e-Taxによる申告も要件のひとつです。

65万円の青色申告特別控除の適用

  • 不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営んでいること
  • 取引を正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳していること
  • 確定申告期限までに確定申告書等を提出すること
  • 仕訳帳および総勘定元帳の電子帳簿保存を行っていること、または確定申告書等の提出をe-Taxを使用して行うこと

日々の記帳や帳簿・確定申告書の作成だけでなく、65万円の青色申告特別控除を適用するために必要なe-Taxによる申告まで含めて、会計ソフトを使えば対応できます。

青色申告について詳しく知りたい方は、「青色申告とは? 知っておきたい基礎知識、 白色申告との違いについて解説」の記事をあわせて参考にしてください。


出典:国税庁「No.2072 青色申告特別控除」
出典:e-Tax国税電子申告・納税システム「e-Taxソフト(WEB版)についてよくある質問」

帳簿や確定申告書の作成に伴う負担を軽減したい場合

会計ソフトには、取引を入力すると、各帳簿へ転記される機能や売上・費用など項目ごとに金額が集計されて貸借対照表などが作成される機能が付いています。

帳簿への転記や確定申告に必要な書類の作成が自動で行われるので、これらの作業に伴う負担を軽減したいなら会計ソフトの活用をしてください。自動で集計や計算がされ、記入ミス・計算ミスが起きにくくなり、ミスをして修正の手間がかかることも減らせます。

たとえば、freee会計では、○×形式の質問に答えていくだけで、確定申告に必要な書類が作成できるため、初めての方でもスムーズに確定申告を行えます。

会計知識がない初心者の場合

会計知識がない初心者が、所得税の計算方法や確定申告書の作成方法など必要な知識をすべて自分で調べて身に付けるには時間がかかります。日々の事業経営がある個人事業主にとって、会計の勉強をするための十分な時間を取ることは簡単ではありません。

しかし、会計ソフトを使えば、取引内容を入力すると集計や各種帳簿への転記が行われるので、帳簿や確定申告書への記入方法で迷うことが少なくなります。会計の初心者が手書きや手計算で処理すると時間がかかっていたものが、会計ソフトならスムーズに進められる点がメリットです。

また、会計ソフトによっては、利用者が疑問に感じることが多い事項をQA形式でまとめていて解決方法を検索できる点や、電話やチャットで相談ができる場合があります。会計ソフトのサポート機能を使えると、確定申告でわからないことがあっても解決しやすくなるので便利です。

個人事業主が会計ソフトを選ぶ際のポイント

会計ソフトにはさまざまな種類があるので、選ぶ際には、何を基準にして選べばよいのか迷う方もいるはずです。

個人事業主が会計ソフトを選ぶときには、以下に記載した視点で会計ソフトを比較してください。

外部データとの連携の可否やサポート体制など、ご自身の中で特にこだわりたい点や使いたい機能・特徴があれば、その点を中心に考えながら会計ソフトを選ぶことになります。

個人事業主が会計ソフトを選ぶ際のポイント

  • 有料か無料か
  • クラウド型かインストール型か
  • スマートフォン・アプリに対応しているか
  • 利用している金融機関と連携できるか
  • サポート体制が充実しているか
  • 自分にとって使いやすいか

有料か無料か

無料の会計ソフトは費用がかからない反面、前述のとおり、一般的に利用できる機能が限られます。一方で、有料の会計ソフトであれば、多くの場合、各機能(データ取り込み・保存期間・自動仕訳・サポート制度など)を無制限で利用できます。

有料の会計ソフトは大きく分けると以下の2種類です。

有料の会計ソフトの種類

  • 月額制・年額制
  • パッケージ型(買い切り)

月額制の会計ソフトでは、月々に支払う利用料は数千円程度であることが一般的です。年額制がある会計ソフトの場合は、一年分の利用料を一括して支払う年額制のほうが、12ヶ月に分けて支払う月額制より安いことがあります。

パッケージ型の会計ソフトはライセンスを購入するタイプの会計ソフトです。購入費用がかかりますが月額利用料はかかりません。ただし、オプションによっては利用開始以降も費用がかかることがあります。

なお、有料の会計ソフトを利用するときの月額利用料や購入費用は経費にできます。

クラウド型かインストール型か

会計ソフトは、「クラウド型」と「インストール型」に分けられます。

クラウド型とは、クラウドサービスを介して利用する会計ソフトです(※)。インターネット環境があれば、場所や端末を選ばず作業できます。

一方、インストール型は、店頭やダウンロードなどによってソフトを購入し、パソコンにインストールしてから利用するタイプの会計ソフトです。それぞれ以下のようなメリット・デメリットがあるので、作業する環境やニーズにあわせて選びましょう。


区分メリットデメリット
クラウド型 ・インストールの必要がない
・バージョンアップ作業の必要がない
・インターネット環境などの条件を満たせば場所を選ばず利用できる
・データ管理の安全性が高い
・税制改正等があった場合に自動で対応してくれる
・インターネット環境がないと作業できない
・インターネット通信料がかかる
・接続状況に影響を受ける
インストール型 ・インターネット環境がなくても作業できる
・システム障害などの影響を受けにくい
・一度購入したあとは月額利用料がかからない(バージョンアップの際にコストが発生する場合あり)
・インストールした端末でしか作業できない
・スマホで操作できない
・バージョンアップ作業を手動で行う必要がある
・パソコンが故障したら再インストールが必要となる
・税制改正等があった場合に再度インストールする必要がある

(※)クラウドサービスとは、ネットワーク経由で保存しているデータやソフトウェアを利用できるサービスです。

スマートフォン・アプリに対応しているか

パソコンだけでなくスマートフォンやアプリからでも使える会計ソフトなら、以下のようなメリットがあります。

  • 外出先や移動中にも取引明細の取り込みや記帳ができる
  • スマートフォンでレシートを撮影して取り込める

外出先や移動中などの隙間時間を有効活用したい個人事業主には、スマートフォンやアプリに対応している会計ソフトを検討してください。

利用している金融機関と連携できるか

銀行やクレジットカード会社などの金融機関と連携できる会計ソフトなら、以下のようなメリットがあります。

  • 銀行口座の入出金データやクレジットカードの利用履歴を自動で取り込む
  • 取り込んだデータを自動で仕訳する

会計ソフトを選ぶ際は、業務で利用している金融機関と連携できるかどうかも重要な判断材料のひとつです。

金融機関のデータが自動で取り込まれれば、自分で仕訳を入力する必要がなくなるので、会計業務にかかる時間を大きく削減できます。また、手動で入力するときと比べてミスも減らせます。

連携できる金融機関は会計ソフトによって異なるので利用前に確認してください。

サポート体制が充実しているか

初めて確定申告する方や、複式簿記での帳簿付けに慣れていない方にとっては、サポート体制が充実しているかどうかも重要なポイントです。会計ソフトによって異なりますが、以下のようなサポートが受けられます。

サポートの例

  • チャットや電話でのサポート
  • 初期設定やデータ移行の代行
  • 帳票(請求書など)の郵送代行
  • 税理士費用の補償

一般的に、無料の会計ソフトでは利用できるサポート機能が制限される傾向にあります。手厚いサポートを受けたい個人事業主の方は、有料の会計ソフトを選んでください。

また、有料の会計ソフトであれば、その年の法改正に対応した仕様になっていることも多いので、法改正への対応漏れを防ぎやすくなります。

自分にとって使いやすいか

会計ソフトの使い勝手は、人によって感じ方が異なります。無料版、または一定期間無料のお試し版を利用し、自分に合うかどうかを確認してください。

また、「見積書や請求書を作成する機能があるか」「必要なレポートを出力できるか」など、自分の事業に必要な機能がそろっているかどうかも重視すべきポイントです。

個人事業主が会計ソフトを購入する際の注意点

個人事業主が会計ソフトを導入する際、主に注意すべき点は以下の2つです。

会計ソフトを購入する際の注意点

  • 使用するOSによって会計ソフトの利用可否が異なる
  • 会計ソフトの種類によって、経費計上する際の勘定科目が異なる

使用するOSによって会計ソフトの利用可否が異なる

会計ソフトを購入する際、自分が使っているデバイスのOSに対応しているか確認が必要です(※)

パソコン用のOSには主にWindowsやMacがあり、一方のみ対応している会計ソフトもあります。

非対応のOSで利用した場合、不具合が起きてもサポートを受けられない可能性があるので、必ず利用前に確認しましょう。

なお、会計ソフトのfreee会計であればWindowsでもMacでも問題なく利用できます。

(※)OSとは、オペレーティングシステムの略語で、パソコンの操作やアプリを使うための土台となる基本的なソフトウェアのことです。

会計ソフトの種類によって経費計上の勘定科目が異なる

事業のために購入した会計ソフトの費用は経費計上が可能です。ただし、会計ソフトの種類(クラウド型またはインストール型)によって勘定科目が変わります。

クラウド型の会計ソフトは、インターネット上のサービスに対して月額利用料を支払う仕組みであるため、「通信費」を用いるのが一般的です。一方、インストール型の会計ソフトは、一度購入すれば月額利用料がかからないため、一般的に「消耗品費」となります。

また、インストール型で使用可能期間が1年以上かつ金額が10万円以上なら、税務上の優遇措置や減価償却資産の対象になるため、原則として固定資産として計上する必要があるため注意が必要です。

まとめ

会計ソフトを導入すると、時間がかかる日々の記帳や帳簿作成をスピーディーに進められます。青色申告で確定申告をする方や帳簿・確定申告書の作成に伴う負担を軽減したい方、会計知識がない初心者の個人事業主の方は、会計ソフトの導入を検討してください。

会計ソフトにはさまざまな種類があり、費用や機能などが異なります。事業やニーズに応じて、自分に合ったものを選ぶことが大切です。会計ソフトが気になる方は、無料版やお試し版で使い勝手を確認してください。

確定申告を簡単に終わらせる方法

確定申告には青色申告と白色申告の2種類があります。どちらを選択するにしても、期限までに正確な内容の書類を作成し申告しなければいけません。

確定申告書を作成する方法は手書きのほかにも、国税庁の「確定申告等作成コーナー」を利用するなどさまざまですが、会計知識がないと記入内容に悩む場面も出てくるでしょう。

そこでおすすめしたいのが、確定申告ソフト「freee会計」の活用です。

freee会計は、〇✕形式の質問で確定申告に必要な書類作成をやさしくサポートします。必要な計算は自動で行ってくれるため、計算ミスや入力ミスを軽減できます。
ここからは、freee会計を利用するメリットについて紹介します。

1.銀行口座やクレジットカードは同期して自動入力が可能!

1年分の経費の入力は時間がかかる作業のひとつです。freee会計に銀行口座やクレジットカードを同期すると、利用した内容が自動で入力されます。

また、freee会計は日付や金額だけでなく、勘定科目も予測して入力します。


freee会計 管理画面イメージ4

溜め込んだ経費も自動入力でカンタン!

2.現金取引の入力もカンタン!

freee会計は、現金での支払いも「いつ」「どこで」「何に使ったか」を家計簿感覚で入力できるので、毎日手軽に帳簿づけが可能です。自動的に複式簿記の形に変換してくれるため、初心者の方でも安心できます。


freee会計 管理画面の例1

さらに有料プランでは、チャットで確定申告について質問ができるようになります。オプションサービスに申し込めば、電話での質問も可能です。

freee会計の価格・プランについて確認したい方はこちらをご覧ください。

3.〇✕形式の質問に答えると、各種控除や所得税の金額を自動で算出できる!

各種保険やふるさと納税、住宅ローンなどを利用している場合は控除の対象となり、確定申告することで節税につながる場合があります。控除の種類によって控除額や計算方法、条件は異なるため、事前に調べなければなりません。

freee会計なら、質問に答えることで控除額を自動で算出できるので、自身で調べたり、計算したりする手間も省略できます。


freee会計 管理画面の例2

4.確定申告書を自動作成!

freee会計は取引内容や質問の回答をもとに確定申告書を自動で作成できます。自動作成​​した確定申告書に抜け漏れがないことを確認したら、税務署へ郵送もしくは電子申告などで提出して、納税をすれば確定申告は完了です。

また、freee会計はe-tax(電子申告)にも対応しています。e-taxからの申告は24時間可能で、税務署へ行く必要もありません。青色申告であれば控除額が10万円分上乗せされるので、節税効果がさらに高くなります。

e-tax(電子申告)を検討されている方はこちらをご覧ください。

freee会計 管理画面の例3

完成した確定申告書を提出・納税して確定申告が完了!

freee会計を使うとどれくらいお得?

freee会計には、会計初心者の方からも「本当に簡単に終わった!」というたくさんの声をいただいています。

税理士などの専門家に代行依頼をすると、確定申告書類の作成に5万円〜10万円程度かかってしまいます。freee会計なら月額980円(※年払いで契約した場合)から利用でき、自分でも簡単に確定申告書の作成・提出までを完了できます。

余裕をもって確定申告を迎えるためにも、ぜひfreee会計の利用をご検討ください。

よくある質問

個人事業主に会計ソフトは必要?

会計ソフトの必要性が高いのは、青色申告で確定申告をする方や確定申告に時間をかけたくない方です。

会計ソフトの必要性が高い個人事業主の特徴について詳しく知りたい方は「個人事業主に会計ソフトが必要になるケースとは?」をご覧ください。

個人事業主におすすめの会計ソフトは?

以下のポイントに着目し、事業やニーズに適した会計ソフトを選びましょう。

個人事業主が会計ソフトを選ぶ際のポイント

  • 有料か無料か
  • クラウド型かインストール型か
  • スマートフォン・アプリに対応しているか
  • 利用している金融機関と連携できるか
  • サポート体制が充実しているか
  • 自分にとって使いやすいか

個人事業主が会計ソフトを選ぶ際のポイントについて詳しく知りたい方は「個人事業主が会計ソフトを選ぶ際のポイント」をご覧ください。

監修 安田 亮(やすだ りょう)

1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。

監修者 安田亮

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