近年、特定の企業や団体に属さずに仕事をする「フリーランス」の働き方が世界的に注目を集めています。各種サービスの普及や価値観の変化に伴い、日本国内でもフリーランスは増加傾向です。

本記事では、フリーランスの定義や代表的な職種、フリーランスとして仕事を行う場合の注意点などを紹介します。

• フリーランスとは
• なぜフリーランスで仕事をする人が増えているのか
• フリーランスで仕事をする魅力
• フリーランスの仕事にはどんなものがあるのか
• クリエイティブ系
• 物書き系
• ビジネス系
• IT系
• 美容系
• その他
• フリーランスとして仕事を行う場合の注意点
• 自己管理能力が求められる
• 自分で営業を行う必要がある
• 収入が安定しないケースがある
• クレジットカードやローンの審査に通らない場合がある
• 企業が提供する福利厚生を受けられない
• 未経験の状態で仕事を獲得するのは難しい
• 社会保険・経理・納税などの手続きを自分で行わなければならない
• まとめ
• freee開業なら、税務署に行かずに開業届をかんたんに作成
• よくある質問

厚生労働省によると、フリーランスは下記のように定義されています。

つまり、フリーランスとは何かしらの知識やスキルがあり、それを消費者や企業に提供して生計を立てている個人のことです。

なお、総務省統計局によると、日本には2022年時点で本業・副業を含め約257万人のフリーランスがいるとされています。

出典：総務省統計局「基幹統計として初めて把握したフリーランスの働き方」

フリーランスが増加した背景にはさまざまな理由があります。

中小企業庁の「小規模事業者の構造分析」によると、フリーランスがその働き方を選択した大きなきっかけのひとつに「自分の得意な技能や経験を活かせる働き方を求めるようになったこと」が挙げられています。

自分の特技や好きを活かし、報酬を得たり社会に貢献したりすることには大きな魅力があり、個人の生きがいにも繋がるでしょう。

フリーランスの働き方を続けている人は、その働き方や仕事内容の自由度にも魅力を感じています。フリーランスのメリットとして、以下が挙げられます。

これらのメリットはライフスタイルが多様化した現代人のニーズにフィットするといえます。

また、これまではフリーランスとして独立しても「どのように仕事を獲得したらいいかわからない」などの課題がありました。しかし、クラウドソーシングサービスの台頭によって、現在は仕事を見つけやすくなってきています。

クラウドストレージやビデオチャットがあれば、場所や時間にとらわれない働き方（リモートワーク・テレワーク）も可能です。人生100年時代といわれ、定年後のキャリアを考えるなど価値観の変化も影響しているといえます。

フリーランスの仕事は、クリエイティブなものからビジネス系のものまでさまざまです。フリーランスの代表的な職種をいくつか紹介します。

デザイナーや芸術家など、クリエイティブに関わるフリーランスの職種例です。

デザイナーやイラストレーターは、専門的な学校に通って技術を身に付ける人もいれば、独学で経験を積んで独立する人もいます。在学中からすでにフリーランスとして活動している人もいるほどです。

文章を仕事にしているフリーランスも多いです。大学でジャーナリズムや文学を専攻していた人や全くの未経験から物を書く仕事をしている人など、物書き系のフリーランスとしてのきっかけはさまざまあります。

特にライター職はクラウドソーシングサイトでも需要が高く、人気の職種です。文章を書くことが好きな人・調べ物や物事を掘り下げて考えることが好きな人に向いている仕事といえます。

時代の変化とともに、ビジネス系のフリーランスも増えています。ビジネス系のフリーランスが増えた背景としては、クラウドストレージやビデオチャットサービスの普及によってリモートでも仕事が可能になった点も大きいでしょう。

従来オフィスに出社して働くイメージの強い職種ですが、近年ではオフィスにいなくとも自宅やコワーキングスペースで働くことが可能となりました。

IT系の職種は代表的なフリーランスの職種としてよく挙げられますが、最近では本業のかたわら、副業で単発のプロジェクトにフリーランスとして参加する人も増えているようです。

IT系のフリーランスもクリエイティブ系と同じく、専門の学校に通って技術を身に付けるか、独学で独立する人が多い職種です。

ヘアメイクアップやネイルなど、美容業界にもフリーランスの仕事があります。一般的に、ヘアサロンなどで経験を積んで独立するケースが多いようです。

その他、以下のようにさまざまな職種のフリーランスが存在します。

そして今後、仕事はさらに細分化されていくと考えられます。クラウドソーシングサイトや副業サイトにはさまざまな仕事の依頼が掲載されているため、上記の職種に限らず、自分の特技やスキルを活かせる仕事を探しましょう。

フリーランスは自由度が高く魅力的な働き方ではあるものの、いくつか注意すべき点もあります。特に注意したいのは以下の7点です。

上記の注意点を把握せずにフリーランスになると、理想と現実に大きなギャップが生じ、後悔することもあるかもしれません。以下で各注意点を順番に紹介します。

フリーランスは仕事の裁量がある反面、自己管理能力が求められます。自己管理能力がない場合、仕事を先送りにして納期に追われたり、タスク管理が煩雑で納期に遅れたりする可能性があります。

また、コワーキングスペースや自宅など、基本的に自分で場所を決めて仕事をするため、自分で集中をたもつ方法を模索する必要があります。1人でのコツコツ作業が苦にならない人もいますが、人の目がないと作業に集中できない人は集中をたもつ方法を決めておきましょう。

フリーランスが直面する課題のひとつに「営業」が挙げられます。フリーランスを目指して思い切って勤務先をやめたものの、営業が上手くいかずに行き詰まるケースも少なくありません。

営業が苦手な場合は、人脈作りをしてから独立するのもひとつの方法です。あらかじめ人脈作りをしておけば、前職のつながりで仕事をしたり、知人経由で仕事の話を受けられたりする可能性があります。

また、フリーランスとしての活動を続けていくうえで、ブログやホームページ、SNS経由で仕事がくる場合もあります。仕事内容やこれまでの実績は、インターネット上で積極的に発信してみましょう。

収入面の不安もフリーランスが抱える課題のひとつです。ある日突然、契約が打ち切られるかもしれませんし、フリーランスは、会社員のように継続的に毎月同じ給料が支払われるわけではありません。

また、収入面への不安から仕事を受け過ぎてしまい、体調を崩してしまう可能性もあります。

中にはフリーランスになってから収入のことを考え始めて上手くいく人もいます。しかし、できれば取引先の目処や収入の目処を立ててから独立したほうが不安は少ないです。

クレジットカードやローンを契約するためには、申込後に行われる審査に通過しなければいけません。審査では返済能力などが確認され、問題ないと判断されれば契約に進むことができます。

しかし、フリーランスは一般的な会社員とは違い、毎月同じ給料を受け取れず、収入が不安定になりやすいです。収入が不安定な場合、クレジットカードやローンの審査結果にもよくない影響が生じる可能性があります。

フリーランスは特定の企業や団体に雇われずに個人で仕事をする働き方であるため、一般的な会社員が受けられる以下のような福利厚生がありません。

フリーランスとして活動するうえで福利厚生を受けたい場合は、個人向けの福利厚生サービスに自ら加入する必要があります。

※令和６年11月１日より、フリーランス（特定受託事業者）が労災保険の特別加入対象となりました。

フリーランスが仕事を獲得するためには、ある程度の実績が必要です。

未経験で実績がない状態では、案件を発注する企業側がスキルの有無を見極めることができません。どれほどのスキルをもっているかわからない相手に対して、仕事を任せたいと考える企業は少ないでしょう。

また、実績がないと企業側からの信頼も得られないため、未経験の仕事を安定的に獲得するのは難しいです。そのため、まずは副業から挑戦し、経験やスキルを身に付けてからフリーランスになるとよいでしょう。

最後は経理や納税面です。フリーランスとして独立したら、これまで企業が半分負担してくれていた社会保険料を全額自分で支払う必要があります。納付の手続きも自分で行わなければなりません。

また、フリーランスとして独立して一定の利益が発生している人は、毎年確定申告が必要です。なお、確定申告をおこなう前に、まずは独立と同時に開業届を税務署に提出します。開業届とは、個人事業主としての独立を知らせる届出です。

さらに従業員を雇う場合や確定申告時に青色申告を選択したい場合は開業届のほかにも届出が必要です。ご自身で何が必要なのか調べておきましょう。

【関連記事】
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フリーランスの仕事は自由度が高く、のびのびと働きたい人にとっては魅力的な働き方だといえます。パソコン1台のみで完結する仕事なら好きな場所で作業できるほか、仕事量も自分1人で調整できます。

ただし、フリーランスは働き方の自由度が高い分、ある程度の自己管理能力が求められます。また、納税などの手続きも自分で行わなければいけません。フリーランスを目指すかどうかは、メリットとデメリットを調べたうえで慎重に決めましょう。

個人事業を始める際には「開業届」を、青色申告をする際にはさらに「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。 記入項目はそれほど多くはありませんが、どうやって記入したらいいのかわからないという方も多いと思います。

そこでおすすめなのが「freee開業」です。ステップに沿って簡単な質問に答えていくだけで、必要な届出をすぐに完成することができます。

1. 個人事業の開業・廃業等届出書
開業届のことです。

2. 所得税の青色申告承認申請書
青色申告承認申請書は事業開始日から2ヶ月以内、もしくは1月1日から3月15日までに提出する必要があります。期限を過ぎた場合、青色申告できるのは翌年からになるため注意が必要です。

3. 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
家族や従業員に給与を支払うための申請書です。

4. 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
原則毎月支払う源泉所得税を年2回にまとめて納付するための手続です。毎月支払うのは手間ですので、ぜひ提出しましょう。

5. 青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書
青色申告をする場合に、家族に支払う給与を経費にするための手続です。青色申告をして家族に給与を支払う場合は必ず提出しましょう。

freee開業を使った開業届の書き方は、準備→作成→提出の3ステップに沿って必要事項を記入していくだけです。

準備編では事業の基本情報を入力します。迷いやすい職業欄も多彩な選択肢のなかから選ぶだけ。

事業の開始年月日、想定月収、仕事をする場所を記入します。
想定月収を記入すると青色申告、白色申告のどちらが、いくらお得かも自動で計算されます。

次に、作成編です。

申請者の情報を入力します。
名前、住所、電話番号、生年月日を記入しましょう。

給与を支払う人がいる場合は、上記のように入力をします。
今回は準備編で「家族」を選択しましたので、妻を例に記入を行いました。

さらに、見込み納税金額のシミュレーションも可能。
※なお、売上の3割を経費とした場合の見込み額を表示しています。経費額やその他の控除によって実際の納税額は変化します。

今回は、青色申告65万円控除が一番おすすめの結果となりました。

最後のステップでは、開業に必要な書類をすべてプリントアウトし、税務署に提出します。

入力した住所をもとに、提出候補の地区がプルダウンで出てきます。地区を選ぶと、提出先の税務署が表示されますので、そちらに開業届けを提出しましょう。

届け出に関する説明とそれぞれの控えを含め、11枚のPDFが出来上がりました。印刷し、必要箇所に押印とマイナンバー（個人番号）の記載をしましょう。

郵送で提出したい方のために、宛先も1ページ目に記載されています。切り取って封筒に貼りつければ完了です。

いかがでしょう。
事業をスタートする際や、青色申告にしたい場合、切り替えたい場合など、届出の作成は意外と煩雑なものです。

しかし、freee開業を活用すれば、無料ですぐに届け出の作成が完了。

また、確定申告書の作成もfreee会計を使えば、ステップに沿ってすぐに完了します。
freee開業とfreee会計を使って、効率良く届出を作成しましょう。

フリーランスの仕事には、デザイナー・ライター・マーケター・美容師など、さまざまな種類があります。

詳しくは「フリーランスの仕事にはどんなものがあるのか」をご覧ください。

フリーランスは特定の企業に属さず働く都合上、企業が会社員に対して提供している福利厚生は受けられません。

詳しくは「企業が提供する福利厚生を受けられない」をご覧ください。