監修 安田亮 安田亮公認会計士・税理士事務所
2月~3月は、確定申告の時期です。確定申告の作業は1年分の会計結果を税務署へ報告する必要があるため、さまざまな書類の作成・提出が必要となり、煩雑な業務が増えることになります。
通常は申告書類を紙で作成するなど、アナログな方法が主流でしたが、「e-Tax」(電子申告)の導入によりインターネット上で申告ができるようになりました。今回はe-Taxを利用した白色申告の方法を解説します。
目次
確定申告が超ラクちんに!
freee会計は〇✕形式の質問で確定申告に必要な書類作成をやさしくサポート!口座とのデータ連携によって転記作業も不要になり、入力ミスも大幅に削減します。freee会計で自分でできる確定申告を!
白色申告とは?
白色申告は確定申告をする方法のひとつで、事業所得が20万円を超えると行う必要があります。白色申告は、青色申告と比べて手間がかからないというメリットがあります。青色申告で行う複式簿記ではなく、単式簿記形式で記録していけば問題ありません。
単式簿記は家計簿のようなイメージで、特別な知識は不要で誰でも簡単に記帳できます。また、青色申告には事前の申請が必要ですが、白色申告では不要です。
そのため、白色申告は会計に詳しくない人、事業で得られる収入が少ない人、支出が収入を上回って赤字になっている人に向いている申告方法といえます。
e-Taxを利用するメリット
e-Tax(電子申告)と呼ばれる「国税電子申告・納税システム」を利用すると、インターネット上で確定申告を行うことができます。インターネット環境があれば、書類の作成から提出まで場所を問わず申告作業を進められます。
通常は、年末年始を除く月曜日から金曜日の午前8時30分から翌日0時までが利用時間ですが、確定申告時期には24時間アクセスが可能になるため、時間的制約もなくなります。
紙への記入などの煩雑な業務が削減でき、税務署への持参や送付などが不要になる点が、e-Taxを利用する大きなメリットです。
e-Taxで白色申告を行うために必要なもの
e-Taxでは、インターネットを通じて白色申告を行います。事前に準備が必要なものは以下の通りです。
e-Taxの白色申告で必要なもの
- 電子証明書
- ICカードリーダライタ・スマホ
- マイナンバーカード(利用者識別番号)
それぞれの詳しい内容を紹介します。
電子証明書
電子証明書は、手続きを本人が行っているかを確認するための証明書です。電子証明書の取得によって、①データの作成者が本人であること、②データが改ざんされていないこと、の2点が証明されます。
電子証明書のうち、「公的個人認証サービス」の証明書は、マイナンバーカードの交付申請で取得可能です。マイナンバーカードには、地方公共団体情報システム機構が認証する公的個人認証サービスの電子証明書が標準的に備わっています。
出典:e-Tax 国税電子申告・納税システム「電子証明書の取得」
ICカードリーダライタ・スマホ
I Cカードリーダライタは、電子証明書の読み取りに必要な機器です。家電量販店やネット経由で購入できますが、公的個人認証サービスに対応したICカードリーダライタが必要となるため、事前に適切な機器をご確認ください。
「共用型」・「接触型」・「非接触型」など複数の規格が存在するため、必ずご自身に合ったカードリーダライタの購入が必要です。また、Macを利用している人は、Macに合う型を選択しなければいけないため要注意です。
購入後はICカードリーダライタのセットアップを行います。具体的なセットアップ方法は「公的個人認証サービスポータルサイト」のページをご覧ください。
なお、マイナンバーカードを読み取る場合に限り、マイナンバーカードに対応するスマホでの電子証明書の読み取りが可能です。
具体的には、iOS15以上がインストールされたiPhone 7以降のモデル、またはNFC機能を搭載したAndroidスマホが挙げられます(2024年11月1日時点)。対応するスマホの詳しい内容は「マイナポータル」のページをご確認ください。
出典:地方公共団体情報システム機構「申請に利用する機器を選ぶ」
出典:e-Tax 国税電子申告・納税システム「Q スマートフォンをICカードリーダライタとして利用するためにはどうすればよいのですか。」
出典:e-Tax 国税電子申告・納税システム「QRコード認証」
マイナンバーカード(利用者識別番号)
利用者識別番号は、e-Taxの利用で必要な16桁の番号です。利用者識別番号の取得には、以下の方法が挙げられます。
利用者識別番号の取得方法
- マイナンバーカードを利用してWebでアカウント登録する
- Webで電子申告・納税等開始届出書を送信する
- マイナポータルの「外部サイトとの連携」機能を活用する
- WebでID・パスワード方式の届け出を行う
- 税務署でID・パスワード方式の届け出を行う
- 電子申告・納税等開始届出書を税務署へ提出する
- 税理士に取得を依頼する
出典:e-Tax 国税電子申告・納税システム「ご利用の流れ」
方法により、利用者識別番号の取得に時間がかかる場合があります。申告をする際に取得が間に合わないケースも考えられるため、時間に余裕を持って手続きを行なってください。
e-Taxでの白色申告のやり方
e-Taxの白色申告で必要な準備が終わったら、確定申告書を作成してオンラインで申告します。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用して申告する流れは次の通りです。
白色申告のやり方
- トップ画面で「作成開始」を選択する
- 提出方法や申告書の選択など事前準備をする
- 申告書を作成する
- 申告内容を確認し、送信する
国税庁の確定申告書等作成コーナーにアクセスすると、確定申告書の作成に関する複数のメニューが表示されます。トップ画面で「作成開始」のバナーを探して、選択しましょう。
「作成開始」を選択すると、事前準備に関する画面が表示されます。事前準備で行う作業は、税務署への提出方法の選択や作成する申告書の種類の選択などです。
たとえば、税務署への提出方法には、マイナンバーカード方式とID・パスワード方式の2つの方法があります。それぞれの詳しい内容は、後述の「マイナンバーカード方式とID・パスワード方式」をご確認ください。
作成する申告書の種類は、「所得税」「決算書・収支内訳書(+所得税)」「消費税」「贈与税」の4つです。「決算書・収支内訳書(+所得税)」を選択して次へ進みましょう。白色申告に必要な収支内訳書を作成できます。
すでに確定申告ソフトで収支内訳書を作成している人は、「所得税」を選択すると所得金額のみの入力で確定申告書の作成が可能です。
事前準備が完了したあと、確定申告書を作成します。作成した収支内訳書や各種控除証明書などの金額をもとに、収入金額や所得金額、所得控除や税額控除を入力してください。
最後に、作成した確定申告書に誤りがないかを確認します。確認後、申告書を送信すると、e-Taxを利用した白色申告は完了です。
出典:国税庁「確定申告書等作成コーナー ご利用ガイド(パソコン版)」
マイナンバーカード方式とID・パスワード方式
マイナンバーカード方式は、お持ちのマイナンバーカードを利用して確定申告書を提出する方法です。スマートフォンまたはICカードリーダライタでマイナンバーカードを読み取り、e-Taxで送信します。
ID・パスワード方式では、e-Tax用のID・パスワードを利用して確定申告書を提出します。ID・パスワード方式は、事前に税務署で本人確認を行う手続きが必要です。
出典:国税庁「確定申告書等作成コーナー ご利用ガイド(パソコン版)」
確定申告が超ラクちんに!
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まとめ
白色申告は、e-Taxを利用したオンラインでの申告が可能です。インターネット環境やパソコンなどの機器を利用して、自宅で白色申告を進められます。税務署や確定申告会場に行く必要がない点もメリットです。
e-Taxでの白色申告は、国税庁の確定申告書等作成コーナーや確定申告ソフトを活用して行えます。オンラインで利用できるサービスを上手に活用して、申告作業を効率的に進めましょう。
確定申告を簡単に終わらせる方法
確定申告には青色申告と白色申告の2種類があります。どちらを選択するにしても、期限までに正確な内容の書類を作成し申告しなければいけません。
確定申告書を作成する方法は手書きのほかにも、国税庁の「確定申告等作成コーナー」を利用するなどさまざまですが、会計知識がないと記入内容に悩む場面も出てくるでしょう。
そこでおすすめしたいのが、確定申告ソフト「freee会計」の活用です。
freee会計は、〇✕形式の質問で確定申告に必要な書類作成をやさしくサポートします。必要な計算は自動で行ってくれるため、計算ミスや入力ミスを軽減できます。
ここからは、freee会計を利用するメリットについて紹介します。
1.銀行口座やクレジットカードは同期して自動入力が可能!
1年分の経費の入力は時間がかかる作業のひとつです。freee会計に銀行口座やクレジットカードを同期すると、利用した内容が自動で入力されます。
また、freee会計は日付や金額だけでなく、勘定科目も予測して入力します。
溜め込んだ経費も自動入力でカンタン!
2.現金取引の入力もカンタン!
freee会計は、現金での支払いも「いつ」「どこで」「何に使ったか」を家計簿感覚で入力できるので、毎日手軽に帳簿づけが可能です。自動的に複式簿記の形に変換してくれるため、初心者の方でも安心できます。
さらに有料プランでは、チャットで確定申告について質問ができるようになります。オプションサービスに申し込めば、電話での質問も可能です。
freee会計の価格・プランについて確認したい方はこちらをご覧ください。
3.〇✕形式の質問に答えると、各種控除や所得税の金額を自動で算出できる!
各種保険やふるさと納税、住宅ローンなどを利用している場合は控除の対象となり、確定申告することで節税につながる場合があります。控除の種類によって控除額や計算方法、条件は異なるため、事前に調べなければなりません。
freee会計なら、質問に答えることで控除額を自動で算出できるので、自身で調べたり、計算したりする手間も省略できます。
4.確定申告書を自動作成!
freee会計は取引内容や質問の回答をもとに確定申告書を自動で作成できます。自動作成した確定申告書に抜け漏れがないことを確認したら、税務署へ郵送もしくは電子申告などで提出して、納税をすれば確定申告は完了です。
また、freee会計はe-tax(電子申告)にも対応しています。e-taxからの申告は24時間可能で、税務署へ行く必要もありません。青色申告であれば控除額が10万円分上乗せされるので、節税効果がさらに高くなります。
e-tax(電子申告)を検討されている方はこちらをご覧ください。
完成した確定申告書を提出・納税して確定申告が完了!
freee会計を使うとどれくらいお得?
freee会計には、会計初心者の方からも「本当に簡単に終わった!」というたくさんの声をいただいています。
税理士などの専門家に代行依頼をすると、確定申告書類の作成に5万円〜10万円程度かかってしまいます。freee会計なら月額980円(※年払いで契約した場合)から利用でき、自分でも簡単に確定申告書の作成・提出までを完了できます。
余裕をもって確定申告を迎えるためにも、ぜひfreee会計の利用をご検討ください。
よくある質問
白色申告でe-Taxを利用するメリットは?
オンラインで申告できる、確定申告時期であれば24時間アクセスできるなどのメリットが挙げられます。
白色申告でのe-Taxのメリットを詳しく知りたい方は「e-Taxを利用するメリット」をご覧ください。
白色申告をe-Taxでする方法は?
国税庁の「確定申告等作成コーナー」のほか、確定申告ソフトを活用する方法があります。
具体的な方法を詳しく知りたい方は「e-Taxでの白色申告のやり方」をご覧ください。
監修 安田 亮(やすだ りょう)
1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。