確定申告におけるマイナンバーカード方式とは、マイナンバーカードを使用した確定申告の方法です。
これによって従来よりも手間が少なく、スムーズな申告が可能になった一方で、初めて利用する際には事前の準備が必要です。
本記事では、マイナンバーカード方式を利用した確定申告に必要なものから、手続きの流れまでを解説します。
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目次
- 確定申告における「マイナンバーカード方式」とは
- マイナンバーカード方式による確定申告で用意するもの
- マイナンバーカード
- パソコン・ICカードリーダライタ
- スマートフォン
- マイナンバーカード方式で確定申告するための事前手続き
- Webから手続きする
- マイナポータルから手続きする
- マイナンバーカード方式による確定申告の流れ
- 1.確定申告に必要な書類の準備
- 2.確定申告書等作成コーナーへアクセス
- 3.税務署への提出方法の選択
- 4.作成する申告書などを選択
- 5.マイナポータルと連携
- 6.マイナンバーカードを読み取る
- 7.申告書を作成・e-Taxから提出
- まとめ
- 確定申告を簡単に終わらせる方法
- よくある質問
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確定申告における「マイナンバーカード方式」とは
そもそも、確定申告にはマイナンバーの記載が必須となります。マイナンバーカードを持っていない(発行していない)場合でも、自身のマイナンバーさえ分かれば確定申告は可能です。
確定申告はe-Taxという電子申告システムにより、パソコンやスマートフォンからインターネット上で行えます。
e-Taxで確定申告を進める方法としては、以下の2つの種類があります。
- ・ID・パスワード方式
- ・マイナンバーカード方式
ID・パスワード方式とは、事前にID(納税者識別番号)とパスワードを取得してから確定申告をe-Tax上で行う方法です。
一方、マイナンバーカード方式は、マイナンバーカードとパソコンまたはスマートフォンを使用してe-Tax上で確定申告をする方法となります。
ID・パスワード方式を利用するには事前に税務署に行き、WebからID・パスワード方式の届出を送信し、「ID・パスワード方式の届出完了通知」を受領する必要があります。
マイナンバーカード方式なら、ID(納税者識別番号)やパスワードを入力せずに、マイナンバーカードを読み取るだけで確定申告が可能です。
ただし、マイナンバーカード方式ではマイナンバーカード発行時に設定した利用者証明用電子証明書の暗証番号(数字4桁)の入力が必須です。この暗証番号を忘れた場合には、役所などの窓口でパスワードの初期化の手続きをして再設定しなければならないため注意しましょう。
出典:e-Tax国税電子申告・納税システム「マイナンバーカード方式について」
出典:e-Tax国税電子申告・納税システム「マイナンバーカード方式とは何ですか。」
マイナンバーカード方式による確定申告で用意するもの
マイナンバーカード方式によって確定申告を進める場合は、事前に以下のものを用意する必要があります。
- ・マイナンバーカード
- ・パソコン・ICカードリーダライタ
- ・スマートフォン
マイナンバーカード
マイナンバーカード方式によって確定申告する際には、何といってもマイナンバーカードが必須です。
マイナンバーカードを発行していない場合は、以下の方法で申請します。
マイナンバーカードを発行していない場合の申請方法
- オンライン申請(パソコン・スマートフォンから)
- 郵便による申請(手書きの申請書から)
- まちなかの証明写真機
- 市役所などへ来庁による申請
マイナンバーカードを発行する際には、e-Taxでの利用に必要な以下の証明書などを設定します。
- ・署名用電子証明書
- ・利用者証明用電子証明書
- ・券面事項入力補助用
なお、マイナンバーカードの申請から市区町村が交付通知書を発送するまで、おおむね1ヶ月かかるのが一般的です。市区町村によって状況が異なるので、事前に確認することをおすすめします。
出典:マイナンバーカード総合サイト「マイナンバーカードを申請する」
パソコン・ICカードリーダライタ
パソコンでマイナンバー方式で確定申告をする場合は、ICカードリーダライタをパソコンに接続する必要があります。これは、マイナンバーカードに内蔵されている電子証明書を読み取るためです。
ICカードリーダライタは、公的個人認証サービスに対応した特定のものが必要となります。
なお、Windows パソコンの場合は、ICカードリーダライタの代わりにAndroidスマートフォン(NFC機能付き)をBluetoothで接続すればマイナンバーカードを読み取れます。この方法は、Windows パソコンとAndroidスマートフォンの組合せのみ利用可能です。
出典:公的個人認証サービスポータルサイト「申請に利用する機器を選ぶ」
スマートフォン
スマートフォンを使ったマイナンバー方式による確定申告では、マイナンバーカード(ICカード)の読み取りに対応した機種を用意する必要があります。
マイナンバーカードの読み取りに対応した機種は、公的個人認証サービスポータルサイト「申請に利用する機器を選ぶ」の「マイナンバーカードに対応したスマートフォン一覧」から確認できます。
マイナンバーカード方式で確定申告するための事前手続き
マイナンバーカード方式で確定申告するためには、Webもしくはマイナポータルから事前の手続きが必要です。それぞれの手続きの流れを解説します。
Webから手続きする
Webでの事前手続きは、パソコンまたはスマートフォンから可能です。
パソコンの場合、まずはe-Taxの「受付システム ログイン」画面からマイナンバーカードを読み取ります。「マイナンバーカード方式の利用開始」画面に移るので、画面の案内に従って手続きを進めることが可能です。
スマートフォンの場合は、e-Taxの「e-Taxソフト(SP版) ログイン」画面からマイナンバーカードを読み取ると、「マイナンバーカード方式の利用開始」画面に移ります。
利用者識別番号が取得していない場合は「利用者情報の登録」画面に遷移するので、画面に従って入力を進めると、マイナンバーカード方式の登録が完了します。
出典:e-Tax国税電子申告・納税システム「マイナンバーカード方式について」
より詳細な手続き方法は、e-Tax国税電子申告・納税システムの「パソコンからマイナンバーカード方式の利用を開始する方法を教えてください。」をご確認ください。
マイナポータルから手続きする
マイナポータルの「もっとつながる」機能を利用してe-Taxと連携すれば、利用者識別番号と暗証番号を入力せずにe-Taxへログインでき、スムーズに確定申告ができます。
「もっとつながる」機能から初めてe-Taxを利用する場合は、利用者識別番号の入力が必要です。利用者識別番号を保有していない場合は「利用者情報の登録」画面に移ります。画面に従って入力していくと、マイナンバーカード方式のアカウントを登録できます。
出典:e-Tax国税電子申告・納税システム「マイナンバーカード方式について」
出典:e-Tax国税電子申告・納税システ「マイナポータルとの連携」
マイナポータルと連携することで、マイナポータルから証明書等データを取得して申告書を作成できます。
出典:国税庁「マイナポータルと連携した所得税確定申告手続」
マイナポータルについて、詳しくは別記事「マイナポータルとは?利用方法やメリットやデメリットをわかりやすく解説」をご覧ください。
マイナンバーカード方式による確定申告の流れ
マイナンバーカード方式による確定申告の流れは以下のとおりです。
マイナンバーカード方式による確定申告の流れ
- 確定申告に必要な書類の準備
- 確定申告書等作成コーナーへアクセス
- 税務署への提出方法の選択
- 作成する申告書などを選択
- マイナポータルと連携
- マイナンバーカードを読み取る
- 申告書を作成・e-Taxから提出
なお、本記事ではWeb版のe-Taxで申告する場合の流れについて説明します。
1.確定申告に必要な書類の準備
確定申告にあたっては、申告する所得や控除によって必要書類が異なります。
たとえば事業所得を申告する場合は、以下の書類が必要です。
事業所得の申告に必要な書類
- (青色申告者の場合)所得金額の算出が完了している青色申告決算書
- (白色申告者の場合)所得金額の算出が完了している収支内訳書
- (事業収入から差し引かれた源泉徴収税額などがある場合)源泉徴収税額などが分かるもの
- (「家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例」の適用を受けている場合)所得金額がわかる明細書など
そのほかの収入・所得や控除に必要な書類は、別記事「【最新】確定申告の必要書類や準備するものをケース別にわかりやすく解説」でも解説しています。
2.確定申告書等作成コーナーへアクセス
パソコンから、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスします。
初めて作成コーナーを利用する場合や、これまで保存したデータがない場合は「作成開始」をクリックします。
過去に作成コーナーを利用して保存データがある場合は、「保存データを利用して作成」をクリックして、作成を開始してください。
3.税務署への提出方法の選択
税務署への提出方法を選択する画面が表示されます。
確定申告書等作成コーナーから提出する方法は次の2つです。
- ・e-Taxから提出
- ・印刷して提出
e-Taxから提出する場合は、次の3つの方法から選択できます。
- ・スマートフォン
- ・ICカードリーダライタ
- ・ID・パスワード方式
マイナンバー方式の場合は上記のうち、スマートフォンまたはICカードリーダライタのいずれかを選択します。
4.作成する申告書などを選択
作成する申告書の種類
- 所得税:医療費控除、寄附金控除、住宅ローン控除などがある場合
- 決算書・収支内訳書(+所得税):事業所得や不動産所得、雑業務に係る雑所得がある場合
- 消費税:個人事業主で消費税の申告が必要な場合
- 贈与税:財産の贈与を受けて贈与税の申告が必要な場合
「決算書・収支内訳書(+所得税)」の場合は、決算書・収支内訳書を作成してからデータを引き継いだ上で、所得税の確定申告書を作成します。
5.マイナポータルと連携
マイナポータルと連携するかどうかを選択します。
連携には、マイナポータルの利用者登録や、「マイナポータルから手続きする」で説明したとおり「もっとつながる」などの事前手続きが完了している必要があります。
マイナポータルの連携しない場合は、書面で交付された証明書などの内容を直接フォームに入力することで申告書の作成が可能です。
6.マイナンバーカードを読み取る
e-Tax利用のための事前準備としてマイナポータルを利用するために、マイナンバーカードを読み取ります。
「スマートフォンを使用してe-Tax」を選択した場合
「税務署への提出方法の選択」の画面で「スマートフォンを使用してe-Tax」を選択した場合、申請するスマートフォンにマイナポータルアプリをインストールする必要があります。画面上に表示されたQRコードからインストール可能です。
インストールが完了したらマイナポータルアプリを開き、画面右下に出てくるアイコンをタップします。
アプリ上の「QRコード読取」機能を使用して、パソコンに表示されているQRコードを読み取ります。
QRコードを読み取れたら、マイナンバーカードの電子証明書による認証を行います。
「ICカードリーダライタを使用してe-Tax」を選択した場合
「税務署への提出方法の選択」の画面で「ICカードリーダライタを使用してe-Tax」を選択した場合は、パソコンにICカードリーダライタを接続し、マイナンバーカードを読み取ります。
スマートフォンまたはICカードリーダライタによるマイナンバーカードの認証が成功すると、e-Taxを利用して確定申告をしたことがある場合には氏名や住所などの情報が表示されます。
「次へ進む>」をクリックし、申告書作成に進みます。
7.申告書を作成・e-Taxから提出
画面の指示に従ってデータを入力し、e-Taxから確定申告書などの提出を進めます。
入力方法などについては、国税庁の「確定申告書等作成コーナー入力マニュアル」を参考にしてください。
e-Taxから確定申告書などを作成する詳しい手順については、別記事「e-Tax(電子申告)で確定申告をするには?やり方や必要書類、提出方法について解説」をご覧ください。
まとめ
マイナンバーカード方式による確定申告は、確定申告の手続きにかかる手間を減らし、スムーズに進められることがメリットです。
ただし、初めてマイナンバーカード方式で確定申告を行う際には、事前に準備するものやセットアップなどが必要となります。
申告期限の直前に焦ることがないように、本記事で解説したマイナンバーカード方式の確定申告の準備や流れを参考にしてください。
確定申告を簡単に終わらせる方法
確定申告には青色申告と白色申告の2種類があります。どちらを選択するにしても、期限までに正確な内容の書類を作成し申告しなければいけません。
確定申告書を作成する方法は手書きのほかにも、国税庁の「確定申告等作成コーナー」を利用するなどさまざまですが、会計知識がないと記入内容に悩む場面も出てくるでしょう。
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詳しくは記事内「確定申告における「マイナンバーカード方式」とは」をご覧ください。
マイナンバーカードを使って確定申告は可能?
マイナンバーカードを使うことによる確定申告(マイナンバーカード方式)は可能です。
マイナンバーカード方式は、マイナンバーカードとパソコンまたはスマートフォンを使用してe-Tax上で確定申告を行う方法となります。
詳しくは記事内「確定申告における「マイナンバーカード方式」とは」をご覧ください。