確定申告の基礎知識

確定申告の提出方法とは?送付先ややり方、e-Tax(イータックス)での方法も紹介

監修 eel税理士法人

確定申告の提出方法とは?送付先ややり方、e-Tax(イータックス)での方法も紹介

確定申告書の提出方法には「税務署窓口へ直接提出」「郵送」「e-Tax」の3種類があります。

それぞれの提出方法によって事前準備の有無や申告時の注意点などが異なり、自身の状況に応じて提出方法を選べます。

本記事では、それぞれの提出方法のメリットとデメリットを詳しく解説します。

目次

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確定申告書の提出方法は3つ

確定申告書の提出方法には以下の3つの方法があります。

  • 税務署の窓口へ直接提出する
  • 郵送で提出する
  • e-Taxで電子申告する

それぞれのメリット・デメリットを解説します。


提出方法メリットデメリット
窓口・担当者による記載内容・書類の不備などをチェックしてもらえる・開庁時間内のみの対応となる
・期限日直前は混雑する
・内容相談は帳簿類が必要になることがある
郵送・窓口に行く必要がない・書類不備や内容の誤りがあった場合、修正完了までに時間がかかる
・郵送代がかかる
・控えの申告書や返信用封筒の準備が必要となる
・最大55万円の青色申告控除となってしまう
e-Tax・他の方法が2月からなのに対し、1月から申告できる
・自宅や事務所で申告から納税までできる
・24時間いつでも提出できる
(メンテナンスの時間を除く)
・還付までの時間が短い
・一度準備すれば翌年からはスムーズに申告できる
・マイナポータルから控除証明書なども取得できる
・添付書類の提出を省略できる
・最大65万円の青色申告控除が受けられる
事前準備が必要
・マイナンバーカードの取得
・電子申告のための環境整備
・利用者識別番号等の取得

【関連記事】
確定申告書は郵送できる?確定申告書の提出方法や特徴、注意点について解説

税務署の窓口に直接提出

確定申告期間中は、税務署内に専用窓口が設けられます。申告内容や提出物の不備等がないかを確認してもらうこともできるため、申告内容に不安がある場合には直接税務署へ提出しに行くとよいでしょう。

通常、税務署の開庁時間は平日8:30から17:00です。しかし確定申告期間中は、日曜日でも確定申告書の提出や相談対応のために開庁している税務署もあるため、事前に管轄税務署のホームページで確認しておきましょう。

また、すべての税務署に時間外収受箱が設置されているため、記載内容の相談や検算の必要がない場合は、24時間投函可能です。

郵送にて提出

確定申告書は、信書に該当するため、「郵便物」または「信書便物」として郵送します。郵送での確定申告書提出日は消印の日付となります。

申告書の控えが欲しい場合は、控えの申告書と切手を貼った返信用封筒を忘れずに同封しましょう。

e-Tax(イータックス)から提出

e-Taxには「マイナンバーカード方式」と「ID・パスワード方式」の2つの方法があります。

ID・パスワード方式はマイナンバーカードが無い場合やマイナンバーカードはあるがICカードリーダライタがない場合の方法になりますが利用者識別者番号が必要となります。

※ICカードリーダライタがなくてもスマートフォンを使用してのマイナンバーカードでの申告が可能です。

マイナンバーカードの交付は申請してから約1ヶ月ほどかかるため、余裕を持って準備することをおすすめします。

確定申告書の提出先

提出する税務署は納税地によって決められているため、納税する側が自由に選ぶことはできません。一般的には、住民票の住所がある「住所地」が納税地とされています。

管轄の税務署がわからない場合は、国税庁のWebサイトから確認可能です。

また、東京都23区内に納税地がある場合、1つの区に複数の税務署があるため管轄の税務署がどこになるか注意が必要です。

たとえば、東京都港区の場合、「麻布・赤坂地区」であれば麻布税務署の管轄となりますが、「芝地区」であれば芝税務署の管轄となります。詳しくは、国税庁のWebサイトにある「税務署所在地案内(東京都)」で検索してみましょう。

確定申告の提出先について詳しく知りたい方は、別記事「確定申告を郵送提出する際の封筒の書き方や注意点を解説!」をあわせてご確認ください。

確定申告書の提出先が変更になるケース

提出先は、原則として1月1日に住民票のある住所地を管轄する税務署ですが、一部例外の場合もあります。確定申告前に転居した場合や海外で勤務・在住し、国内に住所地がない場合、そして確定申告者本人が死亡している場合などが該当します。

確定申告前に転居した場合

確定申告書は「提出時の納税地を所轄する税務署長に対して提出する」ため、確定申告時に住んでいる住所地を管轄する税務署に提出することになります。

引越しなど納税地の異動があった場合は、事前に「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する申出書」の提出が必要です。※令和5年1月1日以後は、 所得税等の納税地の異動に関する届出書について、その提出が不要とされました。

ある年の12月1日に「A市」から「B市」へ引っ越しをした場合、その翌年の確定申告期間に行う申告書の提出先は、「B市」を管轄する税務署になります。引っ越しなどで納税地の異動があった場合は、引っ越し前の「A市」の税務署に対して「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」を提出する必要があります。


出典:国税庁「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出手続」

自宅と店舗・事業所の住所が異なる場合

個人事業主の場合、事務所や店舗の所在地を納税地として選択できます。

自宅以外の事務所や店舗の所在地を納税地として確定申告を行う場合は、事前に「所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書」の提出が必要です。

海外に在住・勤務している場合

海外に住んでいる場合も日本国内で一定の所得がある場合は確定申告が必要です。

国内の自宅の所在地が納税地となりますが、国内に自宅がない場合は以下の順に判断されます。

国内に自宅がない場合の判断順位

  1. 国内で事業を行っている事務所などがあれば、その所在地
  2. 1以外で、出国前に納税地であった住所地に親族が現在も住んでいる場合、その住所地
  3. 1と2以外で、国内に所有する不動産の賃貸収入がある場合、その所在地
    (複数の不動産を持つ場合は、主な資産となる不動産の所在地)
  4. 1~3の条件で納税していた人が、その条件にあてはまらなくなったときは、その直前の納税地
  5. 1~4のどれにもあてはまらない場合、麹町税務署の管轄区域内の場所


出典:国税庁「No.2029 確定申告書の提出先(納税地)」

確定申告者本人が亡くなった場合

確定申告の対象となる人が亡くなった場合、原則としてその相続人が確定申告を行います。これを「準確定申告」といいます。

準確定申告をする際の注意点は以下のとおりです。

  • 提出先は亡くなった本人の住所地の管轄税務署
  • 複数の相続人がいる場合、代表者を選定し「確定申告書付表(兼相続人の代表者指定届出書)」を申告書に添付
  • 準確定申告期限は、相続の事実を知った日の翌日から4ヶ月以内

確定申告の提出期日

確定申告書類の提出期限は通常、2月16日〜3月15日です。

申告期限を過ぎてしまうと無申告として扱われ、無申告加算税や延滞税などのペナルティが課せられる場合があります。

そのため、納税するべき所得税がある場合は必ず期限内に申告しましょう。

ただし、「還付申告」の場合は、確定申告期限を過ぎてもペナルティ等はありません。還付申告の申告期限は、還付の対象となる年の翌年1月1日から5年間です。申告期限を過ぎてしまうと還付が受けられないため、気づいたらすぐに還付申告をしましょう。

また、申告期限が土日であるなど、年によって期限日が異なる場合があります。詳しくは国税庁のホームページをご確認ください。

還付申告について詳しく知りたい方は、別記事「還付申告とは?対象となるケースや確定申告・年末調整との違いを解説」をあわせてご確認ください。

税金の納付方法

確定申告によって算出された所得税は、主に以下の方法で納税します。

税金の納付方法

  • 口座振替
  • 電子納税(e-Tax)
  • クレジットカードによる納付
  • スマホアプリ納付
  • QRコードによるコンビニ支払い
  • 金融機関や税務署の窓口での現金納付

それぞれの方法でメリットやデメリットがあり利用条件も異なるため、利用したい納税方法がある場合、事前の手続きや利用の可否などを事前に確認しましょう。

また、確定申告では所得税の申告のみを行いますが、確定申告の内容を基に住民税も決定されます。確定した住民税は、別途支払通知書が届くか、会社員の場合は毎月の給与から差し引かれます。

各種納税方法の違いやメリットデメリットについて詳しく知りたい方は、別記事「【2023年最新】確定申告後の納税方法7つ! メリット・デメリットの比較とおすすめの方法」をあわせてご確認ください。

まとめ

確定申告書の提出方法は、それぞれ「窓口」「郵送」「電子申告」のいずれかから選択可能です。それぞれにメリット・デメリットがあり、申告できるタイミングや注意点も異なります。

e-Taxでの提出は、自宅にいながら提出を完了させ添付書類を一部省略することもでき、さらに還付のスピードが早いというほかの提出方法にはないメリットもあります。

申告内容の確認が必要かどうかや、自身の状況に応じて利用可能な提出方法を事前に確認し、期限内に提出が完了するようにしましょう。

確定申告を簡単に終わらせる方法

確定申告には青色申告と白色申告の2種類があります。どちらを選択するにしても、期限までに正確な内容の書類を作成し申告しなければいけません。

確定申告書を作成する方法は手書きのほかにも、国税庁の「確定申告等作成コーナー」を利用するなどさまざまですが、会計知識がないと記入内容に悩む場面も出てくるでしょう。

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よくある質問

確定申告書の提出方法は?

確定申告の提出方法には以下の3つ方法があります。

  • 税務署の窓口へ直接提出
  • 郵送で提出
  • e-Taxで電子申告

詳しくは記事内「確定申告書の提出方法は3つ」をご覧ください。

確定申告書はどこに提出する?

申告書を提出する税務署は、住所地を管轄する税務署であると決められているため、納税する側が自由に選ぶことはできません。ただし、個人事業主の事業所と住所地が違う場合や、納税者が国外にいる場合などは別途判断が必要です。詳しくは記事内「確定申告書の提出先」をご覧ください。

監修 eel税理士法人

eel税理士法人は、30代の若手税理士が運営するITと創業支援が強みの税理士事務所です。お客様に合わせたツールで、気軽にコミュニケーションをお取りいただける環境を用意しています。また、創業融資を強みとしておりますので、融資に関してもご相談がある方はお気軽にご相談ください。

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