業務に必要な移動で使ったタクシー代は、旅費交通費または接待交際費の勘定科目で仕訳します。タクシーの利用目的で使い分け、適切に仕訳しましょう。

タクシー代は業務で必要な場合に限り経費として計上可能でき、個人事業主も例外ではありません。ただし、タクシー代を経費計上する場合には注意点もあるため、注意が必要です。

本記事では、タクシー代の仕訳に使う勘定科目や仕訳例、経費計上する際の注意点を解説します。

• タクシー代の仕訳に使う勘定科目
• 【旅費交通費】
• 【接待交際費】
• 個人事業主もタクシー代の経費計上は可能
• 経費計上できないタクシー代
• 【事例で解説】タクシー代の仕訳例
• 得意先回りでタクシー代を支払った場合
• 研修を受けるためタクシーで移動した場合
• 取引相手を送迎するためにタクシー代を負担した場合
• タクシー代の仕訳や経費計上に関する注意点
• 根拠となる資料を保存する
• 勘定科目によって損金に算入できる金額が異なる
• 交通系ICカードはチャージ時点で経費計上しない
• まとめ
• 確定申告を簡単に終わらせる方法
• よくある質問

タクシー代の仕訳に用いる勘定科目は以下の通りです。

業務に必要な移動なら旅費交通費、取引先の接待目的なら接待交際費と、タクシーを使った目的にあわせて勘定科目を使い分けます。

業務遂行に必要な移動でタクシーを使った際の、タクシー代の勘定科目は「旅費交通費」を使います。

また、接待を受ける際の移動でタクシーを使った場合も、勘定科目は旅費交通費です。

一方、自身が接待する側でタクシーを使った場合の勘定科目は接待交際費を使うため、注意しましょう。

業務ではなく、接待や慰安などの目的で支払ったタクシー代は、「接待交際費」の勘定科目で仕訳します。

接待を受ける側ではなく、接待する側に該当する際の勘定科目は、接待交際費を使いましょう。

個人事業主も事業目的で使ったタクシー代は、経費に計上できます。

ただし、接待交際費の経費計上は線引きが重要です。接待交際費に該当するタクシー代であっても、事業収益に直接関係しないなら経費計上できません。

経費に計上できるタクシー代が発生した場合は、いつ・何の目的で利用したかを明確に記録しておきましょう。明確な記録が残っていれば、経費計上する際の仕訳を正しく行うために役立ち、税務調査を受ける場合の根拠としても役立ちます。

税務調査に関しては「税務調査される個人事業主の特徴は？3つの対策と対象になったときに取るべき対応を解説」をご覧ください。

企業・個人事業主ともに、プライベートで利用したタクシー代は経費計上できません。

以上の例はプライベートなタクシー利用であり、経費計上はできません。

タクシー代の経費計上は、事業に関連する場合に限られると覚えておきましょう。

旅費交通費、接待交際費それぞれの事例を挙げ、タクシー代の仕訳内容を解説します。支払方法の違いで貸方に使う科目も異なるため、状況にあわせて使い分けましょう。

得意先へ訪問するためにタクシーを利用し、現金で2,000円支払った場合の仕訳は以下の通りです。

得意先への訪問が目的で使用したタクシーであるため、借方の勘定科目は旅費交通費を使用します。

業務で必要な研修を受けるためにタクシー利用も、旅費交通費の勘定科目を使います。

研修を受けるためのタクシー代1,500円を支払う際、会社支給の交通系ICカードを使った場合の仕訳は以下の通りです。

貸方の科目は貯蔵品のほか、仮払金や前払金を使うケースもあります。交通系ICカードへチャージした際、現金から振り替えた勘定科目を使いましょう。

自社の懇親会へ取引先を招くために使ったタクシー代は、接待交際費に仕訳します。

タクシー代が3,000円発生し、タクシーチケットで支払った場合の仕訳は以下の通りです。

タクシー代の支払いにタクシーチケットを使うと、後日代金を請求されるため、貸方の勘定科目には未払金を使用します。

タクシー代の仕訳や経費計上する際には、以下の点に注意しましょう。

以下で詳しく解説します。

経費計上するタクシー代は、何の目的で使い金額はいくら発生したかを明確にするため、根拠資料を保存しましょう。

後日、税務調査を受ける場合、根拠資料が残っていないと経費に認められない恐れがあります。また、目的・金額の明確な資料があれば、仕訳作業をする際にも役立ち、経理業務がスムーズに進められます。

タクシーを利用した際の領収書やクレジットカード・電子マネーの利用履歴・明細などで金額を残し、移動場所や目的も記録しましょう。

経費計上していても、税務上の損金に該当しない場合があり、勘定科目ごとに損金算入できる金額は異なります。

タクシー代に限らず、経費計上する費用の勘定科目は正しく使い分けましょう。

損金に関して詳しく知りたい方は「損金とは？費用・経費との違いから、算入・不算入の事例までわかりやすく解説」をご覧ください。

交通系ICカードはチャージ時点ではなく、交通費で利用した時点で経費計上します。

タクシー代の支払いにも交通系ICカードを使える場合はありますが、全額をタクシー代に使うとは限りません。交通系ICカードは交通費以外の支払いにも利用可能です。

チャージ時点で全額を交通費に計上すると、正確な処理ができないため、利用した時点で計上します。

なお、現金からのチャージ時点では、貯蔵品や仮払金、前払金など、自社で定めた仕訳ルールにあわせた勘定科目を使いましょう。

タクシー代を経費に計上する場合の勘定科目は、タクシーの利用目的によって「旅費交通費」または「接待交際費」を使い分けます。

業務上の移動手段で使ったタクシー代は「旅費交通費」、取引先の接待目的で使ったタクシー代は「接待交際費」です。

個人事業主もタクシー代の経費計上は可能ですが、事業収益に直接関わる場合に限られます。

また、プライベート利用分のタクシー代は、企業・個人事業主ともに経費計上できません。

タクシー代の経費計上は適切な勘定科目を使い、正しく処理しましょう。

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タクシー代の仕訳には「旅費交通費」または「接待交際費」の勘定科目を使います。

タクシー代の仕訳を詳しく知りたい方は「タクシー代の仕訳に使う勘定科目」をご覧ください。

個人事業主でも事業目的で使ったタクシー代は経費計上できます。

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