勘定科目の基礎知識

忘年会や新年会費用の勘定科目は? 仕訳例や経費計上のポイントも紹介

監修 安田亮 安田亮公認会計士・税理士事務所

忘年会や新年会費用の勘定科目は? 仕訳例や経費計上のポイントも紹介

忘年会・新年会の費用を会社で負担する際には、社員全員が参加できる会であれば「福利厚生費」の勘定科目で経費計上できます。また、取引先との開催は「交際費」で計上が可能です。

本記事では、忘年会・新年会費用の勘定科目仕訳方法を解説します。記事の後半では、忘年会・新年会費用を経費に計上する際のポイント・注意点も解説しているので、ぜひあわせてご確認ください。

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目次

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忘年会・新年会の費用に用いる勘定科目

社内の全員が参加できる忘年会・新年会は「福利厚生費」として経費計上できます。また、取引先など社外との忘年会・新年会は、「交際費」として経費計上が可能です。

忘年会・新年会の費用に用いる勘定科目についてそれぞれ見ていきましょう。

忘年会・新年会の費用に用いる勘定科目

  • 社内で忘年会・新年会をする場合は【福利厚生費】
  • 社外と忘年会・新年会をする場合は【交際費】

【福利厚生費】

社内の忘年会・新年会は「福利厚生費」として経費計上できます。

一部の社員のみではなく、社員全員が参加可能であることが「福利厚生費」として経費計上するための条件です。社員全員が参加可能という条件を満たしていれば、欠席者がいて実際には全員参加ではない場合でも、福利厚生費として認められます。

また、社員全員を対象にしている限りにおいては、部署単位で忘年会を実施する場合であっても福利厚生費として経費に計上が可能です。

【交際費】

取引先など社外と忘年会・新年会をする場合は、「交際費」の勘定科目で経費計上が可能です。

なお、自由参加の二次会も交際費の勘定科目で処理します。一部の従業員が参加する忘年会・新年会は、福利厚生費の勘定科目として経費計上できないので注意してください。

【事例で解説】忘年会・新年会の費用の仕訳例

忘年会・新年会の費用を経費に計上する場合の具体的な仕訳例を見ていきましょう。

【事例で解説】忘年会・新年会の費用の仕訳例

  • 社内で忘年会・新年会を開催する場合
  • 取引先やクライアントと忘年会・新年会を開催する場合
  • 社内で忘年会・新年会を開催する場合

    社内の忘年会・新年会を開催するのにかかった費用20万円を福利厚生費として経費計上する場合、以下のように仕訳します。


    借方貸方
    福利厚生費200,000円現金200,000円

    取引先やクライアントと忘年会・新年会を開催する場合

    取引先やクライアントとの忘年会・新年会を開催するのにかかった費用20万円を交際費として経費計上する場合、以下のように仕訳します。


    借方貸方
    交際費200,000円現金200,000円

    忘年会・新年会の費用を経費に計上する際のポイント・注意点

    忘年会・新年会の費用を経費に計上する際のポイント・注意点を以下で見ていきましょう。

    忘年会・新年会の費用を経費に計上する際のポイント・注意点

    • 金券や商品券などの景品は福利厚生費にできない
    • 高額すぎる場合は経費として認められない可能性がある
    • オンラインでの忘年会・新年会も経費に計上できる

    金券や商品券などの景品は福利厚生費にできない

    社内の忘年会・新年会の景品にかかった費用も、常識的な金額の範囲内であれば、福利厚生費に含めることができます。

    ただし、金券や商品券を忘年会・新年会の景品にする場合は、現金と同様の扱いとなり、原則として従業員への給料となります。福利厚生費として経費に計上はできないので、注意してください。

    高額すぎる場合は経費として認められない可能性がある

    忘年会・新年会の費用が高額すぎる場合は、経費として認められない可能性があります。明確な基準はありませんが、常識的な金額を大きく超えることがないように注意が必要です。

    1人あたり1万円程度までなら、基本的に問題になりにくいと考えられます。しかし、一人あたり数万円を超えるなど高額になると指摘を受ける可能性が高まります。

    まとめ

    社内での忘年会・新年会は社員全員が参加できるものであれば「福利厚生費」として経費計上が可能です。また、取引先との忘年会・新年会は「交際費」として経費計上できます。

    なお、忘年会・新年会の景品の費用も経費計上できますが、福利厚生費として経費計上はできないので注意してください。金券や商品券の扱いは従業員への給料となります。

    また、忘年会・新年会の費用が高額すぎる場合は、経費に認められない可能性があるので、あわせて注意しておきましょう。

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    よくある質問

    忘年会・新年会の費用を経費に計上する際の勘定科目は?

    社内での忘年会・新年会は社員全員が参加できるものであれば「福利厚生費」の勘定科目で計上が可能です。取引先との忘年会・新年会を開催する場合は「交際費」の勘定科目を用いましょう。

    忘年会・新年会の費用を経費に計上する際の勘定科目を詳しく知りたい方は「忘年会・新年会の費用に用いる勘定科目」をご覧ください。

    忘年会・新年会の費用を経費に計上する際のポイントは?

    金券や商品券などの景品は福利厚生費として経費計上できないことに注意が必要です。また、高額すぎる忘年会・新年会は経費として認められない可能性があることも覚えておきましょう。

    忘年会・新年会の費用を経費に計上する際のポイントを詳しく知りたい方は「忘年会・新年会の費用を経費に計上する際のポイント・注意点」をご覧ください。

    監修 安田 亮(やすだ りょう)

    1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。

    監修者 安田亮