監修 安田亮 安田亮公認会計士・税理士事務所
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確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間に発生した所得や経費をもとに、所得税を自分で計算して税務署へ申告する手続きのことです。
個人事業主やフリーランスのほか、会社員の人は副業収入の申告、医療費控除や住宅ローン控除などのために確定申告が必要になる場合があります。
確定申告を初めて自分で行う場合は事前に基本的なやり方の流れを押さえ、必要書類の準備や申告の手続きをスムーズに進めましょう。
本記事では、確定申告を自分で行うやり方、各種控除別の流れなどを解説します。
目次
- 確定申告とは所得税を計算し申告する手続き
- 所得とは
- 必要経費とは
- 確定申告の対象者
- 確定申告が必要な人
- 確定申告の義務はないが、すると還付を受けられる人
- 確定申告のやり方を流れに沿って解説
- ①青色申告or白色申告を選択する
- ②必要書類を準備する
- ③確定申告書を記入する
- ④確定申告書を提出する
- ⑤税金の納付または還付金を受け取る
- 各種控除を受けるときの確定申告のやり方
- 医療費控除を受けるときの確定申告のやり方
- ふるさと納税をしたときの確定申告のやり方
- 住宅ローン控除を受けるときの確定申告のやり方
- 会社員の確定申告のやり方
- 個人事業主・自営業の確定申告のやり方
- アルバイト・パートの確定申告のやり方
- ケース別確定申告のやり方
- 定額減税における所得税の確定申告のやり方
- スマートフォンでの確定申告のやり方
- マイナンバーカードなしでの確定申告のやり方
- 無職になったときの確定申告のやり方
- 確定申告書の提出期間はいつからいつまで?
- 確定申告書を提出後の修正方法
- 確定申告をしなかった場合のペナルティ
- 確定申告を税理士に委託するやり方
- 確定申告を税理士に依頼した場合の費用
- 確定申告を簡単に終わらせる方法
- まとめ
- よくある質問
確定申告とは所得税を計算し申告する手続き
確定申告とは、1年間(1月1日から12月31日まで)に生じた所得金額に対する所得税および復興特別所得税を自分で計算し、税務署に申告する手続きのことです。確定申告は税金を納めるだけでなく、払いすぎた税金を還付してもらうためにも必要な手続きです。
申告期間は原則、所得が発生した年の翌年2月16日から3月15日の間です。期間内に確定申告書を所轄の税務署に提出します。開始日・最終日が土日祝にあたる場合は、翌営業日が開始日・最終日になります。
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出典:国税庁「No.2020 確定申告」
所得とは
「所得」とは所得税法上、収入から必要経費を差し引いた金額のことです。
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所得税法で定められている所得の種類は、以下の10種類です。
所得の区分 | 内容 | 課税方法 |
①給与所得 | 勤務先から受ける給料、賞与(ボーナス)などの所得 | 総合課税 |
②事業所得 | 農業・漁業・製造業・卸売業・小売業・サービス業その他の事業から生ずる所得 | 総合課税 |
③利子所得 | 公社債や預貯金の利子、合同運用信託や公社債投資信託の収益の分配などで収入がある場合に発生する所得 | 分離課税 |
④配当所得 | 株主として得た配当や、投資信託などから得た所得 | 分離課税 |
⑤不動産所得 | 不動産・船舶・航空機などの貸付から収入がある場合に発生する所得 | 総合課税 |
⑥退職所得 | 勤務先から受ける退職手当や厚生年金基金等の加入員の退職に基因して支払われる厚生年金保険法に基づく一時金などの所得 | 分離課税 |
⑦山林所得 | 山林を伐採して譲渡し、立木のままで譲渡することによって生ずる所得 | 分離課税 |
⑧譲渡所得 | 資産の譲渡から得た収入がある場合に発生する所得 | 分離課税 |
⑨一時所得 | 臨時的に得た収入や、たまたま得た収入がある場合に発生する所得 | 総合課税 |
⑩雑所得 | 他の所得のいずれにも当てはまらない収入がある場合に発生する所得 | 総合課税 |
出典:国税庁「No.2011 課税される所得と非課税所得」
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必要経費とは
「必要経費」とは、収入を得るために発生した支出のことです。事業所得・不動産所得・雑所得の金額を計算するうえで必要経費にできるのは、以下の金額です。その年の12月31日までに債務が確定した金額を必要経費に算入します。
(1)総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
(2)その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額
引用:国税庁「No.2210 必要経費の知識」
必要経費として計上できる費用・勘定科目には、例として以下があります。
勘定科目 | 具体例 |
---|---|
租税公課 | 個人事業税、事業利用資産の固定資産税、印紙税、事業用自動車の自動車税 |
荷造運賃 | 運送料、箱やガムテープといった梱包資材代 |
水道光熱費 | 事務所の水道代、ガス代、電気代 |
旅費交通費 | 事業に関係する交通費、宿泊費、コインパーキング代 |
通信費 | 事業で使用する切手やはがき代、電話料金、ネット回線の使用料 |
広告宣伝費 | Webなどへの商品の広告掲載料、ポスターやチラシなどの印刷費 |
接待交際費 | 取引先への接待における飲食代や贈答品代 |
損害保険料 | 事務所の火災保険料や、事業用の自動車の保険料 |
修繕費 | 事業に関係する店舗や機械、器具などの修理代 |
消耗品費 | 事業で使用する文房具やデスク、10万円未満のパソコン |
減価償却費 | 自動車や建物などの固定資産(法定耐用年数に応じて一部を経費計上する) |
福利厚生費 | 従業員の健康診断や慰安旅行などにかかる費用 |
給料賃金 | 従業員に対する給料や手当、賞与 |
外注工賃 | 外部に業務を発注した際にかかる費用 |
支払利息 | 事業に関する借入金の利子や手形の割引料 |
地代家賃 | 事業用の建物の家賃や礼金、駐車場代 |
貸倒損失 | 回収できなくなった売掛金や貸付金 |
雑費 | 上記のいずれにも該当しない、事業に関係する費用 |
確定申告の対象者
確定申告が必須かどうかは、所得や控除の状況によって異なります。ここでは、確定申告が必要な人と確定申告の義務はないが、すると還付を受けられる人について解説します。
確定申告が必要かどうかは、以下のチャートで判断することも可能です。
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確定申告が必要な人
確定申告の対象となる代表的なケースは、以下です。
確定申告の対象者
①個人事業主やフリーランスで年間の事業所得が48万円以上ある
②副業など本業以外の所得が年間20万円を超えている
③年間の給与所得が2,000万円を超えている
④一定額の公的年金を受け取っている
⑤株取引で一定の利益を得た
⑥不動産などそのほかの所得があった
確定申告の対象者について詳しく知りたい方は、別記事「いくらから確定申告が義務とされる?事業所得者や給与所得者などに関して詳しく解説!」をあわせてご確認ください。
確定申告の義務はないが、すると還付を受けられる人
通常、会社員や要件を満たす年金受給者は年末調整で所得税の精算がされるため、基本的には確定申告は不要です。
ただし、一部の控除や投資の損益通算は年末調整の対象外となるため、自分で確定申告しなくてはいけません。
確定申告で還付を受けられる例には、以下が挙げられます。
確定申告で還付を受けられる例
①1年間の医療費が10万円を超えた
②住宅ローン控除を申請した
③ふるさと納税をした
④事業で赤字が出た
⑤災害や泥棒、事故で資産に損害があった(雑損控除)
⑥年の途中で退職し、年内に再就職していない
⑦「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない
上記に該当する場合には、所得税を余分に支払っている可能性があるため、還付申告をしたほうがよいでしょう。
なお、該当者の多い①〜③については、「各種控除を受けるときの確定申告のやり方」にて後述しています。
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確定申告のやり方を流れに沿って解説
確定申告を自分で行う場合、以下の流れで進めます。
①青色申告or白色申告を選択する
確定申告の方法には、青色申告と白色申告があります。青色申告と白色申告の大きな違いは、節税効果の高さです。青色申告は、最大65万円の青色申告特別控除が受けられるのに対し、白色申告にはこのような控除がありません。
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確定申告は青色申告と白色申告の2種類!それぞれのメリット・デメリットをわかりやすく解説
出典:国税庁「No.2070 青色申告制度」
出典:国税庁「個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について」
出典:国税庁「はじめてみませんか?青色申告」
青色申告とは
青色申告とは、所定の帳簿を作成し、その記帳に基づいて申告・納税を行う確定申告の方法です。
青色申告のメリットは、税制上の優遇措置を受けられることです。
青色申告の税制上の優遇措置例
- 最大65万円の青色申告特別控除が受けられる
- 青色事業専従者給与額を必要経費に算入できる
- 貸倒引当金を必要経費に算入できる
- 純損失の繰越し・繰戻しができる
- 少額減価償却資産の特例を適用できる
一方で、青色申告で65万円または55万円の控除を受けるためには、複式簿記で記帳しなければなりません。複式簿記とは、原因と結果の2つの側面から取引を記録する方法で、簡易簿記と比べて会計知識が求められます。
また、青色申告を行うためには、納税地の所轄税務署長に「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。提出期限は、青色申告を行う年の3月15日まで(その年の1月16日以後に新規開業した場合は開業日から2ヶ月以内)です。
一般的に、以下に該当する人は青色申告が向いています。
青色申告が向いている人
- 節税効果を高めたい人
- これから事業を始めようと考えている人
出典:国税庁「No.2070 青色申告制度」
出典:国税庁「No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」
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青色申告とは?白色申告との違いや豊富なメリット、必要な準備・書類を解説
白色申告とは
白色申告は、青色申告承認申請書を提出していない人が行う確定申告の方法です。白色申告では、簡易簿記での記帳が認められています。
簡易簿記とは、単純に売上・仕入・経費などの発生額を記帳する方法です。家計簿と同じような形式で記帳できるため、複式簿記と比べて手間がかかりません。また、確定申告時の提出書類が青色申告と比べて少なく、事前の手続きも不要です。
一方、白色申告では、青色申告特別控除などの税制上の優遇措置を受けられません。
一般的に、白色申告が向いているのは以下に該当する人です。
白色申告が向いている人
- 所得金額が少ない人
- 経理作業が苦手な人
②必要書類を準備する
確定申告に必要な書類は以下の5つです。
確定申告に必要な書類
必要書類は、すべてを提出するわけではありません。しかし、提出は不要でも確定申告書の作成時に必要だったり、申告後に一定期間保管が求められたりする書類もあります。まずは、確定申告に必要なすべての書類をそろえましょう。
確定申告の必要書類の書き方などは別記事「【2025年向け】確定申告の必要書類・添付書類は?準備するものをケース別にわかりやすく解説」をあわせてご確認ください。
出典:国税庁「〔令和6年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き〕申告書に添付・提示する書類」
確定申告書
2022年分(2023年提出分)の確定申告から確定申告書Aは廃止になり、確定申告書Bの様式に一本化され、「令和 年分の所得税及び復興特別所得税の申告書」に変更されています。
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確定申告書の入手方法
確定申告書の入手方法は、以下の5つです。
確定申告書の入手方法
- 国税庁のウェブサイトからダウンロードする
- 確定申告書等作成コーナーから出力する
- 税務署や市区町村役場の税務課、確定申告相談会場で受け取る
- 税務署から郵送で取り寄せる
- 確定申告に対応した会計ソフトを利用する
国税庁のホームページからは、青色申告決算書などその他作成が必要な書類も入手できます。確定申告書等作成コーナーを利用する場合は、申告書の入力作業も簡単に対応でき、必要に応じて印刷できます。また、e-Taxでの申告も可能です。
郵送や会場などで受け取る場合、対応に時間がかかったり各会場が混雑したりする場合があるため、早めの準備が必要です。
確定申告に対応している各種会計ソフトを使用している場合は、必要情報を指示どおりに入力することで申告書の作成ができます。
出典:国税庁「【申告書用紙】」
所得金額がわかるもの
確定申告書の作成時には、その年の所得金額がわかる書類が必要です。
事業所得・不動産所得・山林所得のいずれかがある場合は、収支内訳書または青色申告決算書を作成し、提出します。白色申告の場合は収支内訳書、青色申告の場合は青色申告決算書を利用します。
会社員などの給与所得者が各種控除を受けるために確定申告をする場合、上記の書類の作成は不要であり、年末調整を受けた後の源泉徴収票の提出も不要です。
◾️収支内訳書
収支内訳書とは、収入と支出の内訳を記載した書類です。
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収支内訳書の記入内容
1ページ:売上・収入金額・売上原価・各種経費の内訳など
2ページ:売上金額や仕入金額の明細・減価償却の計算・地代家賃の内訳
確定申告の納税額は「総売上-経費=所得」で計算します。この売上や経費の金額を一目で把握できるようにしたものが収支内訳書です。
収支内訳書は所得の種類に応じて「一般用」「不動産所得用」「農業所得用」の3種類があり、一定額以上の雑所得や事業所得を得ている個人事業主やフリーランス、会社員は原則「一般用」を使用します。
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白色申告で提出する収支内訳書とは?書き方や提出が必要・不要なケースについて解説!
◾️青色申告決算書
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青色申告決算書は、所得の種類に応じて「一般用」「不動産所得用」「農業所得用」「現金主義用」の4種類があります。
個人事業主やフリーランスなどが青色申告をする場合、通常「一般用」の青色申告決算書を使用します。
青色申告決算書の記入内容
1〜3ページ:損益計算書
4ページ:貸借対照表・製造原価の計算
損益計算書は、1年間の売上や経費などの支出を算出し、利益がどれだけ出たかを示す書類です。「売上(収入)金額」「売上原価」「経費」「各種引当金・準備金等」「青色申告特別控除額」を記入し、最終的な所得金額を算出します。
貸借対照表とは、決算時の資産や負債などの財政状態を示す書類です。貸借対照表は「資産の部」と「負債・資本の部」に分かれており、現金や売掛金・買掛金などを記入します。
【関連記事】
青色申告決算書とは?書き方や入手・提出方法について徹底解説
出典:国税庁「〔令和6年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き〕申告書に添付・提示する書類」
控除証明書
各種控除を受けるには、控除に該当することを証明する書類が必要です。控除証明書とは、各種保険料や控除対象となる支出を証明する書類を指します。控除の内容によって、必要な書類が異なるので注意しましょう。
例として、以下の控除の場合に必要となる控除証明書をまとめました。
控除 | 必要書類 |
---|---|
医療費控除 (ふるさと納税) | ・必要事項記載済みの医療費控除の明細書 ・医療費通知 など |
寄附金控除 | ・寄附した団体などから交付された寄附金の受領証 ・法人や信託が適格であることなどの証明書または認定証の写し |
住宅ローン控除 | ・住宅借入金等特別控除額の計算明細書 ・住民票の写し ・売買契約書の写し ・登記事項証明書の原本 ・金融機関の住宅ローンの残高証明書など |
上記の控除に関する詳細は、「各種控除を受けるときの確定申告のやり方」にて後述しています。また、確定申告における各種控除についての詳細は別記事「税金の控除制度とは?所得控除・税額控除の種類や違いを解説」をあわせてご確認ください。
本人確認書類(マイナンバーカード)
確定申告書の作成時または提出時にはマイナンバーが記載されている本人確認書類が必要です。
マイナンバーカードを所持している人はそれだけで問題ありませんが、持っていない人はマイナンバーが確認できる書類と、そのマイナンバーの持ち主であることを確認できる書類の2つを用意する必要があります。
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確定申告書を直接税務署に提出する場合は、提出時にマイナンバーカードを提示します。e-Taxでの申告の場合は、利用時にマイナンバーカードを読み込むことで本人確認を行います。
ただし、郵送などで申告書を提出する場合は、本人確認書類を添付書類台紙などに貼り付け、申告書と一緒に提出が必要です。写しを添付する場合には、表面と裏面の両方の写しが必要になるので注意しましょう。
銀行口座がわかるもの
確定申告(還付申告)によって、払い過ぎた所得税が還付される場合には、指定した口座振込に振り込まれます。還付金の振り込み方法は、以下の3つです。
還付金の振り込み方法
- 預貯金口座への振り込みによる方法
- 公金受取口座への振り込みによる方法
- 最寄りのゆうちょ銀行各店舗または郵便局に出向いて受け取る方法
預貯金口座への振り込みの口座は銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫・農業協同組合および漁業協同組合のいずれかのものを利用します。
なお、一部のネット銀行では還付金の振込ができないので、振込の可否は利用しているネット銀行に確認しましょう。
公金受取口座登録が可能な金融機関はデジタル庁「公金受取口座登録が可能な金融機関(信用金庫)」で確認できます。
出典:国税庁「【税金の還付】」
③確定申告書を記入する
2023年提出分(2022年分)からの確定申告では確定申告書Aが廃止され、確定申告書Bに統合されました。確定申告の際は国税庁が発行する「令和6年分の所得税及び復興特別所得の申告書」を使用してください。
なお、確定申告書には第一表・第二表があり、それぞれ以下の項目を記載します。
第一表 | 第二表 |
---|---|
・収入金額等 ・所得金額等 ・所得から差し引かれる金額 ・税金の計算 ・その他・延納の届出 | ・住所・屋号・氏名 ・所得の内訳 ・総合課税の譲渡所得、一時所得に関する事項 ・特例適用条文等 ・保険料控除等に関する事項 ・本人に関する事項 ・雑損控除に関する事項 ・寄附金控除に関する事項 ・配偶者や親族に関する事項 ・事業専従者に関する事項 ・住民税・事業税に関する事項 |
株式等の譲渡所得・配当所得・不動産の譲渡所得・山林所得など「分離課税」対象となる所得がある場合は、確定申告書の第三表も作成しなければなりません。また、事業による損失が出た際の、損失分を繰り越すための申告である「損失申告」がある場合は、第四表の記載・提出が必要になります。
最新の確定申告書の記載・作成方法などは別記事「【2025年最新】令和6年分確定申告書の見方と書き方を項目別にわかりやすく解説」をあわせてご確認ください。
④確定申告書を提出する
確定申告書の提出方法は、以下の3つです。それぞれ提出期限も異なるため、確認しておく必要があります。
確定申告書の提出方法 | 提出期限 |
---|---|
税務署の窓口に持っていく | 3月15日17:00まで(時間外収受箱は原則として3月15日の24時までに入れる) |
税務署に郵送で提出する | 3月15日消印 |
e-Tax(電子申告)を用いてオンライン上で提出する | 3月15日24:00まで |
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⑤税金の納付または還付金を受け取る
確定申告完了後は、申告した年の3月15日までに所得税の納付を行います。所得税の納付方法としては以下が挙げられます。
納付方法 | 概要 |
---|---|
振替納税 | 納税者名義の預貯金口座から国税庁が定める振替日に口座引き落しで納付 |
ダイレクト納付 (e-Taxによる口座振替) | 納税者名義の預貯金口座から、即時または指定した期日に口座引き落しを行い納付(事前にe-Taxの開始手続き、ダイレクト納付利用届出書の提出が必要) |
インターネットバンキングなど | インターネットバンキングやATMから納付 |
クレジットカード納付 | 国税クレジットカードお支払いサイトから納付 |
スマホアプリ納付 | インターネットを利用して「国税スマートフォン決済専用サイト」から、スマホアプリ決済を利用して納付 |
コンビニ納付 (QRコード) | 国税庁ウェブサイトで提供する作成システムから、納付に必要な情報をQRコードとして作成(印刷)し、コンビニエンスストアで納付 |
現金で納付する方法 | 現金に納付書を添えて、納期限までに金融機関(日本銀行歳入代理店)または管轄の税務署で納付 |
還付金の受け取りは「預貯金口座」「公金受取口座」への振り込みによる方法、最寄りのゆうちょ銀行各店舗または郵便局に出向いて受け取る方法で受け取りが可能です。
なお、税務署窓口や郵送の方法で確定申告した場合、還付金の受け取りまでに1ヶ月~1ヶ月半程度の期間がかかります。e-Taxから確定申告した場合は、3週間程度で還付金が受け取れます。
出典:国税庁「【税金の納付】」
出典:国税庁「【税金の還付】」
各種控除を受けるときの確定申告のやり方
医療費控除やふるさと納税の寄付金控除、住宅ローン控除などの各種控除を受けるには、書類の添付や必要項目(または必要書類)の記入などが必要です。
書類や申告内容に不備があると、正しく申告し直すための手間や時間がかかります。また、控除が受けられない事態を防ぐためにも、各種控除を受ける際の確定申告の方法を理解しておきましょう。
医療費控除を受けるときの確定申告のやり方
医療費控除とは、1月1日から12月31日までに一定額以上の医療費を支払った場合にその医療費の一部を所得控除できる制度です。
原則、年間でかかった医療費が10万円を超えた場合に控除の対象となります。
医療費控除は年末調整の対象外となるため、会社員を含めた給与所得者の場合でも別途確定申告を行わなければなりません。
申告時には、医療費の支払総額を確認し確定申告書の所得控除欄に控除対象となる金額を記入するほか、医療費控除の明細書の作成や医療費通知などの提出が必要です。

【関連記事】
確定申告で医療費控除を受けるには?やり方・計算方法をわかりやすく解説
出典:国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」
ふるさと納税をしたときの確定申告のやり方
ふるさと納税には、確定申告なしで寄付金控除が受けられる「ワンストップ特例制度」があります。ただし、いくつかのケースではワンストップ特例制度は適用できず、寄付金控除を受けるためには確定申告による手続きが必要になります。
ワンストップ特例制度が利用できないケースとしては、以下が挙げられます。
ワンストップ特例制度が利用できないケース
- 寄付先が6自治体以上の場合
- ワンストップ特例申請書の申請期限(1月10日)に遅れた場合
- 確定申告が必要な場合
申告時には、確定申告書の所得控除欄に寄付金控除の対象となる金額を記入するほか、寄附金控除に関する証明書の添付が必要です。確定申告の方法や必要書類について詳しくは、以下の記事で紹介しています。
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確定申告でふるさと納税の控除を受けるには?やり方や必要書類についても解説
出典:国税庁「No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)」
出典:総務省 ふるさと納税ポータルサイト「制度改正について(2015年4月1日)」
住宅ローン控除を受けるときの確定申告のやり方
住宅ローン控除は、ローンを利用して住宅を購入・新築・増築した場合、10〜13年間にわたりその年の納税額から控除できる制度です。
会社員の場合は、2年目以降は年末調整でも控除の申告が可能ですが、1年目は会社員も確定申告が必要です。個人事業主やフリーランスは毎年、確定申告で住宅ローン控除を申告します。
確定申告の際には、以下の書類の添付が必要です。
住宅ローン控除の確定申告で添付する書類
- (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 住宅ローンの年末残高等証明書
- 建物・土地の登記事項証明書
- 土地・建物の売買契約書や建物の工事請負契約書の写し
なお、会社員が2年目以降に年末調整で住宅ローン控除の申告をする場合は「住宅借入金等特別控除申告書」を記入して提出します。住宅ローン控除を受けるための確定申告方法は、以下の記事で詳しく紹介しています。
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住宅ローン控除を受けるための確定申告手順や必要書類を解説
出典:国税庁「No.1212 一般住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)」
会社員の確定申告のやり方
会社員は、確定申告の必要のないケースがほとんどです。しかし、年間の給与所得が2,000万円を超えている人や、副業など本業以外の所得が年間20万円を超えている人などは、確定申告が必要となる可能性があります。
会社員が自分で確定申告する場合の一般的なやり方や必要書類、提出方法は「確定申告のやり方全5ステップの流れ」にて解説しています。そのほか、ふるさと納税の寄付を6自治体以上行った場合や高額な医療費を支払った場合など、事例別での確定申告のやり方は、以下の記事で詳しく紹介しています。
【関連記事】
会社員で確定申告が必要な人とは?ふるさと納税や副業など事例別にやり方を解説
個人事業主・自営業の確定申告のやり方
個人事業主や自営業者の確定申告は基本的には行う必要があり、年間の所得金額が48万円を超えている人や、副業など本業以外の所得が年間20万円を超えている人が対象です。
個人事業主や自営業者が自分で確定申告する場合の一般的なやり方や必要書類、提出方法は「確定申告のやり方全5ステップの流れ」にて解説しています。そのほか、個人事業主・自営業が確定申告するときの注意点などは、以下の記事で詳しく紹介しています。
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アルバイト・パートの確定申告のやり方
アルバイト・パートの年収が103万円以下の人やアルバイト・パート先で年末調整を行った人は、原則として確定申告が不要です。
ただし、2つ以上かけもちでアルバイト・パートをしている人や、合計の年収が103万円以上の人、年末調整を受けていない人などは、確定申告を行わなければなりません。
アルバイト・パート先から受け取った源泉徴収票などをもとに確定申告書を作成しましょう。アルバイト・パートが自分で確定申告する場合の一般的なやり方や必要書類、提出方法は「確定申告のやり方全5ステップの流れ」にて解説しています。
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出典:国税庁「確定申告が必要な方」
ケース別確定申告のやり方
スマートフォンで確定申告を行う方法やマイナンバーカードを持っていない場合などのやり方を解説します。また、2024年分の確定申告では、定額減税額の控除が必要となる場合もあります。
定額減税における所得税の確定申告のやり方
定額減税とは、2024年6月に設けられた1人あたり所得税3万円・住民税1万円の計4万円が減税される制度のことです。
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確定申告が必要な人や還付申告を受ける人の中で、令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下である人(給与収入のみの場合、給与収入が2,000万円以下である人)は、確定申告の際に所得税額から定額減税額を控除します。定額減税額は、以下の通りです。
所得税の定額減税額 | |
---|---|
納税者本人 | 3万円 |
同一生計配偶者または扶養親族 | 1人につき3万円 |
確定申告書第一表の「令和6年分特別税額控除」に控除の対象となる人数・定額控除額を記入しましょう。また、第二表の「配偶者や親族に関する事項」欄には控除対象者の氏名、マイナンバー、続柄、生年月日、「その他」の□に「2」を記入します。
出典:国税庁「定額減税と確定申告」
出典:国税庁「手順4 税金の計算をする」
スマートフォンでの確定申告のやり方
スマートフォンで確定申告を行う流れは、以下のとおりです。
スマートフォンで確定申告を行う手順
- 国税庁「確定申告書等作成コーナー」で確定申告書を作成する
- 確定申告書をe-Taxで提出する
スマートフォンで確定申告を行うためには、「マイナンバーカード」と「マイナンバーカード読取対応のスマートフォン」が必要です。また、マイナンバーカードがない場合には税務署に申請のうえ、「ID・パスワード方式」を利用して申告する方法もあります。
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出典:国税庁「スマホとマイナンバーカードでe-Tax!」
マイナンバーカードなしでの確定申告のやり方
マイナンバーカードなしで確定申告を行う方法は、以下の2つです。
マイナンバーカードなしで確定申告を行う方法
- 税務署・確定申告会場で申告する
- e-Tax(ID・パスワード方式)で申告する
e-Tax(ID・パスワード方式)を利用するためには、事前に税務署に出向き、職員の対面による本人確認が必要です。運転免許証などの本人確認書類をお近くの税務署に持参して手続きを行いましょう。
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出典:国税庁「令和6年分確定申告期の確定申告会場のお知らせ」
出典:e-Tax 国税電子申告・納税システム「ID・パスワード方式について」
無職になったときの確定申告のやり方
無職でも、年間の所得が48万円を超える人は確定申告が必要です。たとえば、年の途中で退職した人は、退職した企業から受け取った源泉徴収票などをもとに確定申告書を作成しなければなりません。
また、無職で確定申告の義務がない人でも、医療費控除や寄付金控除などの適用を受ける場合は確定申告が必要です。
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無職でも確定申告は必要?不要なケースも詳しく解説
出典:国税庁「確定申告が必要な方」
出典:国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」
出典:国税庁「No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)」
確定申告書の提出期間はいつからいつまで?
2025年の確定申告書の提出期間は、2025年2月17日(月)から3月17日(月)までです。
確定申告書の提出方法 | 提出期限 |
---|---|
税務署の窓口に持っていく | 3月17日17:00まで(時間外収受箱は原則として3月17日の24時までに入れる) |
税務署に郵送で提出する | 3月17日消印 |
e-Tax(電子申告)を用いてオンライン上で提出する | 3月17日24:00まで |
確定申告の提出期間についての詳細は別記事「【2025年最新】令和6年分の確定申告の期間はいつまで?申告・納付期限や注意点をまとめて解説」をあわせてご確認ください。
出典:国税庁「【確定申告・還付申告】」
確定申告書を提出後の修正方法
確定申告書の提出後に内容を修正する場合は、申告期間内・申告期間外それぞれで対応方法が変わります。
確定申告書の提出後に内容を修正する場合のやり方などは別記事「確定申告のやり方を間違えたら?訂正申告・修正申告・更正の請求の違い・期限を解説」をあわせてご確認ください。
確定申告をしなかった場合のペナルティ
確定申告の対象であるにもかかわらず確定申告をしなかった場合は、延滞税や無申告加算税などのペナルティが課せられます。
また、国民健康保険料の免除や公営住宅への入居、クレジットカードのキャッシングなど、各種サービスを受けられなくなる可能性もあるため、確定申告は漏れなく実施する必要があります。
確定申告をしなかった場合のペナルティについての詳細は別記事「確定申告しないとどうなるの?デメリットと対処法を解説」をあわせてご確認ください。
延滞税
延滞税とは、法定納期限の翌日から納付するまでの日数に応じた税金が加算される制度のことです。納付までの期間によって、延滞税の税率は以下のように変動します。
納期限の翌日から2ヶ月以内:7.3%(2021年1月1日以降であれば特例基準割合+1%のいずれか低い方)
納期限の翌日から2ヶ月超:14.6%(2021年1月1日以降であれば特例基準割合+7.3%のいずれか低い方)
出典:国税庁「No.9205 延滞税について」
無申告加算税
無申告加算税とは、納めなくてはならない税金の申告が漏れていたり、そもそも確定申告をしていなかったりする場合に発生するペナルティです。無申告加算税の税率は、納付する税額によって以下のように変動します。
50万円まで:15%
50万円超300万円まで:20%
300万円超:30%
出典:国税庁「No.2024 確定申告を忘れたとき」
なお、税務署からの調査を受ける前に自主的に期限後申告をした場合の税率は5%です。
確定申告の漏れにより受けられなくなる可能性があるサービス
確定申告は所得証明となるため、申告を怠ると下記のようなサービスを受けられなくなる可能性があります。
ペナルティにより受けられなくなる可能性があるサービス
- 国民健康保険料(国民健康保険税)や国民年金の減免もしくは免除手続き
- 公営住宅への入居
- 不動産物件の賃貸契約
- 住宅・自動車・教育などのローン契約
- クレジットカードのキャッシング
- 幼稚園・保育園・こども園の保育料の補助
- 乳幼児医療費助成・児童手当・児童扶養手当・奨学金
健康保険や医療費助成などの公的手続きや不動産の賃貸契約、各種ローンなど民間契約でも市区町村が発行する所得証明の提出が求められる場合があります。
確定申告を税理士に委託するやり方
確定申告は書類の準備や申告作業が多く、かつ青色申告などは専門的な知識が必要となるため、手続きを終えるまでに時間がかかるケースも多いでしょう。以下に挙げる条件さえ満たしていれば、確定申告は外部である税理士に委託することが可能です。
確定申告を第三者に委託する条件
- 「確定申告書の作成」は納税者本人か税理士資格者に限られる
- 「財務・会計書類の作成や記帳代行」は税理士資格者以外でも可能(ただし、税務判断は税理士が行わなければならない)
- 家族や親族が書類作成を手伝ったとしてもその責任は納税者本人が負う
- 納税者本人の意思に基づいて家族や親族が代筆することは可
確定申告を税理士に依頼した場合の費用
確定申告を税理士に依頼した場合の費用相場は、10〜15万円ほどです。月々の仕訳の作成や記帳代行を依頼するのであれば、さらに月々5,000〜10,000円程度の費用が発生する場合があります。
ただし、依頼内容や範囲、事業規模によって費用相場は変動するため、依頼を検討している税理士に問い合わせが必要です。なお、税理士に確定申告を依頼する際は、確定申告の依頼費用とは別に顧問料がかかります。
税理士に確定申告を委託した場合の費用についての詳細は別記事「税理士に確定申告を依頼したときの費用は?サラリーマン・個人事業主の場合も解説」をあわせてご確認ください。
確定申告をかんたんに終わらせる方法
確定申告の期間は1ヶ月です。それまでに正確な内容の書類を作成し、申告・納税しなければいけません。
ほかにも、青色申告の場合に受けられる特別控除で、最大65万円を適用するためにはe-Taxの利用が必須条件であり、はじめての人には難しい場面が増えることが予想されます。
そこでおすすめしたいのが、確定申告ソフト「freee会計」の活用です。
freee会計は、〇✕形式の質問で確定申告に必要な書類作成をやさしくサポートします。また、所得額や控除額の計算は自動で行ってくれるため、計算・入力ミスの削減できるでしょう。
ここからは、freee会計を利用するメリットについて紹介します。
1.銀行口座やクレジットカードは同期して自動入力が可能!
確定申告を行うためには、1年間のお金にまつわる取引を正しく記帳しなければなりません。自身で1つずつ手作業で記録していくには手間がかかります。
freee会計では、銀行口座やクレジットカードの同期が可能で、利用した内容が自動で入力されていきます。
日付や金額を自動入力するだけでなく、勘定科目も予測して入力してくれるため、日々の記帳がほぼ自動化でき、工数削減につながります。
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2.現金取引の入力もカンタン!
会計ソフトでも現金取引の場合は自身で入力し、登録しなければなりません。
freee会計は、現金での支払いも「いつ」「どこで」「何に使ったか」を家計簿感覚で入力できるので、毎日手軽に帳簿付けが可能です。
自動的に複式簿記の形に変換してくれるため、会計処理の経験がない人でも正確に記帳ができます。
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さらに有料プランでは、チャットで確定申告について質問ができるようになるので、わからないことがあったらすぐに相談できます。また、オプションサービスには電話相談もあるので、直接相談できるのもメリットの1つです。
freee会計の価格・プランについてはこちらをご覧ください。
3.〇✕形式の質問に答えるだけで各種控除や所得税の金額を自動で算出できる!
各種保険やふるさと納税、住宅ローンなどを利用している場合は控除の対象となり、確定申告することで節税につながる場合があります。控除の種類によって控除額や計算方法、条件は異なるため、事前に調べなければなりません。
freee会計なら、質問に答えることで控除額を自動で算出できるので、自身で調べたり、計算したりする手間も省略できます。
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4.確定申告書を自動作成!
freee会計は取引内容や質問の回答をもとに確定申告書を自動で作成できます。自動作成した確定申告書に抜け漏れがないことを確認したら、税務署へ郵送もしくは電子申告などで提出して、納税をすれば確定申告は完了です。
また、freee会計はe-Tax(電子申告)にも対応しています。e-Taxからの申告は24時間可能で、税務署へ行く必要もありません。青色申告であれば控除額が10万円分上乗せされるので、節税効果がさらに高くなります。
e-Tax(電子申告)を検討されている方はこちらをご覧ください。
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freee会計を使うとどれくらいお得?
freee会計には、会計初心者の方からも「本当に簡単に終わった!」というたくさんの声をいただいています。
税理士などの専門家に代行依頼をすると、確定申告書類の作成に5万円〜10万円程度かかってしまいます。freee会計なら月額980円(※年払いで契約した場合)から利用でき、自分でも簡単に確定申告書の作成・提出までを完了できます。
余裕をもって確定申告を迎えるためにも、ぜひfreee会計の利用をご検討ください。
まとめ
確定申告は、事業所得のある個人事業主やフリーランスだけでなく、給与所得のある会社員も対象となるケースがあります。確定申告により還付金を受け取れるケースもあれば、申告漏れによるペナルティもあるので、期限内に漏れなく確定申告を済ませるようにしましょう。
なお、確定申告を行ううえでは、必要書類や記載方法だけでなく自身が対象となる各種控除の確認も必要です。もし、自分で確定申告を行うことが難しい場合は、税理士への委託も可能です。
よくある質問
確定申告が必要な理由とは
日本では、納税者自身が自分で納める税額を計算し、納付する「申告納税方式」が採用されているためです。
多くの給与所得者は、勤務先が年末調整で所得税額を確定し、代わりに納税してくれるため、確定申告は不要です。
しかし、個人事業主やフリーランス、給与収入が2,000万円を超える人などは、確定申告を行う必要があります。
出典:国税庁「4.申告納税制度」
出典:国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」
出典:国税庁「No.2030 還付申告」
確定申告と年末調整の違いとは
年末調整と確定申告は、いずれも1年間の所得を確定したうえで、所得税額を申告・納税する手続きです。手続きの目的自体は同じであるものの、年末調整と確定申告では対象者・申告期間・控除の種類が異なります。
年末調整は、所得税の申告・納税までを勤務先が従業員に代わり実施します。給与から源泉徴収された所得税額や課税所得額を、年間の総収入が確定する年末段階で計算し、正しい所得税額を確定し精算するのが一般的な年末調整の流れです。
対して確定申告は、主にフリーランス・個人事業主が自分で行う手続きを指します。また、一部の要件に該当する会社員や会社役員が行うこともあります。
【関連記事】
確定申告は年末調整をしていてもするべき?申告が必要になるケースを解説
確定申告の対象になるのはどんな人?
個人事業主やフリーランスで年間の事業所得が48万円以上ある人、副業など本業以外の所得が年間20万円を超えている人、年間の給与所得が2,000万円を超えている人などが確定申告の対象となります。
確定申告の対象になる人を詳しく知りたい方は「確定申告の対象者」をご覧ください。
確定申告の提出方法は?
税務署の窓口への持ち込み、税務署への郵送、e-Tax上での電子申告などの方法で確定申告書を提出できます。
確定申告の提出方法を詳しく知りたい方は「④確定申告書を提出する」をご覧ください。
監修 安田 亮(やすだ りょう)
1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。
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