控除証明書などのデータをマイナポータルに連携する「マイナポータル連携」の機能を利用すると、確定申告の手続きに必要なデータを一括で取得できます。
さらに、e-Taxで確定申告の手続きを行う際にマイナポータル連携を利用すると、申告書の各種控除の該当項目に自動でデータが入力・計算されるため、手動で入力する手間が省けます。
また、2024年1月以降の確定申告は申告書における各種控除の自動入力の対象範囲が拡大するため、より利便性が高まります。
本記事では、マイナポータル連携で控除証明書を取得するメリットや取得できる控除証明書、取得する手順について解説します。
目次
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freee会計は〇✕形式の質問で確定申告に必要な書類作成をやさしくサポート!口座とのデータ連携によって転記作業も不要になり、入力ミスも大幅に削減します。
マイナポータル連携で控除証明書を取得するメリット
「マイナポータル連携」とは、年末調整や確定申告で必要になる各種控除証明書などのデータを、マイナポータルと連携させる機能のことです。
従来の確定申告の手続きでは、保険会社や証券会社、銀行などさまざまな機関から送付されてくる控除証明書を揃え、1件ずつデータを手動で入力しなければなりませんでした。
マイナポータル連携を利用すれば、各種控除申請書の一括取得が可能です。さらにe-Taxで確定申告書を作成する際には、取得データが自動で入力・計算されます。
データを誤って入力したり、控除証明書を紛失して再発行してもらったりすることがなくなるため、スムーズに確定申告の手続きを進められます。
マイナポータル連携の対象となる控除証明書
2024年1月以降はマイナポータル連携における申告書の自動入力対象が拡大され、給与所得の源泉徴収票と以下の控除証明書も対象となります。
- ・国民年金基金掛金
- ・iDeCo
- ・小規模企業共済掛金
自動入力対象の拡大にともない、2023年分の確定申告において、マイナポータル連携の対象となる控除証明書は以下のとおりです。
適用する控除 | 証明書の名称 |
---|---|
医療費控除 | ・医療費通知情報 |
ふるさと納税(寄附金控除) | ・寄附金受領証明書(※) ・寄附金控除に関する証明書(※) |
保険料控除 | ・生命保険料控除証明書(※) ・地震保険料控除証明書(※) ・社会保険料控除証明書(国民年金保険料) ・社会保険料控除証明書(国民年金基金掛金) ・小規模企業共済等掛金控除証明書 |
住宅ローン控除 | ・年末残高等証明書(※) ・住宅借入金等特別控除証明書(データ交付希望者のみ例年10月下旬から取得可能) |
株式等に係る譲渡所得等 | ・特定口座年間取引報告書(※) |
社会保険料控除 | ・社会保険料(国民年金保険料)控除証明書 |
雑所得(公的年金等) | ・公的年金等の源泉徴収票(※) |
上記書類のうち、(※)のあるものについては、自身が契約している会社や団体(証明書の発行元)がマイナポータル連携に対応している場合にのみ、取得・連携が可能です。
マイナポータル連携に対応している会社・団体かどうかは、国税庁の「マイナポータル連携可能な控除証明書等発行主体一覧」で確認できます。
医療費通知情報では、2021年9月以降に支払った保険診療分の医療費に関する情報を取得できます。毎年2月9日以降に、申告年の1月から12月までの情報の閲覧が可能です。
ただし、保険診療分であっても、はり・きゅうなどの施術費用や整骨院・接骨院の柔道整復療養費など、審査支払機関での取り扱いとならない情報については取得できません。
出典:国税庁「マイナポータルと連携した所得税確定申告手続」
マイナポータル連携による控除証明書の取得方法
マイナポータルから控除証明書を取得するためには、以下の2つが必要となります。
- ・マイナンバーカード
- ・マイナンバーカードの読取機能のあるスマートフォンもしくはICカードリーダライタ
マイナンバーもしくはマイナンバーが記載された書類だけでは、マイナポータルから控除証明書を取得することはできません。事前にマイナンバーカードの交付を申請し、各自治体の窓口で受け取っておきましょう。
また、パソコンやタブレットから控除証明書を取得する場合は、マイナンバーカードの読み取りができるICカードリーダライタが必要です。
マイナンバーカードの読み取りができるICカードリーダライタは、地方公共団体情報システム機構が公表している「マイナンバーカード読取対応のICカードリーダーの一覧」から確認できます。
スマートフォンから控除証明書を取得する場合は、古い機種だとマイナンバーカードを読み取れない場合があります。マイナポータルで公開されている「マイナポータルアプリに対応しているスマートフォン等の一覧」から、自分のスマートフォンが対応機種であることを確認しておきましょう。
マイナポータルから控除証明書を取得する手順は以下のとおりです。
- 1.マイナポータルの利用者登録を行う
- 2.民間送達サービスにアカウント登録する
- 3.マイナポータルにログインして取得する証明書を選択する
- 4.マイナポータルと民間送達サービスを連携する
- 5.民間送達サービスと証明書の発行元を連携する
- 6.証明書の発行元に電子発行の申請をする
手順について、1つずつ説明します。
1.マイナポータルの利用者登録を行う
まずはマイナポータルの利用者登録を行う必要があります。
パソコンから登録する場合とスマートフォンから登録する場合で手順が少し異なるため、以下の流れを参考にしてください。
パソコンからマイナポータルの利用者登録を行う場合
- マイナポータルページにアクセスする
- 画面右上の「ログイン」ボタンをクリックする
- 「利用者登録」ボタンをクリックする
- 「パソコン(またはタブレット)」をクリックする
- 「ICカードリーダライタでマイナンバーカードの読み取り」をクリックする
- マイナポータルアプリをインストールする
- ブラウザ拡張機能をインストールする
- ICカードリーダライタをパソコンに接続し、マイナンバーカードをセットする
- 「利用者登録/ログイン」ボタンをクリックする
- マイナンバーカード受け取り時に設定した数字4桁のパスワード(利用者証明用電子証明書パスワード)を入力する
スマートフォンからマイナポータルの利用者登録を行う場合
- マイナポータルページにアクセスする
- 画面右上の「ログイン」ボタンをタップする
- 「利用者登録」ボタンをタップする
- 「スマホ」をタップする
- 「マイナンバーカードの読み取り」をタップする
- ログインに使用するスマホアプリをダウンロードする
- ブラウザの本画面に戻り「利用者登録/ログイン」ボタンをタップする
- マイナンバーカード受け取り時に設定した数字4桁のパスワード(利用者証明用電子証明書パスワード)を入力する
- 画面の案内にしたがってマイナンバーカードの読み取りをする
2.民間送達サービスにアカウント登録する
民間送達サービスとは、インターネット上に自分専用のポストを作り、自分宛のメッセージやレターを受け取ることができる民間企業のサービスです。受取人が事前に本人確認を行い、差出人を登録しておくことで、特定のお知らせを受け取れます。
ただし、取得する控除証明書によって利用する民間送達サービスが異なるため、あらかじめ国税庁の「マイナポータル連携可能な控除証明書等発行主体一覧」を確認してください。
該当する民間送達サービスが確認できたら、アカウント登録を行います。
3.マイナポータルにログインして取得する証明書を選択する
マイナポータルにログインしたら、「確定申告の事前準備」をクリックし、取得する控除証明書を選択します。
4.マイナポータルと民間送達サービスを連携する
画面の案内に従って連携する民間送達サービスの「連携する」をクリックし、マイナポータルと民間送達サービスを連携します。
5.民間送達サービスと証明書の発行元を連携する
画面の案内に従って、民間送達サービスと証明書の発行元を連携します。
6.証明書の発行元に電子発行の申請をする
証明書の発行元(保険会社など)が開設しているマイナポータル連携サービスページから、証明書の電子発行を申請します。
発行に要する日数は発行元によって異なるため、余裕をもって申請するようにしましょう。電子発行された証明書は、民間送達サービスから確認できます。
以下では、取得した控除証明書の扱い方を確定申告の方法別に紹介します。
紙の書類で確定申告を行う場合
民間送達サービス上で証明書の電子データ(xmlデータ)を取得し、国税庁のQRコード付証明書等作成システムを使ってPDF形式でダウンロード後、印刷機で出力します。
マイナポータル連携をせずに確定申告を行う場合
民間送達サービス上で証明書の電子データ(xmlデータ)を取得し、国税庁の確定申告書等作成コーナーに直接アップロードします。
マイナポータル連携をして確定申告を行う場合
民間送達サービスにログインし、画面の案内に従って証明書の発行元との連携を行ったのち、マイナポータルにログインしてe-Taxとの連携を行います。
連携が完了したら、e-Taxから確定申告書の作成が可能になります。
まとめ
マイナポータルの「マイナポータル連携」機能を利用することで、確定申告や年末調整で必要になる控除証明書を一括で取得できます。
マイナポータル連携で取得した控除証明書のデータは、マイナポータルとe-Taxを連携することで確定申告書に自動で入力・計算されます。そのため、手作業で入力する手間がなくなり、記入ミスも防げます。
現状では取得できる控除証明書は限られており、一部の控除証明書には取得条件もあります。本記事を参考にして、マイナポータル連携の対象となっている控除証明書やその取得方法を確認したうえで、確定申告の準備を進めていきましょう。
確定申告を簡単に終わらせる方法
確定申告には青色申告と白色申告の2種類があります。どちらを選択するにしても、期限までに正確な内容の書類を作成し申告しなければいけません。
確定申告書を作成する方法は手書きのほかにも、国税庁の「確定申告等作成コーナー」を利用するなどさまざまですが、会計知識がないと記入内容に悩む場面も出てくるでしょう。
そこでおすすめしたいのが、確定申告ソフト「freee会計」の活用です。
freee会計は、〇✕形式の質問で確定申告に必要な書類作成をやさしくサポートします。必要な計算は自動で行ってくれるため、計算ミスや入力ミスを軽減できます。
ここからは、freee会計を利用するメリットについて紹介します。
1.銀行口座やクレジットカードは同期して自動入力が可能!
1年分の経費の入力は時間がかかる作業のひとつです。freee会計に銀行口座やクレジットカードを同期すると、利用した内容が自動で入力されます。
また、freee会計は日付や金額だけでなく、勘定科目も予測して入力します。
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2.現金取引の入力もカンタン!
freee会計は、現金での支払いも「いつ」「どこで」「何に使ったか」を家計簿感覚で入力できるので、毎日手軽に帳簿づけが可能です。自動的に複式簿記の形に変換してくれるため、初心者の方でも安心できます。
さらに有料プランでは、チャットで確定申告について質問ができるようになります。オプションサービスに申し込めば、電話での質問も可能です。
freee会計の価格・プランについて確認したい方はこちらをご覧ください。
3.〇✕形式の質問に答えると、各種控除や所得税の金額を自動で算出できる!
各種保険やふるさと納税、住宅ローンなどを利用している場合は控除の対象となり、確定申告することで節税につながる場合があります。控除の種類によって控除額や計算方法、条件は異なるため、事前に調べなければなりません。
freee会計なら、質問に答えることで控除額を自動で算出できるので、自身で調べたり、計算したりする手間も省略できます。
4.確定申告書を自動作成!
freee会計は取引内容や質問の回答をもとに確定申告書を自動で作成できます。自動作成した確定申告書に抜け漏れがないことを確認したら、税務署へ郵送もしくは電子申告などで提出して、納税をすれば確定申告は完了です。
また、freee会計はe-tax(電子申告)にも対応しています。e-taxからの申告は24時間可能で、税務署へ行く必要もありません。青色申告であれば控除額が10万円分上乗せされるので、節税効果がさらに高くなります。
e-tax(電子申告)を検討されている方はこちらをご覧ください。
完成した確定申告書を提出・納税して確定申告が完了!
freee会計を使うとどれくらいお得?
freee会計には、会計初心者の方からも「本当に簡単に終わった!」というたくさんの声をいただいています。
税理士などの専門家に代行依頼をすると、確定申告書類の作成に5万円〜10万円程度かかってしまいます。freee会計なら月額980円(※年払いで契約した場合)から利用でき、自分でも簡単に確定申告書の作成・提出までを完了できます。
余裕をもって確定申告を迎えるためにも、ぜひfreee会計の利用をご検討ください。
よくある質問
マイナポータル連携で取得できる控除証明書の種類は?
2024年1月以降にマイナポータル連携で取得できる控除証明書は以下のとおりです。
- ・医療費通知情報
- ・寄附金受領証明書
- ・寄附金控除に関する証明書
- ・生命保険料控除証明書
- ・地震保険料控除証明書
- ・社会保険料控除証明書(国民年金保険料)
- ・社会保険料控除証明書(国民年金基金掛金)
- ・小規模企業共済等掛金控除証明書
- ・年末残高等証明書
- ・住宅借入金等特別控除証明書
- ・特定口座年間取引報告書
- ・社会保険料(国民年金保険料)控除証明書
- ・公的年金等の源泉徴収票
詳しくは記事内「マイナポータル連携の対象となる控除証明書」をご覧ください。
マイナポータル連携で控除証明書を取得するには?
マイナポータルから控除証明書を取得する手続きを進めるためには、以下の2つが必要になります。
- ・マイナンバーカード
- ・マイナンバーカードの読取機能のあるスマートフォンもしくはICカードリーダライタ
マイナポータルから控除証明書を取得する手順は以下のとおりです。
- 1.マイナポータルの利用者登録を行う
- 2.民間送達サービスにアカウント登録する
- 3.マイナポータルにログインして取得する証明書を選択する
- 4.マイナポータルと民間送達サービスを連携する
- 5.民間送達サービスと証明書の発行元を連携する
- 6.証明書の発行元に電子発行の申請をする
詳しくは記事内「マイナポータル連携による控除証明書の取得方法」を参考にしてください。