確定申告の基礎知識

マイナ保険証(マイナンバーカードの健康保険証利用)とは?メリット・デメリット、登録方法をわかりやすく解説

監修 北 光太郎 きた社労士事務所

マイナ保険証(マイナンバーカードの健康保険証利用)とは?メリット・デメリット、登録方法をわかりやすく解説

マイナ保険証とは、マイナンバーカードを健康保険証として利用することです。

2023年4月より、医療機関でのマイナ保険証対応が義務化され、医療機関でマイナンバーカードの保険証利用ができるようになりました。また、政府は2024年秋までに現行の健康保険証を廃止することを表明しており、マイナポータルとの連携による利便性の向上を推し進めています。

本記事では、マイナ保険証(マイナンバーカードの健康保険証利用)の概要やメリット・デメリット、マイナ保険証の利用登録方法をわかりやすく解説します。

目次

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マイナ保険証とは

マイナ保険証とは「マイナンバーカードの健康保険証利用」のことです。

2021年10月20日からマイナ保険証の本格的な運用がスタートしました。2024年2月15日時点でのマイナ保険証の登録件数は約7,206万件で、マイナンバーカードの保有者のうち約73.8%がマイナンバーカードの健康保険証利用登録を完了しています。

出典:デジタル庁「マイナンバーカードの普及に関するダッシュボード」

デジタル庁は厚生労働省とともに、医療のDX化を通して医療保険事務の効率化や医療サービスの向上を図るため、マイナ保険証の普及を推進しています。

また、マイナンバーカードの普及に向けた施策が進められていますが、マイナンバーカードの取得やマイナ保険証への切り替えは個人の任意です。


出典:厚生労働省「保険局 医療介護連携政策課 説明資料」


出典:マイナンバーカード総合サイト「申請方法について」

マイナンバーカードとは

マイナンバーカードとは、マイナンバー(個人番号)が記載された顔写真付きのカードです。

マイナンバーカードは公的証明書として利用できるほか、ICチップが組み込まれているため電子証明書としても利用できます。e-Taxとの連携や、コンビニでの各種証明書の受け取りなども可能です。

また、政府が提供・運用するオンラインサービス「マイナポータル」を通じて個人情報の確認や一部の行政手続きを行うことができます。

マイナンバーカードの券面には以下の情報が表示されています。

マイナンバーカードの券面情報

  • 氏名
  • 年齢
  • 住所
  • 生年月日
  • 性別
  • マイナンバー
  • 本人の顔写真
  • セキュリティコード
  • 臓器提供意思表示欄


出典:総務省「マイナンバーカード」

2024年2月15日時点でマイナンバーカード申請件数は9,924万件に到達し、これは国内人口の79.1%にのぼります。


出典:デジタル庁「政策データダッシュボード(ベータ版)」

マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する現状

医療機関のマイナ保険証対応が義務化されてから約半年が経ちました。政府はこれまで、診療報酬の点数改定などの施策を実施し、マイナ保険証の普及に力を入れてきました。

一方で、データ紐づけ不備などのトラブルも起こっており、マイナ保険証に抱く国民の懸念も大きくなっています。


出典:厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用について」

マイナ保険証が利用できる医療機関の割合

デジタル庁は、2024年12月2日に現行の健康保険証を廃止し、マイナ保険証への一本化をすると発表しました。

デジタル庁の発表により、全国の医療機関は2024年12月2日のマイナ保険証完全移行に向けて、マイナンバーカードのICチップを読み取るためのカードリーダーを施設に設置するなど設備を整える必要があります。

2024年2月4日時点で、医療機関全体のカードリーダーの申し込みと、マイナ保険証を利用できる医療機関は以下のとおりです。


病院医科診療所歯科診療所薬局
カード―リーダー申し込み率98.9%91.5%89.1%94.1%
マイナ保険証を利用できる機関98.0%88.5%85.4%95.5%


出典:厚生労働省「オンライン資格確認の都道府県別導入状況について 2024年2月4日時点」

表に記載している数値(%)は全国平均値です。

システムやネットワーク回線整備の遅れや、訪問診療を行う医療機関への対応の遅れなどにより、カードリーダーを申し込んだ場合でも運用していない医療機関があることが分かります。

マイナ保険証の問題点とコスト・リスクとは?

政府は、2024年12月2日に現行の健康保険証を廃止し、マイナ保険証に一本化する見通しです。

しかし、健康保険証廃止後も最大1年間は現行の保険証が使用可能であるほか、マイナンバーカードの保有者には「資格情報のお知らせ」が交付され、非保有者には2024年10月頃から健康保険証の代わりとなる「資格確認書」を交付する方針が明らかにされています。

「資格情報のお知らせ」や「資格確認書」は、印刷製本費や通信運搬費がかかるため、マイナ保険証の利用率次第ではコスト増につながるという試算も出ています。

また、データの紐づけ不備や読み取りの不具合などのトラブルが相次いでおり、マイナ保険証の利用に不安を抱く人も少なくありません。

政府は、2023年11月時点で住民基本台帳との突合による確認が完了しており、不一致データ数は生年月日・性別が2,779件、氏名等不一致が約139万件、試行実施の結果に基づく誤登録が約450件と公表しています。

そのため現状では、利用するメリットよりもコストやリスクに対する懸念が大きくなっており、今後の政府の対応に注目が集まっています。

出典:厚生労働省「マイナンバーカードと健康保険証の一体化について」
出典:厚生労働省「マイナ保険証の利用促進等について」

現行の健康保険証利用時とマイナ保険証利用時の診療報酬の点数の差分

政府はマイナ保険証の利用促進に向け、2023年4月から診療報酬「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」の点数を改定しました。

マイナ保険証が利用できる医療機関では、現行の健康保険証利用時とマイナ保険証利用時で診療報酬の点数に以下のような差分が設けられます。

現行の健康保険証利用に比べ、マイナ保険証利用の方が加算される診療報酬が低くなるため、マイナ保険証を利用した方が窓口負担額が安くなります。


現行の健康保険証利用時マイナ保険証利用時
初診料12円(4点)
※月1回に限る
6円(2点)
※月1回に限る
再診料
(外来診療料も同様)
加算なし加算なし
調剤管理料9円(3点)
※6ヶ月に1回に限る
3円(1点)
※6ヶ月に1回に限る

※上記の金額は患者の窓口負担が3割の場合に加算される医療費
※()内は、医療情報・システム基盤整備体制充実加算の点数


出典:厚生労働省「個別改定項目について」


2023年4月より、医療機関はマイナ保険証用カードリーダーの導入およびマイナ保険証の運用開始が義務付けられています。

2024年12月2日のマイナ保険証への完全移行に向け、デジタル庁と厚生労働省主導の下、医療機関およびシステムベンダーによって医療機関で使用されるカードリーダーのハード面、システム対応などのソフト面の整備が進められています。

そのほか、訪問診療や訪問看護などでのマイナ保険証の利用は、2024年6月からの対応開始を予定しています。

出典:厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用について」

マイナ保険証の使い方

マイナ保険証は、従来の健康保険証とは使い方が異なります。マイナンバーカードの健康保険証利用登録をした場合の使い方は以下のとおりです。

  • マイナ保険証でできること
  • 通院時のマイナ受付利用による自動受付
  • お薬手帳としての利用
  • 自身の医療情報の確認

また、2024年3月時点ですべての医療機関にてマイナ保険証が使用できるわけではありません。マイナ保険証へ対応している医療機関はマイナ受付のポスターやステッカーが掲載されているため、利用する医療機関にこれらのポスターがあるか確認しましょう。

通院時のマイナ受付利用による自動受付

マイナ受付に対応した医療機関でマイナ保険証を利用することで、通院時に受付を自動で進められます。

受付は、顔認証付きのカードリーダーで行いますが、ここでは受付だけでなく以下の設定や申し込みが可能になります。

顔認証付きカードリーダーでできること

  • 顔認証による本人確認および保険資格確認
  • 暗証番号入力による本人確認
  • 薬剤情報および特定健診情報の閲覧制限または閲覧同意
  • 限度額適用認定証等の情報提供に関する同意の有無
  • 健康保険証利用の申し込み(未登録の場合)


出典:厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用について ~医療機関・薬局で利用可能~」

患者本人が確認できる薬剤情報や特定健診情報の詳細は後述します。

限度額適用認定証とは、医療機関での窓口負担が高額になる場合に、被保険者の費用負担を軽減させるための制度です。マイナ保険証に対応した医療機関では、限度額適用認定証なしでも限度額を超える分の医療費の支払いが免除されます。

マイナ保険証での受付時に、限度額の適用を受けるために以下の情報を共有するか、同意の有無を設定ができます。

医療機関や薬局などに提供される情報

  • 保険者番号
  • 被保険者証記号・番号
  • 枝番
  • 限度額適用認定証区分
  • 適用区分
  • 交付年月日
  • 回収年月日
  • 長期入院該当年月日


出典:厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用について ~医療機関・薬局で利用可能~」

自身の医療情報の確認

マイナンバーカードを保険証として利用することで、マイナポータルにて以下の情報が確認できるようになります。


確認できる情報詳細
医療費通知情報・医療費総額
・診療年月
・診療区分
・診療実日数
・医療機関の名称
薬剤情報・本人情報
・過去に処方された薬の情報(調剤年月日、医薬品名、成分名、用法、用量など)
※2021年9月以降分より3年分が閲覧可能になる
特定健診情報・本人情報
・特定健診の結果
・質問票の情報(服薬・喫煙歴等)
・メタボリックシンドロームへの該当の有無
・特定保健指導の対象基準への該当の有無
※2020年度以降に実施したものから5年分 (直近5回分)の情報が閲覧可能になる

出典:厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用について」

電子版お薬手帳との連携

マイナ保険証を利用することで、注射や点滴を含む処方された薬はマイナポータルですべて確認できるようになりました。電子版のお薬手帳との連携も可能であるため、現在処方されている情報だけでなく、過去のお薬情報もまとめて確認することが可能です。

また、医療機関や薬局でマイナ保険証を使用して受付する際にお薬手帳の閲覧に同意することで、医師や薬剤師が現在または過去の投薬記録を確認できるようになります。

マイナ保険証に切り替えるメリット

現行の保険証からマイナ保険証に切り替えるメリットとして、以下のポイントが挙げられます。

マイナ保険証に切り替えるメリット

  • マイナポータルから自身の医療情報が確認できる
  • 確定申告の医療費控除手続きが自動になる
  • 健康保険証の切り替えが簡単になる
  • マイナポイントがもらえる
  • 引越しや転職後も更新が不要になる
  • 限度額以上の一時支払いが不要になる

マイナポータルから自身の医療情報が確認できる

マイナ保険証を利用することで、マイナポータルから医療機関での診療情報や薬局で処方された薬の情報が一元管理・確認できます。

2020年度分より、過去5年分(直近5回分)の特定健診情報が閲覧できるほか、電子版お薬手帳との連携なども可能です。


出典:厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用について」

確定申告の医療費控除手続きが自動になる

医療費控除を受けるために確定申告を行う場合、医療費通知書や領収書の保存のほか、その年にかかった医療費の総額を計算し、申告書に記載する必要があります。

医療機関でマイナ保険証を利用することにより、マイナポータル上に自身の受診履歴や医療費などが記録されます。

マイナポータルはe-Taxとの紐づけが可能なため、マイナ保険証を利用することで自動で確定申告書に医療費が計算・記入され、簡単に医療費控除の手続きが行えるようになります。


出典:厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用について」


【関連記事】
医療費控除とは?確定申告に必要な書類の書き方や計算方法について分かりやすく解説

健康保険証の切り替えが簡単になる

マイナ保険証を利用することで、就職、転職、退職などによる健康保険証の切り替え期間を短縮できます。

現行の健康保険証では、新たに加入する健康保険の加入手続き完了後に保険証の発行を行うため、手続きから本人の手元に保険証が届くまでに数日を要します。しかしマイナ保険証であれば就職、転職、退職等に伴う新たな保険証の発行が不要なため、健康保険の加入手続き完了後すぐに保険証として利用できます。

また、国民健康保険や後期高齢者医療制度への加入者は、現行の保険証では定期的な更新手続きが必要ですが、マイナ保険証へ切り替えることで、これらの更新が不要になります。

70〜75歳の被保険者が医療機関で提示しなければならない高齢受給者証についても、マイナ保険証家の切替後は医療機関への提示が不要になります。


出典:厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用について」

限度額以上の一時支払いが不要になる

今までは、病院の窓口での支払いが高額になる場合、事前に「限度額適用認定証」を申請、その後、認定証が届いたのち医療機関に提示しなくてはなりませんでした。

そのため、必要な手続きが完了し限度額適用認定証を受け取るまでは、一時的に自己負担をする必要がありました。

しかし、マイナ保険証に対応している医療機関では、マイナ保険証を利用して情報提供に同意するだけで、限度額を超える支払いについて免除されるようになりました。

また、現在マイナ保険証への切り替えが完了していない場合も、マイナ保険証へ対応している医療機関であれば、口頭で情報提供に同意するだけで限度額以上の医療費の支払いが不要になります。


出典:厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用について」

マイナ保険証に切り替えるデメリット

一方で、マイナ保険証に切り替えるデメリットとして、以下の点が挙げられます。

マイナ保険証が利用できない医療機関がある

2023年4月よりすべての医療機関でマイナ保険証への対応が義務化されました。しかし、一部の医療機関ではまだマイナ保険証に対応していません。

対応状況は地域や医療機関によって異なるため、マイナ保険証に切り替えた後も現行の保険証も合わせて所持しておくなどの対策が必要です。


出典:厚生労働省「オンライン資格確認の都道府県別導入状況について」

マイナンバーカードの紛失時に健康保険証が利用できない

マイナンバーカードを紛失した場合、再発行には最大2ヶ月程度かかるため、再発行までの間はマイナ保険証が利用できなくなります。

政府やデジタル庁は、マイナンバーカードの再発行を最長で10日程度に短縮できるよう検討していますが、実際の対応時期や詳細は発表されていません。

また、マイナ保険証利用者がマイナンバーカードが手元にない状態で保険診療を受ける場合の対応方法も発表されていないため、マイナンバーカードの紛失には注意が必要です。

出典:デジタル庁「よくある質問:マイナンバーカードの健康保険証利用について」

紛失時の個人情報の漏洩リスクが高い

マイナンバーカードは、氏名や生年月日、住所のほかに個人番号や顔写真などが記載されています。

現行の保健証よりも多くの個人情報が記載されているため、紛失した際の個人情報漏洩リスクが高くなります。

ただし、個人番号(マイナンバー)を知られただけでは、詳細な個人情報を調べることはできません。個人番号に関連した情報を見るには暗証番号または顔認証が必要であり、不正に情報を読み出そうとすると、ICチップが自動で壊れるようになっているため、高いセキュリティが担保されています。


出典:厚生労働省「持ち歩いても大丈夫!マイナンバーカードの安全性」

マイナ保険証の登録方法

マイナンバーカードを健康保険証として利用するには、マイナポータルからの登録が必要です。

マイナ保険証の利用申請方法は以下の4つです。

マイナ保険証の利用申請方法

  • セブン銀行ATMで申し込む
  • パソコンからWebで申し込む
  • スマートフォンで申し込む
  • マイナ保険証のカードリーダーから申し込む


出典:マイナポータル「今すぐ申し込み/申込済みの方はこちら」

セブン銀行ATMで申し込む

セブン銀行ATMからマイナ保険証を申し込む手順は以下のとおりです。

セブン銀行で申し込む方法

  1. マイナンバーカードと4桁のパスワードを準備する
  2. セブン銀行ATM上の「マイナンバーカードでの手続き」を選択する
  3. 「健康保険証利用の申込み」を選択する
  4. 画面の指示に従って操作する
  5. 申し込み完了

パソコンで申し込む

パソコンからWebでマイナ保険証を申し込む手順は以下のとおりです。

パソコンで申し込む方法

  1. ICカードリーダー、マイナンバーカード、パスワードを準備する
  2. 専用サイトの「利用を申し込む」をクリックする
  3. マイナポータルの利用規約を確認した後、「同意して次へ進む」をクリックする
  4. (このとき併せてマイナポータルの利用者登録することも可能)
  5. パソコンにICカードリーダーを接続しマイナンバーカードをセットする
  6. 「申し込む」をクリックする
  7. 4桁のパスワードを入力し、「OK」をクリックする
  8. 申し込み完了

スマートフォンで申し込む

スマートフォンからマイナ保険証を申し込む手順は以下のとおりです。

スマートフォンで申し込む方法

  1. マイナンバーカードと4桁のパスワードを準備する
  2. スマートフォン用のマイナポータルのアプリをインストールする
    iOS用
    Android用
  3. マイナポータルのアプリから「健康保険証利用申込」をタップする
  4. 「マイナポータル利用規約」の確認後「同意して次へ進む」をタップする
  5. 「申し込む」をタップする
  6. スマートフォンでマイナンバーカードを読み込む
  7. 4桁のパスワードを入力し、「次へ」をタップする
  8. 申し込み完了

マイナ保険証のカードリーダーから申し込む

マイナ保険証に対応している医療機関などに設置されているカードリーダーからもマイナンバーカードの保険証利用の申し込みが可能です。

しかし、カードリーダーの設置数や受付を待つ人数などによっては、待ち時間が発生することもあります。そのため、上記で紹介したいずれかの方法で利用申し込みを済ませておくことをおすすめします。

マイナ保険証の今後

2024年3月から、現在マイナ保険証の対象になっていない生活保護受給者の医療券や調剤券についても、オンライン資格確認システムでの対応が開始されると発表されています。こちらも現行のマイナ保険証同様、本人の同意のもと、医療情報・薬剤情報・検診情報の共有が可能です。

加えて2024年3月以降は、資格情報のお知らせ送付時や保険証の更新時などに、保険者が把握している加入者情報(個人番号の下4桁等)が送付される予定です。

現在、厚生労働省の発表では、マイナンバーカードの紛失などにより保険証が利用できなくなる期間を短縮するため、マイナンバーカードの発行申請から最短5日で発行できる体制の構築が進められています。

また、マイナ保険証の申し込みやパスワードの設定が困難な場合も考慮し、マイナンバーカードの発行および受取方法、マイナ保険証利用時の補助方法などが検討されています。


出典:厚生労働省「生活保受給者の資格確認に関するご案内」


出典:厚生労働省「マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会」

まとめ

政府は2024年12月2日には現行の健康保険証を廃止すると発表しており、マイナ保険証への完全移行に向けての取り組みを進めています。

しかし、データ紐づけ不備などのトラブルが相次ぎ、コストやリスクといった懸念も大きくなっているのが現状です。

2024年3月時点では医療機関の対応が完了していないため、マイナ保険証だけでなく、現行の保険証の提示を求められる場合もあります。しかし、医療費控除の手続きが簡単になったり自身の医療情報の確認がオンライン上でできたりとメリットも多い取り組みです。

マイナ保険証にかかわる情報をマイナンバーカードの公式サイトやマイナポータル上で確認し、自身のライフスタイルなどに合わせてマイナンバーカードの申請や利用を行いましょう。

よくある質問

マイナ保険証とは?

マイナ保険証とは、「マイナンバーカードの健康保険証利用」のことです。政府は2024年12月2日に現行の健康保険証を廃止し、マイナ保険証へ完全移行させることを表明しています。そのため、マイナンバーカードの普及に向けた施策が進められていますが、マイナンバーカードの取得やマイナ保険証への切り替えは個人の任意としています。

詳しくはマイナ保険証とはをご覧ください。

マイナ保険証のメリットは?

マイナ保険証のメリットとして、自身の医療情報がマイナポータルから簡単に確認できるようになることや、医療機関との情報共有に同意することで、自身の医療情報を正確に医療機関に共有できるようになることが挙げられます。

また、健康保険の切り替えが簡単になったり、確定申告での医療控除手続きが自動になったりと、従来の煩雑な手続きへの負担が大幅に軽減されるようになりました。

詳しくは記事内マイナ保険証に切り替えるメリットをご覧ください。

マイナ保険証のデメリットは?

一部の医療機関ではまだマイナ保険証に対応していないため、場合によっては、マイナ保険証に切り替えた後も現行の保険証も合わせて所持しておくなどの対策が必要となります。

また、マイナ保険証は現行の保険証よりも多くの個人情報が紐づいているため、紛失した際の個人情報漏洩リスクが高くなります。ただし、個人番号(マイナンバー)を知られただけでは詳細な個人情報を調べることはできません。

詳しくは記事内マイナ保険証に切り替えるデメリットをご覧ください。

マイナ保険証の使い方は?

マイナ保険証を利用して医療機関で受付を行う場合、マイナ保険証に対応した医療機関の顔認証付カードリーダーにマイナンバーカードをかざして受付を行います。

受付時に自身の医療情報を医療機関と共有するかを選択することが可能です。

詳しくは記事内マイナ保険証の使い方をご覧ください。

監修 北 光太郎

きた社労士事務所 代表
中小企業から上場企業まで様々な企業で労務に従事。計10年の労務経験を経て独立。独立後は労務コンサルのほか、Webメディアの記事執筆・監修を中心に人事労務に関する情報提供に注力。法人・個人問わず多くの記事執筆・監修をしながら、自身でも労務専門サイトを運営している。

北 光太郎

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